ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

暖かい「そしてバトンは渡された」

2021-11-09 12:36:54 | 映画
昨日から夫は一人旅に出ています。
大好きな奈良・京都巡りだそうです。
コロナが一休みしている今、日本人観光客は多いでしょうが
外国人観光客はいないでしょうから
少しはゆっくり観光できるかしらん。

さて、先週みた映画の感想など。
「そしてバトンは渡された」
瀬尾まいこさんの小説の映画です。

私は瀬尾まいこさんの作品が好きです。
どの小説も、日常を描いているのに
読み終えるとほんわかと暖かい気持ちになれるからです。
特に、この小説は深く感動しました。
バトンって一体なんだろう??と思いながら読み
奔放な母親に呆れながら読み
最後に、人はこんな風に優しく生きていけるのだと涙が出ました。
小説を読んで感動したからこそ
その世界を映像で見るのは、ちょっと怖い気持ちもありました。
自分勝手に思う世界と違っていたら・・・と不安もありました。

でも、とても良い映画でした。
途中から、涙・涙・涙・・・でした。
「笑顔でいるとラッキーが寄ってくるんだよ」と教えられ
いつも笑顔を絶やさずに生きる優子。
どうしてそんなに頑張れるのかな・・・と
私は不思議でした。
だって、いくら大好きなお母さんの教えだとしても
もっと理不尽さに怒ったり拗ねたり反発したりするでしょう。
見終わった後もずっと考えました。
そして、今の時点で私が出した答えは。。
優子は、いつも自分の気持ちをきちんと口に出して言えていました。
お父さんと離れた時は、淋しいと。いつ逢えるの?と。
ピアノに感動した時は、ピアノを弾いてみたいと。
お母さんと離れた時も、きちんと淋しいと言いました。
そして、優子を守ってくれた大人たちは、
その気持ちにきちんと向き合ってくれた。
決して、優子の気持ちを否定せずに、彼女の気持ちに寄り添ってくれた。
誰もが。
だから、優子は安心して、自分の気持ちを口に出せたのでしょう。
そして、大人がきちんと寄り添ってくれたことで
状況は必ずしも良くならなくても、優子なりに納得して前を向くことが出来た。
その積み重ねが、彼女を支え、頑張れる人を作ったのだと思いました。

私は親として、全然ダメだったなと改めて思いました。
長らく、「気持ちに寄り添う」ことが出来ませんでした。
子供の言うことは真剣に聞いたつもりですが
いつも、何かしら答えを見つけなければ、良い方向を探さなければと
思って行動していました。
でも、多分、子供が欲していたのはそれではなかったと思います。
ただ、一緒に同じ気持ちになって欲しかっただけ。
同じ言葉を繰り返すだけで良かったのだと、今更ながら思います。
60歳を超えて初めて理解するのは遅すぎるけれど
でも、知らないままよりは良かった。

主役の永野芽郁さんも、優子にぴったりでした。
特に声。
可愛らしい声が、本当に良かったです。
子役の方も、とても合っていましたね。
田中圭さんは、ちょっとオーバーアクションだったかな。。
衣装も印象に残りました。
基本、綺麗な赤です。
ポイントでグリーンが入るかな。
これは多分、本の表紙と合わせたのでしょうね。
でも、永野さんはとても赤が似合っていて、可愛かったです。

優子という一人の子供を、皆が大切に育てた物語。
優しく寄り添ってくれる大人に囲まれて
優子はのびのび育つことができたし
また、優子の存在で生きることが出来た大人たち。
観客の私にも、人が生きることの暖かさが十分に伝わってきた映画でした。
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