いまあるべき古民家

古くからある物を大切に、今あるべき事を取り入れて・・・。

完成

2014-12-27 22:10:53 | 日記
12月初めには完成予定の「納屋」リフォームがようやく完成です。

外装だけの手直しでしたが下屋根の造作もあって予定より3週間遅れ・・・。

90年前の納屋で、瓦屋根で・・・元の瓦屋根にしたかったのですが

耐震、予算などの関係でガルバリウム鋼板(断熱材入り)の屋根に変更になりました。

外壁は漆喰壁でしたが、竹小舞・土壁からやり直すと3か月ほどかかるので

時間的余裕、予算の問題でこれも断念・・・・。

杉板 下見張り(鎧張り)になりました。(縁あって天竜杉を使用)

町屋だか京屋だか納屋だか解らなくなってしまいましたが

なんとか形にはなりました。

昔の瓦屋根の下は、・丸太を割いた不揃いな板を張り(その下地に垂木なども有りますが・・)
 
         ・藁などが入った土を敷き(細い桟木を取り付ける場合も・・・)
 
         ・瓦をその上に載せて敷き並べる・・・。

今の施工のように釘で止めたりしないのは、構造が伝統工法で揺れるく構造なので

地震で頭でっかちの瓦屋根の建物が揺れた時に、ある程度揺れが大きくなって

限界が来ると、瓦が落ちて建物の揺れを調整、倒壊を防ぐ・・・・

先人の知恵ですね。

石場建て(コンクリートの基礎と土台が無く、自然石の上に柱を載せて基礎とする工法)

も揺れる事で力を逃がしてもし石から柱がずれても建物が倒壊しなければ元に戻せる・・・。

いかに壊さない、壊れないように頑丈な「箱」を作る か?

柔軟な「入れ物」を造るか?

数値化出来ない経験や勘に頼った工法より、標準的施工手順で平均的な建物が出来る工法が

国の基準となっています。

今回の「納屋」改修は屋根の重量を軽くした事だけでも地震被害の対策にはなったと思いますが

本来の再生とは少し違います・・・。 が

ほぼ解体される運命の「納屋」がこれからまた90年活かされる事を願って

来年、外構の工事で最終完成となりますので、またご報告いたします。





お仕事

2014-12-18 17:43:22 | 日記
今回からは少し仕事のご報告を・・・

千葉県で薬局の内装改修依頼でした。

打ち合わせの予定日が今年数回あった大雪の日と重なり、我が社社長の四輪駆動車で

約束通り駆けつけ、お施主様がとても驚いたご様子だったそうです。

その後打ち合わせを重ねご契約頂きましたが・・・

今までの薬局には無い雰囲気をご希望でしたので

①無垢の板で一部壁を張る事による演出

②エステコーナーを落ち着いた雰囲気にする為、腰壁、床をフローリング調の仕上げに(一部タイル張り)

③トイレ、手洗いを広く、明るい感じに・・・

④什器を内装に合わせ木質感のある品物に取り換え。

お客様に気軽にご来店頂き、リラックスしてもらえる空間として

とてもご満足いただけたのではないかと思います。

清潔感のある空間に薬や日用品が並ぶだけの、これぞ薬局!

と言うお店では無く、雑貨屋さんのような雰囲気・・・。

一部間仕切り壁を造り店舗側がせまくなったのですが

「以前より広くなったんじゃない?」

と言って頂く方も多いそうです。

いろんな業界には業界のルールなり、決まりごとはたくさんあると思いますが

その中でも人が安らげる部分で変化させてよい所はあると思います。

入れ物をどんなに立派にしても最終的には「人」です。

自分以外の人にどれだけ優しく、親身になれるか・・・

それが自然にできてる人や、感じられる場所に人は集まるのかな?

と思います。

今回ご依頼いただいたお施主様、貴重な体験が出来たお仕事でした、ありがとうございます。


観光地

2014-12-07 20:01:07 | 日記
知り合いの自宅は普通の人は気にしないだろう

解りやすく言えば「マニアック」な家である(自分がそう思うだけかも・・・)

8年ほど前、上棟したばかりにお邪魔したのですが、その後

完成を見て無く・・・近くに行く事はあったのですが、お宅訪問とはなりませんでした。

今回、時間も出来たのと、諸事情で数人で押し掛けることになりました。

しかし今回はその内容では無く、訪問した後、回り道で寄ってみた「養老渓谷」の事です・・・

紅葉時期とはいえ夕闇せまる少し前、なんて事無い狭い道のり・・・

しかも平日・・・見に行く人も まばら だろうと思っていましたが・・・

滝を眺めるビューポイントで車を止めていると、大型バスが次々と・・・・

小雨も降る中かなりなの人が殺到していました。

バスも道路脇に止まり観光客を降ろすとそのまま動かず・・・なにか

大変な事になりそうな予感・・・。

すでに時は遅し・・・・大渋滞です。

一本道で、大型バスが擦れ違う事が出来る道幅でもなく・・・誘導員も一人で右往左往。

駐車場まで戻る人ごみも影響して・・・結局そこを抜けるのに40分はかかりました。

世界遺産に登録されたり、N-Kのドラマの舞台になったり・・・

TVで話題になると大変な事になる と聞きます。

地元観光協会的には良いのかもしれませんが、一部のマナーの悪い方々が逆に地元の生活に

悪い影響を与えたり、一時だけの話題で継続的な町おこしにはならないなど・・・

良く言われますが「一度は行ってみたい、見てみたい」では無く

「もう一回行ってみたい」と思われる事が大切。

それがむつかしいとは思うのですが・・・・・。

養老渓谷になにがあったか?結局解りませんでした。でも

素晴らしい景色よりも、大渋滞のバタバタが思い出に残るようでは

もう一回見てみようとは思わないのでは・・・?(あくまでも個人的な感想です)

知り合いの自宅・・・もう一回見てみよう、行ってみよう と思いましたよ。



養老渓谷駅の電車・・・駅舎のクリスマスライトアップが素朴で良かったです

マニアの間では聖地らしいのですが、改札の中まで入らして頂き写真撮りました。