経済産業省「未来人材ビジョン」が公表されました。
それを紹介したPRESIDENT Onlineの記事がとても分かりやすいので
経営や人材育成、キャリデザイン等に関心のある方は必読です。
「未来人材ビジョン」とプレジデント・オンラインの記事を
かいつまんでご紹介します。
詳しくは両方のリンク先をご精読ください。
１ 日本企業の従業員エンゲージメントは、世界で最低水準。
（「エンゲージメント」とは、組織に対する愛着、愛社精神）
従業員エンゲージメントの世界平均は20％。日本はわずか5％。
米国／カナダ34％、中国17％、韓国12％で、日本の低さは突出。
さらに「現在の勤務先で働き続けたい人の割合」は、
日本は５２％で調査対象国の中で最低水準。
しかし転職意向のある人の割合は25％、
独立・起業志向のある人の割合は16％で、やはり最低水準。
つまり日本人は、自分の勤め先に不満があり、
ずっと働き続けたいとは考えていないが、
転職するつもりも、起業するつもりもない。
みなさんが社長だったら、どう思います？
この先、日本は大丈夫なのか？
２ 日本は課長、部長への昇進が遅い
日本はタイよりも昇進が遅く、収入も低い。
その結果、高度外国人からは選ばれない国になっている。
外国人に人気がないなら、自分たちで頑張るかといえば、
それもない。
その結果、国際競争力は急降下。
（多田コメント）
なんということでしょう。これが日本の現実です。
プレジデント・オンラインでは次のように述べています。
ぜひリンク先の記事をご確認ください。
かつての日本は、新卒を一括採用することで
「求められるものを安く大量に作れる人材」を多く育ててきました。
それが世界経済における強みになっていたわけですが、
いまは逆に弱みになってしまっているのではと感じます。
（中略）新卒一括採用や長期雇用のシステムは
いまだに変わっていません。
結果として、従業員の給料は上がりにくく
昇進スピードも遅くなっています。（中略）
これからは、一人ひとりのアイデアや行動力が
より試される時代になっていきます。
そこで求められる人材も従来とは大きく違ってくるでしょう。
ゲームに例えるなら、もはや高度経済成長期とは
ルールもプレイヤーもまったく変わっている。（中略）
海外を見渡すと、
多くの企業はこの「新しいゲーム」にすでに対応しています。
私が思うに、日本は1980〜1990年代の成功体験が強烈すぎて、
それゆえそのやり方から抜け出せないのではないでしょうか。
（中略）
まずは、いま自社が新卒採用市場でどう評価されているか、
そして採用した若者が自社からどれだけ逃げていっているかを
知る必要があると思います。
（参考ブログ：トヨタでさえ選ばれない
「カイゼン」や「リノベーション」は、
今までのやり方の方向の範囲内で効率を高める手段であり、
いわば、今までのやり方の延命策。
現在、１００年に一度の大変革期と言われます。
これまでのやり方の延長線上に、未来はないでしょう。
価値観ややり方を根本的に見直して、
進む方向を大きく変える必要があります。
パソコンのＯＳで例えるなら、
「カイゼン」はバージョンアップの小数点以下の変化。
「リノベーション」は、整数部分のバージョンアップ。
大きな変革を行うなら、
別のＯＳに乗り換えるくらいでなければ。
それは古い組織や既得権者には非常に抵抗があるはず。
ちなみにＳＤＧｓがもてはやされていますが、
大企業の幹部や政治家が喜んでバッジを胸に付けるようでは、
グローバル資本主義のバージョンアップに思えます。
