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本に向かう

2021-07-22 | 読書
【2021.07.22(thu)】
時間は多くなった。

・長く続くコロナ禍で巣ごもり生活と言われだして久しい。
出掛けるのが好きな私も自宅で本を読む時間は確かに増えているように思う。 
近頃面白く感じた本をいくつかあげてみる。


・「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」から始まるSNS上の世界を題材にした作品。
主人公の“あかり” は学校でも家庭でも上手くいっていない女子高生。唯一の生きがいは八歳年上の男性アイドル“真幸” を推すことなのだが、真幸はある日ファンを殴るという事件を起こしてしまいTwitterが炎上する。

・文中でハッとする言い回しにしばしば出会う。祖母の訃報を知らされた“あかり” の心情を表現するくだり。
“大袋のなかに入った個包装のチョコを食べていって、いま食べたそれが最後の一個だったよ、と言われるみたいに死が知らされる。”

・今まで見たことのない比喩表現。こんなのがどうして浮かぶんだろう。若い人の感性か、とても新鮮に感じた。 
綿矢りさ、金原ひとみに次ぐ史上3番目の若さで<第164回芥川賞>受賞となった作品。

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・著者はグレートトラバース & 2 & 3 で名の知られた田中陽希さん。
彼は三百名山踏破中の2020年春、コロナ禍により山形県で3ヶ月の滞留を余儀なくされた。
そんな山旅の途中にリモート取材によって、これまでの人生と将来への想いを語られた作品だ。

・今も挑戦を続ける理由や、本気で挑むことの大切さを次世代へ伝えたいとメッセージが綴られている。

・普段の山旅に携行する行動食に “フィナンシェ” をあげておられ、
冬のアドベンチャーレースの定番の行動食として "柿の種” や、
一箱で500㎉あるという “アーモンドチョコレート" が登場したのには驚いた。
この辺りは我々と変わらないんですね。 

<グレートトラバース3 ~日本三百名山全山人力踏破>はBSPで放映中。
私の見ている【グレートトラバース3 15min】では未だ170座目付近だが、
後日聞いたところ現実には、2021.8.2に全山踏破されたようだ。素晴らしい!

・さて次は何を目標にされるのだろう。

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・この中に掲載された <彼岸花が咲く島 李琴峰>が読んでみたかった。
著者の李琴峰さんは台湾籍の日中二言語作家。
この作品で<第165回芥川賞>を受賞されたが、台湾出身作家としては初となった。

・日本と台湾の中間に位置する架空の島。そこは「ノロ」が統治し、「ニホン語」と「女語」の二つの言語が使われていた。
隔絶した島を舞台に広がる不思議な世界。SFっぽい仕上げの小説。私の好みのシチュエーション! 

・既に単行本化もされています

I.O.

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