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障害年金1000人打ち切りか 戸惑う受給者 打ち切りで病状悪化も 2018.5.29 毎日新聞

2018-05-31 10:13:27 | 福祉 高齢 障がい

 障害年金

1000人打ち切りか 審査集約、戸惑う受給者

 日本年金機構が障害基礎年金の受給者約1000人余りに対し、障害の程度が軽いと判断して支給打ち切りを検討していることが判明した。対象者には、特例的に1年間の受け取り継続を認めつつ、今年度中に改めて支給の可否を審査するとの通知が届いている。都道府県単位だった審査手続きが全国で一元化された影響とみられるが、受給者の間には「症状は改善していないのに困る」と戸惑いが広がっている。

 障害基礎年金は、20歳前から難病を抱える人や、国民年金加入者が障害を負った場合などに、年80万円程度を下限に支払われる。機構や関係者によると、通知を受け取ったのは1010人で、いずれも20歳前から障害がある成人という。

 1010人は2017年、症状に応じ数年おきに必要な更新時期を迎え、医師の診断書を提出した。機構は同年12月~今年1月、「障害基礎年金を受給できる障害の程度にあると判断できなかった」との審査結果を通知。ただし17年度は支給を続け、18年度に改めて審査した上で「診断書の内容が同様なら支給停止になることもある」と示した。

 1000人規模の支給打ち切りが過去にあったかどうか、機構は「データがない」と明らかにしていないが、経過措置を設ける通知を出したのは初めてという。厚生労働省幹部は「影響の大きさを考慮した激変緩和の意味もある。審査をし直した結果、継続が認められる可能性もある」と話す。

 背景にあるのは審査手続きの変更だ。以前は都道府県ごとにあった機構の事務センターが認定業務を担当し、それぞれ地域の医師が診断書をもとに審査していた。しかし、不認定の割合に地域差があると問題視され、機構は17年4月に認定業務を東京の障害年金センターに集約。審査する医師も変わった結果、不認定の割合が増えたという。

 機構の担当者は「審査業務の変更という特別な事情を考慮し、今回の診断書だけで障害の程度を判断するのは適切でないと考えた。対応は妥当だ」と説明する。【原田啓之】

 【ことば】障害基礎年金

 20歳前や国民年金の加入時などに病気やけがで障害を負った人に支給される年金。障害の程度によって1、2級に区分される。年間支給額は1級が約97万円、2級が約78万円で、子どもがいれば人数に応じた加算がある。受給者は2017年3月末時点で約184万人。初診時に会社勤めなどで厚生年金に入っていた人には、等級区分が異なる「障害厚生年金」が支給される。

 

 

障害年金

打ち切りで病状悪化も 受給者「説明なく不安」

 日本年金機構が障害者1000人余りへの障害基礎年金打ち切りを検討していることに対し、継続した治療が必要な当事者からは「納得できない」との声が上がる。収入減が健康状態をより悪化させる引き金にもなりかねない。

 「症状が変わらないのに、なぜこんな通知が届くのか分からない」。難病の「1型糖尿病」を小学生の頃から患う大阪府在住の男性(36)は憤る。

 1型糖尿病は主に免疫機能の異常により血糖値をコントロールするインスリンを体内で作れなくなる病気で、根本的な治療法はない。男性は7歳で発症し、インスリンの注射器を持参して通学。就職活動では、病気を理由に何社も採用を断られたという。今はパチンコ店でアルバイトをしているが、勤務中に目の前が暗くなってふらつくこともしばしばだ。

 妻子を養いながらの月3万円の治療費負担は重く、年約100万円の障害基礎年金(2級)は大事な家計の支えだ。1月に日本年金機構から通知が届いてからは、支給打ち切りの不安にさいなまれる。「機構から十分な説明がなく納得できない。生活の実態を見て審査してほしい」

 里見賢治・大阪府立大名誉教授(社会保障論)は、機構の打ち切り方針について「障害認定が適正かどうかは個々の基準に照らし判断されることで、一概に是非は言えない。ただ、手続きの変更という特殊事情が影響しているなら、機構は受給者により丁寧に説明すべきだ」と指摘する。【原田啓之】

 

 

年金機構

障害年金問題で厚労相「検証する」

加藤勝信厚労相
 

 日本年金機構が障害基礎年金の受給者1000人余りに対し支給打ち切りを検討している問題について、加藤勝信厚生労働相は29日、閣議後の記者会見で「個々の事例ごとによく検討しながら対応を考えていきたい」と述べた。

 加藤厚労相は、都道府県単位の審査手続きを一元化したため障害を認定する医師が変わったことが背景にあると説明。「今回発生した事案についてよく検証したい」と語った。【原田啓之】

 

 

 

 



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