けんちくブツブツだいありー(新館)

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『silence 沈黙』☆☆☆☆☆

2017-01-22 23:45:40 | 映画館
禁教下の長崎がテーマで、しかも遠藤周作の代表作を、ハリウッドのビッグネームが監督するだけでなく、今の長崎が血眼で目指している世界遺産絡みの話題作という高い期待値のまま、シネコンの特等席で鑑賞しました『silence』。
正直、期待以上の作品でした。

上映が2時間半を超えても、もっとこの世界に浸りたい、もっと観ていたいと思わせるストーリーでした。ただし、凄惨でリアルな拷問シーンや、ボロボロの弱き日本人が続々と登場するため、長崎の観光にはほとんど役に立たないかもしれませんが、語り継がれる作品だと思います。

邦人監督なら撮れないのでは?という、清潔感が皆無の、そして嘘やハッタリも混じった、おそらくシラミだらけの隠れ切支丹を、スコセッシ監督は執拗に撮り続け、そんな彼らは虫ケラのように命を奪われます。



誰が彼らを救えるのか、何故こんな苦労を弱きものに負わせるのか、そこにどんな意味があるのか、ひたすらロドリゴ神父と、それを観ている観客は追い詰められます。

また、弾圧の中心人物 井上筑後守に扮するイッセー尾形の、たぬき親父らしい素晴らしい演技が、余計に切支丹の苦しみを浮き彫りにし、為政者と弱きものとの埋めがたい深い溝を感じました。

ところで、台湾ロケだったと聞いてる海辺の寒村は、長崎の離島 上五島のカトリック教会⛪️が点在する地形と酷似し、かなりのリアリティを感じました。何故長崎でこれが撮れなかったのか、とても残念でなりません。

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