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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

いっとき俗界を離れ

2008年04月23日 | こんなところ訪ねて
両側に木々が迫り、山の懐に包み込まれるように叡山電車は進んでいく。
叡山電鉄八瀬比叡山口下車。橋を渡り川沿いに歩いて5分ぐらいのところに目的の瑠璃光院はあった。
高野川の上流、勢いある流れの音だけが響きわたる。鶯の声が時折聞こえるが、かき消されそうだ。
人も少なく、澄んだ空気を思い切り吸ってゆっくりゆっくりと楽しんで歩いた。

山門をくぐり玄関へと進むうちに、川の水音もいつか消えていることに気づき、静けさに包まれる。
「どちらからいらしたんですか?」
「静かなだけがとりえですわ。夏は涼しいですよ、その代り冬は寒いですがね」
ゆっくりして行ってくださいと、受付で僧侶の方が声をかけてくださった。

「八瀬」は「矢背」とも記され、壬申の乱で背中に矢傷を負わされた大海人皇子(天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷を癒されてより、平安貴族や武士たちに「やすらぎ」の郷として愛されてきた土地である。
人里離れていそうだが、実のところさほどでもない。

豊な自然に心の浄化を感じ、エネルギーもわいてくるようだ。
しかし、きっとまた心は何かを求めふらっと私をどこかへ誘い出すだろう。


コメント (2)
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