京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

チェロの音色

2008年04月01日 | 日々の暮らしの中で
4月1日、北海道の猛吹雪のニュース。
ここでもさーっと雨が降ったりの寒い日だった。
昼近く買い物に出た。種々値上げの幕開け月だがスーパーは混んでいる。
帰ってからもずっと家に。春、4月というのに。
寒いからじっとしていた!?

読書。
『秋の花火』(文春文庫)篠田節子著
短編集で、タイトルとなった『秋の花火』を読む。

「いつの間にか、人生の夏は駆け抜けていき、ふと秋の気配に気づいた」大学時代からの音楽仲間。「だれ一人、先生のような生き方はしたいとは思っていない」先生の死さえ直感しながらも、私とチェロ奏者とが心を通わせていく。静かな静かな描写の中で。

    チェロ、ファーストヴァイオリン、セカンドヴァイオリン、ヴィオラ
    「旋律が歌い交わされ」「やりとりされていく]
    
    「切り立ったような鋭い三連符を刻み始める」
    
    「太い弦を哀しげに甘く響かせる」
    
    「彼の奏でる哀切な響きが耳によみがえってきた。あの抒情、
     胸を震わせるような哀しみは、チェロの音によるものでも、
     フレージングによるものでもなかった。彼の吐き出した
     波動のようなもの...」

改めてチェロの音色を聴きたくなった。
静かに流れる音楽を背景に読み終わった感じだ。


コメント
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