てんから、てんから、てんからてん(4)

2020-01-26 07:59:26 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなったのでノドがカラカラになり、カゼをひきやすくなったので、毎日うがいをしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も毎日うがいをしています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『村では、これから雪が降りますが、都会でも雪は降りますか?』
『雪が降ることはほとんど無いです。』
『村ではたくさん降るので、みんなで雪合戦をしたり、雪ダルマを作ったりして遊びます。』
『えっ、雪合戦って何なの? それと、雪ダルマって、どんな形のダルマなの?』
『雪合戦はね、雪を固めてボールを作り、そのボールをぶつけて遊ぶんだ、とっても楽しいよ。』
そして、村の小学校の動物達が、雪ダルマを月に映して見せようとしましたが、まだ雪が積もっていないので、雪ダルマが有りません。しかたなく、雪ダルマの絵を月に映して見せました。
『ふぅ~ん。楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』

『今度、雪がたくさん降った時の学級委員会の時に、月に映して見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(3)

2020-01-25 12:26:48 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

村の小学校の動物達が
『柿や栗の果物がいっぱいなったので、みんなで仲良く分けて食べています。』
と発表しました。
今度は都会の小学校のイヌとネコが
『果物がいっぱい乗った甘いケーキを、みんなで仲良く分けて食べています。』
と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

都会の小学校のイヌとネコが
『村の小学校の動物のみんなは、虫歯が有りますか?』
と聞くと、
『虫歯と言うのは何なのですか?』
と、村の小学校の動物達が質問しました。
『えっ、虫歯を知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『虫歯はね、甘い物を食べた後で歯を磨かないとなるんだよ。都会は虫歯の動物が多いんだよ。』
『痛いの?』
『うん、痛いよ。痛いから歯医者さんで直してもらうんだよ。』
『ふぅ~ん。痛いんだ。』
今度は、村の小学校の動物達が質問しました。

『秋になったので赤トンボがたくさん飛んでいますが、都会にも赤トンボはいっぱいいますか?』
『赤トンボって何なのですか?』
『えっ、赤トンボを知らないの?』
そして、村の小学校の動物達が、赤トンボがいっぱい飛んでいる所を月に映して見せました。
『わぁ、本当に真っ赤だね。』
『そうだよ。赤トンボはね、人差し指を上に向けて動かないでいると、その人差し指に赤トンボが止まるんだよ。』
『かわいんだね。』
『うん、かわいいよ。』
『村では、赤トンボは毎日飛んでいるの?』
『うん、秋には毎日飛んでいるよ。』
『都会では、公園で一度飛んでいるのを見たことがあるよ。』
『少ないんだね。』
『うん、少ないね。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(2)

2020-01-24 06:46:18 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

村の小学校の動物達が
『村では、お米がたくさんできました。農家の人に感謝して、残さないように食べています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『作っている工場の人に感謝して、ドックフードを残さないように食べています。』

『それでは、質問のある方はいますか?』
都会の小学校のイヌとネコが
『僕達の飼い主さんは、スーパーマーケットで透明な袋に入った白いお米を買いますが、お米は全部白いのですか?』
『できた時のお米は、モミガラの中に入っているので黄色に近い薄い茶色で、モミガラを取って、米ヌカも取ると、やっと白くなるんだよ。』と言ってお米がたくさん実った、刈り取ったばかりの稲穂を月に映して見せました。
『稲穂は重たそうだけれど、たくさんなるんだね。』
『そうだよ、重たいよ。農家の人が大切に育てているので、いっぱいなるんだよ。』

村の小学校の動物達が
『村の小川や池にはザリガニがたくさん住んでいますが、都会にもザリガニはたくさんいるのですか?』
『えっ、ザリガニって何? 都会には、小川も池も無いから、いないよ。』
村の小学校の動物達が
『これがザリガニだよ。』と言って金魚鉢に入れたザリガニを月に映して見せました。
『エビみたいだけれど、ハサミはカニみたいに大きいんだね。』
『うん、ハサミに挟まれると、すごく痛いんだよ。』
『ザリガニはどうやって捕まえるの?』
『竹の棒に付けた糸にスルメを結び付けて、小川や池の中に入れると、ザリガニがハサミでスルメをつかむので、そっと竹の棒を上げると釣れるんだよ。』
『ふぅ~ん、楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』

『都会には楽しい生き物はいないの?』
『動物園や水族館にたくさんいるよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(1)

2020-01-23 06:39:01 | 童話
満月の夜、村の小学校の校庭に動物が集まります。
都会の小学校の校庭にも動物が集まります。
村の小学校には、イヌやネコ以外に、タヌキやキツネやイノシシや、たくさんの動物達が集まります。
都会の小学校には、イヌとネコだけが集まります。
タヌキやキツネやイノシシはいませんし、カラスやスズメは、夜は目が見えないので、集まりません。

そして、二つの小学校で、お互いに自分達の姿を月に映して学級委員会をします。
その学級委員会を始める時に、片方の小学校で
『てんから、てんから、てんからてん。』
と言います。
そして、もう片方の小学校でも
『てんから、てんから、てんからてん。』
と言います。
そうすると学級委員会が始まるのです。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校のみんなが
『ホタルが少なくなってしまったので、池や小川をきれいにする活動をやっています。』
と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『交通事故にあわないように、信号を守る活動をしています。』
と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

都会の小学校のイヌとネコが
『ホタルというは何なんですか?』
と聞きました。
『えっ、ホタルを知らないの?』
と、村の動物達が、不思議そうに聞きました。
村の小学校の動物達が
『お尻が黄色く光りながらフワフワと飛ぶかわいい虫だよ。』
と、ホタルを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『やぁ、きれいな光りだね。』
『うん、きれいだし、かわいいよ。』
そして、また都会のイヌとネコが聞きました。

『村の小学校からゲロゲロ、ゲロゲロと聞こえてきますが、何が鳴いているのですか?』
『えっ、カエルを知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『田んぼや小川にいて、みんなで夜通し鳴くんだよ。そして、カエルの子供はオタマジャクシと言うんだよ。』
そう言って、村の小学校の動物達が、カエルと、もう少しでカエルになるオタマジャクシを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『オタマジャクシはかわいいねぇ。』
『うん、かわいいよ。もう少し前だと、オタマジャクシは手も足も生えていないんだよ。』
『ふぅ~ん。都会には、田んぼも小川も無いから、カエルもオタマジャクシもいないよ。』
『へぇー、そうなんだ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

石の飛行機(6)

2020-01-22 06:44:08 | 童話
よし、僕は明日、ジェット旅客機の隣りにロケットを作ろう。
そして、火星へ行こうと考え、ワクワクしながらロケットをスケッチした。
『そうか、ロケットはコンピュータと宇宙センターで操作するので宇宙飛行士は操縦しないんだ。』

そして明日は朝ご飯を食べたらすぐに川原へ行けるように、明日の宿題も終わらせた。
ロケット、ロケットとワクワクしながらお風呂に入って早く寝た。
朝起きると、お母さんがサンドイッチを作ってくれていた。
『今日は火星まで行くんでしょ。でも遅くなったらだめよ。それから、水筒のお水で手を洗ってから食べるのよ。』
『はぁ~い。』

みんなで朝ご飯を食べてから、僕は自転車で川原に来て、昨日のスケッチを見ながら石を並べた。
ジェット旅客機以上に時間がかかった。
『できた、やっとできた。』
『燃料注入完了、酸素の圧力異状無し、宇宙飛行士が乗り込みます。』
『座席のベルトの固定も終わりました。宇宙センターどうぞ。』
『こちらは宇宙センターです、機体も燃料も問題有りません。これから打上げの秒読みを開始します。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射。補助エンジン点火。順調に上昇しています。補助エンジンを切り離しました。』

『地球がだんだん小さくてなっていく。
今、月を通り越しました、すごいスピードです。』
『火星が見えてきました。どんどん近付いていきます。宇宙センター、僕は今日、遅くなるとお母さんに怒られるので、火星には着陸しないで、火星を一周したら帰ります。』
『こちらは宇宙センターです、了解しました。気を付けて地球に帰ってきてください。』

地球が見えてきて、川原が見えてきた。
『宇宙センター、これからロケットを逆噴射して着陸しまします。』
『了解しました。』
ゴーとエンジンが逆噴射した。
『着いたから、さあ帰ろう。』

夕飯の時にお父さんに、
『本物のロケットに乗りたいなぁ。』
と言うと、お父さんが
『宇宙飛行は全部英語を使うので、英語を勉僕しないといけないよ。』
と言った。
僕は宇宙飛行士になるために英語を勉強している。

   おしまい