お~い、山く~ん、遊ぼうよ。

2020-09-28 09:40:20 | 童話
お~い、山く~ん、山く~ん、遊ぼうよ。あれ、返事が無いや。
 お~い、山く~ん、遊ぼうよ。
大きな山君、小さな山君。
 ひとりで座っている山君、たくさん集まっている山君。
雪で真っ白になっている山君、もみじで真っ赤になっている山君。
 あの山君はお花がいっぱいだから、だいだい色、黄色、白、
  きれいな色の洋服を着ているみたいだね。
こっちの山君には滝が見える、高い所から水がいっぱい流れている。
 涼しそうだなぁ。

あれっ、あそこの山君には木も花も草も生えていない、どうしたんだろう。
山君のふもとに工場がある。煙突から煙がいっぱいだ。
 山君、苦しそうだね。工場が休みの日曜日だけは元気なんだね。
そうだ、工場へ行って煙を少なくしてもらおう。
 工場の皆さん、煙を少なくしてください、お願いします。
  やっと煙が少なくなった、山君は元気になるかなぁ。
山君がありがとうと言っているよ。
 もう少したったら木や花や草がいっぱい生えるからね。
  そうしたら、ほかの山君と同じになるからね。