ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

「猿楽町で逢いましょう」

2021-08-03 11:00:49 | 映画
先日、久しぶりに映画を見ました。
田舎の映画館、しかもハリウッド大作でもないので
お客さんは一桁でした。
コロナ的には安心。

観たのは「猿楽町で逢いましょう」
渋谷近くの地名ですね。
ボーイミーツガール、な映画かと思って観たのですが
なかなか、面白かったです。
というか、鑑賞後、私は少しばかり腹がたったのですが
それで良かったのかな・・・と今も考えています。

カメラマンとして独立したばかりの青年・小山田と
女優?を目指している田中ユカとの物語です。
田中ユカのプロフィール撮影をする小山田。
若くて、夢があるけど、現実はなかなか厳しい二人です。
小山田はユカに惹かれて、付き合いたいのだけれど
何かユカには秘密がある様子。。。
それでも、恋人同士になれて
小山田はユカの日常を写真に撮ってゆきます。
何気ないユカの表情。
やがて、その写真が認められて賞も取ります。

さて、ここでちょっと時間が遡ります。
ユカは、新潟から夜行バスで上京しました。
田舎にずっと居るのはイヤだった。
ちょっと可愛いし、きっと地元ではそこそこ目立ってはいたのでしょう。
タレントスクールに通い、オーディションを受ける日々ですが
その授業料が90万円近い。
ユカは、自分は特待生として入学したから授業料はタダだと言うけれど
学校側は、無料なのは入学金だけだから、と
授業料を分割で支払うことになります。
でも、払えない。
そこで、学校の友人の紹介で風俗のお店で働くようになります。
(古着屋さんでもバイトしていますが、足りないので)
そして、ここでユカの秘密もわかってきます。
彼女は、上京する際に同じバスに乗っていた男性
(こちらは、一応ちゃんと仕事をしている人です)
の部屋で同棲していたのですよね。
そんな中、知り合ったのが小山田、という訳です。

でも、同棲中だった男性とも別れて
(そもそも、恋人として男性が認識していたかも不明な関係ですけれど)
小山田と付き合うようになります。
しばらくは、夢にむかって、お互い努力する日々が続き
それはそれで幸せな時間でしたが。

ユカに風俗のお店を紹介した友人は、
オーディションに合格し、確実にタレントとして活躍し始めます。
が、ユカには、なかなかそのチャンスが訪れない。
そして小山田は、ユカの写真を足掛かりに、着実に階段を上っていく。。。
なのに自分は、まだ、風俗も止められない。
仕事にも恵まれない。
初めに同棲した男性との関係も、ダラダラと続けてしまう。
(ユカの方から連絡を取っての関係です)
そしてある夜、その浮気現場を見られて
小山田との関係も終わります。

う~む。
ユカさんね。。。
いつも可哀そうな被害者ツラしています。
確かに、カツカツの経済状態で授業料という借金を背負い
風俗で働くのは大変で可哀そうです。
が。
そもそも、住む家や学校の実態もよく調べずに、
そしてどうやって生活していくかも考えずに
ぼんやりとした自分の夢(この場合は憧れか・・)だけを胸に
上京するって、一体何を考えているのでしょうか。
ちょっと可愛い。若い。女性である。
これだけで、とりあえずは食べていけることが
怖いです。

と考えると、これは「女性の貧困」を描いたものなのか。。
いやいや、やはりあまりに無計画なことが根底にはある、
と私は思ってしまうのだけれど
それは一部の無理解な者の考え方なのか。
いやいや、一度、負のループに入ってしまうと
なかなか軌道修正は難しいですよ、という話なのか。

初めは同じように、夢を語る小山田が
努力を重ねて
(撮りたくない仕事もこなし、売れてからもボロアパートで暮らして)
着実に階段を上る姿と、あまりに対照的です。

ちょっと可愛い。若い。
地元ではそこそこ評判・・・
私は容姿には全然自信がなくて、それこそ対照的な若者だったので
華やかな世界など憧れたこともありませんが。
それで良かったのかな。
無理な夢は見なくて済みましたからね。
ユカが、授業料のことで親を頼ることをしていなかったし
他のセリフ「大きな声を出さないで」とかから
家庭に問題があるのかな、とも思いました。
だから、憧れだけで家を出たのかもしれません。
居場所がなかったのかな。。。
そう考えると、私のように「よく考えろ」なんていう意見は
厳しいですね。。

若くてちょっと可愛いから、手を差し伸べてくれる男性はいる。
そこに甘えて、自分の夢を追うのだけれど
立ち位置が不安定だから、やがて心も不安定になって
男性に依存すると
男性は、そんなつもりじゃない、とスルリと去っていく。
お金のことや、いつまでもチャンスが来ない未来への不安も
正直に話せる相手がいれば
それなりに解決が見えたり、落ち着いたりするかもしれないのに
それが出来ない。
う~む。
正に漂うように生きているユカには
しっかりしろ!と喝も入れたくなったし
この先、誰か、心を開ける人に出会えることを祈る気持ちになったりしたのでした。


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