日々の出来事と感想を綴ります

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土地の訛りが…

2020-11-04 | 読書
【2020.11.04(wed)】
効果的に使われている。

・Fb友さんが投稿の中で紹介されていた小説を読んでみると、これが中々面白かった。 


  
・雨漏りの修理に来た屋根職人「彼」と、それを依頼した中年の主婦「私」は名だたる屋根の話をする内に意気投合する。
九州訛りの木訥な彼は夢へといざなう達人だった。彼の誘いに乗り私は夢の中で寺院の屋根を巡る旅へ出掛ける。
夫や息子に気付かれることなく…。

・二人が黒鳥になってパリの空を飛び、大聖堂を巡るシーンは色まで鮮やか。
怪奇味を帯びると評される作風…単なるファンタジー作品ではない。
屋根屋の方言の使い方が巧みで、夢から現実の世界へと引き戻す効果を生むようだ。

・ラストが近づくと夢と現実の境目は薄れてくる。
いや、この物語は「私」が屋根屋と意気投合するところから既に夢なのだろう。

・表紙絵が実に秀逸!絵が全てを物語るよう。これに惹かれて読んでいたような気もする。 
作家は題材について相当な研究をするのですね。このお話では屋根の様式について。
それを屋根屋に語らせていて、彼の博学なのが何か可笑しい。

・著者の村田喜代子さんは<名文を書かない文章講座><縦横無尽の文章レッスン>など書かれている。
この方の文章読本なら是非読んでみたい。 

I.O

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