いまあるべき古民家

古くからある物を大切に、今あるべき事を取り入れて・・・。

その後

2017-06-20 21:57:21 | 日記

 曳家・・・家を移動するだけでは無くて、地盤沈下で建物の一部が下がった部分を持ち上げて水平に戻したり

傾いた建物をまっすぐに戻したりと見た事も無い技術がまだまだたくさんあります。

前回お手伝いした後、工事は順調に進んでいたようで、柱をつかんで建物を持ち上げた状態を見させて頂きました。

前回の写真で見て頂いたように土台の腐食被害が大きいので土台を撤去して、コンクリートの独立基礎を造り

そこに柱を鎮座させる予定になるそうです。

床下に潜らせたらスペシャリストのIさん・・・の作業を始めて見させて頂き・・・

年季の入った協力な新人助っ人、繊細な壊し屋Mさんは穏やかな中にも一本芯が通った方のように見受けられました・・・

今回も自分の要領を得ない無理な質問にも誠実に答えて頂いた「曳家岡本」代表に感謝です・・・。

お施主様は今の土地を購入する際、この築100年ほどの古民家はおまけのような物と言われたそうですが

こうして手をかけて、「終」の住みかと思っておられるのだと思います・・・

現代の建物は高気密高断熱、エネルギーを極力使わない、環境や体にやさしい建物ではいけないそうです・・・。

多くの方がそんな住まい方を望んでいると思います・・・が・・・自然な暮らしを望んで移住してくる方も少なからず

いると言う現実もあります。

これが正解とは言えませんが、安全・安心で・家族が楽しく暮らせる住まいが「良い住まい」だと思います。

10人いれば10通りの考え方があるように、その要望に少しでも答えられる知識と・技術を磨いて、それをかたちにして頂ける

仲間たちと出会えるような自分でいられたらいいなと思います。

 

添え木(枕木で施工している)をして柱をはさんで、厚い鉄板をボルトで締めてジャッキで持ち上げる・・・

手前の赤いジャッキは油圧ジャッキ・奥の黒っぽいのはジャーナルジャッキ。

完全に柱が浮いています、ジャッキセットして、少し上げるのを手伝いましたが以外に簡単に上がります・・・が

鉄骨や枕木の準備、設置するまでの準備が大変で重要なのです・・・

田の字型(少しずれていますが)の和室に土間・・・竈(かまど)がほしくなりますね~。


お手伝い

2017-06-04 21:33:59 | 日記

 千葉県の片田舎(けっして千葉を田舎だと言っている訳ではございません・・)築100年の古民家

改修の見学とお手伝いに行ってまいりました。

沈下と傾きがあるようで「石場建て」と言う昔ながらの造りで、鉄筋の入った今時のコンクリート基礎では無く・・・

石の上に柱を直接乗せる工法です、今回の建物はその石の上にはまず土台が敷いてあり、その上に柱が建っている

造りでした。

地盤も調査したら少し軟弱地盤だそうで、地盤改良を行い。

ベースとなる束石(今回はコンクリートで行うそうです)もやり替え、一般的な石場建てに戻すそうです。

解体していると根太?(大引き?)材に古材が使われていたり、囲炉裏のあったような跡も出てきたりと

昔の造りやどんな手直しがされてきたかが解って良い勉強になりました。

今の建築もそうですが、図面や参考書など100冊読で話を200回聞くより

1回の現場を経験することが一番の勉強になるとつくづく思います。

お手伝いの後、現場近くの古くから友人の工務店に行っていろいろおしゃべりしてきました。

千葉の片田舎で・・・(もう一度言いますが千葉を田舎だとはいっていませんので・・・)

最近の建築業界の断熱施工の最先端をリードしている方々と肩を並べるほどの工務店の社長とは思えない

風貌と佇まいの旧友ですが、いつもたくさんの刺激を受ける大切な時間でした。

一方は古くからの造りを残そうとする伝統的な考え方・・・。

一方は時代の流れに乗った高気密高断熱の最先端の考え方・・・。

不易流行(いつまでも変化しない本質を忘れずに・新しいものも取り入れる考え方)以前も書きましたが・・・

そんな言葉を体験できた1日となった気がしました。