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山の上のロックの永~い旅(2)

2015-05-18 21:53:53 | 童話
僕達兄弟は、お父さんお母さんにくっ付いて暮らしていたが、永い年月が経って、雨と雪で少しずつ隙間が広がってきた。

お父さんが、僕たち兄弟に
『いつでも自分で行動できるようにしていなさい。』
と言った。

しばらくして、兄弟の中で僕が一番に離れる事になった。
雨が強くなってきたが、僕はみんなと離れるのがイヤで、しっかりとくっ付いていた。

そして雨が止んで虹が出た。
『お兄ちゃん、虹が綺麗だね。』
『そうだね。』

その時、僕はふあっと身体が浮かんだ。
そして、今度はドスンと何かにぶつかった。
その後は目が回る位ゴロゴロと転がり始めた。
うわっ、う~わっ、止らないよ。

大きな杉の木が
『お~いっ、どこまで行くんだい。』
『分かんないよ。』

大きな熊が
『駆けっこなら負けないよ。』
『今はダメだよ、今度ね。』

小さなウサギが飛び跳ねて
『危ないなぁ。』
『ゴメン、ゴメン、大丈夫かい?』

僕は回転するスビードが遅くなってきたのが分かった。