大変お世話になっていますお施主様よりご相談頂きまして、お孫さんが宮大工になりたいと・・・
まだ大学生ですが、そのインターンでどこか迎えて頂けそうな方はおいでではないだろうか・・・?
なかなかシビれるお願いでしたが、こちらもずいぶんお世話になっている頼れる職人さんのお力添えで
先日1週間ほど、なかなか体験できない現場を体験してもらいました。
横浜のとある場所で、築100年以上の古民家をほぼスケルトン(柱・梁の骨状態)にしての改修工事です。
建物は大きく沈下しており、傾きもあり、場所も少し良くないとの事で・・・
沈下してる部分を持ち上げて水平にして、傾いているのを起こして、建物全体を移動する・・・。
曳家工事と言われる技をほぼ1つの現場で行うまさに「フルコース!」
柱も30本以上途中で継いだり、入れ替えたりと大工工事もなかなか盛りだくさんです。
伝統工法の古民家はほぼ土壁です、太い柱・梁と土壁で大きな屋根を、全体の構造を支えています
スケルトン状態で、しかも建物を持ち上げている状態の時に地震が起きたらどうでしょう・・・。
あっという間につぶれてしまいそうですが、そこは信頼できる曳家さん・・・無駄・心配性と言われるくらい
慎重でかつ大胆でその他の職人さんの作業の段取りまで考え、補修後のメンテナンスまで気にしての
仕事内容はとても参考になり自分の戒めになる思いです。
そこに入っている大工さんも普段はお寺などの仕事に携わる宮大工です・・・。
職人の厳しい世界をほんの少し感じられるお話をいつもお話しして頂いていますが、若い時の下積みを
いかに努力して出来るかだと思いました。
今回のインターンの学生さんは女の子です、差別する訳ではありませんが、まだまだ男の世界で
女性進出が多くなって来てはいますが宮大工さんで女性は難しい世界だそうです。
これからますます「職人」と言える人達が少なくなり、若い職人が育ちにくい社会です。
国の取り組みで伝統的建物を残す、日本文化を次の世代に残す・・、そんな取組が少しづつ動いていますが。
実際の現場に効果のある取り組みが具体的に出来るような仕組み、本来の日本の生活とはどのような住まい方なのか?
多くの方に知ってもらう事が出来ればと思います。(ちなみに、古民家のお施主様のご主人様はドイツの方です・・・
本質を教えてくれるのは他の文化の人なのでしょうか?)
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