水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

島根県① 美保神社-2

2017-03-21 | ├ 島根(ひとり旅)

 

美保神社つづき。

 

 

 

 

 

 

神門

この先にある拝殿と同様、檜材・杉板柿葺きの屋根で、昭和3年造営。

 

 

 

連縄の直径は50センチほどある立派なもの。

ちょうど神職さんが通りかかったので少しお話を伺ったところ、
5年に一度ほど張り替えると言うことでした。

 

 

 

 

 

なお、神門右手の入り口には、
今にも動き出しそうな狛さんたちがいます。

 

 

これが、いわゆる「かまえ型(出雲型)」の狛さんなのですねー。

感激。

 

 

神門に下げられた大幣(おおおぬさ/大麻)。

 

 

このようにぶら下がっている姿は、あまり見かけないので新鮮です。

 

 

拝殿

 

 

昭和3年造営。

檜造りで、柿葺きの屋根。

船庫を模した独特な造りだそうで、壁も天井も無いのが特徴です。

独特な構造と周囲の山々により、
優れた音響効果をもたらしているのだとか。

 

 

ぱっと見、私の大好きな切り妻・四方吹き放しの、舞殿タイプ拝殿なのだ。

 

 

 

拝殿前に座する狛さん。

 

 

文政13年(1830年)生まれの、焼き物の狛さんです。

 

 

そういえば、豊田市の灰寶神社にも、こんなかんじの子いたなあ。

あちらと同じく備前焼かな。

 

 

 

とても広くて開放的な拝殿です。

 

 

 

いいなぁ。

この中で一日過ごしてみたい。

 

 

 

 

 

神紋は「二重亀甲に三の字」。

 

 

 

 

中からみる神門。

 

 

この回廊も、神門と同じく昭和3年の造営。

 

 

 

境内に有る、あらゆるものの造形が素敵すぎて、
やっぱりなかなか先へ進めない。

先って言っても、あとは拝殿背後に回るだけなんですけど、
この時点で、神門くぐってから30分が経過。

一の鳥居からだと既に50分経ってます(笑)。

 

 

 

 

 

 

では、あらためて拝殿前から本殿へ。

 

 

 

 

 

はい、こちらが本殿です。

 

 

この本殿は、
大社造りの二殿(「左殿」「右殿」)を、「装束の間(末社3つ)」でつないだ特殊な形式をしており、
美保造(比翼大社造)と呼ばれています。

1813年再建の、国指定重要文化財。

 

 

向かって左側が、「右殿(二御前)」で、御祭神は事代主神。

その右隣にちらっと見えているのが、
向かって右側にある「左殿(大御前)」で、
御祭神は三穂津姫命です。

 

 

 

背後から。

 

 

この「左殿」と「右殿をつなぐ「装束の間」には、以下の末社が鎮座しています。

神役社(御祭神:神屋楯比売命、沼河比売命)
姫子社(御祭神:媛蹈鞴五十鈴媛命、五十鈴依媛命)
大后社(御祭神:稲脊脛命)

 

 

 

さて、御祭神の事代主神と三穂津姫命について。

三穂津姫命と言えば、事代主神の義母ですし、
えびすさんの総本宮を謳っているだけあって、主祭神は事代主さんかなーと思いがちですけど、
どうやらそうでもないかんじ・・。

 

 

まずは御祭神の位置からも、その序列が窺えます。

事代主神右殿(二御前)」、三穂津姫命:「左殿(大御前)」なのですが、
古来、神様から見て左座(参拝者から見ると向かって右)のほうが尊いとされているので、
事代主神(右殿) < 三穂津姫命(左殿)。

さらには、左殿を「大御前」、右殿を「二御前」と呼んでいることからしても、
古くは三穂津姫命がメイン(主祭神)だったんだろうと推測できます。

 

 

実のところ、
『出雲国風土記』によれば、「美保郷」の名は当地に「御穂須須美命」が坐したことに由来するそうで、
元々の地主神・御祭神は、御穂須須美命一柱のみだったと思われます。

※この御穂須須美命(みほすすみのみこと)は、
大穴持命(大国主神)と奴奈宣波比売命(奴奈川姫命)の御子であり、
建御名方神(諏訪神)と同神とする見方もあります。

 

 

古くは御穂須須美命を祀ってたものが、
のちに、中央政権による記紀神話の影響から、御祭神が三穂津姫命&事代主神となり、
さらに時代を経て、事代主神メインな感じになっていった。

こんなところだろうか。

 

 

時の権力者の影響による祭神の変更や同化などは、
古来より明治に至るまで、幾度となく行われてきたことで、
特に珍しくもない。

建御名方神も事代主神も好きだから、個人的にはどっちでもマル。

それでも、
かつて祀られていたのであろう御穂須須美命に思いを馳せると、
何とも言えない気持がこみ上げてくるのでした。

 

 

その3へつづく・・。

 

 

 

 


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