お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

創作WEB絵本「神様が消えた日」

2009-05-08 09:42:18 | 創作絵本
神様が消えた日」という創作絵本作品。




にんげん、ニーチェへ・・・




「神様がいない!」
アドルフは、さけびました。
アドルフをいつもてらしていた神様が、いなくなってしまったのです。
アドルフは、神様をさがしに夜を さまよいました。




アドルフのめのまえを、カラスがよこぎりました。
アドルフは、カラスにたずねました。
「カラスさん、神様はどこへいってしまったの?」
カラスは、カァーカァーというだけで、とびさっていきました。




くものすきまから、お月様がかおをだしました。
アドルフは、お月様にたずねました。
「お月様、神様はどこへいってしまったの?」
お月様は、なにもいいませんでした。




アドルフは、おおきな孤独におそわれました。
それは、夜よりふかい闇でした。




闇は、アドルフのからだをひっぱりました。
アドルフは、闇にたずねました。
「闇さん、神様はどこへいってしまったの?」
闇は、わらってこたえました。

「神なんて、もういない。神は、しんだ。」




神様が消えた日。

アドルフは、しにました。




アドルフのせなかから、いっぴきのケモノがでてきました。




ケモノは、アドルフのぬけがらを まるのみしました。




ケモノは、闇をかけあがりました。
そして、どこまでも、どこまでも、どこまでも、はしりつづけました。




息もきれ、へとへとになり、たちどまると、
ケモノは、じぶんのなかに光るものをみつけました。




ケモノは、わらっていいました。

「アドルフ、見えるか?」


(おわり)

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