【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安倍首相「TPPで様々な変化に不安な人いる」甘利大臣「国民皆保険への影響全くない」参・予算委

2015年11月11日 17時13分54秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年11月11日(水)参議院予算委員会】

 「TPPをはじめとした現下の政治課題に関する集中審議」が第189回国会の閉会中審査で行われました。 
 
 このうち、高木毅復興大臣のパンツスキャンダルは別エントリー記事にしました。 安倍首相が海自艦艇の乗組員を増やすことを明言したことも別のエントリー記事に仕立てました。

 岸宏一委員長=報道によると来夏引退=が開議。まず、東徹さんの文書提出による理事辞任が発表され、後任は後日決めることになりました。

 TPP条約について、安倍晋三首相(自民党総裁)は「様々な変化があるので不安に思っている人もいると思う。とくに農家などだ。十分に理解できるよう説明していく」と語りました。先月まで閣僚をつとめた、山谷えり子さん(自民党)への答弁。

 公明党の浜田昌良さんに対して、甘利明TPP相(自民党)は「国民皆保険制度が壊れることはまったくありません。社会保障、医療の分野で我が国がどのような制度変更をしてもTPPにより変更を求められることはありません」と語りました。

 TPP条約案を精査してみました。甘利答弁の部分は、第11章「金融サービス」。まず、第11章第1条は、金融サービスの定義について生命保険、医療保険を含むとしています。そのうえで、第11章第2条に、この章は加盟国の財政制度の変更を妨げないという趣旨のことが書いてあります。英語版原文は「This Chapter shall apply to measures adopted or maintained by a Party relating to (a) financial institutions of another Party.」ということで、各国の財政制度の枠組みの中でしか適用できないことになっている、ということだろうと思います。

 TPPは第11章が金融サービス章。第9章は投資章、第10章は国境を越えるサービスの貿易章となっています。第11章は、やたらと「第9章何条を除く」「第10章何条を除く」という記述が多く、どこかに抜け道がないか。あるいは日米2国間の並行協議文書や、見直し条項が入っていないか、今後、検証した方がいいのではないかな、という感想を持ちました。

 日本共産党の紙智子さんは、「横浜税関は人不足で、輸入食品の検査が全体の8%に減ってきており、92%は検査していない」としました。甘利大臣は「サンプル検査で十分だ」としましたが、紙さんは以前より減っていることから、TPP前の対応を求めました。

 片山虎之助さんは「TPPは秘密交渉なので、報道であまり事前に漏れ伝わらなかった。農水省の影響調査はよくやったとは思うが評判は悪い。TPPの全容が分かる前に、TPP対策大綱をつくれるのか」とただしました。甘利大臣は「関税率はまだ数字になっていないものが多い」とし、TPPの全容を文書で提示するのにはまだ時間がかかるとして、理解を求めました。また「東京一極集中が進んでいる」と指摘しましたが、具体的な論争としては、首都機能のバックアップ、多極分散型国土開発など既存の政策を繰り返すにとどまりました。

 次世代の党の中野正志さんは「先日官邸で首相と会った」とし、「消費税10%を延期する考えはないのか」「補正予算案は11兆円規模必要ではないか」との持論を開陳しました。

 きょうの質疑者は、山谷えり子さん、渡辺猛志さん、徳永エリさん、小川敏夫さん、浜田昌良さん、紙智子さん、井上義行さん、アントニオ猪木さん、片山虎之助さん、中野正志さん、渡辺美知太郎さん、福島みずほさん、荒井広幸さん。

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「海自艦艇の人数を増やす」と安倍首相が明言 安倍自民党の「軍拡」路線強まる 参・予算委

2015年11月11日 16時58分40秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 安倍首相(自民党総裁)は平成27年2015年11月11日(水)の参議院予算委員会閉会中審査で、

 「自衛隊の定数は変えられないが、スクラップアンドビルドで艦艇の体制を増やす」とし、海上自衛隊の護衛艦「あたご」などの乗組員を増やすことを明言しました。渡辺美知太郎さんへの答弁。

 集団的自衛権を「存立危機事態」として認めた安保法が来年春に施行されることを踏まえた答弁。南シナ海での米艦防護なども念頭にあると思われます。

 中谷防衛相は、閣議決定の「中期防衛力整備計画(中期防)」で、「護衛艦は47隻から54隻に増やすことになっている」と紹介し、「船体のコンパクト化でより少ない人数でも動かせるようにしたい」としました。

 質問した渡辺さんは、以前の旗艦「しらね」と比べて、現在の旗艦「あたご」の定員が100名以上増えていることを指摘。艦艇の定員に占める実際の乗組員の割合である「充足率」について、防衛省経理装備局長は防衛機密で答えられないとしました。これを受けて、渡辺さんは「100%ではない」とし、海上自衛隊が恒常的に充足率割れしていることが浮き彫りになりました。

 安倍首相は、南シナ海南沙諸島での、米軍による「航行の自由作戦」について、「当面は加わらない」と答弁しました。片山虎之助さんの質問に答えました。 

 これとは別に同日朝、NHKは、防衛省が、航空自衛隊主力戦闘機「F15」などに女性自衛官をパイロットとして起用する方針で、近日発表する、と報じました。自衛隊の深刻な人手不足が背景にあるとみられます。 米軍では女性の将官もいますが、これは国防総省ビル内で、後方支援を計画する将官。前線への投入が前提になる「F15」への乗り組みは、おそらく、世界的には異例ではないかと思われます。

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高木毅復興大臣パンツスキャンダル「(被害)女性を知らない」と答弁、他人事ながらだいじょうぶか?

2015年11月11日 14時24分17秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]小川敏夫さん、2015年11月11日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年11月11日(水)参議院予算委員会】

 予算の執行状況の調査「TPPをはじめ現下の政治課題に関する集中審議」。

 このうち、TPPについては、別エントリーに書きます。

 今秋、参議院民主党幹事長にふたたび就いた小川敏夫さんは、高木毅復興大臣のパンツスキャンダルをただしました。

 小川さんは元検察官。小川さんは、「被害者の女性は知っていますか」と問うと、高木大臣は「女性は知らない」と断言。「家に入った事はありません」とも明言しました。

 被害者(?)の女性は、地域青年団体主催のミスコンテストに出場した銀行員(当時)の女性だとされています。他人事ながら、高木さん「知らない」と断言してだいじょうぶなんでしょうかね。

 小川さんは「なぜ名誉棄損で出版社を訴えないのか」と重ねると、高木大臣は「弁護士と相談していますが、復興を加速するのが私の職責」と語りました。

 小川さんは「訴えるかどうかはあなたが決めることであり、弁護士は仕事でやるだけだ」とし、「私も法務大臣になったとき、週刊誌に事実無根を書かれたが訴えて勝訴した」としました。これは2012年の週刊新潮の元配偶者の有名女優へのDV、週刊文春の弁護士報酬違法請求との報道で、ともに、小川さんが勝訴しており、でっち上げだったことが民事で明らかになっています。

 小川さんは「同じように勝訴するか、身を引くかどちらかにしてほしい」と迫りました。

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岡田克也代表と4か月ぶり対決安倍首相、集団的自衛権の改憲否定せず 衆予閉会中審査

2015年11月10日 17時20分51秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]民主党代表でネクスト首相の岡田克也さん、2015年11月10日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年11月10日(火)衆議院予算委員会】

 第189回国会の閉会中審査として、予算の実施状況に関する件の集中審議「TPPなど」が開催。

 第3次安倍第1次改造内閣の初の国会審議です。

 岡田克也ネクスト首相(民主党代表)と安倍リアル首相(自民党総裁)の二大政党対決は、ちょうど4カ月ぶりになります。

 岡田さんは、自民党憲法改正草案第9条第2項の「自衛権の発動を妨げるものではない」について、「限定なき集団的自衛権か」と問いました。

 安倍さんは、「平成24年2012年の憲法改正草案は、21世紀において国民の命と暮らしを守るために法制上必要な措置だ」として、フルスペックの集団的自衛権を認めるものだとしました。岡田さんは「数がそろえば憲法改正を進めるのか」と問うと、安倍さんは「過半の国民の理解と支持のもとに、プロセスを進める」とし、来夏の参院選で、衆参各々で3分の2をとれば、改憲をすすめる考えを否定しませんでした。

 岡田さんは労働分配率を高めるうえで、首相が経営者に声をかけることを民主党代表として柔軟に認めました。そのうえで、最低賃金を高めることが大事だとし、CPIと比較した、いわば実質最賃上昇率は、民主党政権時の方がアベノミクスを上回っていると指摘し、首相は「精査したい」と防戦しました。アベノミクスで非正規が増え、正規は実数で減ったことについては、首相は「非正規の給与は増えた」と事実関係は正しいながらも苦しい答弁。「年齢ごとにきめ細かく分析してキャリア形成も含めて検討したい」と述べ、世代間格差の是正にとりくむ方針を初めて打ち出しました。岡田さんは「具体的な政策にしてほしい」と念押ししました。

 岡田さんは「まだまだ議論することはある」として臨時国会の召集を求めました。

 玉木雄一郎さんは、TPP大筋合意について、日本が攻める部分として、ピックアップトラックの日本から米国への輸出の関税が発効30年後まで撤廃されないのではないかと問いました。さらに12か国とは別に、日米の並行協議のなかで、30年以降も関税が残りかねない再協議の規定があるとして、外務省経済局長が認めました。どよめきました。

 TPP発効とそれに対する国内対策による食料自給率について、首相は「各項目ごとに分析して、年内にお示ししたい」とすると、玉木さんは「それでは補正予算案の編成に間にあわない」と牽制しました。

 高木毅復興大臣は、選挙区内にある高速増殖炉もんじゅの関連企業から「パーティ券を買ってもらっているが、政治信条に関係ない」としました。玉木さんはもんじゅの廃炉を求めました。

●柚木道義さんの福井2区泊まり込み調査で、「ミス銀行員パンツスキャンダル」を高木大臣「噂は知っているが、事実ではない」--

 柚木道義さんの福井2区での泊まり込み調査で、週刊誌による「パンツスキャンダル」について、地元の住民が「私たちが嘘をついていると言っているのか」と事実無根発言を怒っていることについて、「事実無根と言えるのか」と問いました。

 高木大臣は「そのような事実はありません。根拠はありません。選挙のたびにそういう噂が出ているのを知っているが、そのような事実はありません」としました。柚木さんによると、被害者は銀行員であり、1987年ごろに、ミスコンで優勝していたようです。ですから、「自民党大臣ミス銀行員パンツスキャンダル」と呼ぶべきでしょう。

 事実解明に向けて、今後とも、ていねいな時間をかけた審議が必要です。疑惑は深まりました。

 午前中の与党の質疑で、

 

 安倍晋三首相(自民党総裁)=画像・衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット=は「平成28年度税制改正大綱(のもとづく法案で)法人実効税率を引き下げる」と断言し、「企業にはこの分を投資に回してほしい」と要望しました。

 甘利TPP相は、「7年経ったら申し出があると仕切り直せる項目は、どの通商協定でも定番で入るものなんです」と語り、アメリカなど5か国の要望で発効7年後に「仕切り直す」再協議の規定があることを認めました。

 ◇

 午後の審議では、民主党は、柚木道義さん、山野和則さん、前原誠司筆頭理事が質問。

  維新の党は松野頼久さんが「ALICエーリック」など、今井雅人さん、井坂信彦さんが質疑。

 日本共産党の赤嶺政賢・沖縄1区選出議員は、「行政が行政を訴えたら行政不服審査法にならない」と普天間基地の辺野古移転プロセスを批判しました。

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TPPで「農業輸出品の補助金廃止」へ 「牛肉農家の赤字補てん」の恒久法案が2016年通常国会提出か

2015年11月10日 05時31分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]農林水産省の国旗、東京千代田区霞が関、2015年10月、筆者撮影。

 TPP条約=大筋合意=の第2章第23条に「農業輸出品の補助金の廃止」が入っていることが、筆者(宮崎信行)の精査で分かりました。

 畜産輸出補助金を廃止し、国内牛肉農家の「赤字を補てんする」法案が2016年通常国会に提出されるかもしれません。

 これはきのう9日のNHK報道を受けて、筆者・宮崎信行が、TPP条約案、平成27年度一般会計予算、法律を精査して、分析したものです。

 TPP条約の第2章第23条は、農業の輸出にかかる補助金の廃止を、12か国に求めています。

 条約(案)の英語版によると、「Article 2:23 Agiricultural Export Subsidies」という第2章第23条には、

 「1.The Parities share the objective of the multilateral elimination of export subsidies for agricultural goods(後略) 」とあります。

 仮に翻訳すると、加盟国は農産物の輸出補助金を廃止することを多国間(マルチラテラル)で共有する、という感じです。

 そして、平成27年度2015年度の日本政府の一般会計予算書には、農水省の「牛肉など関税財源国産畜産物食農連携強化対策費」が710億円計上されています。この補助金は、「ALIC(エーリック)独立行政法人農畜産業振興機構」が付けています。この独法は、畜産物だけでなく、砂糖、野菜の補助金も交付しています。

 これは現在予算措置で根拠法がないようで、報道によると、「牛肉農家の赤字補てんを恒久化する法律案」を作成し、豚肉農家も対象にするかどうか検討するということです。

  おそらく、ALICが所管する畜産物価格安定法の、農相が定める「安定価格」を維持するための「交付金(補助金)」を、国内流通に限るかたちの方向性になると考えられます。

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あすの衆予算委閉会中審査は自民党、高木・馳・森山・河野・島尻5大臣の資質も争点に

2015年11月09日 15時48分02秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]高校授業料無償化法の審議で、与党・田中真紀子委員長に詰め寄る、野党・自民党の馳浩さん、平成22年2010年3月12日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 あす11月10日(火)は午前8時55分から、衆議院予算委員会(河村建夫委員長)の閉会中審査「予算の実施状況に関する件 集中審議TPPなど(7時間)」が開かれます。

 予算の実施状況に関する調査ですから、先月7日に就任した、新しい省の大臣の予算実施者としての身ぎれいさはイの一番の議題になります。

 浮上しているのは次の各点。

 ・高木毅復興大臣 30年前に女性の下着を盗んだが市長である父の働きかけもあり、不起訴になったのではないかという疑惑(おもに刑法関係)
             総支部から選挙区内での慶弔費を出していた疑惑(おもに公職選挙法関係)。
 ・馳浩文部科学大臣 補助金受給企業からの政治献金疑惑(おもに政治資金規正法第22条の3関係)。
 ・森山裕農林水産大臣 入札指名停止企業からの政治献金(独占禁止法や政治資金規正法関係)。
 ・河野太郎国家公安委員長 入閣に前後して、公式ブログ内の過去の発言を閲覧できないようにした疑惑。
 ・島尻安伊子内閣府沖縄および北方問題担当大臣 選挙区内でカレンダーを配っていた疑惑。

 の5大臣の疑惑が出ています。

 説明責任といいますが、Accountabilityなので、説明能力と言うべきです。

 高校授業料無償化法は所得制限がつきました。文科大臣の馳さんは、5年前野党・自民党議員として、法案採決にあたり、田中真紀子文部科学委員長の原稿を強引に奪い取る暴挙をしでかしました=画像=参照。なんなんですか、これは。田中委員長は田中角栄さんの娘さんですよ。田中委員長がとっさに蕭然とした態度をとれたのは、田中元首相の元ファーストレディーだったからで、このようなふるまいは政治への人材供給を細らせることになります。

 島尻沖縄相は、「後援会の討議資料」とか「党機関紙号外」と説明すればいいものを、有償物であるカレンダーなどと説明してしまった、「説明能力」の責任が問われます。これは非世襲だからこういうことが起きます。昭和50年1975年9月19日に自治省選挙部が各自治体選挙管理委員会に通達した質疑集には「(問)候補者などが、その名入りのうちわやカレンダーを選挙区内にある者(親族を除く)に対して贈ることはできないか。(答)お見込みのとおり」とあります。すなわち、ちょうど1年前の松島法相のうちわ問題とまったく同じ条項で「非世襲」「女性」が狙われたことになります。

 森山農相は、指名停止企業からの献金と言うことで、県庁の情報との関係性も説明する能力が必要です。

 河野太郎国家公安委員長は世襲ですから、説明能力のハードルはイチバン高いのは当然です。

 しかし、なんと言っても、国会閉会後の10月の国会議事堂では、立場の違いを超えて、高木復興相の「パンツスキャンダル」でもちきりでした。いかに、永田町がストレスの巣窟であり、また、245日間のロングラン通常国会が熾烈だったかを物語るように、衆参、与野党、男女問わず、人気の少ない閉会中の国会議事堂内の個室では、偉い人たちが「パンツ」「パンツ」の大連呼でした。世襲だから刑事事件にならないという不平等が許されていいのでしょうか?



 岡田克也さんの質問通告は次の通り。


【日時】 11月10日(火)9:00~17:00


      岡田克也 質疑時間 10:30~11:30 計60分


      (NHK総合テレビにて放送予定)


【要旨】  1.憲法と安全保障法制


2.日中韓首脳会談


3.アベノミクスの成果


4.新3本の矢


5.臨時国会開会について


(要求大臣 内閣総理大臣)

 ◇

 予定(時間は後ずれも)

 9時から10時まで 自民党稲田政調会長
 10時から10時30分まで 公明党石田政調会長
 10時30分から11時30分まで 民主党岡田克也代表
 11時30分から12時00分まで 民主党玉木雄一郎・衆農水委筆頭理事。
 13時00分から13時20分まで 民主党柚木道義・衆決算行政監視委員会筆頭理事。
 13時20分から13時49分まで 民主党山井和則・衆厚労委筆頭理事。
 13時49分から14時29分まで 民主党前原誠司・衆予算委筆頭理事。
 14時29分から14時54分まで 松野頼久・維新の党代表。
 14時54分から15時29分まで 今井雅人・維新の党幹事長。
 15時29分から16時08分まで 井坂信彦・維新の党政調会長。
 16時08分から17時00分まで 赤嶺政賢・日本共産党沖縄1区選出議員。


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あさって10日(火)衆、11日(水)参で閉会中審査 本予算の「岡田克也・玉木雄一郎黄金リレー」再登場

2015年11月08日 13時07分40秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 衆議院予算委員会と参議院予算委員会は、今週理事会を開き、10日(火)の衆・予算委閉会中審査、11日(水)の参・予算委閉会中審査を設定します。このもようはNHK国会中継され、ことし最後の国会中継になると思われます。

 閉会中審査の議事録は、先の第189回通常国会のカテゴリーに収録されます。

 民主党は、本予算案の初日の、岡田克也さん→玉木雄一郎さんリレーが再現します。

 2月19日(木)の本予算案審議のしょっぱなで、岡田新代表が登場して圧力をかけ、玉木さんの質疑中にたまらず安倍総理は「日教組どうすんだよ!、日教組!」という意味の分からない野次を飛ばしました。

 岡田さんはのっけから、「ジニ係数の計算方法」という技術的な質問からはじめ、甘利経財相が「たぶん答え真ん中にある」と、政府の認識に誤りがあることを示唆した苦しい答弁。自席に戻った甘利大臣は野次を飛ばし、岡田さんに叱られました。その後、ISIL日本人2人殺害事件で前年の総選挙中の官邸で、首相と官房長官がともに留守にしていた点を指摘。菅官房長官も苦しい答弁。安倍首相は終始揉み手で答弁。

 次に玉木雄一郎さんが、地方創生の定義について、石破担当相に質疑。そして、農相(当時)の政治献金について質疑している最中に、安倍首相が野次を飛ばしました。

 安倍さんは野次るんなら、岡田代表(The Opposition Leader)に野次ればよかったのではないでしょうか。

 安倍首相(自民党総裁)と岡田代表(次の内閣首相、The Opposition Leader)の直接対決は、7月10日(金)の衆・安保特以来、ちょうど4カ月ぶり。

 岡田代表本人の第189回通常国会登壇は、10回目。ただし党首討論(QT)を毎週水曜日に開いていれば、その3倍の登壇回数があったでしょう。

 2人を比較すると、岡田さんは昭和28年生まれ、玉木さんは昭和44年なので、わずか16歳違いです。期数は岡田さんが9期、玉木さんが3期で、ともにすべて選挙区当選。岡田さんはハーバード大学に1年間「研修生」、玉木さんはハーバード大学院を卒業しています。岡田さんの奥さんの実のお兄さんである、村上誠一郎・自民党内閣府行政改革担当大臣の事務秘書官を玉木さん(財務省から出向)していた縁があります。

 光文社「FLASH」の2015年8月4日号の、「政治記者101人が選んだ5年後の総理」で、小泉進次郎さん(126点)さんにトップを奪われましたが、8位の橋下徹さん(36点)に続き、玉木さんは9位(31点)。現職野党議員のトップにつけました。岡田克也さんは19位で、3年弱内閣府副大臣をつとめた西村康稔さんと、ヒゲの隊長佐藤正久と同じ10点でしたが、麻生副総理の8点は凌ぎました。小沢一郎さんは23位(6点)でした。

 このため、民主党内では「岡田内閣・玉木官房長官」のイメージも、静かにじわりと浮上しており、玉木さんの同年代の人材発掘を、玉木選対副委員長に全権委任しています。

 16歳違いと言っても、自民党と民主党が順繰りに担当するので、昔より半分で計算しないといけません。なので、安倍内閣の後に、岡田内閣が5年続くと、その後、政権再交代で自民党が4~7年やって、玉木内閣が5年続くようなスケジュール感がイメージされます。

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軽減税率は既にある 税制をめぐる日本民主政治の危機

2015年11月07日 05時04分20秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 軽減税率はすでに導入されています。

 消費税法第6条は「別表第一にかかげるものには、消費税を課さない」。

 別表第一には次の13項目をあがっています。

 (1)土地(2)有価証券(3)融資(4)切手・商品券など(5)特許料などの政府手数料(6)医療費(7)介護費(8)助産費(9)火葬・埋葬料(10)身体障害者用物品費(11)教育費(12)教科書費(13)住宅費ーーの以上13項目です。

 これらは消費税ゼロの軽減税率です。

 住宅用家賃は消費税ゼロですが、オフィス家賃は消費税8%です。

 国会議員が話さないし、新聞記者も書かない。知らないんでしょう。

 複雑な税制は日本の民主政治そのものを根こそぎ押し流してしまいました。

 軽減税率は、平成28年度税制改正法案(国税、地方税)として、2016年2月頃国会に提出され、3月末に成立する見通しです。

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安倍首相「1億総活躍社会」の政策パッケージを補正予算案として2016年通常国会に提出

2015年11月06日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 (初投稿日時は2015年11月7日午前5時で、6日付にバックデートする予定)

 安倍晋三首相(自民党総裁)は国会閉会中の11月6日(金)、読売新聞社関係の団体で講演し、
 
 (1)GDP(名目)600兆円
 (2)希望出生率1.8
 (3)「介護離職ゼロ」

 とする3つの的(新3本の矢)とのスローガンを強調し、 

 「一億総活躍の社会をつくるため、国民的な運動を広げていきたいと思います。今月中に、緊急に実施すべき対策第一弾を取りまとめる。必要なものは、補正予算による対応を検討してまいります」と語りました。

 官房副長官から先月、「一億総活躍社会担当大臣」に転出した、加藤勝信・大臣がとりまとめる政策パッケージをもとに、来年1月に補正予算案を提出することを明言しました。

 平成27年度第1次補正予算案は、2016年1月上旬から審議が始まり、中旬にも成立し、執行される見通し。その半年後に参院選を向けることになります。

 この聞きなれない「一億層活躍社会」とは、9月24日(木)に自民党総裁に再選した後の、自民党本部での記者会見で打ち出したことば。

 第2次野党期の総裁だったときに打ち出した、

 3本の矢

 (1)異次元の金融緩和
 (2)機動的な財政出動(政府支出の拡大)
 (3) 成長戦略(規制改革)

 これに続き、「新・3本の矢」だとしています。

 通常国会はまず、この「1億総活躍社会」のあり方についての議論からスタートすることになりそうです。

 正直、意味の分からないスローガンであり、議論は抽象的であり、複雑な予算・税制により、自民党の既得権益団体が得をすることになります。参院選の自民党選挙事務所は活況を呈し、うまく回るでしょう。

 「子ども手当」「高校授業料無償化」「戸別所得補償」「租税特別措置の廃止」などシンプルな経済政策を10年以上打ち出し3年間政権を担った民主党は、その経済対策が評価され、投票率が高ければ、参院選で議席を伸ばせる公算がでてきました。 

 安倍首相はおととしのNHK日曜討論きょねんのJC日本青年会議での講演 など、夏から秋にかけて、パラダイムを打ち上げる日程感が続いています。

[自民党ウェブサイトから、コピーアンドペーストで引用はじめ]

安倍晋三総裁記者会見(両院議員総会後)

平成27年9月24日(木)18:00~18:30
於:党本部901号室

はじめに

止まらぬデフレ、美しい海や国土に迫る脅威。3年前、日本は、民主党政権の下で混乱を極め、国家的な危機に直面していました。
その危機感を共有し、国民の皆さんの力によって、私たちは政権を奪還することができました。
あれから2年9か月。
「日本を取り戻す」。この、お約束を実現するために、私たちは、全力を尽くしてまいりました。
アベノミクスによって、雇用は100万人以上増えた。2年連続で給料も上がり、この春は、17年ぶりの高い伸びとなった。中小・小規模事業者の倒産件数も、大きく減少した。
もはや「デフレではない」という状態まで来ました。デフレ脱却は、もう目の前です。
この3年で、日本を覆っていた、あの、暗く、重い、沈滞した空気は、一掃することができました。日本は、ようやく、新しい朝を迎えることができました。
この3年間の実績に対して、「更に次の任期を務めよ」との、多くの党員の力強い支持を頂き、更に3年間、自由民主党総裁の重責を担うこととなりました。
これまでの3年間を超える「結果」を出すことを、私は求められている、と思います。
次の3年間、私は、未来を見据えた、新たな国づくりを力強く進めていきたい。本日、この日から、アベノミクスは、「第二ステージ」へと移ります。

 

ニッポン一億総活躍プラン

目指すは「一億総活躍」社会であります。
少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も、人口1億人を維持する。その国家としての意志を明確にしたいと思います。

同時に、何よりも大切なことは、一人ひとりの日本人、誰もが、家庭で、職場で、地域で、もっと活躍できる社会を創る。そうすれば、より豊かで、活力あふれる日本をつくることができるはずです。
いわば『ニッポン「一億総活躍」プラン』を作り、2020年に向けて、その実現に全力を尽くす決意です。

 

そのために、新しい「三本の矢」を放ちます。

第一の矢、『希望を生み出す強い経済』。
第二の矢、『夢をつむぐ子育て支援』。
第三の矢、『安心につながる社会保障』。
希望と、夢と、安心のための、「新・三本の矢」であります。
アベノミクスによる成長のエンジンを更にふかし、その果実を、国民一人ひとりの安心、将来の夢や希望に、大胆に投資していく考えであります。

 

 

強い経済

「今日よりも明日は、きっと良くなる」。明日への「希望」は、強い経済なくして、生み出すことはできません。これからも「経済最優先」。経済政策が「第一の矢」であります。

そのターゲットは、「戦後最大の経済」、そして、そこから得られる「戦後最大の国民生活の豊かさ」であります。GDP600兆円の達成を、明確な目標として掲げたいと思います。
そのために、雇用を更に増やし、給料を更に上げて、消費を拡大してまいります。デフレから脱却し、力強い成長軌道に乗せるため、「生産性革命」を大胆に進めていく。大きな経済圏を世界に広げながら、投資や人材を日本へと呼び込む政策を、果断に進めてまいります。
女性の皆さんが、家庭で、職場で、地域で、もっと、もっと活躍できる社会を創っていかなければなりません。一度失敗を経験した皆さん、難病や障害のある方、すべての人が、もう一歩前に踏み出すことができる社会を創ることが必要です。「多様な働き方改革」を進め、誰にでも活躍のチャンスがある経済を創り上げてまいります。
北は北海道から、南は沖縄まで、地方がそれぞれ持っている特色を存分に活かしながら、「ふるさと」を活性化する。地方創生も、いよいよ本格化してまいります。
南アルプスを貫く、全長25キロメートルに及ぶ、巨大トンネル。先月、リニア中央新幹線が、本格着工となりました。東京と大阪を一時間で結ぶ「夢の超特急」であり、日本の最先端技術の結晶であります。北陸新幹線は、今年の春、富山から、金沢まで乗り入れました。更に、来年3月には、北海道新幹線が開業となります。
高速鉄道によって、北から南まで、地方と地方をつないでいく。日本全国が、大きな一つの経済圏に統合されることによって、それぞれの地方に、ダイナミックな「成長のチャンス」が生み出される。地方創生の大きな起爆剤となる、と考えています。

 

 

子育て支援

第二の矢は、「夢」を紡ぐ「子育て支援」であります。

そのターゲットは、希望出生率1.8の実現です。
多くの方が「子どもを持ちたい」と願いながらも、経済的な理由などで実現できない残念な現実があります。
待機児童ゼロを実現する。幼児教育の無償化も更に拡大する。三世代の同居や近居を促し、大家族で支え合うことも応援したいと思います。さらに、多子世帯への重点的な支援も行い、子育てに優しい社会を創り上げてまいります。
「子どもが欲しい」と願い、不妊治療を受ける。そうした皆さんも是非支援したい。「結婚したい」と願う若者の、背中を押すような政策も、打っていきたい。誰もが、結婚や出産の希望を叶えることができる社会を、創り上げていかなければなりません。
そうすれば、今1.4程度に落ち込んでいる出生率を、1.8まで回復できる。そして、家族を持つことの素晴らしさが、「実感」として広がっていけば、子どもを望む人たちがもっと増えることで、人口が安定する「出生率2.08」も十分視野に入ってくる。少子化の流れに「終止符」を打つことができる、と考えています。
教育再生の主役は、「子どもたち」であります。
同じ子どもは、一人として、いません。個性はそれぞれ違います。社会の価値観も多様化しています。そうした時代にあって、教育制度の複線化は不可欠です。
いじめや発達障害など、様々な事情で学校に通えない子どもたちには、フリースクールなど多様な場で、自信を持って学んでいけるような環境を整えます。
子どもたちの未来が、家庭の経済事情によって左右されることがあってはなりません。奨学金を拡充し、希望すれば、誰もが、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えます。ひとり親家庭の支援も充実し、子どもの貧困の問題に取り組みます。
子どもたちには、無限の可能性が眠っています。誰でも、本人の努力次第で、大きな「夢」を紡いでいくことができる。そうした社会をつくりあげていきたいと思います。

 

 

社会保障

第三の矢は、「安心」につながる「社会保障」の構築です。

社会保障は、高齢者の皆さんのみならず、現役世代の「安心」も確保するものでなければならない。そうした観点で、社会保障制度の改革・充実を進めてまいります。
特に、仕事と介護の両立は、大きな課題であります。私は、「介護離職ゼロ」という、明確な旗を掲げたいと思います。
直近の調査で、介護離職者が、初めて、年間10万人を超えました。離職を機に、高齢者と現役世代が、共倒れしてしまうという悲しい現実があります。
東京五輪が開かれる2020年には、団塊世代が70歳を超え、その数は、さらに増えていく。日本の大黒柱である、団塊ジュニア世代が、大量離職する事態となれば、経済社会は成り立たなくなる。
その危機は、もう目前に迫っています。
今、ここから、始めなければなりません。
「介護離職ゼロ」を目指して、介護施設の整備や、介護人材の育成を進め、在宅介護の負担を軽減する。仕事と介護が両立できる社会づくりを、本格的にスタートさせたいと思います。
急速な高齢化の進展。社会保障負担の増加。
単にそう考えれば、これは、ピンチでしかありません。しかし、豊富な経験や知恵を持つ人材が増えると捉えれば、これは、大きな、大きなチャンスであります。
意欲あふれる高齢者の皆さんに、社会の担い手として、もっと活躍して頂く。「生涯現役社会」の構築を目指します。
予防に重点化した医療制度へと改革を進めます。企業による健康経営、健康投資を促すような仕組みをつくりあげます。
同時に、高齢者に多様な就労機会を提供してまいります。年金も含めた所得全体の底上げを図ることで、高齢者世帯の自立を支援してまいります。

 

 

おわりに

「継続こそ力」である。
経済の再生も、外交上の国益の確保も、「政治の安定」なくして、成し遂げることはできない。これが、この3年間で学んだ、大きな教訓であります。
その意味で、一昨年の参議院選挙、更には昨年の衆議院選挙で、「安定した政治を進めよ」と、与党に大きな力を与えてくださった、国民の皆様に、改めて、感謝申し上げます。
だからこそ、私たちは、現状に満足しはいけない。数の上にあぐらをかいて、立ち止まってはいけません。
この安定した政治基盤を大きな力として、長年手つかずであった、日本社会の構造的な課題である、少子高齢化の問題に、私は、真正面から挑戦したいと考えています。
30年、40年、そして50年先を見据えながら、私たちの子や孫の世代のために、新たな国づくりを進めていく。「一億総活躍」の時代を切り拓くため、これからの3年間、全身全霊を傾注していく覚悟であります。

[引用おわり] 

[首相官邸ウェブサイトから全文引用はじめ]

平成27年11月13日
読売国際経済懇話会(YIES) 講演会2015 安倍総理スピーチ

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 皆様、こんにちは。安倍晋三でございます。
 このところ、内政に、外交に、かなり慌ただしい日々を送っております。戦後最長の通常国会が終わって、直ちにニューヨークで国連総会。帰国後、直ちに第三次安倍改造内閣を発足させました。先々週はモンゴルと中央アジア5か国を訪問いたしました。先週末は、3年半ぶりの日中韓首脳会談、そして、初めての日韓首脳会談を行いました。その合間に、新政権の挑戦課題「一億総活躍」の国民会議をキックオフいたしました。
 そうした中で、今日は、皆さんの前で1時間もの講演でございまして、日本の総理大臣には、全く休息はないということではないかと思います。
 この懇話会は、先ほど御紹介をいただきましたように3年ぶりでございまして、前回は、3年前の11月15日の木曜日であります。
 なぜ覚えているかは、先ほど御紹介がございましたように、正に前日の14日に、党首討論があり、その場で、当時の野田総理から「解散する」との発言がございました。そして、講演の翌日、16日に、衆議院は解散されたわけであります。あの政権交代選挙へと突入していった、政局が一気に動いた最中でありましたから、正に鮮明に記憶をしております。
 あれから、ほぼ3年。今回の講演も、私にとっては、絶妙なタイミングであります。と言いますのも、3年前、この場所で申し上げたことが、今、次々と実現をしています。その成果報告をさせていただくことができるからであります。

 3年前、どなたかが私に質問されました。
 「安倍さんが総理大臣になったら、日中関係はもっと悪くなるんじゃないですか」
 相当ストレートな質問でありました。
 当時、野田政権の下で、尖閣国有化が行われ、日中関係は冷え込んでいました。そうした中で、私が総理になれば「日中関係はもっと悪化するのではないか」と考える方は、残念ながら当時、相当たくさんおられたのであります。
 ただ、私はその時「私は、民主党政権の人たちよりは、タフだ」。「政治は現実なので、日本の国益を最大化すべく、考えていく」と、3年前、この場で、お約束をいたしました。
 結果は、どうだったか。習近平国家主席とは、既に二度の首脳会談を行い、戦略的互恵関係の原則を確認いたしました。先週末も、ソウルで、李克強総理と会談し、関係改善の流れを一層強化することができました。
 日本と中国は、切っても切れない関係です。世界第3位と第2位の経済大国として、地域、更には世界の平和と繁栄に、大きな責任を共有しています。
 昨今、中国経済の減速懸念が高まっていますが、中国政府には透明性をしっかりと確保しながら構造改革を着実に進めてもらいたい。中国の平和的な発展は、日本にとって大きなチャンスであるだけでなく、世界経済の成長にも欠かせません。日本として、そのための協力は惜しみません。
 隣国ゆえに難しい課題もありますが、今後とも、あらゆる機会を活かして、対話を続けていきたいと考えています。
 韓国の朴槿恵大統領とも、月曜日、初めての首脳会談を行いました。隣国同士、様々な懸案がありますが、だからこそ、前提条件を付けることなく話し合いを行うべきだと、私はかねがね繰り返し申し上げてまいりました。そして、今般、日韓首脳会談が実現しました。リーダー同士、胸襟を開いた率直な意見交換を行うことができたと考えております。
 同じく隣国のロシアとは、戦後70年を経た現在でも、平和条約を締結できていないという異常な状態が続いています。
 これまで11回にわたって首脳会談を重ねてまいりました。プーチン大統領の訪日をベストなタイミングで実現したい。個人的な信頼関係の下に、経済・文化など重層的な協力関係を深めながら平和条約の締結を目指してまいります。
 総理就任以来、訪問した国は、既に60か国を超えました。経済界の皆さんにも御同行いただくことも多く、トップセールスによる経済外交も、大きな成果を挙げつつあります。
 来年は、いよいよ伊勢志摩サミットがあります。日中韓3か国の首脳会談も日本がホストする。日本とアフリカ諸国が一堂に会するTICADも日本で開催される予定であります。
 来年は、日本が国際社会を力強くリードする1年としていく。今後も、地球儀を俯瞰する観点を持って積極的な外交を展開してまいりたいと思っています。

 先日、体操の世界選手権で、日本男子チームが見事金メダルを獲ってくれました。団体での金メダルは、なんと37年ぶりだそうであります。
 体操ニッポンと言えば「鬼に金棒、小野に鉄棒」と言われました。その時代から完成度の高い、美しい演技で世界を魅了してきました。
 しかし、10年前、ルールが変わった。難易度の高い技をたくさん詰め込んだ方が高い得点を取ることができるよう、ルールが変更されました。そのことで、しばらく苦戦を強いられることになりました。
 やはりルールというものは、人から与えられるのではなく、自らの手で創り上げていくものであります。
 先般、大筋合意したTPPは、正に21世紀の世界の経済ルールを日本とアメリカで主導して創ろうとする営みでありました。
 これまで、グローバルな競争と言えば、行き過ぎた価格競争。「安かろう、悪かろう」が、ややもすると幅を利かせてきました。恣意的で、不透明な政府の介入も、しばしば行われてきました。
 しかし、TPPの下では、サービスから知的財産に至るまで、幅広い分野で品質の高さが正しく評価される、透明で公正なルールが共有されます。
 消費者は「良いものを、より安く」手に入れることができるようになります。おいしくて安全な農作物をこしらえる、農家の皆さんの手間暇も真っ当に評価される。中小・小規模企業の皆さんには、自ら培った高い技術力で世界へと飛躍する大きなチャンスが生まれます。
 TPPは、正に「国家百年の計」。人口8億人、世界経済の4割近くを占める広大な経済圏に、自由でフェアなマーケットが生まれます。
 大筋合意の後、韓国やインドネシアといった国々からTPPへの参加に高い関心が示されました。当然、私たちが作った新たなルールを受け入れてもらうことが前提となります。しかし、我々は大いに歓迎したいと考えています。
 3年前、この場で「経済交渉は、結果が全てだ。」と、きっぱりと申し上げました。ようやく御理解をいただけたのではないかと思います。

 そして3年前の講演で私が最も強調した点は、デフレ脱却、経済再生であります。
 15年続いたデフレ。給料も上がらず、税収も減少を続けていました。社会保障の基盤も危うくなる。漠然とした不安が日本を覆っていました。
 日本人も自信を失っていた。デフレマインドが日本の隅々にまでこびりつき「日本はもう二度とデフレから脱却することはできない」、「日本は黄昏を迎えている」といった無力感すら漂っていました。
 しかし、アベノミクスの3年間によって日本を覆っていた、あの暗く重い空気は一変しました。
 1ドル80円を切るような、行き過ぎた円高は是正されました。日経平均株価も、8千円台から2倍以上、上昇しました。
 仕事が国内へと戻り始め、雇用は100万人以上増えました。正社員に限った有効求人倍率も、2004年の統計開始以来、最高の水準になっています。足元では、一年前と比べて、正規雇用は21万人増加しています。
 賃金も増加を続けており、今年の春は17年ぶりの高い伸び率となりました。先週発表された経団連の集計では、大手企業の冬のボーナスは平均で91万円を超え過去最高を更新しました。
 日本経済は、デフレ脱却に「あと一息」のところまでやってきました。そして、日本は、もう一度成長することができる。その確かな自信を、私たち日本人は取り戻しつつあります。

 今こそ、新たなスタートを切る時であります。
 従来の「三本の矢」の経済政策を一層強化する。同時に、その果実を活かして長年手つかずであった日本の構造的な課題、少子高齢化の問題に果敢にチャレンジする。そう決意いたしました。
 総理就任以来、私はロンドン・シティ、ダボス会議、そして毎年のニューヨーク訪問の際、海外の投資家に直接「バイ・マイ・アベノミクス」と日本への投資を訴えてきました。
 コーポレートガバナンス改革、法人税改革、農業・医療・エネルギーなどの岩盤規制の改革。TPPを始めとする経済統合。成長戦略は海外でも高い評価を得てきました。
 しかし、海外投資家からは、常に同じ質問が投げかけられてきました。
 「少子高齢化の中にある日本は、たとえどんな改革を進めても、今後必ず人口が減っていく。持続的な成長は見込まれず、投資リターンが期待できない。」「この構造的な問題を、アベノミクスはどう解決するのか」と。
 日本が、少子高齢化に死にもの狂いで取り組まない限り、日本への持続的な投資は期待できない。これが、アベノミクス第一ステージで得られた結論でありました。
 つまり、少子高齢化に歯止めをかけることは、単なる社会政策ではありません。むしろ、究極の成長戦略であります。アベノミクス第二ステージでは、この少子高齢化の課題に、真正面から立ち向かうことといたしました。

 50年後も、「人口一億人」を維持する。これを、明確な国家目標として掲げます。
 現在の出生率は、1.4程度に低迷しています。この傾向が続けば、50年後には日本の人口は8千万人余りになってしまう。なおかつ、人口の4割が65歳以上という、超高齢社会が出現します。
 さらに100年後には、人口は4千万人となる。現在の人口の3分の1であり、国力衰退に直結します。
 明治初年の日本の人口は、3千5百万人ほど。終戦直後には、ちょうど2倍の7千万人余りとなりました。そこから20年間で高度成長と歩調を合わせて人口は増加の一途を辿り、昭和42年に戦後初めて人口が「一億人」を突破しました。
 2年後、国際政治学者の高坂正堯先生が、全26巻に及ぶ「大世界史」シリーズの最終巻を出版します。そのタイトルは「一億の日本人」でありました。
 当時の昂揚感が伝わってくるようであります。その最終章の書き出しは「昭和44年の日本人は、豊かなひとびととなった。」でありました。昭和48年の世論調査では、自分の生活程度は上・中・下の「中」だという回答が、初めて9割を超えました。
 今から50年ほど前。昭和40年代は、国民生活も豊かになり「一億総中流」という言葉が流行した時代。正に「人口一億人」は、日本の豊かさの象徴的な数字であります。
 50年後も、この「一億人」を維持していく。そうすれば、その時点の人口構成比も65歳未満が3分の2となり、年齢階層別の不均衡も解消される計算となります。

 無論、ただ「人口一億人」を維持すればよい、というわけではありません。
 最も大切なことは、「一億人」の一人ひとりが、家庭で、地域で、職場で、もう一歩前に踏み出すことができる。それぞれの希望が叶い、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生き甲斐を感じることができる社会を創ることです。
 私の故郷、山口県長門市の歌人、金子みすずの有名な歌に「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい」というものがあります。
 世の中には、家庭に専念して子育てに頑張りたい人もいれば、子育てや介護と両立しながら仕事を続けたい人もいる。リタイア後の第2の人生は地域に貢献したいという高齢者の皆さんもいます。
 まさに、人生は、十人十色。
 若者もお年寄りも、女性も男性も、難病や障害のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが活躍できる社会を創る。そのために、一人ひとりの「希望」を阻む、あらゆる制約を取り除いていく。
 こうした思いから生まれたのが「一億総活躍」という言葉であります。
 この言葉については「戦前のスローガンのようだ」とか、「国家による押しつけだ」といった批判があります。これは私の不徳の致すところでありますが、私がしゃべるとどうしてもそういうレッテルを貼りたくてしょうがない方々が、いらっしゃるようですが、まったくの的外れであります。
 そうした全てを画一的な価値観にはめ込むような発想とは、むしろ対極にある考え方であります。一人ひとり、それぞれの人生を大切にする考え方が「一億総活躍」であるということを、どうか御理解いただきたいと思います。

 「一億総活躍」の実現に向けて、私は新しい「三本の矢」を放ちます。今回の新たな矢には、それぞれ明確な「的」があります。
 第一の的は「戦後最大のGDP600兆円」。これに向かって、これまでの「三本の矢」を束ね、より強固な「希望を生み出す強い経済」という第一の矢を放ちます。
 これまでの最大の名目GDPは、バブル崩壊直前の平成9年に記録した523兆円です。それが、リーマンショック後471兆円まで落ち込みました。アベノミクスによって成長率がマイナスからプラスへと転じた結果、足元で500兆円まで回復しています。
 ここから、毎年、名目3%以上の成長が実現すれば、2020年頃にはGDP600兆円は十分達成することができます。
 「名目3%成長なんて、ここ20年、一度も実現していないじゃないか。」
 そういう批判が、皆さんからも聞こえてきそうであります。
 しかし、そもそもこの20年間デフレだったんですから、名目で成長するわけはないんです。デフレを当然の前提として、デフレ発想で推し量ること自体が既に間違っています。
 今年、日本を訪れる外国人観光客はおそらく2千万人近くまで増える見込みです。しかし、たった3年前は8百万人ほどでした。総理就任以来、ビザの緩和などを戦略的に進め、1年目で1千万人を突破、2年目で1千3百万人余り、そして今年、いよいよ2千万人に近づいていきます。
 これだけの急速な伸びを、誰が予測したでしょうか。
 足元の7-9月期では、外国人旅行客の国内での消費は、初めて1兆円を超しました。昨年の同じ時期と比べてほぼ2倍です。私自身も正直申し上げて、ここまで伸びるとは思いませんでした。
 安倍政権が発足してから、海外から日本への投資は10倍以上増加しました。
 少し前までは、外国企業の方々に「アジアのどこに投資しますか」と聞けば「中国」という答えが一番多かった。しかし、直近の調査では、R&D拠点を置くならば「日本だ」という回答がトップになりました。
 日本のアジアにおける存在価値は、確実に高まりつつあります。例えば、来年の春には、アップル社がアジアで初めての研究開発拠点を横浜でオープンする。こんな心強い朗報もあります。
 このような事態を、3年前誰が予想したでしょうか。
 これまでの想定を超える大胆な政策を実施すれば、予想を超える成果が生まれてくる。それは当然のことであります。ですから私はこれからも、皆さんの期待を上回るような改革を、次々と断行していきます。
 法人実効税率を数年で20%台にまで引き下げ、国際的に遜色のない水準へと法人税を改革する。この目標の下に、今年4月から2.5%引き下げました。更に来年は、0.8%引き下げることを既に決めています。
 来月決定する税制大綱では、これに確実に上乗せを行い、来年4月から更なる引き下げを実現します。今後の道筋をつけていきたいと考えています。
 そのことによって、国内外からの日本への投資を促し、生産性革命を進め、イノベーションを起こしていきたいと考えています。経済界の皆さんにも、積極果敢に、設備や人材への投資を行っていただきたいと思います。
 加えて、TPPにとどまることなく日本と欧州のEPA、RCEPなど、自由な経済圏を更に広げていく。先般の日中韓首脳会談での最も大きな成果の一つは、日中韓FTA交渉の加速化であります。中韓両国からの強い期待感を感じました。これはTPPという強い礎ができたからこそであります。
 さらに、経済の好循環を回し続け、内需を拡大する。地方に眠る「可能性」を更に開花させる。働き方改革を進め、女性や高齢者の皆さんのチャンスを広げる。既存の規制・制度の改革を断行する。
 あらゆる政策を総動員していけば、日本の潜在成長率は確実に押し上げることができる。そして「GDP600兆円」を実現できる。私は、極めて現実的な目標であると確信しています。

 第二の的は「希望出生率1.8」の実現です。そこに向かって「夢を紡ぐ子育て支援」という第二の矢を放ちます。
 「結婚したい」。「子どもが欲しい」。一人ひとりのこうした願いがすべて叶えられれば、それだけで出生率は1.8へと上昇します。これが「希望出生率1.8」の目標であり、2020年代半ばまでに実現しなければならないと考えています。
 私が、出生率を目標にするなどと申し上げると、すぐに、「産めよ、増やせよ」じゃないかという批判が出てまいります。これは平和安全法制の時もそうだったのですが、分かっていながら、あえて根拠のない不安を煽ろうと、レッテル貼りをする人たちがいます。
 しかし、あくまで「希望」出生率であって、結婚したくない人、産みたくない人にまで、国家が推奨しようというわけでは断じてありません。
 例えば、経済的な事情で、結婚や出産を躊躇している若者たちがいます。たしかに、結婚・出産で家族が増えれば、衣食住のコストが上がります。とりわけ、広い住まいに引っ越すことになれば、家賃はこれまでよりも高くなってしまう。
 ですから、新婚夫婦や、子育て世帯の皆さんには、公的賃貸住宅に優先的に入居できるようにすると同時に、家賃負担を大胆に軽減する取組を始めたいと考えています。
 妊娠・出産に要する負担の更なる軽減策も検討したい。子宝を願って、不妊治療を受ける皆さんへの支援も、一層拡充していく考えであります。
 子育てにやさしい社会を創らなければなりません。
 安倍政権になって、「待機児童ゼロ」という目標を掲げ、保育所の整備スピードは、これまでの2倍に加速しています。
 しかし、今年、待機児童は、前年より増えてしまった。安倍政権発足以来、女性の就業者が90万人以上増えたから、無理もないことであります。その意味で、うれしい悲鳴ではあるのですが、「待機児童ゼロ」は必ず成し遂げなければなりません。
 そのため、平成29年末までの5年間で40万人分の保育の受け皿を整備する、としている現在のプランについて、更なる上積みを目指します。
 各自治体の本気度も高まっていて、既に計画を上回る見込みです。この勢いに、更に弾みをつけて、合計で少なくとも50万人分の保育の受け皿を整備したい。そのことによって「待機児童ゼロ」の達成を、確実なものとしたいと考えています。
 併せて、幼児教育の無償化、ひとり親家庭への支援も、更に拡大していきます。子どもたちには、無限の可能性が眠っています。それが、家庭の経済事情によって、左右されてはならない。フリースクールなどの多様な学びの場を可能とし、個性を伸ばす教育再生も進めてまいります。
 さらに、大家族で支え合う生き方も、選択肢として提案していきたいと考えています。三世代の「同居」や、徒歩圏内で暮らす「近居」を、促すような仕組みも創っていきたいと考えています。
 例えば、住宅を建てる際に、三世代同居のため、玄関やキッチンを増設する場合には、そうした費用を補助することも検討したいと思います。
 現在、URの賃貸住宅では、三世代が近居する場合、5%程度の「近居割」を行っていますが、この家賃減額幅を大幅に拡充することで、近居の魅力を高めていく工夫もしたいと考えています。
 いずれにせよ、出生率は、これまでずっと低迷を続けてきました。つまり、これまでの政策を続けていても、状況は何も変わりません。これまでの発想にとらわれない、大胆な政策を、どんどん実施していきたいと考えています。

 最後の、第三の的は「介護離職ゼロ」の実現です。そのための第三の矢は、「安心につながる社会保障」であります。
 総務省の調査では、足元で、介護を原因とした離職が年間十万人を超えています。介護離職を機に、高齢者と現役世代が、共倒れする現実もあります。
 「安心につながる社会保障」とは、高齢者の安心だけではなく、現役世代の安心にも資するものでなければなりません。
 東京五輪が開催される2020年には、いわゆる「団塊の世代」が70歳を超えます。働き盛りで、あらゆる職業で大黒柱となっているのが「団塊ジュニア世代」です。彼らが介護のため大量に離職することになれば、日本経済は成り立ちません。
 危機は、もう目の前に迫っています。今から、在宅介護の負担軽減、介護施設の整備を加速することによって、2020年代初頭までに、介護離職ゼロを実現したいと考えています。
 特養への入所を希望しながら、自宅で待機している方がたくさんいらっしゃいます。しかし、特に地価の高い都心では、なかなか新規に特養を建てられない。その解消のため、首都圏の国有地90カ所ほどを対象に、早ければ今年度中にも、介護施設事業者に安く貸し出すことを始めます。首都圏以外でも、同様の取組を検討しています。
 施設整備だけでなく、介護に携わる人材を増やしていかなければなりません。今年の介護サービス料金改定で、介護職員の処遇改善については、一人当たり月一万二千円アップとなりましたが、引き続き介護人材の育成などを進めていきます。
 介護休業制度も充実します。誰もが安心して介護休暇が取得できるよう、制度改革を進めることと併せ、現在4割にとどまる介護休業給付の水準を、育児休業の給付水準を念頭に、引き上げに取り組んでいく。仕事と介護がしっかりと両立できる社会づくりを進めてまいります。
 介護の問題は、対処療法だけでは対応しきれません。健康寿命を引き上げ、介護なしで豊かな老後を送れるよう、予防に重点化した医療改革も同時に行い、企業による健康投資も促していきます。
 高齢者がずっと元気で「生涯現役」を貫ける社会を構築する。意欲ある高齢者に多様な就労機会を提供し、生きがいを持って社会と関わり合いを持ち続けてほしい、と思います。高齢者世帯の自立を、健康面でも経済面でも、力強く支援してまいります。

 「GDP600兆円」、「希望出生率1.8」、そして「介護離職ゼロ」。
 この3つの「的」については、既に、「大風呂敷だ」とか、「実現できない」といった批判をいただいております。
 これもまた、20年近く続いたデフレによる自信喪失が、日本の中に蔓延している証左であると思います。3年前、私が、大胆な金融緩和を主張した時もそうでした。「デフレはどうやっても脱却できない。金融政策でも脱却できない。」といった批判がありました。しかし、現実はどうでしょうか。私たちは、デフレ脱却に向けて、一歩ずつ確実に前進しています。
 この秋、大村先生、梶田先生が、相次いで、ノーベル賞を受賞しました。ラグビー日本チームが、ワールドカップで、強豪・南アフリカを破るなど、史上初めての予選3勝、大活躍してくれました。
 やれば、できる。私たち日本人に、大きな勇気を与えてくれたと思います。
 アフリカで、何億人もの人たちを感染症から救った、大村先生の大発見。その裏には、出かければ土を集め、毎年2000株以上の微生物を分析してきた、地道な研究作業がありました。
 先日、五郎丸選手に官邸にお越しいただき、有名な、あのポーズを教えていただきました。
 あれは、「ルーティン」と呼ばれている。毎日、毎日、厳しい練習を重ね、練習したキックのイメージを体に覚え込ませる。そして本番で、その練習通りの動きを体に再現させる。そのためのポーズであります。
 二人に共通しているのは、「成功を信じて、努力を続けること」、そして「決して諦めないこと」であります。
 少子高齢化の克服も、同じではないでしょうか。諦めてしまったら、そこでおしまい。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すことはできない。責任放棄です。
 確かに最初から設計図があるような簡単な課題ではありません。そんなことは百も承知であります。しかし、必ず克服できると信じて、これまでの発想にとらわれることなく、あらゆる政策手段を尽くしていく。その決意であります。
 先ほどご紹介した、昭和44年の高坂先生の著書「一億の日本人」は、長年、外国へのキャッチアップ型で発展してきた日本人に対する、一つの警句で締めくくられています。
 「肩をならべたあとは、目標を自分で設定しなければならない。」そして、その時こそ、「一億の日本人の真価が問われるときである」と。
 少子高齢化への対応に、正解などありません。放っておけば、他人が解決してくれるわけでもありません。
 これは、私たち自身の問題です。今を生きる私たち一人ひとりが、子や孫の世代のために、自分で考え、自分で行動すべき課題であります。
 そうした思いから、先月、国民会議を立ち上げました。幅広い有識者の皆さんから、豊富な経験とアイデアに基づいた、積極的な提言をいただきたい。そして、一億総活躍の社会をつくるため、国民的な運動を広げていきたいと思います。
 今月中に、緊急に実施すべき対策第一弾を取りまとめる。必要なものは、補正予算による対応を検討してまいります。
 その上で、3つの「的」を射抜くため、具体的にどのような政策を講ずるべきか、その具体的なロードマップを「ニッポン一億総活躍プラン」として、来年の春頃を目途に取りまとめたいと思います。
 そして、次なる3年をかけて、その実現のために、安倍内閣の総力を挙げてまいります。

 本日は、3年前申し上げたことが次々と実現している。その御報告をすることができました。是非、次回のこの場所におきましては、「一億総活躍」の成果を、たっぷりと説明をさせていただきまして、今の時点での批判がいかに間違っていたかということを証明させていただきたいと思います。そのタイミングを選んで、どうか声をかけていただきたいと思います。
 本日は、御清聴ありがとうございました。

[全文引用おわり] 


TPP条約案、英語版全文、日本語版概要版が、きょう2015年11月5日公開【再々々追記あり】

2015年11月05日 22時00分45秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は2015年11月5日午前5時)

【再々々追記 2016年1月9日(土)午前7時】

 政府は、平成28年2016年1月7日(木)、TPP条約の「暫定仮訳」を公開しました。なおTPP条約はその冒頭で、英語、スペイン語、フランス語の3言語版を正典とすることにしています。

 TPP協定の暫定仮訳(TPP政府対策本部)。【再々々追記おわり】

【再々追記 2015年11月5日(木)午後10時】

 TPP(環太平洋パートナーシップ)協定条約の英語版全文と、日本語版概要が発表されました。

 TPP日本語版全章概要はこちらをクリックしてください。

 TPPの別添・附属書の日本語版全章概要はこちらをクリックしてください。

 TPP参加国との交換文書概要はこちらをクリックしてください。

 TPP全文の英語版は、ニュージーランド政府のウェブサイト、こちらをクリックしてください。【再々追記おわり】

【再追記 5日午後5時】


 ニュージーランド政府が、英語版全文を掲載しました。

http://www.mfat.govt.nz/Treaties-and-International-Law/01-Treaties-for-which-NZ-is-Depositary/0-Trans-Pacific-Partnership-Text.php

【再追記おわり】

【追記 5日午後5時半】

 報道によると、12か国を代表してニュージーランド政府が公開。英語版のみですので、日本語版の公開も、たいへんでしょうが、早くしてほしいところです。

【追記おわり】

 TPP(環太平洋パートナーシップ)協定条約の全文がきょうにも公開される見通しとなりました。

  日経は「5日にも」、朝日は「近く」と報じました。

 TPPはこれまで、関税撤廃が発効9年後に大幅に引き下がる品目が多いことがこれまでにも明らかになっていますが、日本は、「7年後見直し規定」を、米豪など5か国(現在の参加国は12か国)と個別に結んでいることも各紙が報じており、公開される全文にも盛り込まれているもよう。

 政府内のどのサイトに載るかはまだ分かりませんが、政府・内閣官房のTPP対策本部のウェブサイトはこちらです。

このエントリー記事の本文は以上です。

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参議院情報監視審査会開かる きょうの国会

2015年11月05日 18時40分34秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年11月5日(木)参議院】

 参議院情報監視審査会が開かれました。

 情監審査会は3月30日の審議の議事録が公開されています。 

【同日 衆議院】

 閉会中なので審議はありませんでした。

 なお、同日の民主党代表記者会見で、岡田克也さんは「来週月曜日に質問通告する」としており、来週11月10日(火)に、テレビ入り衆議院予算委員会閉会中審査が開かれる見通し。

 このエントリーの本文記事は以上です。 


TPP条約第16章第2項の国内実施の独占禁止法改正案、課徴金骨抜きの懸念

2015年11月05日 17時12分41秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 TPP条約の全文が、ニュージーランド政府のウェブサイトで公開されました。

 そんなにあわてて読まなくてもいいのですが、やはりニュースに乗りたいという衝動で読み始めております。 

 TPP条約大筋合意後、国内実施法案について、当ブログでも早め早めに書いています。このなかで、独占禁止法の改正法案に関しては、TPP政府対策本部の情報集めの中で、当該部分がなかったので、投稿を保留しておりました。

 ニュージーランド政府の英語原文を見ると、第16章「競争政策」第2項「独占禁止法」に入っているようです。

 これを読むと、公正取引委員会が独占禁止法にもとづく調査を始めても、調査対象者に「暗示」(警告?)をすれば、制裁(課徴金)をしないことになるように読めます。

 この第16章第2項の外圧を「世界で一番企業が活躍しやすい日本」をめざす安倍自民党が利用して企業サイドに前のめりの

 「独禁法改正案」を平成28年2016年通常国会に提出するのではないか、大いに警戒したいところです。

 ニュージーランド英語版当該部分のTPP条約の第16章第2項は次の通り。

[ニュージーランド政府のウェブサイトから引用はじめ]

Article 16.2: Procedural Fairness in Competition Law Enforcement3

1. Each Party shall ensure that before it imposes a sanction or remedy against a person
for violating its national competition laws, it affords that person:
(a) information about the national competition authority’s competition concerns;
(b) a reasonable opportunity to be represented by counsel; and
1 This Article is subject to Annex 16-A (Application of Article 16.2, Article 16.3 and Article 16.4 to Brunei
Darussalam).
2 For greater certainty, nothing in paragraph 2 shall be construed to preclude a Party from applying its
competition laws to commercial activities outside its borders that have anticompetitive effects within its
jurisdiction.
3 This Article is subject to Annex 16-A (Application of Article 16.2, Article 16.3 and Article 16.4 to Brunei
Darussalam).
Subject to Legal Review in English, Spanish and French for Accuracy, Clarity and
Consistency
Subject to Authentication of English, Spanish and French Versions
16-2
(c) a reasonable opportunity to be heard and present evidence in its defence,
except that a Party may provide for the person to be heard and present
evidence within a reasonable time after it imposes an interim sanction or
remedy.
In particular, each Party shall afford that person a reasonable opportunity to present evidence
or testimony in its defence, including: if applicable, to offer the analysis of a properly
qualified expert, to cross-examine any testifying witness; and to review and rebut the
evidence introduced in the enforcement proceeding4
.
2. Each Party shall adopt or maintain written procedures pursuant to which its national
competition law investigations are conducted. If these investigations are not subject to
definitive deadlines, each Party’s national competition authorities shall endeavour to conduct
their investigations within a reasonable time frame.
3. Each Party shall adopt or maintain rules of procedure and evidence that apply to
enforcement proceedings concerning alleged violations of its national competition laws and
the determination of sanctions and remedies thereunder. These rules shall include procedures
for introducing evidence, including expert evidence if applicable, and shall apply equally to
all parties to a proceeding.
4. Each Party shall provide a person that is subject to the imposition of a sanction or
remedy for violation of its national competition laws with the opportunity to seek review of
the sanction or remedy, including review of alleged substantive or procedural errors, in a
court or other independent tribunal established under that Party’s laws.
5. Each Party shall authorise its national competition authorities to resolve alleged
violations voluntarily by consent of the authority and the person subject to the enforcement
action. A Party may provide for such voluntary resolution to be subject to judicial or
independent tribunal approval or a public comment period before becoming final.
6. If a Party’s national competition authority issues a public notice that reveals the
existence of a pending or ongoing investigation, that authority shall avoid implying in that
notice that the person referred to in that notice has engaged in the alleged conduct or violated
the Party’s national competition laws.
7. If a Party’s national competition authority alleges a violation of its national
4 For the purposes of this Article, “enforcement proceedings” means judicial or administrative proceedings
following an investigation into the alleged violation of the competition laws.
Subject to Legal Review in English, Spanish and French for Accuracy, Clarity and
Consistency
Subject to Authentication of English, Spanish and French Versions
16-3
competition laws, that authority shall be responsible for establishing the legal and factual
basis for the alleged violation in an enforcement proceeding.5
8. Each Party shall provide for the protection of business confidential information, and
other information treated as confidential under its law, obtained by its national competition
authorities during the investigative process. If a Party’s national competition authority uses
or intends to use that information in an enforcement proceeding, the Party shall, if it is
permissible under its law and as appropriate, provide a procedure to allow the person under
investigation timely access to information that is necessary to prepare an adequate defence to
the national competition authority’s allegations.
9. Each Party shall ensure that its national competition authorities afford a person under
investigation for possible violation of the national competition laws of that Party reasonable
opportunity to consult with those competition authorities with respect to significant legal,
factual or procedural issues that arise during the investigation

[引用おわり] 


「株を買う方も判断できないのではないか」岡田克也代表、日本郵政株の政府の上場計画見切り発車で

2015年11月05日 16時10分20秒 | 経済

郵政上場 証券各社に追い風 口座開設「通常の倍のペース」

 平成27年2015年11月4日(水)に日本郵政株式会社と、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の「郵政3社」が東京証券取引所で公開・上場したことについて、

 民主党の岡田克也代表は、翌5日(木)の定例記者会見で、

 「3社同時上場になったが、国がどの程度株を持つのか先の姿を見せないと、株を買う方も判断できないと思うが」と語り、

 政府が株売却のスケジュールを早めに示すことを働きかけると同時に、暗に、投資家の態度を懸念しました。

 郵政3社株は、「NTT以来28年ぶりの大型上場」ともてはやされ、日本郵政が「1株1631円」となるなど、株価に発行済み株式総数をかけて3社を足した時価総額は「7・9兆円」となりました。同日のテレビでは、「街の投資家の声」として、ポジティブな意見ばかりが放送されました。

 民主党政権下で、与党・国民新党を飛び越して、野党・公明党と与党・民主党が主導して成立した「郵政見直し法(改正郵政民営化法)では下の図=日本郵政ウェブサイトから=

 

 のようになっています。

 政府は「3年程度の間をおいて」(新聞報道)保有株を市場に出し、税外収入としますが、このスケジュールが示されていないことに、岡田さんは懸念を示しました。

 また、総資産の半額は国債であり、「死に金」(しにがね)です。それでいて、郵政民営化の二の丸だった、政府系金融機関は先の通常国会で完全民営化見送り法が成立。規模は縮小しながらも、無期限に、存続しました。

 弱肉強食の資本主義。

 私としても、政府が市場に吐き出すたびに、大きく値崩れすると思うのですが、これを新規に口座開設をしている個人投資家は理解しているのでしょうか。三十年で一世代。NTT株上場の熱狂から28年。その、月日の流れに、世の無情を感じます。

このエントリー記事の本文は以上です。

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ドローン活用、2016年夏にとりまとめへ 航空法、電波法など改正の動きも

2015年11月05日 05時14分08秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 ドローンの活用策を、2016年夏ごろまでに、内閣官房がまとめる見通しとなりました。

 2015年11月5日付の読売、日経などが報じました。

 ドローン(小型飛行機)を規制する改正航空法(平成27年法律67号)は先の第189回通常国会で、成立し、公布されています。これとは別に、ドローンの皇居・官邸・国会・原発上空の飛行禁止法案は、衆で可決し、参で継続調査になっています。

 この審議の中で、国土交通省航空局長らが、「規制の後は、活用」として、規制法の次には、活用法案をとりまとめたい意向を示唆していました。

 報道によると、宅配への活用を念頭においており、官邸主導の成長戦略となりそうです。

 先の通常国会の「規制法」の審議では、民主党の本村賢太郎さんの「活用法」についての質問に対して、各省庁は次のように答えています。

 国交省航空局長「無人航空機は、測量、それからインフラ点検、そして災害調査等の分野で利用されております。さらには無人航空機を用いて離島に物資を輸送するというような実証実験も行われているということで、今後多様な分野で活用されることが期待されている」 。

 農林水産省の官房審議官「現在、水稲の農薬散布、あるいは播種(種まき)こういった作業などに、昨年度で延べ約百五万ヘクタールの農地におきまして産業用の無人ヘリコプターが活用されております。今後は、例えば農作物の生育調査等々、さらなる利用拡大も期待される」。

 警察庁の官房審議官「例えば、小型無人機を災害現場における被害状況の把握や被災者の捜索等に活用することが考えられる」 「交通事故が発生をした際に、交通事故の状況を明らかにするために事故現場での実況見分に活用している」

 としました。

 今後は、民間企業を入れたとりまとめが官邸主導で行われることになりました。

 法改正は、国交省所管の航空法に加えて、総務省所管の電波法の見直しが必要になることもありそうです。

 とりまとめ次第では、平成28年2016年秋以降の国会に法案が提出されます。

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2016年1月13日(水)召集論浮上、自民党政府外議員から 官邸自民党は4日(月)譲らず

2015年11月05日 00時33分58秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]雪の官邸、2014年2月、筆者・宮崎信行撮影。

 ◇

 情報

 11月5日(木)は、午後1時から、参議院情報監視審査会が開かれます。インターネット生中継はありません。

 ◇

 自民党政府外議員から、平成28年2016年1月13日(水)召集論が浮上しました。

 これは毎日新聞が報じました。

 これまで官邸自民党からは「1・4召集論」が浮上していました。

 仮に1月13日(水)召集の場合、会期末は6月11日(土)となり、このところ多い、「土曜日会期末」となり、会期末攻防のハプニング率が下がります。

 また6・11会期末でも、参院選は7月10日(日)に間にあいます。

 「幕の内召集」は、平成21年2009年の「1・5召集」以来となりますが、このときは、自民党は政権を失う「トラウマ」を抱えました。

 そもそも、「1・4」召集で喜ぶ人は、与野党衆参議員、国会スタッフ、霞が関官僚を含め、あまりいないと思われます。

 このため、 参議院自民党改選組を含めて、自民党政府外議員から、「1・13召集論」が出ました。

 この場合、13日(水)に補正予算案が提出され、15日(金)に衆議院で代表質問。18日(月)には、参・本会議でもテレビ入り代表質問が行われる見通し。

 自民党内で、官邸と政府外議員の壮絶な駆け引きが続きそうです。

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