お~い、雲く~ん、遊ぼうよ。

2020-09-25 11:00:11 | 童話
お~い、雲く~ん、遊ぼうよ。あれ、返事が無いや。
 お~い、雲く~ん、遊ぼうよ。
大きな雲くんがもくもくと、小さな雲くんがすいすいと、
 みんなみんな集まってきた。

あっ、細い雲くんがあっちからやってきた。早くおいでよ。
あれっ、大きな雲くんはカミナリくんを連れてきちゃった。
 ゴロゴロゴロ、ピカピカピカ、ゴロピカ、ゴロピカ。
うわっ、カミナリ君すこしおとなしくしていてよ。
小さな雲くんがビックリしている、もう大丈夫だよ。

お~い、お~い、いわし雲くんがあんな高いとこにいる。
お~い、聞こえるかい。だめだ、高すぎて聞こえないみたいだ。
 しかたない、いわし雲くんとは今度遊ぼうね。

あれっ、小さな雲くんがいなくなっちゃった。
 どんどん小さくなって見えなくなっちゃったのかな。
 それとも帰ってしまったのかな。
あっ、ぼくも帰らなくっちゃ。
大きな雲くんも帰ろうよ、皆で帰ろうよ。
また明日ね、バイバイ。

お~い、石く~ん、遊ぼうよ。

2020-09-24 06:35:27 | 童話
お~い、石く~ん、遊ぼうよ。あれ、返事が無いや。
 お~い、石く~ん、遊ぼうよ。
遠くのほうから大きな石がやってきた。
 ドスン、ドスン、ドスン。
川から小さな石がやってきた。
 コロ、コロ、コロ。
海から小さな小さな砂がやってきた。
 サラ、サラ、サラ。

わ~い、たくさんやってきた。楽しいな楽しいな。
 なにして遊ぼうか。そうだ、おしくらまんじゅうをしようよ。
わっせ、わっせ、わっせ。たのしいな、たのしいな。
わっせ、わっせ、わっせ、おもしろいなあ~。
あ、もう帰ら
ないといけない時間だ。
バイ゛バイ。
 ドスン、ドスン、ドスン。コロ、コロ、コロ。サラ、サラ、サラ。
あ~あ、みんな帰ってしまった、ぼくも帰ろう。
バイバイ、また明日遊ぼうね。

おーい、土く~ん

2020-09-23 09:08:39 | 童話
お~い、土く~、あたたかい土く~ん、遊ぼうよ。あれ、返事が無いや。
 お~い、土く~ん、遊ぼうよ。
あっ、遠くから土君の声がする、どっしりした声だ。
 こっちの土君は小さな声だね。
  そうか、植木鉢の土君だ、小さな植木鉢の土君だ。

山の土君は大きな木を支えている。
 強い風や大雨の時も、大きな木や小さな草を大事に支えている。
あれっ、モグラが土君の中で寝ている、暖かそうだね。
そうか、カエルも冬は土君の中で寝ているんだ。

だけど、大きな都会には土君がいないや。
 全部全部アスファルトになってしまったから。
  だから花も草も生えていない、大きなビルばかりだ。
   有るのは、植木鉢に入った小さな土君ばかりだ。

みんなみんな、大きな土君に会うために遠くへ遠くへ、
 電車や車に乗って遠くへ遠くへ、旅行や遠足で遠くへ。
お~い、土君、僕もこんど会いに行くからね。
 みんなでみんなで、会いに行くからね。
  その時に、いっぱいいっぱい遊ぼうね。

てんから、てんから、てんからてん(10)

2020-09-22 07:27:05 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『暑くなってきたので、熱中症にならないように、汗をかいたらお水をたくさん飲むようにしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も熱中症にならないように、お水をたくさん飲むようにしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
『ホタルはたくさん増えましたか?』と都会の小学校のイヌとネコが、村の小学校の動物達に聞きました。
『うん、去年、小川や池をきれいにしたので、ホタルは増えたよ。』
『トンボやカエルもたくさんになりましたか?』
『うん、たくさん増えて、去年よりゲロゲロ、ゲロゲロとたくさん鳴いているよ。』と言って、カエルがたくさんゲロゲロと鳴いている池を月に映して見せました。
『本当だ、いっぱいいるね。』
『うん、今年もたくさん鳴いているよ。』

そして、今度は赤トンボがたくさん飛んでいるのを月に映して見せました。
『うわっ、綺麗だね。』
『うん、みんなで池や小川を綺麗にしているからね。』
そう言って池や小川の中を月に映して見せました。
『メダカや鮒やヤゴやゲンゴロウがいっぱいいるんだよ。』
『凄いね。』
『都会の池や小川も水がきれいになるといいのにね。』
『うん、みんなで掃除をやっているよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

そして、村の小学校の動物達と都会の小学校のイヌとネコとの学級委員会は、今も続いています。

  おしまい

てんから、てんから、てんからてん(9)

2020-09-21 07:12:47 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『庭やマンションのベランダで、お花の苗を大切に育てています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『お花畑にはお花がたくさん植わっているので、お花を大切にしています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『春になりましたが、雪はもう解けましたか?』
『まだ雪は溶けないで、少し残っています。だけれど、雪ダルマはもう溶けてしまいました。』
『村ではお花が咲き始めましたが、都会でも咲き始めましたか?』
『お花屋さんにはいっぱいお花を売っていますが、植わっているお花が少ないので、分かりません。』
『村にはお花畑があって、いろいろな色のお花が咲きますが、都会にはお花畑は無いのですか?』
『お花畑は有りません。公園も、木や芝生が多いですが、お花畑はあまり有りません。』

そして、都会の小学校のイヌとネコが、大きな公園を月に映して見せました。
『本当だ、木がたくさんあって、広い芝生の上でイヌや人間が運動しているけれど、お花が植わっている所が少ないね。』
『うん、少ないよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』