雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

ずっと勘違いしてました。(canonDPPと適正露光)

2017年02月27日 | 天体写真よろず話
雪国越後でも いつか撮影できる夜も訪れるだろうと、
わたしの自宅撮影(庭撮り)における課題について考えていました。
前回記事 では到達した現在のオートガイド精度から
長焦点でどの程度の露出時間まで可能か、という検証を行いました。

今回は自宅撮影でのもう一方の制約、
住宅地の 明るい空でどこまで露光量を与えられるのか?
について検討してみました。
そのなかで適正な露光量について、ずっと思い違いをしていたことがわかりました。

撮影DATA: 2017/2/5 23時頃 VC200L+Red(f1278mm F6.4) 15分露光 ISO 2500
上の図は前々回記事 に掲載したやまねこ座の惑星星雲撮影時のcanon D.P.P(Digital Photo Professional)です。
撮影時の空の明るさにより露光時間とISO感度を選んでいるのですが、
その時に参考にするのが、canon DPPの ヒストグラム(上図の左側のグラフ)です。
これまでのわたしの考え方は、ヒストグラム内のピークは背景レベルを表しており
右側によりすぎるていると 画像処理をしても まともな画にならない
というものでした。
その意味ではこの夜は月明かりと薄雲で空が明るく、背景のピークが全体の3/4くらいのレベルに達しており、
明らかな露光オーバーだと思ったのですが、星雲自体が淡いためそのまま15分露光としました。
結果は前々回記事を見てわかるとおり、これでもっと枚数を撮れればなんとか画になるということ。

一体適正な露光量とはなんなのか?
手持ちの「冷却CCDカメラ テクニック講座 岡野邦彦著」 にこんな記述がありました。
CCDピクセル飽和レベルの1/4を超えない露出に抑えておくことをお勧めしたい

冷却CCDとデジカメの違いはあったとしても もっともな話です。
背景が全体の3/4のレベルにも達しているものが画になる訳が無い!
何かが変だ!

DPPのツールパレットの「RAW」タブをよく見てみました。
これまでは 「RAW画像で撮影しているのだから、カメラ設定は関係ない 」 と思っていました。
しかし、「ホワイトバランス」や「ピクチャースタイル」にカメラ設定が反映されています。
それに対応したトーンカーブのようなものも。
リニア』 という個所を見つけてチェックを入れてみると・・
なんじゃ こりゃあ !!

背景レベルが一気に1/4以下になりました。
これまでずっとわたしが見てきたものは、カメラ設定を反映した後のものでした。

たしかにDPPは、RAWで記録された生データをカメラ設定(DPPで変更も可能)をもとに
一般にみる事のできる画像に『現像』して保存することが主要な仕事なのかも知れません。

天体写真を再開してからずっと〇年間もこのことに気が付きませんでした。
( ステライメージでの処理時に気が付きそうなものだが・・)

それでこれからどうするの ですが、
冷却CCD(16bit)で1/4以下なら、わたしの冷却デジカメ(14bit) ではどうなるのか?
わからないので、実際の撮影結果で検証していく事とします。
そのポイントとしては・・
① 撮影時はDPPの「リニア」で背景レベルを評価。
( これまで露光オーバーと思っていたものも「リニア」ではすべて1/4以下でした )
② 処理後に星の色が飽和していないかを持って適正露光を判断

嘘かほんとか、今夜は朝まで晴れるとの事。
さっそく今までより露光量多めで検証してみます。

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この日曜日(26日)市民プラザ会議室で第4回画像処理勉強会がありました。
参加者5名ですが、雲上(くもがみ)はこの撮影のため写っておりません
最終回の今回はレジスタックス6による月面処理と、フリーディスカッション。
1月、2月と星が見れない時期に、楽しい時間が過ごせました。
今夜は晴れるという事で設営したのですが
20時現在 星は見えず、大丈夫でしょうか。

雲上くもがみ
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6 コメント

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Unknown (びっけパパ)
2017-02-28 08:20:29
雲上さんでもこのような失敗があるのですね。
実際には試してみてとのことで、そろそろ結果も出ているのかもしれませんが、一気に露光時間が伸ばせた予感。
今後が楽しみです。
私はカメラのビューに表示される情報で大体決めているのですが、それこそカメラ設定なんでしょう。。。
ま、そもそも長い時間開けていられるような赤道儀ではないので、あまり気にしていません(笑)
返信する
設営は早かったけど・・ (雲上(くもがみ))
2017-02-28 10:44:02
びっけパパさん おはようございます。
最近になって撮影直後の画像をDPPで見れるようになったのですが、
その表示されるヒストグラムや画像がカメラ設定を反映したものだとはまだ気が付きませんでした。(ほんとに)

結局昨夜は明るい内に設営したのですが、北極星が見えたのは23時ころ。
それからあわてて極軸設定やら自動導入やら大忙し。
やけに撮影画像の星が流れるなぁ と思ったら
バランスウェイトの調整を忘れていたことに気がつきました。(笑)
VC200L+Red(f1278mmF6.4)でISO3200の20分露光だったのですが、
もっと露光を増やしてもいいみたいです。
返信する
Unknown (テナー)
2017-02-28 11:53:47
こんにちは
勘違いというよりも思い込みなんでしょうね。
私はPCを使わない撮影なのでヒストグラムはカメラモニターが頼り。
DPPは仕上がり状態をヒストグラムでチェックするぐらいです。
まぁこれで長距離砲VC2000Lの露光時間が大幅に伸びるんでしょうね。
越後の夜空も雲解けが近づいてきているので作品が楽しみです。
返信する
やはり庭撮りの弊害が・・ (雲上(くもがみ))
2017-02-28 16:47:19
テナーさん こんにちは。
ステライメージでのレベル調整作業を考えれば
背景レベルがそんな高いわけがない事に気づきそうなのですが・・
まさに思い込みですね。
昨夜撮った画像処理をやってみたのですが、
確かに背景レベルは余裕なのですが、星の色が飽和する他に
背景カブリが目立ったリで、やはり自宅撮りの弊害が出てくることがわかりました。
予想外に今夜も晴れそうなのでまた早めに設営しておきます。
返信する
うおおぉおおお!なるほどぉおおお! (ユーノス)
2017-05-08 21:52:26
フラットについて調べているうちにこのブログにたどり着きました。一通り読み、最近の記事でこちらの記事が私も前々から気になっていたことだったので読ませていただき…びっくりしました。
現場でDPPで画像を確認するとなかなか明るく撮れてしまうなぁ、でも処理し始めると暗い、なんじゃこれ、と心の中でいつも引っ掛かっていました。まさにその答えが!!
天体写真を始めて4年、自分も今気付かせていただきました。ありがとうございます。これからはリニアのチェックの確認、忘れずに臨みます。
返信する
最近はもっぱら露光オーバー気味(?) (雲上(くもがみ))
2017-05-08 23:26:32
ユーノスさん こんばんは。
わたしもずっとDPPのヒストグラムが気になって露光を決めていたのですが、
最近は高感度・長時間露光路線で暗い系外銀河を撮っています。
以前の考え方ではかなりの露光オーバーに思えるのですが、
画像処理で背景を暗くしても銀河がつぶれず余裕が出てきました。(その分撮影時間はかかりますが・・)
ただし、星の色はやはり飛び気味になりますね。
14ビットのデジカメでは明るい星と暗い銀河の両方の色まで表現するのは難しいようです。
返信する

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