僕達の小さくて大きな森(8)

2021-08-29 09:41:53 | 童話
ある日、僕がテーブルで宿題をしていると、お母さんが梅の木の大きな枝を挿した花瓶をテーブルに置いた。
『倒さないでね。』
『うん、大丈夫だよ、倒さないよ。』

宿題が終ったので片付けをしている時に、エンピツを持った右手が梅の枝に近付いた。その時、おじいちゃんの大切にしていた盆栽の時と同じように、エンピツがブルブルとなった。
『うわっ。』
僕は急いで友達の家へ行くと、友達も宿題が終っていた。

『大変だ、ブルブルとなったよ。』
『どこで?』
『今度は盆栽ではなく、お母さんが飾った花瓶の梅の枝だよ。』
『本当? 花瓶の梅の枝でもブルブルとなるんだ。』
『早くおいでよ。』
『うん、お母さんに君んちへ行くと言ってくるからね。』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿