正直、期待以上の作品でした。
上映が2時間半を超えても、もっとこの世界に浸りたい、もっと観ていたいと思わせるストーリーでした。ただし、凄惨でリアルな拷問シーンや、ボロボロの弱き日本人が続々と登場するため、長崎の観光にはほとんど役に立たないかもしれませんが、語り継がれる作品だと思います。
邦人監督なら撮れないのでは?という、清潔感が皆無の、そして嘘やハッタリも混じった、おそらくシラミだらけの隠れ切支丹を、スコセッシ監督は執拗に撮り続け、そんな彼らは虫ケラのように命を奪われます。
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誰が彼らを救えるのか、何故こんな苦労を弱きものに負わせるのか、そこにどんな意味があるのか、ひたすらロドリゴ神父と、それを観ている観客は追い詰められます。
また、弾圧の中心人物 井上筑後守に扮するイッセー尾形の、たぬき親父らしい素晴らしい演技が、余計に切支丹の苦しみを浮き彫りにし、為政者と弱きものとの埋めがたい深い溝を感じました。
ところで、台湾ロケだったと聞いてる海辺の寒村は、長崎の離島 上五島のカトリック教会⛪️が点在する地形と酷似し、かなりのリアリティを感じました。何故長崎でこれが撮れなかったのか、とても残念でなりません。
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