岡山旅ラスト。
旧社地である本宮(奥の院)に参拝するため、
境内背後の大松山山頂(標高約250m)へ。
境内左手から、山道を500メートルほど登ります。
最初は舗装された道ですが、
次第に山っぽくなってきます。
それでも所々に石段(っぽいもの)などが設けてあるので、
足元さえ気をつければ、余裕で登れると思います。
途中で現れた、「命さまの磐」の看板。
背後のこの磐のことなのか、
頂上の磐座のことなのかは不明。
地面に木の根っこがウネウネし始めたら、山頂が近いことが多い。
(※地中に固い岩盤があるため中に根を下ろせず、岩の表面を這うように延びていく。)
案の定、鳥居にとうちゃく。
ここまで、ゆっくり歩いて5分ほどでした。
看板には、「迫龍の段段」としてあり、
本宮まで長い石段が続いています。
上から見たところ。
本宮(奥の院)
今立っていたのがこのスペースなのですが、
実はかつて、ここに拝殿があったのです。
寛文9年当時の絵。
本殿・幣殿・拝殿・神楽殿があったことがわかります。
イメージ的には、
こんなかんじかな?
1669年に岡山藩主池田公が本宮を復興。
1710年には、ここに拝殿や神楽殿も造営されますが、
明治期の大火でこれら社殿が消失したため、
大正になって中腹の現在地に再建されました。
この光景からは想像できないけれど、
過去の姿を思い描くと、思わず涙が出そうになります。
社殿背後には、結界された磐座。
磐座は石上布都魂神社のご神体とされており、
禁足地となっています。
手の届く範囲でそっと触れるだけですけど、
温かいんですよね。とても。
木々に囲まれてあまり陽は当たらないのに、あったかい。
社殿・巨樹・磐座マニアなんで、この図だけでもう十分幸せなんだけど、
ここに立つと、全身がふんわりと幸福感で包まれる。
体が地面とつながるというか、瞬間的に山と同化するような感覚。
そして力が足裏から入ってきて、一直線に頭上へ抜けてから、
繭のように全身を包むかんじ。
保護され、護られる安心感がすごい。
山頂の空気は、奈良の三輪山ととてもよく似ているけれど、
あちらは、入った力がしばらく体内に留まったあと、
全身から四方八方に放出されるみたいな。
解放とか清浄化というキーワードが浮かぶ。
おなじ磐境でも、色々あるんだなーとしみじみ思いました。
ともかく、想像以上に素晴らしいところで、
下手したらここで一晩過ごせる、いや過ごしたいと本気で思いました。
あぁ、やばい。ほんと帰りたくない(笑)。
そんなわけで、
結局、当初の予定である10分程度を大幅に超え、
30分(15:45~16:15)も滞在してしまいました。
帰りの電車時刻を考えて、
時間に余裕をもって下山するつもりだったのに、
途中でハッと我に返り、山頂でタクシーを呼んだのは16:05。
神社までは15分~20分かかるとのこと。
ちなみに、
帰りの電車(金川 → 岡山)が16:40で、次発は17:36。
確か、
行きは道が混んでたから20分かかったよなー。
帰りもそうだったら間に合わないわー。
やばいじゃん。
自分。なにやってんのwww
岡山 → 名古屋の新幹線は、EXカードで予約変更できるから、
1時間ちょっと遅くなるだけで名古屋には帰れますが、
さすがに駅でぼーっと1時間以上待つというのも・・。
で、その後、15分きっかりで迎えに来てくれたタクシーに乗り、
顔を引きつらせながら、「40分の電車なんですー(涙)」と告げる。
そんな私に、
安全運転・法定速度遵守、かつ、
素晴らしいドライビングテクニックで応えて下さった運転手さんのおかげで、
16:36には駅へ到着し、無事に16:40に乗車。
予定通り名古屋へ帰ることができました。
ありがたや~。
ああ、前にも一度こんな「ギリセーフ」な出来事あったなあ。
あれは物部神社(島根県大田市)の帰りだったっけ。
やっぱ物部関係は優しいわ。(←物部氏・尾張氏好き。)
かくして、今回も無事に楽しく参拝することができました。
吉備津の神さん、温羅さん、そして物部の神々。
幸せな一日をありがとうございました。
またおじゃまします。