北極のペンギン(1)

2022-03-06 10:06:01 | 童話
僕が卵から生まれるとお父さんの大きなお腹の下にいました。
お母さんは僕の食べる魚を捕りに遠くの海へ出掛けていましたので、僕はお父さんの温かい大きなお腹の下で何日もいました。
僕は時々お父さんのお腹の下から外を見ますが寒いのですぐにお腹の下に入ります。
そして、時々お父さんが立っている場所を移動する時があります。その時は、僕がお腹の下にf入ったまま、ズズッズズッと動いて行きます。

そして、お父さんが出かけて行く時は、今度はお母さんのお腹の下に入ります。
お父さんのお腹の下も、お母さんのお腹の下も、とても温かくて気持ちがいいです。
お父さんやお母さんにたくさんのお魚をもらって僕はどんどん大きくなって寒くなくなったので、お父さんやお母さんのお腹の下から、いつも外にいるようにしました。

そして、広い氷の平らな所の冒険に出掛けました。山の無い平らな所なのでいっぱい歩いても、お父さんやお母さんが見えます。もっと歩いて行くと海に着きました。
「やあ、ここがお父さんやお母さんがおいしい魚を捕っていた海なんだ。僕もお魚を捕ろう。」
僕は海へザブーンと飛び込みました。
「あれっ、氷の上を歩くのより随分楽だなあ。両方の羽を少し動かしただけで魚と同じくらいのスピードで泳げている。すごいなあ、もっと強く羽を動かすと、もっともっと速く泳げるかなあ。」
エイッと力一杯に羽を動かすと飛んでいるみたいねスピードで進みました。僕は魚を全部追い越して一番になりました。
「わあっ、僕が一番だ。」


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