石ネズミ(6)

2018-02-21 08:43:41 | 童話
一時間くらいたった頃にみんな起きてきて、高い木に登って、みんなで集めた石や木が並べられている所をながめました
『わあ、僕達が作ったのが、お餅をついている絵になっているよ。』
『すごいね、みんなで力を合せると、こんな大きな絵が作れるんだ。』
『みんなでがんばったからね。』

『だけれど、どうしてこんな大きな絵が必要なの?』
『もうすぐ満月になって、月でウサギがお餅をつく時に、僕達も一緒にお餅をつこうと思うんだ。』
『わあ、すごいね、やろうよ。』
『やろうよ。』
『うん、やろうよ。』

そして、満月の夜に全部のネズミが集まって、蒸したもち米を臼に入れて、月のウサギがお餅をつき始めるのを待っていました。
その時、月からペッタンコと音が聞こえてきました。
ネズミも大きな石の上にシーソーのように置かれて大きな木を杵にして、お餅をペッタンとつきました。

ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。

『わあ、楽しいなあ。』
『すごいなあ。』
『みんなで力を合せるとできるんだね。』
『そうだね、みんなで力を合せるとできるんだね。』

こうして、ネズミと月のウサギは、朝になって月が見えなくなるまで一緒に餅つきをしていました。

     おしまい