ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

異端の鳥。

2021-02-09 16:27:06 | 映画
本日はお肉の日(2月9日だから)ということなので
朝からスーパーへ行ってきました。
豚肉を中心にお肉の買いだめです。
何しろ、全ての豚肉がグラム98円でしたからね。
生姜焼き用、しゃぶしゃぶ用、バラ肉も。
あとは、牛バラ肉の大盛も。
カレーの時は、これが美味しいと思う我が家です。
大量のひき肉も買ったので、明日は頑張って調理しなければ。

その後は、12時から映画を見てきました。
「異端の鳥」3時間。
う~ん、3時間ということで途中飽きたらどうしよう…とか心配したのですが
飽きることはなくて。
賛否両論ある映画なので、私はどう感じるのかな、と。

まず、感想の前に。
残酷なシーンがね・・・多々あるのですよ。
冒頭から私は、のけぞりましたよ。。
私が残酷だと思うのは、人間に対する暴力よりも
動物への理不尽な暴力です。
外国映画には(ヨーロッパの映画)多いのですが
動物への残酷なシーンは、やっぱり苦手ですし
私の場合は結構長く忘れられないので、この映画もきっと長く忘れられないでしょう。。
映画に必要なのかな・・・
とか、思ってしまうのですよね。
必要かな…やっぱり必要なのかな。。
私には答えが出ませんが。

物語は、ナチスの迫害を逃れて多分東欧の親戚に疎開した少年が
理不尽だらけの世界を生き抜く物語です。
もう、本当に理不尽極まりない。
疎開先のおばさんが突然病で亡くなり
その時に火事にもなって、
たった一人残された少年。
それから家に帰るべく放浪するのですが
出会う大人、出会う村の人・・・もう全てがあり得ない!と思うほど
彼を虐め、侮蔑し、忌み嫌い、暴力を振るいます。
一体、こんな社会ってあるの?と思いますが
戦争中であること、出会う人々全てが貧しいこと、広い世界を知らない事、
そして彼がユダヤ人ということで
実際にこのような出来事はそこかしこであったのでしょう。
時折、ほんの時折、彼の味方になってくれるのかな、
と思う人が現れても
すぐに邪魔が入り、また彼は暴力の嵐に巻き込まれる。
理不尽な世界を、彼はほぼ無言で生き延びます。
最後に彼を人として扱ってくれたのが
ソビエト軍の軍人というのが、なんというか・・・皮肉に見えます。
でも、私の考えですが
やはり人は、あまりに貧しく追い詰められた生活をしていると
異物を徹底的に排除したり、または暴力で支配するようになるのかもしれません。
軍人は、ある程度の生活を保障されているので
他者である彼を受け入れることができたのかもしれない。
そう思うと、やはり貧困というのは
ものすごく怖いことなんだなと感じました。

彼は理不尽な暴力にさらされて、日々生き抜く訳ですが
時間が経つ間に、彼が暴力を振るうシーンが出てきます。
弱者であったものが、ずっと弱者でいるのではなく
自分がされた通りに、他者に関わっていくのです。
これも怖いですね。
暴力の連鎖。支配の連鎖。

人間って、これほどに異物を排除するのでしょうか。
するのでしょうね。
自分に余裕がなければ、異物は怖い存在でしかないですから。
今自分が生きている社会を見ても
他者を受け入れていくことの難しさは
そこかしこにあります。
目下問題になっている、森さんの発言もそうですよね。
女性蔑視を自分がしている自覚すらない。
だって、誰だって本音はそうおもってるでしょ?
私、ちょっと面白く、皆の代弁をしただけでしょ?
そう思っているのでしょうね。
自分の考えの根っこが、そもそも理解できていません。
昔なら、女性を排除して終わり、が出来た訳ですからね。
そう考えると、少しは世界は進歩したのか。。。

でも今、コロナで世界の不平等がクリアになってきていますね。
その最たるものが、富裕層のワクチンツァー。
600万円近くかけて、ワクチンを打ちに来るそうな。
600万なんて痛くも痒くもないのでしょうね。
世界が知恵を出して、WHOを作ってみたって
現実はこうなんですよね。
他者を排除することなんて、自分が生き残るためならなんとも思わない。
貧困なんて放置しても構わない。
でも、貧困は怖い。
他者を労われない社会がどんなに恐ろしいか。
それをこの映画で強く感じました。
怖いです。人間は怖い。

老婆心ですが。
この映画の主人公を演じた少年は、2年かけて撮影したそうです。
力強い瞳が印象的な彼ですが
余りに過酷なシーンの連続で、彼自身のメンタルは大丈夫だったのでしょうか。
どうか十分なケアを受けていて欲しいです。
十分トラウマになるようなシーンばかりでしたから。
映画のためとはいえ、彼が経験したことは
本来ならば全く経験しなくてもいいことばかりです。
どうか、彼が今後健やかに成長されることを
願っています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久しぶりのミシン。 | トップ | 間に人をいれないこと。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事