伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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「よく」生きるとは、「よい」人生とは?

2015-02-27 22:44:48 | 大きな時代の変革期
本日の市議会で教育に関する質問がありました。
よりよい教育を行うために、
教育の本質について考えました。


「教育」とは
○一人ひとりが「よりよく生きる」ためのものであり、同時に、
○「他人も自分と同じように大切」と学ぶ場、だと思います。

では、「よく」生きるとは、「よい」人生とは何か?
「よい」と思われることでも、
永遠に不変ではありません。

「よい」と判断を行う無意識の前提となっている
文明や人類を取り巻く環境などの与件は変化します。
あるいは新たな与件顕在化します。
「与件」とは、自分では変えられない前提条件。

地球や環境の限界も見えてきました。
宇宙船地球号を破壊してしまえば、人は生きて行けません。

単純なことですが、地球の大きさは有限ですので、
人類が無限に増えることはできません。
どこかで人口増が止まる、あるいは減っていく、
ということが長い目で見れば必要なのです。

地球が人類を養うことができる人口の限界はどれくらいなのか?
実は「エコロジカル・フットプリント」という試算方法があります。

「エコロジカル・フットプリント」とは、
その国の食品や資源需要を満たすためには、
どれくらいの面積が必要か算出します。
食糧生産のための耕作地、漁業を行う海域、
二酸化炭素を吸収するための森林など。

世界自然保護基金(WWF)の2008年度試算では、
各国のエコロジカル・フットプリントを合計すると
人類は地球1.5個分の資源を消費しながら暮らしているのです。

戦後の日本では、意識されない方も多いかもしれませんが、
アメリカの資本主義的な考え方に染まっています。
アメリカは、グローバル・スタンダードの名の下に、
ルール無用の自由な貿易を行おうとしていますが、
実はこのやり方で得をするのは、
その製品や、その分野で強いほうの国だけです。


1970年代、ローマクラブという賢人会議は
「成長の限界」という報告書で、人口の増加や環境汚染が続けば、
人類は限界を迎えると指摘しました


経済成長第一主義ではなく、
人類の持続可能性を第一に考えるように
考え方を転換すべき時代に達したと考えます。

いかに地球に負荷をかけないようにするか、
環境を汚染しないようにするか、
資源を浪費しないようにするか、
それがめぐりめぐって人類の存続につながるのです。

グローバリズムの名の下に、
世界中でたった一つの価値観やルールを決め、
おんなじライフスタイルを追求すればどうなるか?

かつてスウェーデンの社会学者ヘレナさんが、
インド最北部のラダック地方を訪れた時、
その豊かな文化と幸せそうな人達に心を打たれました。

当時ラダックは、まだ西洋文明に侵食されず、
満ち足りた自給自足の伝統的な生活や文化が残っていました。
住んでいる人たちは、心から幸せでした。


「ここにはなんでもある」と、
かつては青年が胸をはって話していましたが、
西洋文化や資本主義に染まった今では、
「ここには何も無い」と言うようになってしまいました。

今注目されているフランスの経済学者ピケティによれば、
資本主義経済はその発展段階の限界に来ています。
有限な地球の中での、無限の富の増加は不可能なのです。

これから人類は、資本主義に代わる
新しい価値観と社会の仕組みをみつけなければなりません。

現時点で、私が考えるキーワードは「3つのロー」。
・よりローカルに
・よりローテクに
・よりスローに

北海道や沖縄に、
東京都同じ基準で建物を建てたり
ライフスタイルを真似ようとしても、
ムリ・無駄が大きくなります。
その土地にあった暮らし方や考え方を生かすのが
よりローカルの思想。

例えば外国からウランを輸入し
莫大なお金をかけて原子力発電し、
10万年、あるいは100万年も残る核のゴミをつくり、
遠くから送電した電気でエアコン暖房するよりも、
拾ってきた薪をストーブで燃やして暖まる、
これがローテク。

スローライフという言葉があります。
スローフードから派生した考え方で、
大量生産・高速型のライフスタイルに対し、
ゆっくりした暮らしを提案するもの。

経済成長優先の価値観では、人は単なる数。
これからは、経済優先「量」の価値観から、
人生・生活の「質」を優先する価値観へ転換していくべきです。

個人レベルでは、
自分は何が好きなのか、本当は何をしたいのか、
そんなことを意識しながら、自分の生活に、人との交流に
丁寧に向き合っていく生き方がスローライフ。
所得の増加で無く、心の充実・人生の充実を目指します。

矛盾するようですが、「自己実現」は絶対的なものではなく、
他者とのつながりがあって初めて存在するものではないでしょうか。
比較できる他者がなければ、自己という概念は成り立ちません。
自分以外の世界、他者との関わりがあって、
その中で自分はどのような位置に立ち、役割を演じようとするのか。
これが自己実現でしょう。

「人生とは演劇である」これは私が考えた言葉です。
シェークスピアにも似たような名言がありました!
「人生は舞台。人はみな役者。」
All the world's a stage. And all the men and women merely players.
ちょっとビックリです。

「教育」は、自分が望むような役が演じられるようにすること。
「行政」は、すてきなステージを整えること。
みなさんが素晴らしい人生を演じられるよう、
しっかりと舞台を創りたいと思います。

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