時間の番人(5)

2017-10-14 11:48:10 | 童話
『ここは何時なんだろう? あっ、だれか居る。』
『わしは時間の番人だが、君は初めてかね?』
『はいっ。』
『では、教えてあげよう。5分後へ行くのなら青色の道を、10分後へ行くのなら水色の道を、1時間後へ行くのなら緑色の道を、1週間後へ行くのなら黄色の道を、1年後へ行くのならオレンジ色の道を、10年後へ行くのなら赤色の道を行くんじゃ。』
『ありがとう、僕は1時間後の所へ行きたいから緑色の道を行くね。』

そして、僕は緑色の道を歩いて行くと少し暗くなったが、続けて歩いて行くと明るくなって、僕の家に出て、時計が4時になっていた。
『遅いからオヤツを先に食べたわよ。』
とお母さんが言った。

しばらくして、また時間の番人が居る所へ行く事ができた。
『ねぇ、時間の番人さん、10分後とか、1年後とか、未来の道はあるけれど、10分前とか、1年前とか、過去の道はないの?』
『未来はこれからだから、今の努力した結果が分り、もっと努力した時はこうなる、というように、いつでも行けるようになっているけれど、過去はもう過ぎてしまって、変えることができないので、過去には行けないんじゃ。』
『ふぅ~ん、分かった。また、ここに来られたら、僕ががんばった結果を教えてもらえるようにするよ。』

そして、僕は時々未来を見るために、時間の番人さんに会いに来ている。

おしまい