石の飛行機(2)

2020-01-18 09:29:41 | 童話
次の土曜日に、また自転車で川原へ行き、石の飛行機のエンジンをかけた。
今日もエンジンは快調に回転し始めたので、ブレーキを戻し離陸の準備ができた。
今日も快調にスピードが上がり、操縦かんを引くと離陸した。
今日は前回より上空まで行こう。

『管制塔、管制塔、こちらはJA123です、応答願います。』
『こちら管制塔、どうぞ。』
『僕はこれから家の上を飛びます。』
『了解、気を付けて飛んでください。』
『はぁ~い。』

僕の家が見える。お父さんが自動車を洗っているが、お母さんは家の中だから見えないや。
どんどん上空になって、僕の住んでいる町全体が見えてきた。
校庭では野球部のみんなが練習をしている。

もっと高く上がってみよう。駅が見えてきた。大勢の人が乗り降りしている。
今日は土曜日だから会社の行き帰りしている人より買い物をしている人の方が多いなあ。

あっ、もう帰る時間のチャイムが鳴り始めた。今日は随分上空まできたなあ。これより上の方は明日の日曜日にしよう。
僕は川原から自転車で家に向った。

日曜日の今日は雨が降っているので石の飛行機には乗れない。僕は仕方が無いので飛行機の本を見ている。
遠くまで行くときの旅客機や貨物専用機、そして、スピードの速い戦闘機、いろいろな種類があるんだね。ほとんどがジェットエンジンだけれど、僕の石の飛行機はプロペラだ。
僕はプロペラの飛行機の方がカッコいいと思う。家にあるゴム動力の飛行機もプロペラだ。