異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

【社説】 GDPマイナス 「この道」はどこへ続く (東京新聞)~アベノミクスの失敗を認めて・・・

2015-11-17 16:56:45 | 経済 金融

東京新聞 TOKYO Webhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015111702000158.htmlより転載

【社説】

GDPマイナス 「この道」はどこへ続く

 七~九月期の国内総生産(GDP)が二期連続でマイナス成長になったことは景気後退入りと判断されてもおかしくない。「この道しかない」としていたアベノミクスをこのまま続けていいのか。

 企業収益が上がれば投資や賃金が増え、消費が伸びて経済の好循環が起きる-。安倍晋三首相はアベノミクスこそ日本経済再生の切り札として「この道しかない」と繰り返してきた。

 このフレーズはとみに聞かなくなったが、それはそうだろう。企業は史上空前の最高益を記録しながら設備投資も賃金の伸びも限定的だ。好循環はどこにも起きていない。むしろ賃金が伸びず消費が増えないから投資を控える悪循環に陥っている。

 内閣府が発表した七~九月期の実質GDP(速報値)は、前期比0・2%減、年率換算で0・8%減だった。特に設備投資は企業が示してきた投資計画を先送りする「計画倒れ」に終わり、個人消費や輸出の回復も力強さを欠いた。

 企業の投資意欲が高まらないのは、中国など海外景気の先行き不安もあるが、何より日本経済の成長への期待が乏しいからだろう。なぜ成長期待が膨らまないのか。

 アベノミクスの第三の矢である成長戦略は、法人税減税や派遣法改正、さらに残業代ゼロ制度など経営者寄りの政策ばかり目指している。先の厚生労働省の調査でも明らかになったように、非正規労働は全体の四割を超え、経営者は理由について「賃金節約のため」とする回答が最も多かった。

 要するに低賃金の労働者が増え、その人たちを犠牲に企業や株主ら富裕層が潤う構図である。しかし、上から富が滴り落ちるトリクルダウンは空論にすぎないから、格差拡大が放任され、経済を支えるべき中間層も細る。これでは消費が盛り上がるはずがない。

 第一の矢の異次元緩和で実現し政権が胸を張る円安(円高是正)も、多くの大企業にとって収益を押し上げるが、企業数で九割、従業員数で七割を占める中小企業にとっては逆風である。

 二期連続マイナスは、誤った道を突き進むアベノミクスの当然の帰結である。わかったことは、自民党への企業献金あっせんを再開した経団連が要望する政策では経済は良くならないということだ。

 アベノミクスの失敗を認め、進む道を変える。最低賃金引き上げや、内部留保に課税したり賃上げを促す大胆な法人税改革など、すぐにも実行できる政策はある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                                                     テレビ画像by中島 よしふみFB憲法九条の会

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。