豊田市に鎮座する式内社灰寶神社へお邪魔しました。
各地で梅雨入りしてハッキリしない天気がつづくなか、
貴重な晴天&豊田方面に出向く機会があったので、訪ねてみました。
名鉄三河線の越戸駅より徒歩で7分ほど。
近いですねー。
あっという間につきました。
車の往来激しい153号線沿いには鳥居が二つ。
こちらは左手にある鳥居。
そして右手の鳥居。
灰寶(はいほ)神社って珍しい名前。
どんな意味があるんだろう?
あと、東側にも一つありました。
木陰がそれほど多くないので撮影時は暑さでヘタりそうになりましたが、
境内は明るくて開放的。
神馬さんもいます。
こちらも、鳥居-舞殿形式の拝殿-祭文殿-本殿 という造りですね。
うれしいな
この眺め、どこで見ても良いわー(≧▽≦)
さらに、こちらの神社には、
拝殿と祭文殿のあいだに何と舞殿らしきものがあります。
ちょっと中華チックですが、中央の社殿・・。やっぱこれって舞殿だよね?
大好きな尾張造り&舞殿式拝殿に、プラス舞殿まであるなんて。
めちゃくちゃ好みだわ・・
VIVA!!!灰寶神社
舞殿の手前から境内入口側をのぞむ。
舞殿から祭文殿。
祭文殿
昭和52年うまれ、備前焼の狛さんだそう。
左の吽さんは角アリです。
尻尾は目が回りそうなぐるぐる具合。
いつもよく見る狛さんって、丸っこいというか四角っぽいから、
こういう長身すらっとタイプは新鮮なのだわ。
灰寶神社(灰宝神社)は全越戸の守護神で、その創建は706年とのこと。
御祭神は速邇夜須毘売命(埴安姫命)。
そのむかし、
良質の粘土を求めて越戸港より陶工達が上陸して越人となり、
この地方の開拓にあたったのだそう。
そこから、土をねって(埴安=埴粘=粘土)土器を作った陶芸の神さまということで、
埴安姫が御祭神になっているようです。
埴安姫が御祭神だなんて珍しいなーと思って参拝した次第ですが、
速邇夜須毘売を祖神とする土師部や、須恵器の生産との関連性もあるらしい。
祭文殿の手前から、舞殿 → 拝殿。
もーこの光景なら何時間でも眺めていられるよ・・。
琴線ふれまくり。
手水舎から。
本殿
緑の扉が美しい宝物庫。
御神紋の三つ巴があしらわれています。
帰ってから調べてみたら、これは昭和7年製の鉄筋コンクリート造りで、
太平洋戦争末期の昭和18年には、熱田神宮の国宝や美術品、名古屋城の障壁画など
4,800点弱の宝物類をこの宝物庫に疎開させたのだそうです。
空襲により名古屋城は焼失しましたが、国宝類はこちらのおかげで無事だったとか。
そんな歴史があったなんてびっくりです。
にしても、この鮮やかでありつつ深みのある緑色の扉・・。
さきほどの舞殿の姿といい、この神社は美的センスが素晴らしい。
本殿の右側には境内社が並んでいました。
左から、
御尺口神社
(御祭神:豊受皇大神、あるいは保食大神)
津島神社
(御祭神:建速須佐之男命、大穴牟遅命)
山ノ神神社
(御祭神:大山祇大神)
その奥には産守ノ神社(うぶすのじんじゃ)
(御祭神:産守ノ命、あるいは産生神)
生後110日目に子供を中央の石に立たせて祝うのだそうです。
正面鳥居の左あたりにある秋葉神社。
・・のとなりの二宮金次郎さん。
やっぱ金次郎さんは立って本読んでる姿がいいですよねえ。
ていうか、立ってなきゃ意味ないよね???
近年、「歩きながらの作業は危ない」とか訳わからんクレームで、
座り姿の像が出来ているという・・。
びっくりです。
寝る間も惜しんで勉学に励み、
薪を背負って歩きながら本を読むという事からこの姿になっているのであって、
それを座って読書(仕事の合間に休憩して読書)にしちゃったら、
まるで意義が違ってきてしまうよ。(´・ω・`)
たとえば歩きスマホとかさ、そりゃ確かに危険なことは多いけれど、
「昔は仕事しながら学んだんだよ。歩きながらゲームやスマホしていいって事では無いんだよ。」
って親が言って聞かせりゃ済むことじゃんね・・。
・・と、金次郎さんの後姿を見ながら、思ったのでした。
あまり時間がなかったため40~50分ほどの急ぎ足の滞在でしたが、
こちらの境内で感じたのは、平穏とか平和とか。
なんだかのーんびりしていて良いところですね。
誰でも歓迎してくれる、ふところの広い神社なのかな。
来るもの拒まず!みたいな。
境内の西から東へ、たえず空気が流れているかんじ。
もし悪いモノが来ても、通り過ぎるだけでここには留まらないような、
ついでに厄も災いも、さらーっと洗い流してくれるような有難さを感じました。
御祭神の謂われとはまったく関連性がありませんね(笑)。
そうそう。
あと、神社のテリトリーは、「 境内+神社以北&以東 」 という気がしました。
ちょうど西に隣接する保育園との間にある小川(水路)と、南を走る153号線が境界線で、
そこに壁でもあるかのごとく。
(↓こんな具合に。)
社叢や生い茂る木々がなくても神域ってちゃんと守られてんのね。
なんていうか、この境界線の外は、全く空気が違う。
よく、鳥居をくぐると途端に神聖な雰囲気に包まれて、街中の喧騒を忘れる事がありますが、
それともまたちょっと違うんだよな・・。
神域の中は安全地帯だけど、一歩外に出ると判んないわよ? みたいな。
まあ自分的にそんな気がしただけだから、根拠も深い意味もありません。
豊田にはまだ行きたいところが他にもあるので、
また次の機会にあらためてお邪魔したいです。
青い空と強い日射しで日焼けが大いに気になるところではありますが、
さすがに境内では神さまの前で日傘をさすわけにいかず、
かと言ってもちろん帽子を被るわけにもいかず・・。
今後、炎天下での真夏の神社めぐりをどう乗り越えようかが課題となりました。
ところで、寺社めぐりをしている女性の皆様はどうしていらっしゃるのかしら・・
とりあえず日焼け止め塗りたくりで乗り越えるしかないのか。
う~ん・・(´-ω-`)