【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

1月24日(金)のつぶやき その1

2014年01月25日 01時07分41秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

「階猛さん、あなたの仕事は「少年院・少年鑑別所法」を仕上げることなのだ 法務委員会」#kokkai goo.gl/JOnHv2

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「さあいよいよ、第186回通常国会召集!民主党にとってはおいしい国会だ 会期は6月22日(日)まで」#kokkai goo.gl/TbGvii

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もう今日から国会なのか。
ダボスから施政方針演説の時間考えるとまたぶっつけのカミカミ何だろうなぁ…。
#kokkai

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午前10時からです! 【ニコ生(2014/01/24 10:00開始)】《通常国会召集へ》参議院 国会生中継~平成26年1月24日 本会議~ #kokkai #参議院 nico.ms/lv166839272

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@tokyo_edogawa お調べしました。①「江戸川区安全?安心まちづくりの推進に関する覚書」H25/3/26江戸川区長と小松川、葛西、小岩警察署長
記書き4番目に歩行喫煙についての記載あり。

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@tokyo_edogawa お調べしました②「区及び区内三警察署は、環境美化活動?歩行喫煙対策等、生活環境の整備により、区民の規範意識を向上させ、心に安らぎをもたらすことを目的とした各種活動について、相互に協力し推進していく。」

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@tokyo_edogawa ③お調べしました。14日火曜日に生活振興環境委員会がありますので、そこでもう少し具体的なところを聞いてみますね。

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通常国会きょう召集 経済の「好循環実現国会」なるか(フジテレビ系(FNN)) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?…

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ニコ生タイムシフト予約 : #kokkai #参議院 《通常国会召集へ》参議院 国会生中継~平成26年1月24日 本会議~ nico.ms/lv166839272

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今日から通常国会開会!召集に応じた証として、国会正面にて名刺を提出。6月末までの通常国会!気合いが入ります! pic.twitter.com/Magif0bPMr

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院内総裁応接室で役員連絡会。今日から国会。 pic.twitter.com/DlNlXVueOS

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きょう召集の第186回通常国会。まずは午前10時から、参議院本会議で、150日間の院の構成(委員長の選挙、特別委員会の設置)を行います。#kokkai webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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参議院議長は山崎正昭さん、副議長は輿石東さん、事務総長は中村剛さんです。#kokkai

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6月22日までの第186通常国会はじっくり政策を取りまとめることができる国会になりそうです。#kokkai


さあいよいよ、ことしも通常国会がスタートです! 【ニコ生視聴中(後3分で開始)】 《通常国会召集へ》参議院 国会生中継~本会議~ nico.ms/lv166839272#-0… #kokkai #参議院

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#kokkai さあいよいよ、参議院インターネット審議中継の映像が始まりました。ことしも通常国会の幕開けです!
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参議院本会議、傍聴者は2人だけのようです。この後の、政府4演説もありますので、今からでも行ける人は行ってみてください。#kokkai

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おはようございます。今日から国会が150日間の日程でスタートします。会期末は、6月22日。午後、開会式や、政府4演説があります。私も、国対副委員長、政調副会長、3つの委員会の理事として、頑張ります!

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参議院本会議は休憩になりました。#kokkai


「脇雅史先生は話せば分かる 大久保勉・経済産業委員長、水岡俊一内閣委員長が復帰 参議院本会議」#kokkai goo.gl/QJeSsa

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しかし、自民党は悪しき前例を作ったな。

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行田邦子さんが参議院消費者問題に関する特別委員長に就任しました。寺田典城さんがみんなの党を離党したための交代のようです。その他の特別委員長は秋の臨時国会の人事がそのまま続きます。#kokkai

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さあいよいよ、正午からは衆議院もスタートです! 【ニコ生(2014/01/24 12:00開始)】《通常国会召集へ》衆議院 国会生中継~平成26年1月24日 本会議~ #kokkai #衆議院 nico.ms/lv166839787

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結の党とみんなの党のゴタゴタがまだ収束せず、結が離党についてのヒヤリングを受けないと言い出しました。そのため会派離脱の前提が崩れることになり、理事会をやり直しました。結が本会議の代表質問ができるかどうか、微妙です。

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#kokkai 衆議院インターネット審議中継が始まりました!
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第186通常国会にあたっての財政演説、経済演説、外交演説全文

2014年01月24日 23時59分28秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[このエントリーの初投稿日時は2014年1月26日午前8時で、1月24日にバックデート]

施政方針演説から続く


第186国会における麻生財務大臣の財政演説

http://www.mof.go.jp/public_relations/statement/fiscal_policy_speech/20140124.htm

平成26年1月24日

平成二十五年度補正予算及び平成二十六年度予算の御審議に当たり、財政政策等の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明申し上げます。

(日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方)
発足から一年、第二次安倍内閣においては、デフレ不況からの早期脱却と経済再生を図るため、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を一体として強力に推進してまいりました。その政策の効果もあって、実質GDPが四・四半期連続でプラス成長になり、物価についても底堅く推移するなど日本経済は着実に上向いてきております。
まずは、このような景気回復に向けた動きやデフレ不況からの脱却への期待を、確実な成長軌道につなげていく必要があります。このため、「第三の矢」である「日本再興戦略」の実行を加速・強化してまいります。同時に、政府、経営者、労働者が、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」における取りまとめに基づいて、それぞれの役割を果たしつつ、互いに連携して取組を進めてまいります。これにより、企業収益の拡大を賃金上昇、雇用・投資拡大につなげ、消費拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大を促すという経済の好循環を実現することが重要であります。
これらの取組により、保険料収入や税収の基盤でもある強い経済を取り戻し、あわせて、消費税率を引き上げることにより、社会保障の安定財源を確保しつつ、持続可能な社会保障制度を構築し、次世代に引き継いでいきます。
本年四月に実施する消費税率の引上げに際しては、反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるための施策を講じます。具体的には、昨年十月一日に閣議決定した「経済政策パッケージ」に基づき、「好循環実現のための経済対策」及び平成二十五年度補正予算の概算を決定いたしました。平成二十六年度予算・税制改正とあわせ、消費税率引上げによる影響を緩和するための取組を、転嫁対策とともに着実に進めてまいります。
日本銀行が現在取り組んでいる金融緩和を円滑に進めるため、また、今後、民需主導の持続的な経済成長を実現する上でも、日本の財政に対する信認を維持することが重要です。一方、日本の財政状況は、デフレ不況や少子高齢化等の要因によって悪化が続いてきました。それに加え、リーマンショック後の経済危機への対応などにより、近年さらに悪化が進み、歴史的に見ても、諸外国との比較においても、極めて厳しい状況にあります。財政への信認を確保することで人々の将来への不安を払拭し、持続的な経済成長につなげていく必要があります。
こうした点を踏まえ、政府としては、国・地方を合わせた基礎的財政収支について、二〇一五年度までに赤字の対GDP比を二〇一〇年度の水準から半減、二〇二〇年度までに黒字化するという財政健全化目標を掲げております。今後、これらの目標を着実に達成していくために、引き続き税収を拡大させるとともに、各年度継続して歳出を効率化していく必要があります。こうした考え方の下、「中期財政計画」に沿って、今後とも、歳出・歳入両面において最大限の努力を行ってまいります。

(平成二十五年度補正予算の大要)
次に、「好循環実現のための経済対策」等を実施するために今国会に提出を致しました平成二十五年度補正予算の大要について申し述べます。

「好循環実現のための経済対策」につきましては、一般会計において、総額で五兆四千七百四十四億円の財政支出を行うこととしております。その内容としては、「競争力強化策」に係る経費に一兆三千九百八十億円、「女性・若者・高齢者・障害者向け施策」に係る経費に三千五億円、「防災・安全対策の加速」に係る経費に一兆千九百五十八億円、「低所得者・子育て世帯への影響緩和、駆け込み需要及び反動減の緩和」に係る経費に六千四百九十三億円、東日本大震災復興特別会計への繰入として一兆九千三百八億円を計上しております。そのほか、地方交付税交付金として一兆千六百八億円、国際分担金などのその他の経費として三千六百三十六億円を計上しております。
これらの歳出を賄うため、歳出面におきましては、既定経費を一兆五千三百三十四億円減額することとしており、歳入面におきましては、税収で二兆二千五百八十億円、税外収入で三千六百九十四億円の増収を見込むほか、前年度剰余金を二兆八千三百八十一億円計上しております。これらにより、国債の追加発行をせずに、経済対策等の財源を確保することとしております。
こうした結果、平成二十五年度一般会計予算の総額は、歳入歳出ともに当初予算から五兆四千六百五十四億円増加し、九十八兆七百七十億円となります。
また、特別会計予算等についても所要の補正を行うこととしております。
平成二十五年度財政投融資計画につきましては、「好循環実現のための経済対策」を踏まえ、総額千三百八億円を追加しております。

(平成二十六年度予算及び税制改正の大要)
続いて、平成二十六年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。

平成二十六年度予算は、デフレ不況からの脱却・経済再生と財政健全化をあわせて目指す予算であり、平成二十五年度補正予算と一体として、日本の競争力の強化につながる未来への投資や、生活の基盤を守る暮らしの安全・安心といった事項に予算を重点化しております。

また、社会保障・税一体改革を実現する最初の予算であり、消費税増収分を活用し、社会保障の充実と安定化を図ります。
基礎的財政収支対象経費は、七十二兆六千百二十一億円であり、これに国債費二十三兆二千七百二億円を合わせた一般会計総額は、九十五兆八千八百二十三億円となっております。

一方、歳入につきましては、租税等の収入は、五十兆十億円、その他収入は、四兆六千三百十三億円を見込んでおります。また、公債金は四十一兆二千五百億円となっており、前年度当初予算に対し、一兆六千十億円の減額を行っております。

この結果、国の一般会計における基礎的財政収支につきましては、「中期財政計画」における「平成二十六年度及び平成二十七年度の各年度四兆円程度改善」との目標を大きく上回る、五兆二千四百七億円の改善を実現しております。

次に、主要な経費について申し述べます。

社会保障関係費につきましては、消費税増収分を活用し、社会保障の充実を行います。具体的には、国分の消費税収の使途が高齢者三経費から社会保障四経費に拡大されることにあわせ、「待機児童解消加速化プラン」による保育の受け皿拡大や、難病の対象疾患の拡充など、若者・女性・現役世代も受益を実感できる内容を実施します。また、診療報酬改定に際しては、薬価について、薬価調査の結果を踏まえた上で市場実勢価格を反映し、新たな国民の負担の増加を避けつつ、地域医療向けの補助金の創設とあわせ、医療提供体制の改革を推進してまいります。

文教及び科学振興費につきましては、将来を担う人材を養成するためのグローバル人材育成や大学改革等を推進するとともに、奨学金等の就学支援、いじめ問題対応等の施策を充実することとしております。また、科学技術関係予算につきましては、総合科学技術会議が司令塔機能強化のため自ら予算の重点配分を行う仕組みを創設するとともに、日本版NIHの創設に向けて医療分野の研究開発関連予算を充実することとしております。

地方財政につきましては、地方の税収増を反映して地方交付税交付金等を縮減しつつ、地方の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税等の地方の一般財源の総額について、社会保障の充実分等を増額し、地方に最大限配慮しております。

防衛関係費につきましては、新たに策定された防衛大綱及び中期防衛力整備計画に沿って、周辺海空域における警戒監視能力の強化、島嶼部に対する危機対応能力の強化等を図る観点から、昨年度に引き続き充実を図ることとしております。

公共事業関係費につきましては、引き続き投資の重点化・効率化を図りつつ、国民の命と暮らしを守るインフラ老朽化対策や、南海トラフ地震等に備えた防災・減災対策等の課題に対応するため、真に必要な社会資本整備等に取り組むこととしております。

経済協力費につきましては、日本企業等の海外展開支援をはじめ、日本の持続的な成長にもつながる分野等への重点化を進めつつ、ODA全体の事業量の確保を図っております。

中小企業対策費につきましては、ものづくり技術の研究開発等への支援を充実させるほか、中小企業の資金繰り対策や消費税転嫁対策等にも万全を期することとしております。

エネルギー対策費につきましては、国内資源の開発及び海外資源の権益確保、省エネルギーの推進及び再生可能エネルギーの導入拡大に向けた支援に重点化しているほか、原子力規制・防災対策を推進し、原子力損害賠償支援機構へ資金交付等も行うこととしております。

農林水産関係予算につきましては、農林水産業の競争力強化を推進するため、経営所得安定対策を見直すとともに、農地中間管理機構を通じた担い手への農地集積・集約の加速化、六次産業化や輸出拡大の推進等を図ることとしております。

治安関係予算につきましては、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて、警察活動基盤の充実や再犯防止対策の充実等を図ることとしております。

国家公務員の人件費につきましては、給与の特例減額が終了する一方で、現行計画の目標を大幅に上回る合理化等による定員純減や退職手当の引下げ等を的確に予算に反映しております。

なお、震災からの復興につきましては、平成二十五年度補正予算とあわせ、被災地の復旧・復興の加速に全力で取り組んでいくこととしております。このため、平成二十六年度東日本大震災復興特別会計において、歳出につきましては、東日本大震災復興経費二兆九千五百四十三億円、復興債費九百二十一億円、復興加速化・福島再生予備費六千億円を計上し、歳入につきましては、復興特別税七千三百八十一億円、一般会計からの受入金七千三十億円、その他収入六百六十億円、復興公債金二兆千三百九十三億円を見込んでおります。

平成二十六年度財政投融資計画につきましては、デフレ不況からの脱却・経済再生に向けて、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の活性化、経営改善に取り組む中小企業等の支援、日本企業の海外展開支援、インフラ輸出・資源確保等に的確に対応することとし、計画規模は十六兆千八百億円となっております。

借換債等を含む国債発行総額につきましては、百八十一兆五千三百八十八億円と、過去最大となりました。国債発行総額及び国債残高が多額に上る中、財政規律を維持して、市場の信認を確保するとともに、市場との緊密な対話に基づき、そのニーズ・動向等を踏まえた発行を行うなど、国債管理政策を適切に運営してまいります。

平成二十六年度税制改正におきましては、デフレ不況からの脱却・経済再生に向けた税制上の対応、税制抜本改革の着実な実施、震災からの復興支援のための税制上の対応等を行うこととしております。
具体的には、設備投資の促進、研究開発投資の促進、所得や消費の拡大に関し、次元の異なる税制上の対応を講じます。こうした観点から、生産性向上設備投資促進税制の創設、中小企業投資促進税制の拡充、研究開発税制の拡充、所得拡大促進税制の拡充、復興特別法人税の一年前倒し廃止、交際費課税の緩和を行います。このほか、給与所得控除の見直し、地方法人課税の偏在是正のための取組、車体課税の見直し等を行うこととしております。

(むすび)
以上、財政政策等の基本的な考え方と、平成二十五年度補正予算及び平成二十六年度予算の大要について御説明申し上げました。
デフレ不況からの脱却と経済再生への道筋を確かなものとするために、これらの予算の一刻も早い成立が必要であります。
何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

「失われた二十年」と呼ばれる長い停滞の中、デフレ不況の影響もあり、先の見えなかった日本にようやく明るい兆しが見えてまいりました。本年は、デフレ不況からの脱却を実現し、足元の景気回復を持続的な経済成長につなげ、財政健全化に向けて着実な一歩を踏み出す上で重要な一年です。少子高齢化やグローバル化等の構造変化に真に対応するための経済基盤を構築し、日本の底力を引き出すことで、デフレ不況からの脱却・経済再生と財政健全化の好循環を実現できるよう、私も全力で取り組んでまいります。

国民各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。

第186回国会における甘利内閣府特命担当大臣の経済演説

平成26年1月24日
https://www.jimin.jp/policy/parliament/0186/123510.html
一.はじめに

 経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として、その所信を申し述べます。

二.経済財政運営の基本的考え方

 (景気の現状認識と今後の見通し)
 長引くデフレからの早期脱却と経済再生を図るため、安倍内閣では「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を一体として強力に推進してきました。その効果もあって、実質GDPが4四半期連続でプラス成長となり、有効求人倍率が約六年ぶりに一倍を回復するなど、日本経済は力強さを取り戻しつつあります。政権発足時と比べると、中小企業を含めて業況は幅広く改善し、全ての地域で景況が改善しています。物価動向は、もはやデフレ状況ではありません。デフレ脱却に向けて着実に前進しています。このようにアベノミクスの開始から一年経ち、日本経済は閉塞を脱し、明るさが広がっています。これを更に広げ、経済の好循環を実現するのが二年目の課題です。
 本日閣議決定した政府経済見通しでは、平成二十六年度の日本経済について、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減には留意が必要ですが、各施策の推進等により、年度を通してみれば、前年度に引き続き堅調な内需に支えられた景気回復が見込まれ、経済の好循環が徐々に実現していくと考えられます。経済成長率は実質で一・四パーセント程度、名目で三・三パーセント程度と見込んでいます。

 (当面の経済財政運営)
 本年四月に実施する消費税率引上げに際しては、駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の成長力底上げと好循環実現を図りつつ、持続的な経済成長につなげていくため、昨年十二月に閣議決定した「好循環実現のための経済対策」を含め、「経済政策パッケージ」を着実に実行していく必要があります。
 本経済対策は、競争力強化策や女性・若者・高齢者・障害者向け施策、復興、防災・安全対策の加速等を内容とし、その規模は国費五・五兆円程度、事業規模一八.六兆円程度となっています。本経済対策の効果が的確に発現し、消費税率引上げに伴う反動減に適切に対応できるよう、迅速に対策の具体化を図るとともに、各施策の進捗状況などを調査し、適切に公表してまいります。
 企業収益の拡大が速やかに賃金上昇や雇用拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて、更なる企業収益の拡大に結び付くという経済の好循環を実現するため、所得拡大促進税制の拡充や、復興特別法人税の一年前倒しでの廃止といった思い切った税制措置を決定するとともに、賃上げする中小企業・小規模事業者への補助金の優先配分等の施策を講じてまいります。政労使会議において、好循環実現に向けて経済界、労働界、そして政府が行うべき取組を「共通認識」として取りまとめたところであり、その環境整備に引き続き全力で取り組み、成果をしっかりと確認してまいります。
 日本銀行は、昨年四月、二%の物価安定目標を二年程度の期間を念頭にできるだけ早期に実現するため「量的・質的金融緩和」を導入し、現在これを推進しています。政府としては、日本銀行がこの目標をできるだけ早期に実現することを期待します。
 こうしたアベノミクスの効果が地域の隅々まで及ぶようにするため、オリンピック開催決定を契機にした地域活性化、地域産業の集積促進といった課題等に関係省庁が連携して重点的に取り組む必要があります。あわせて、地域の課題解決や活性化の重要な担い手であるNPOやソーシャルビジネス等の育成などを通じて、活力あふれる共助社会づくりを進めてまいります。

 (成長戦略)
 安倍政権の成長戦略は「進化する成長戦略」であり、策定がゴールではなく、スタートです。日本経済に現れた回復の動きを、持続的な経済成長につなげていくため、引き続き成長戦略を強力に推進してまいります。
 まずは、昨年策定した「日本再興戦略」の各施策の実行に全力を挙げます。先の臨時国会では、「成長戦略実行国会」として、「産業競争力強化法」、「国家戦略特区法」等の画期的な法律が成立しました。三月に国家戦略特区の具体的な地域を決定するなど、これらの法律をしっかり実行に移してまいります。また、「産業競争力の強化に関する実行計画」を閣議決定し、「日本再興戦略」の各施策の確実な実行に取り組んでまいります。
 また、年央の成長戦略改訂を目指し、先般、「成長戦略進化のための今後の検討方針」を産業競争力会議において取りまとめました。本方針を踏まえ、雇用・人材、農業、医療・介護といった分野の更なる構造改革に取り組み、日本に眠る潜在力を最大限引き出します。特に、日本が世界を変えるようなイノベーションを生み出す国となるよう、科学技術の司令塔機能を確立し、研究成果を産業につなげていくための取組を進めます。「女性の活躍」は、成長戦略の大きな柱です。我が国最大の潜在力である女性の力を最大限引き出すため、施策を総動員してまいります。
 さらに、民間投資の喚起による成長力強化を実現するため、PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプランの着実な推進とともに、民間資金等活用事業推進機構の適切な運営の確保及び密接な連携を図ってまいります。

 (TPPの推進)
 TPPは、アジア太平洋地域において、普遍的価値を共有する国々と、二十一世紀型の新たな経済統合ルールを構築する野心的な試みであり、この地域の成長の起爆剤になると同時に、人々の暮らしを豊かにするものです。
 昨年十二月にシンガポールで開催された閣僚会合では、妥結には至りませんでしたが、残された主要課題の大部分について、交渉妥結へ向け実質的な進展がありました。
 我が国としては、各国とともに、交渉の早期妥結へ向けて努力し、国益をしっかりと最終的な成果に反映すべく、引き続き全力を挙げて交渉に取り組んでまいります。

 (デフレ脱却・経済再生と財政健全化の好循環の実現に向けた取組)
 これらの施策とあわせて、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を目指し、経済再生と財政健全化の双方の実現に取り組んでまいります。
 来年度予算案については、経済成長に伴う税収の自然増や歳出の効率化により、公債発行額を前年度より減額し、国の一般会計の基礎的財政収支の赤字については、「中期財政計画」において掲げた目標を上回る改善額を実現しています。
 こうした歳出・歳入両面での取組の継続により、国・地方を合わせた基礎的財政収支について、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対GDP比を半減し、二〇二〇年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す、との財政健全化目標の実現を目指します。

 (我が国の中長期の発展に向けた取組)
 今後の半世紀、世界経済や人口など日本を取り巻く環境には大きな変化が予想されています。こうした中で、世界経済に占める日本経済の規模が縮小していくという見方もあります。しかしながら、こうした姿を政策努力や人々の意志によって大きく変える、すなわち、「未来を選択」することが求められています。
 アベノミクスによって生じた景気回復の動きを確実なものとし、我が国の中長期的発展につなげるためには、人口減少など今後の構造変化を見据えつつ、二〇二〇年頃までに重点的かつ分野横断的に取り組むべき課題を抽出し、その課題克服に向け包括的に取組を進めていくことが重要です。
 このため、「選択する未来」委員会を設置し、具体的な取組を二〇二〇年に向けて進めていくための議論を行ってまいります。
 今後、本委員会の議論を踏まえ、日本経済が抱える中長期的課題を明らかにしつつ、年央の「骨太方針」取りまとめに向け、経済財政諮問会議において、引き続きデフレ脱却・経済再生と財政健全化の好循環実現のための道筋について検討を進めてまいります。

 (社会保障・税一体改革の着実な推進)
 少子高齢化が進展する中で、社会保障の充実・安定化と財政健全化を同時に達成する観点から、社会保障・税一体改革に取り組む必要があります。昨年、社会保障制度改革国民会議の議論等を踏まえ、社会保障制度改革の全体像と進め方を示した法律が成立しました。この法律に基づき、今後、必要な法案を国会に提出するとともに、関係閣僚からなる改革推進本部や有識者からなる改革推進会議を設置し、改革を着実に推進してまいります。

三.むすび

 第二次安倍内閣が発足して一年が経ちました。この間、日本経済は力強さを取り戻しつつありますが、先般のダボス会議において示された「アベノミクス」への大きな期待に応えるためには、より一層、取組を強化する必要性を実感しました。
 昨年十二月、私は早期の舌がんで入院し、多くの皆様に御迷惑をおかけいたしました。幸い短期間で公務に復帰することができました。盲腸の手術すらしたことのない私にとって極めて辛い経験でありましたが、同時に多くの人に支えられていることを痛感いたしました。立ち止まって感謝をする機会が与えられたのだと思います。今後私がなすべきことは、更なる努力精進を通じて、今までに倍する貢献を国家国民のためになすことであると決意しました。
 今後とも、安倍総理のリーダーシップの下、「好循環実現国会」の審議を通じて迅速かつ着実に施策を実行し、女性や若者を始め、頑張る人たちの雇用を拡大し、経済成長の成果を国民一人一人が実感できるよう、全力を尽くしてまいります。
 国民の皆様と議員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。


第186回国会における岸田外務大臣の外交演説

http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pp/page18_000183.html
 

平成26年1月24日
 第186回国会の開会に当たり,外交の基本方針について所信を申し述べます。

(総論)

 この一年間で,国際社会における我が国への期待は確実に高まっています。自由,民主主義,基本的人権のみならず,法の支配を重視し,アジア太平洋地域はもとより,中東,アフリカ,欧州,中南米に至るまで,世界全体の平和と繁栄の実現のため,ひたむきに努力するという我が国の姿勢に対して国際社会の支持が着実に広がっていることを,外務大臣として世界各国を訪問する中で,強く実感しました。
 一方,我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。本年も日米同盟の強化,近隣諸国との協力関係の重視,そして日本経済の再生に資する経済外交の強化といった三本柱を軸とした外交を引き続き強力に推進し,国益の増進に全力を尽くします。また,グローバルな課題への貢献を通じた世界全体の利益の増進のため,一層積極的に取り組みます。
 来年は戦後70周年を迎えます。我が国が戦後守り続けてきた自由,民主主義,人権,法の支配は,国民に深く浸透し,国家の根本を支える柱となっています。近隣諸国との間で歴史認識をめぐる議論がありますが,日本政府の歴史認識に変わりはありません。また,平和国家としての歩みは今後も堅持していきます。こうした基本的立場について各国に丁寧に説明していく考えです。
 国際的にも,来年は開発課題,気候変動,軍縮,防災等様々な分野で重要な節目の年となります。国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から,世界の平和,安定及び繁栄に外交力を最大限活用してこれまで以上に積極的に貢献してまいります。国家安全保障会議という司令塔の下で,国家安全保障戦略に基づき,積極的平和主義を推進し,アジア太平洋地域及び国際社会における日本外交の存在感を力強く示してまいります。

(日本外交の三本柱)

 この一年,地球儀を俯瞰する外交を展開する中で,ASEANを始めとするアジア太平洋諸国,ロシア,欧州,中南米,中東,アフリカ等との関係強化に努めてきました。アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で,日本外交の基軸たる日米同盟の重要性は一層高まっています。安倍政権発足以来,日米間の頻繁な要人往来を通じて具体的な成果を得ています。今後も日本外交の第一の柱として日米同盟をあらゆる分野で強化します。
 安全保障分野においては,昨年のいわゆる「2+2」の成果に沿って,「日米防衛協力のための指針」の見直しを始め,安全保障・防衛協力を確実に進め,抑止力を一層向上させます。また,在日米軍再編を現行の日米合意に従って進めながら,沖縄の負担軽減のため,「できることは全て行う」との方針で全力で取り組みます。特に普天間飛行場については,その危険性の除去が極めて重要な課題であるとの認識の下,一日も早い移設に向けて政府として取り組んでまいります。

 第二の柱は,近隣諸国との協力関係の重視です。
 中国とは国交正常化以来40年以上にわたり,隣国同士あらゆる分野で関係強化に努めてきました。中国の平和的な発展は我が国にとっての利益でありチャンスです。日中関係は最も重要な二国間関係の一つであり,両国は地域と国際社会の平和と安定のために責任を共有しています。日中両国そして地域の利益のためにも,「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻り,関係改善を図ってまいります。一方,中国の軍事力強化に関する透明性の向上を求めるとともに,中国公船による尖閣諸島沖領海内への侵入や中国による「東シナ海防空識別区」の設定などの「力」を背景とした一方的な現状変更の試みについては,我が国の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下,引き続き毅然かつ冷静に取り組みます。

 最も重要な隣国である韓国との関係強化は,地域の平和と繁栄の確保という両国の共通の利益にとって不可欠であり,安倍政権の優先事項です。引き続き様々なレベルで意思疎通を積み重ねるとともに,冷静に問題に対処し,相互に敬意を払い,大局的観点から,来年の国交正常化50周年にふさわしい,未来志向で重層的な協力関係を構築すべく,粘り強く取り組みます。日韓間の貿易・投資や第三国における日韓企業間の協力の推進など,経済関係も一層強化していきます。我が国固有の領土である竹島については,引き続き我が国の主張をしっかりと伝え,粘り強く対応します。

 日・ASEAN友好協力40周年を迎えた昨年,日ASEAN関係は大きく発展しました。安倍総理大臣はASEAN全加盟国を訪問し,私も全加盟国の外相と会談し,12月には東京で成功裡に特別首脳会議を開催しました。この成果の上に,本年の議長国であるミャンマーを始めとするASEAN各国との協力関係を更に強化します。さらに,インド及びオーストラリアなどと安全保障,経済等様々な分野で協力を深化させるとともに,モンゴル,太平洋島嶼国との関係も強化します。こうした近隣諸国との関係とあわせ,本年最初の訪問国となったスペイン,フランスを含む欧州や中南米との協力を推進し,これら地域との対話の枠組みも積極的に活用します。

 昨年4月安倍総理大臣は10年ぶりにロシアを公式訪問し,それ以降半年で4度の首脳会談を重ね,11月には史上初となる「2+2」を開催するなど,日露関係全体を底上げし,今後への弾みと方向性を示すことができました。ロシアとは,地域のパートナーとしての関係を発展させるべく,首脳レベルを始めとした政治対話を進め,安全保障,経済等あらゆる分野での協力の進展を図ります。最大の懸案である北方領土問題については,両国の立場に依然大きな隔たりがありますが,北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく,粘り強く交渉に取り組みます。

 北朝鮮の動向については,引き続き情報収集と分析に努め,対応に万全を期します。北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は,地域と国際社会全体の平和と安全に対する重大な脅威です。関係国と連携しつつ,北朝鮮に対し,国連安保理決議及び六者会合共同声明に基づく具体的行動を引き続き強く求めます。我が国としては,「対話と圧力」の方針の下,日朝平壌宣言に基づき,拉致,核,ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて取り組みます。拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの方針の下,国際社会とも協力しつつ,現政権下での完全解決に全力を尽くします。

 第三の柱は,日本経済の再生に資する経済外交の強化です。
 昨年末に私を本部長として立ち上げた日本企業支援推進本部の下で,トップセールスを含め日本企業の海外展開支援を一層強力に進めます。ODAを活用したインフラシステム輸出も推進します。海外における日本人と日本企業の安全対策の強化にも引き続き取り組みます。また,国益にかなった高いレベルの経済連携を戦略的かつスピード感をもって推進し,TPP交渉については引き続き早期妥結に向けて取り組みます。日本産品の海外への普及促進や風評被害対策にも注力します。
 さらに,エネルギー・鉱物資源・食料等の安定的な確保のため,「資源外交」を強化します。
 また,WTOやAPEC,G8・G20などを活用し,経済分野での国際的ルールの整備と実施に積極的に取り組みます。我が国のOECD加盟50周年となる本年,閣僚理事会の議長国として役割を果たします。

(グローバルな課題への一層の貢献)

 グローバルな課題についても,国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から,一層の貢献を果たします。

 まず,唯一の戦争被爆国として,核兵器不拡散条約を基礎とした国際的な核軍縮・不拡散体制の維持・強化に貢献するとともに,現実的で実践的な取組を積み重ね,「核兵器のない世界」に向け国際社会の取組を主導します。この関連で,4月に広島で軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合を開催します。また,国際的な原子力安全の強化にも引き続き取り組みます。
 イランの核問題については,包括的解決のための最終的な合意の形成とその実施に向けて,国際社会と連携しつつ,イランとの伝統的友好関係に基づく働きかけを継続します。

 次に,「女性が輝く社会」の実現は,世界共通の課題です。昨年9月国連総会において表明した我が国の支援策は,国際社会から高く評価されています。女性の力を十分に引き出し,世界に活力をもたらすべく,国際社会との協力や途上国支援を強化します。また,女性・平和・安全保障に関する行動計画を市民社会の方々と共に策定しています。
 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)がまもなく我が国について発効することを踏まえ,条約の適切な実施に取り組みます。

 ODA60周年に当たる本年,積極的平和主義の立場から,ODAを一層戦略的に展開します。ミレニアム開発目標の達成や,人間の安全保障を指導理念とする効果的なポスト2015年開発アジェンダの構築を目指します。特に,国際保健外交戦略に基づき,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進します。我が国は,昨年のフィリピン台風被害に対し過去最大規模の自衛隊派遣等の支援を行ってきていますが,災害救援・防災分野の国際協力を推進し,来年3月に仙台市で開催する国連防災世界会議につなげてまいります。
 また,「攻めの地球温暖化外交戦略」の下,気候変動の新たな国際枠組みの構築に向け,途上国支援等を効果的に活用しつつ,国際的議論を主導します。
 国際的重要性を増すアフリカに対しては,安倍総理大臣のアフリカ訪問も踏まえ,昨年のTICADVで表明した支援策を着実に実施し,ウィン・ウィンのパートナーシップ構築を目指します。

 我が国は,「開かれ安定した海洋」の発展と公海における上空飛行の自由の確保に向け,主導的な役割を果たします。また,組織犯罪対策を含む国際テロ対策を強化するとともに,宇宙やサイバー空間における法の支配の確立に向け,国際的な規範作りを推進します。

 我が国は,南スーダンを含め国連平和維持活動(PKO)に更に貢献し,要員派遣や人材育成などを通じて,平和維持・平和構築を推進します。
 シリア情勢の改善に向け,先般出席したジュネーブ2を通じた取組や人道支援,化学兵器廃棄に向けた協力を通じて,可能な限りの貢献を行います。また,アフガニスタンについて,これまでに表明した支援を着実に実施します。
 中東和平プロセスについては,「平和と繁栄の回廊」構想などを通じ和平交渉を後押ししていきます。

 国連創設70周年となる来年を見据え,2015年安保理非常任理事国選挙に万全を期すとともに,安保理改革を早期に実現し,我が国も常任理事国として貢献していきたいと考えます。国連などの国際機関の日本人職員の増強にも取り組みます。

(対外発信及び総合的な外交力の強化)

 また,国際社会での我が国の存在感を一層高め,信頼される日本の姿が更に理解されるよう,我が国の立場や考え方を戦略的に対外発信するとともに,和食を含む文化の発信や若者を始めとする人的交流,日本語の普及の促進などを通じて,ソフトパワーの更なる充実を図ります。
 昨年の訪日外国人数は,政府目標の一千万人を上回り,過去最高を記録しました。ビザ緩和などの措置を通じて,観光立国推進に取り組みます。
 さらに,2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功に向け,スポーツを通じた国際貢献策を着実に実施する等,外務省としても最大限取り組んでまいります。 このように多岐にわたる外交課題に適切に対処するため,外交実施体制を含む我が国の総合的な外交力を引き続き強化していきます。 

(結語)

 戦後の我が国の平和国家としての歩みは,国際社会における高い評価と尊敬を勝ち得てきました。こうした歩みを堅持しつつ,今後は国際協調主義に基づく積極的平和主義の下,平和で繁栄した世界の実現に向け,我が国ならではの貢献を一切惜しみません。私は,そのことが我が国の立場に対する理解を一層深め,国際社会からの信頼を更に揺るぎないものにすると確信しています。今後も,我が国を守り,世界の平和と繁栄を実現するための外交を全力で推進してまいります。
 議員各位そして国民の皆様の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。


岡田克也「もう少し謙虚に」とたしなめる 安倍首相の第186回通常国会にあたっての施政方針演説全文

2014年01月24日 23時59分00秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[このエントリーの初投稿日時は2014年1月26日午前8時で、1月24日にバックデート]

 民主党の岡田克也前副総理は、2014年1月24日(金)の第186回通常国会の召集日の政府4演説について、苦言を呈しました。

 岡田さんは安倍晋三首相の施政方針演説は

 「明るい話やいい話で引っ張っていこうという意図はわかりますが、もう少し率直に現実をお話しになるべきだった」

 とし、困難に立ち向かうリーダーシップが欠如していると批判しました。

 政権交代から2年経ち、

 「いろいろお話しになったと言いましたが、それが自分の成果であるということを強調されていました。例えば、被災地の問題について、福島沖で運転を始めた浮体式洋上風力発電や、宮城の大規模ハウスで栽培された甘いイチゴを、「成果」として誇られました。しかし、こういったものは、実は安倍政権ではなくて、民主党政権時代にすでに補助金が付いたり、制度設計されて動き出していたものです」

 と語りました。私はこのへんは気にならなかったのですが、やはり自ら政権という重荷を背負った岡田さんとしては言わずにおれない、という気持ちになったようです。 

 なお、2014年平成26年1月24日(金)に、政府は平成25年度第1次補正予算案と平成26年度当初予算案を同時に提出したため、施政方針演説と財政演説など政府4演説が行われました。全文をこのエントリーに転載します。なお、演説の順序は、安倍首相の施政方針演説、岸田外相の外交演説、麻生太郎財務相の財政演説、甘利明・経済財政政策担当相の経済演説の順ですが、施政方針、財政、経済、外交の順で掲載します。 

2014年1月24日 (金)

http://katsuya.weblogs.jp/blog/2014/01/post-9bad.html

施政方針演説―もう少し謙虚に、色々な人の力で今日の成果がある

今日からいよいよ国会が始まりました。

今日は、安倍総理はじめ、関係大臣の演説がありました。安倍総理の施政方針演説を聞いて、私の率直な感想を申し上げたいと思います。

安倍総理は、いろいろな出来事の中のいい話を選んでお話しになったと思います。これも1つの演説の仕方だと思いますが、同時に厳しい側面も国民の皆さんに率直に話をして、そういったことについて共通認識を持ち、困難に挑んでいこうという場面があってもよかったのではないかと思います。

明るい話やいい話で引っ張っていこうという意図はわかりますが、もう少し率直に現実をお話しになるべきではなかったかと思います。

そして、安倍さんの話を聞いていて、いいことをいろいろお話しになったと言いましたが、それが自分の成果であるということを強調されていました。

例えば、被災地の問題について、福島沖で運転を始めた浮体式洋上風力発電や、宮城の大規模ハウスで栽培された甘いイチゴを、「成果」として誇られました。

しかし、こういったものは、実は安倍政権ではなくて、民主党政権時代にすでに補助金が付いたり、制度設計されて動き出していたものです。それが具体的形になったのが最近だということです。

別にそこまで詳しく言ってもらいたいという気持ちはありませんが、その直後に安倍さんは、「1年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は、6割を超える事業がスタートしました」と言われました。こういう問題も、地元での話し合いを重視して、話し合いがついたものから順次スタートしていき、国が強権的にやるものではないという考え方に基づいて進めてきたものです。

安倍さんの話だと、悪いのはすべて民主党であり、自分が全部それを良くしたと聞こえかねないくだりだったと思います。

観光立国についても、1000万人を超え、これから2000万人目指して頑張ろう、ということを言われたのはいいのですが、これは民主党政権になって、ビザの発給緩和はじめ、大胆に観光立国の旗を掲げて進めてきた、その延長線上にある話です。

これは1つの例ですが、ダメだったことは人のせいに、良かったことは自分のお陰だということが目立つのが、安倍さんの演説の特徴です。

自らの成果を強調したい気持ちはわかりますが、やはりもう少し謙虚に、色々な人の力があって今日の成果があるということを、もう少し出されたほうがいいのではないかと思います。

「手柄は人のもの」というのは竹下元総理の言葉ですが、悪いのは人だ、手柄は全部自分のお陰だ、というリーダーでは、自民党の中も含めて、なかなかついていけないという声が強まってくるのではないか、もう少し余裕を持ってやられたほうがいいのではないか、というのが私の率直な感じでした。

 ◇ 

 
 平成26年1月24日、第186回国会が平成26年6月22日までの会期で開会し、安倍総理による施政方針演説が行われました。(国会の召集、開会等についてはこちら)

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement2/20140124siseihousin.html

一 はじめに

 まず冒頭、海上自衛隊輸送艦おおすみと小型船の衝突事故について、亡くなられた方の御冥福をお祈りし、又お見舞いを申し上げます。徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げてまいります。
 「何事も、達成するまでは、不可能に思えるものである。」
 ネルソン・マンデラ元大統領の偉大な足跡(そくせき)は、私たちを勇気づけてくれます。誰もが不可能だと諦めかけていたアパルトヘイトの撤廃を、その不屈の精神で成し遂げました。
 「不可能だ」と諦める心を打ち捨て、わずかでも「可能性」を信じて、行動を起こす。一人ひとりが、自信を持って、それぞれの持ち場で頑張ることが、世の中を変える大きな力になると信じます。
 かつて日本は、東京五輪の一九六四年を目指し、大きく生まれ変わりました。新幹線、首都高速、ゴミのない美しい街並み。
 やれば、できる。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック。その舞台は東京にとどまらず、北海道から沖縄まで、日本全体の祭典であります。
 二〇二〇年、そしてその先の未来を見据えながら、日本が新しく生まれ変わる、大きなきっかけとしなければなりません。その思いを胸に、日本の中に眠る、ありとあらゆる「可能性」を開花させることが、安倍内閣の新たな国づくりです。

二 創造と可能性の地・東北

 「創造と可能性の地」。二〇二〇年には、新たな東北の姿を、世界に向けて発信しましょう。
 福島沖で運転を始めた浮体式洋上風力発電。宮城の大規模ハウスで栽培された甘いイチゴ。震災で多くが失われた東北を、世界最先端の新しい技術が芽吹く「先駆けの地」としてまいります。
 三月末までに、岩手と宮城でがれきの処理が終了します。作付けを再開した水田、水揚げに湧く漁港、家族の笑顔であふれる公営住宅。
 一年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は、六割を超える事業がスタートしました。来年三月までに、二百地区に及ぶ高台移転と一万戸を超える住宅の工事が完了する見込みです。
 やれば、できる。「住まいの復興工程表」を着実に実行し、一日も早い住まいの再建を進めてまいります。
 福島の皆さんにも一日も早く故郷(ふるさと)に戻っていただきたい。除染や健康不安対策の強化に加え、使い勝手のよい交付金を新たに創設し、産業や生活インフラの再生を後押しします。新しい場所で生活を始める皆さんにも、十分な賠償を行い、コミュニティを支える拠点の整備を支援してまいります。
 東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策について万全を期すため、東京電力任せとすることなく、国も前面に立って、予防的・重層的な対策を進めてまいります。
 力強いアーチ姿の永代(えいたい)橋。関東大震災から三年後、海外の最新工法を採り入れて建設されました。コストがかさむなどの反対を押し切って導入された、当時最先端の技術は、その後全国に広まり、日本の橋梁(きょうりょう)技術を大きく発展させました。
 まもなく三度目の三月十一日を迎えます。復興は、新たなものを創り出し、新たな可能性に挑戦するチャンスでもあります。日本ならできるはず。その確固たる自信を持って、「新たな創造と可能性の地」としての東北を、皆さん、共に創り上げようではありませんか。

三 経済の好循環

(この道しかない)
 日本経済も、三本の矢によって、長く続いたデフレで失われた「自信」を、取り戻しつつあります。
 4四半期連続でプラス成長。GDP五百兆円の回復も視野に入ってきました。
 リーマンショック後〇・四二倍まで落ち込んだ有効求人倍率は、六年一か月ぶりに一・〇倍を回復。冬のボーナスは、連合の調査によると、平均で一年前より三万九千円増えました。
 北海道から沖縄まで全ての地域で、一年前と比べ、消費が拡大しています。中小企業の景況感も、先月、製造業で六年ぶり、非製造業で二十一年十か月ぶりに、プラスに転じました。
 景気回復の裾野は、着実に広がっています。改めて申し上げます。
 この道しかない。皆さん、共に、この道を、進んで行こうではありませんか。

(好循環実現国会)
 企業の収益を、雇用の拡大や所得の上昇につなげる。それが、消費の増加を通じて、更なる景気回復につながる。「経済の好循環」なくして、デフレ脱却はありません。
 政府、労働界、経済界が、一致協力して、賃金の上昇、非正規雇用労働者のキャリアアップなど、具体的な取組を進めていく。政労使で、その認識を共有いたしました。
 経済再生に向けた「チーム・ジャパン」。みんなで頑張れば、必ず実現できる。その自信を持って、政府も、規制改革を始め成長戦略を進化させ、力強く踏み出します。
 国家戦略特区が、三月中に具体的な地域を指定し、動き出します。容積率規制や病床規制など長年実現しなかった規制緩和を行います。企業実証特例制度も今月からスタート。フロンティアに挑む企業には、あらゆる障害を取り除き、チャンスを広げます。設備投資減税や研究開発減税も拡充し、チャレンジ精神を持って新たな市場に踏み出す企業を応援してまいります。
 利益を従業員に還元する企業を応援する税制を拡充します。復興財源を確保した上で、来年度から、復興特別法人税を廃止し、法人実効税率を二・四%引き下げます。キャリアアップ助成金を拡充し、正規雇用労働者へのステップアップを促進してまいります。
 この国会に問われているのは、「経済の好循環」の実現です。景気回復の実感を、全国津々浦々にまで、皆さん、届けようではありませんか。

(財政健全化)
 四月から消費税率が上がりますが、万全の転嫁対策を講ずることに加え、経済対策により持続的な経済成長を確保してまいります。
 五兆五千億円に上る今年度補正予算の財源は、税収の上振れなどこの一年間の「成長の果実」です。国債の追加発行は行いません。来年度予算でも、基礎的財政収支が、中期財政計画の目標を大きく上回る、五兆二千億円改善します。
 経済の再生なくして、財政再建なし。経済の好循環を創り上げ、国・地方の基礎的財政収支について、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対GDP比の半減、二〇二〇年度までに黒字化、との財政健全化目標の実現を目指します。
 独立行政法人の効率化、公務員制度改革を始め、行政改革にもしっかりと取り組んでまいります。

四 社会保障の強化

 社会保障関係費が初めて三十兆円を突破しました。少子高齢化の下、受益と負担の均衡がとれた制度へと、社会保障改革を不断に進めます。ジェネリック医薬品の普及を拡大します。生活習慣病の予防・健康管理なども進め、毎年一兆円以上増える医療費の適正化を図ってまいります。
 その上で、消費税率引上げによる税収は、全額、社会保障の充実・安定化に充てます。世界に冠たる国民皆保険、皆年金をしっかり次世代に引き渡してまいります。
 年金財政を安定させ、将来にわたって安心できる年金制度を確立します。
 所得が低い世帯の介護保険や国民健康保険などの保険料を軽減します。地域において、お年寄りの皆さんが必要としている、在宅での医療・介護サービスなどを充実してまいります。
 全世代型の社会保障を目指し、子ども・子育て支援を充実します。この国から待機児童をなくすため、来年度までに二十万人分、二〇一七年度までに四十万人分の保育の受け皿を整備してまいります。
 昨年、一人の女の子から届いた手紙を、私は、今も忘れません。
 今は中学生となった愛ちゃんは、生まれつき小腸が機能しない難病で、幼い頃から普通の食事はしたことがありません。iPS細胞の研究への期待を込め、手紙はこう結ばれていました。
 「治療法が見つかれば、とっても未来が明るいです。そして、なんでも食べられるようになりたいです。」
 この小さな声に応え、未来への希望を創るのは、政治の仕事です。難病から回復して総理大臣となった私には、天命とも呼ぶべき責任があると考えます。
 小児慢性特定疾患を含む難病対策を、大胆に強化します。医療費助成の対象を、子供は六百疾患、大人は三百疾患へと大幅に拡大。難病の治療法や新薬開発のための研究も、これまで以上に加速してまいります。
 病室を見舞った私に、愛ちゃんが、可愛らしい絵をくれました。
 「私は絵をかくのが好きで、将来、絵本作家になって、たくさんの子供を笑顔にしたいと思っています。」
 難病の皆さんが、将来に夢を抱き、その実現に向けて頑張ることができる社会を創りたい。私は、心から、そう願います。
 二〇二〇年のパラリンピック。日本は、障害者の皆さんにとって、世界で最もいきいきと生活できる国にならねばなりません。
 難病や障害のある皆さんの誰もが、生きがいを持って働ける環境を創る。その特性に応じて、職業訓練を始め、きめ細やかな支援体制を整え、就労のチャンスを拡大してまいります。

五 あらゆる人にチャンスを創る

 元気で経験豊富な高齢者もたくさんいます。あらゆる人が、社会で活躍し、その「可能性」を発揮できるチャンスを創る。そうすれば、少子高齢化の下でも、日本は力強く成長できるはずです。

(女性が輝く日本)
 全ての女性が活躍できる社会を創る。これは、安倍内閣の成長戦略の中核です。
 仕事と子育てが両立しやすい環境を創ります。「小一のカベ」を突き破るべく、一次内閣で始めた放課後子どもプランを着実に実施してまいります。
 家族の絆を大切にしつつ、男性の育児参加を促します。育休給付を半年間五十%から六十七%に引き上げ、夫婦で半年ずつ取得すれば一年間割増給付が受けられるようにします。
 子育てに専念したい方には、最大三年育休の選択肢を認めるよう経済界に要請しました。政府も休業中のキャリアアップ訓練を支援します。一年半でも二年でも子育てした後は、職場に復帰してほしいと願います。
 子育ての経験を活かし、二十億円の市場を開拓した女性がいます。子育ても、一つのキャリア。家庭に専念してきた皆さんにも、その経験を社会で活かしてほしい。インターンシップや起業を支援します。
 女性を積極的に登用します。二〇二〇年には、あらゆる分野で指導的地位の三割以上が女性となる社会を目指します。そのための情報公開を進めてまいります。まず隗(かい)より始めよ。国家公務員の採用は、再来年度から、全体で三割以上を女性にいたします。
 全ての女性が、生き方に自信と誇りを持ち、持てる「可能性」を開花させる。「女性が輝く日本」を、皆さん、共に創り上げようではありませんか。

(若者を伸ばす教育再生)
 若者たちには、無限の「可能性」が眠っています。それを引き出す鍵は、教育の再生です。
 いじめで悩む子供たちを守るのは、大人の責任です。
 教育現場の問題に的確で速やかな対応を行えるよう、責任の所在が曖昧な現行の教育委員会制度を抜本的に改革します。
 公共の精神や豊かな人間性を培うため、道徳を特別の教科として位置づけることとし、教員養成など準備を進めてまいります。
 全ての子供たちに必要な学力を保障するのも、公教育の重要な役割です。幼児教育の無償化を段階的に進めます。教科書の改善に向けた取組を進めてまいります。
 「世界一の読解力」
 十五歳の子供たちを対象とした国際的な学力調査で、日本の学力が過去最高となりました。改正教育基本法の下、全国学力テストを受けてきた世代です。一次内閣以来の公教育の再生が、確実に成果を上げています。
 やれば、できる。二〇二〇年を目標に、中学校で英語を使って授業するなど英語教育を強化します。目指すは、コミュニケーションがとれる「使える」英語を身に付けること。来年度から試験的に開始します。
 「日本人はもっと自信を持って、自分の意見を言うべきだ。」
 立命館アジア太平洋大学でミャンマーからの留学生ミンさんがこう語ってくれました。教授も、学生も、半分近くが外国籍。文化の異なる人々との生活は、日本の若者たちに素晴らしい刺激となっています。
 二〇二〇年を目標に、外国人留学生の受入数を二倍以上の三十万人へと拡大してまいります。国立の八大学では、今後三年間で外国人教員を倍増します。
 外国人教員の積極採用、英語による授業の充実、国際スタンダードであるTOEFLを卒業の条件とするなど、グローバル化に向けた改革を断行する大学を支援してまいります。
 意欲と能力のある全ての若者に留学機会を実現します。学生の経済的負担を軽減する仕組みを創り、二〇二〇年に向けて日本人の海外留学の倍増を目指します。
 「可能性」に満ちた若者たちを、グローバルな舞台で活躍できる人材へと育んでまいります。

六 オープンな世界で日本の可能性を活かす

 世界に目を向けることで、日本の中に眠る様々な「可能性」に改めて気づかされます。オープンな世界は、日本が成長する大きなチャンスです。

(日本を売り込む)
 急成長する新興国では、道路も鉄道も必要です。水道や電気のインフラを整え、災害に強い都市開発が課題です。アジアでは二〇二〇年までに八兆ドルものインフラ投資が見込まれています。
 その世界のニーズに応える力が、日本にはあります。エネルギー不足や公害などの問題に取り組んできた経験があります。高い環境技術は、世界の温暖化対策にも貢献できるはずです。長年培ってきた経験や技術を、世界と惜しむことなく共有してまいります。
 インフラ輸出機構を創設します。交通や都市開発といった分野で、海外市場に飛び込む事業者を支援し、官民一体となって成約につなげます。十兆円のインフラ売上げを、二〇二〇年までに三倍の三十兆円まで拡大してまいります。
 昨年シンガポールで、日本専門チャンネル「Hello JAPAN」が開局。インドネシアでは、仮面ライダーが子供たちのヒーローに加わりました。
 日本のコンテンツやファッション、文化芸術・伝統の強みに、世界が注目しています。ここにも「可能性」があります。クールジャパン機構を活用し、コンテンツの海外展開や、地域ならではの産品の海外売込みなどを支援してまいります。

(アジアの架け橋)
 成長センターであるアジア・太平洋に、一つの経済圏を創る。TPPは、大きなチャンスであり、正に国家百年の計です。
 企業活動の国境をなくす。関税だけでなく、知的財産、投資、政府調達など野心的なテーマについて、厳しい交渉を続けています。
 同盟国でもあり経済大国でもある米国と共に、交渉をリードし、「攻めるべきは攻め、守るべきは守る」との原則の下、国益にかなう最善の判断をしてまいります。
 アジアと日本をつなぐゲートウェイ。それは沖縄です。
 「舟(しゅう)楫(しゅう)を以て万国の津(しん)梁(りょう)となし」
 万国津(しん)梁(りょう)の鐘にはこう刻まれています。古来、沖縄の人々は、自由な海を駆け回り、アジアの架け橋となってきました。そして今、自由な空を舞台に、沖縄が二十一世紀のアジアの架け橋となる時です。
 アジアとの物流のハブであり、観光客を迎える玄関口として、那覇空港第二滑走路は日本の成長のために不可欠です。予定を前倒し、今月から着工いたしました。工期を短縮し、二〇一九年度末に供用を開始します。
 高い出生率、豊富な若年労働力など、成長の「可能性」が満ち溢れる沖縄は、二十一世紀の成長モデル。二〇二一年度まで毎年三千億円台の予算を確保し、沖縄の成長を後押ししてまいります。
 沖縄科学技術大学院大学には、世界中から卓越した教授陣と学生たちが集まっています。更なる拡充に取り組み、沖縄の地に、世界一のイノベーション拠点を創り上げてまいります。

七 イノベーションによって新たな可能性を創りだす

 ITやロボットには、競争力を劇的に伸ばす力があります。メタンハイドレートは、日本を資源大国に変えるかもしれません。海洋や宇宙、加速器技術への挑戦は、未来を切り拓(ひら)きます。イノベーションによって、日本に新たな「可能性」を創りだす気概が必要です。
 世界中から超一流の研究者を集めるため、研究者の処遇など世界最高の環境を備えた、新たな研究開発法人制度を創ります。経済社会を一変させる挑戦的な研究開発を大胆に支援します。年度にとらわれない予算執行を可能とし、長期にわたる腰を据えた研究が行える環境を保障します。
 日本を「世界で最もイノベーションに適した国」としてまいります。

(中小・小規模事業者の底力)
 「世界シェア三割」
 誰にも真似のできない薄いメッキを作るイノベーションは、墨田区にある従業員九人の町工場から生まれました。
 日本のイノベーションを支えてきたのは、大企業の厳しい要求に高い技術力で応える、こうした中小・小規模事業者の底力です。
 ものづくり補助金を大幅に拡充します。ものづくりのための設備だけでなく、新たな商業・サービスを展開するための設備に対する投資も支援してまいります。併せて、「個人保証」偏重の慣行も改めてまいります。
 ソニーもホンダも、ベンチャー精神あふれる小規模事業者からスタートしました。小規模事業者がどんどん活躍できる環境を創るための基本法を制定し、小規模事業者支援に本腰を入れて乗り出します。

(成長分野の可能性を引き出す)
 iPS細胞を始め再生医療・創薬の分野で、日本は強みを持っています。しかし、未踏の技術開発には、リスクも高く、民間企業は二の足を踏みがちです。
 日本版NIHを創設します。医療分野の研究開発の司令塔です。難病など不治の病に対し、官民一体で基礎研究から実用化まで一貫して取り組み、革新的な治療法、医薬品、医療機器を世界に先駆けて生み出してまいります。
 電力システム改革を前進させ、電気の小売を全面自由化します。全ての消費者が自由に電力会社を選べます。ベンチャー意欲の高い皆さんに参入してもらい、コスト高、供給不安といった課題を解決する、ダイナミックなイノベーションを起こしてほしいと願います。
 これまでのエネルギー戦略をゼロベースで見直し、国民生活と経済活動を支える、責任あるエネルギー政策を構築します。原子力規制委員会が定めた世界で最も厳しい水準の安全規制を満たさない限り、原発の再稼働はありません。徹底した省エネルギー社会の実現と、再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、原発依存度は可能な限り低減させてまいります。

八 地方が持つ大いなる可能性を開花させる

 さて今年は、地方の活性化が、安倍内閣にとって最重要のテーマです。地方が持つ大いなる「可能性」を開花させてまいります。

(農政の大改革)
 地方経済の中核は、農林水産業です。おいしくて安全な日本の農水産物は、世界中どこでも大人気。必ずや世界に羽ばたけるはずです。
 農地集積バンクが動き出します。農地を集約して生産現場の構造改革を進めます。更に、四十年以上続いてきたコメの生産調整を見直します。いわゆる「減反」を廃止します。需要のある作物を振興し、農地のフル活用を図ります。
 規模拡大に伴って負担が増す、水路や農道など多面的機能の維持のため、新たに日本型直接支払を創設します。農地の規模拡大を後押しし、美しい故郷(ふるさと)を守ります。
 経営マインドを持ったやる気ある担い手が、明日の農業を切り拓(ひら)きます。彼らが安心と希望を持って活躍できる環境を整えることこそ、農業・農村全体の所得倍増を実現する道だと信じます。農林水産業を、若者に魅力のある、地方の農山漁村を支える成長産業とするため、食料・農業・農村基本計画を見直し、農政の大改革を進めてまいります。

(元気な地方を創る)
 人口減少が進む中においても、元気な地方を創る。これは、大いなる挑戦であります。
 自主性と自立性を高めることで、個性豊かな地方が生まれます。一次内閣で始めた第二次地方分権改革の集大成として、地方に対する権限移譲や規制緩和を進めます。
 行政サービスの質と量を確保するため、人口二十万人以上の地方中枢拠点都市と周辺市町村が柔軟に連携する、新たな広域連携の制度を創ります。中心市街地に生活機能を集約し、併せて地方の公共交通を再生することにより、まち全体の活性化につなげてまいります。
 中山間地や離島といった地方にお住まいの皆さんが、伝統ある故郷(ふるさと)を守り、美しい日本を支えています。活力ある故郷(ふるさと)の再生こそが、日本の元気につながります。こうした地域で、都道府県が、福祉やインフラの維持などを支援できる仕組みを整えます。都市に偏りがちな地方法人税収を再分配する仕組みを創り、過疎に直面する地方においても、財源を確保してまいります。
 地方には、特色ある産品や伝統、観光資源などの「地域資源」があります。そこに成長の「可能性」があります。地域資源を活かして新たなビジネスにつなげようとする中小・小規模事業者を応援します。

(観光立国)
 昨年、外国人観光客一千万人目標を達成いたしました。
 北海道や沖縄では、昨年夏、外国人宿泊者が八割も増えました。観光立国は、地方にとって絶好のチャンスです。タイからの観光客は、昨年夏ビザを免除したところ、前年比でほぼ倍増です。
 やれば、できる。次は二千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出します。フランスには毎年八千万人の外国人観光客が訪れます。日本にもできるはず。二〇二〇年に向かって、目標を実現すべく努力を重ねてまいります。
 「日本人のサービスは世界一」
 一千万人目として、タイから来日したパパンさんの言葉です。日本のおもてなしの心は外国の皆さんにも伝わっています。昨年は富士山や和食がユネスコの世界遺産に登録されました。日本ブランドは、海外から高い信頼を得ています。
 観光立国を進め、活力に満ち溢れる地方を、皆さん、創り上げようではありませんか。

九 安心を取り戻す

 その日本ブランドが揺らぎかねない事態が、起きています。
 ホテルなどで表示と異なる食材が使用されていた偽装問題については、不正表示への監視指導体制を強化します。悪質商法による高齢者被害の防止にも取り組み、消費者の安全・安心を確保してまいります。
 日本を「世界一安全な国」にしていかなければなりません。近年多発するストーカー事案には、警察や婦人相談所などが連携して被害者の安全を守る体制を整え、加害者の再犯防止対策も実施します。社会を脅かす暴力団やテロ、サイバー空間の脅威への対策も進め、良好な治安を確保してまいります。
 昨年は、自然災害により大きな被害が相次いで発生しました。災害から人命を守り、社会の機能を維持するため、危機管理を徹底するとともに、大規模建築物の耐震改修や治水対策、避難計画の作成や防災教育など、ハードとソフトの両面から、事前防災・減災、老朽化対策に取り組み、優先順位を付けながら国土強靱(きょうじん)化を進めます。
 伊豆大島への災害派遣。活動中に御位牌(いはい)を発見した自衛隊員は、泥を自らの水筒の水で洗い、きれいに拭き取りました。その様子をテレビで見た方から自衛隊に手紙が寄せられました。
 「本当に涙が出ました。あの過酷な条件のなかで自衛隊員の心のやさしさに感動しました。」
 その手紙は、こう続きます。
 「私はもう八十歳になりますが、戦争を知っている世代としては最後の世代ではなかろうかと思います。このように逞(たくま)しく、また、心やさしい自衛隊員がおられる日本は安心です。」
 自衛隊は、何物にも代え難い国民の信頼を勝ち得ています。黙々と任務を果たす彼らは、私の誇りです。

十 積極的平和主義

 海を挟んだ隣国フィリピンの台風被害でも、千二百人規模の自衛隊員が緊急支援を行いました。
 避難する方々を乗せたC―一三〇輸送機は、マニラ到着とともに、乗客の大きな拍手に包まれました。「サンキュー、サンキュー」子供たちは何度もそう言いながら、隊員たちに握手を求めてきたそうです。
 日本の自衛隊を、日本だけでなく、世界が頼りにしています。世界のコンテナの二割が通過するアデン湾でも、海賊対処行動にあたる自衛隊、海上保安庁は、世界から高い評価を受けています。
 今年はODA六十周年。日本は、戦後間もない頃から、世界に支援の手を差し伸べてきました。医療・保健分野などで生活水準の向上にも貢献してきました。女性の活躍を始め人間の安全保障への取組を先頭に立って進めています。
 シリアでは化学兵器の廃棄に協力しています。イランの核問題では平和的解決に向けた独自の働きかけを行っています。
 こうした活動の全てが、世界の平和と安定に貢献します。これが、積極的平和主義です。我が国初の国家安全保障戦略を貫く基本思想です。その司令塔が国家安全保障会議です。戦後六十八年間守り続けてきた我が国の平和国家としての歩みは、今後とも、変わることはありません。集団的自衛権や集団安全保障などについては、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告を踏まえ、対応を検討してまいります。
 先月東京で開催した日・ASEAN特別首脳会議では、多くの国々から積極的平和主義について支持を得ました。ASEANは、繁栄のパートナーであるとともに、平和と安定のパートナーです。
 中国が、一方的に「防空識別区」を設定しました。尖閣諸島周辺では、領海侵入が繰り返されています。力による現状変更の試みは、決して受け入れることはできません。引き続き毅然かつ冷静に対応してまいります。
 新たな防衛大綱の下、南西地域を始め、我が国周辺の広い海、そして空において、安全を確保するため、防衛態勢を強化してまいります。
 自由な海や空がなければ、人々が行き交い、活発な貿易は期待できません。民主的な空気が、人々の「可能性」を開花させ、イノベーションを生み出します。
 私は、自由や民主主義、人権、法の支配の原則こそが、世界に繁栄をもたらす基盤である、と信じます。日本が、そして世界が、これからも成長していくために、こうした基本的な価値を共有する国々と、連携を深めてまいります。
 その基軸が日米同盟であることは、言うまでもありません。
 「世界の市民同胞の皆さん、米国があなたのために何をするかを問うのではなく、われわれが人類の自由のために、一緒に何ができるかを問うてほしい。」
 昨年着任されたキャロライン・ケネディ米国大使の父、ケネディ元大統領は、就任に当たって、世界にこう呼びかけました。
 半世紀以上を経て、日本は、この呼びかけに応えたい。国際協調主義に基づく積極的平和主義の下、日本は、米国と手を携え、世界の平和と安定のために、より一層積極的な役割を果たしてまいります。
 在日米軍再編については、抑止力を維持しつつ、基地負担の軽減に向けて、全力で進めてまいります。
 特に、学校や住宅に近く、市街地の真ん中にある普天間飛行場については、名護市辺野古沖の埋立て申請が承認されたことを受け、速やかな返還に向けて取り組みます。同時に、移設までの間の危険性除去が極めて重要な課題であり、オスプレイの訓練移転など沖縄県外における努力を十二分に行います。
 沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、「できることは全て行う」との姿勢で取り組んでまいります。

十一 地球儀を俯瞰(ふかん)する視点でのトップ外交

 さて、総理就任から一年ほどで、十五回海外に出かけ、三十か国を訪問し、延べ百五十回以上の首脳会談を行いました。
 ロシアのプーチン大統領とは、四度首脳会談を行い、外務・防衛閣僚協議も開催されました。個人的な信頼関係の下で、安全保障・経済を始めとする協力を進めるとともに、平和条約締結に向けた交渉にしっかり取り組み、アジア・太平洋地域のパートナーとしてふさわしい関係を構築してまいります。
 トルコのエルドアン首相とは、三度の首脳会談を通じ、地下鉄、橋などの交通システム、原子力、科学技術分野における人材育成など、多岐にわたる協力で合意し、戦略的パートナーシップは着実に前進しています。
 直接会って信頼関係を築きながら、一つひとつ前に進む。いかなる課題があっても、首脳同士が膝詰めで話をすることで物事が大きく動く。昨年は、トップ外交の重要性を改めて実感しました。
 今年も、地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、戦略的なトップ外交を展開してまいります。
 中国とは、残念ながら、いまだに首脳会談が実現していません。しかし、私の対話のドアは、常にオープンであります。課題が解決されない限り対話をしないという姿勢ではなく、課題があるからこそ対話をすべきです。
 日本と中国は、切っても切れない関係。「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻るよう求めるとともに、関係改善に向け努力を重ねてまいります。
 韓国は、基本的な価値や利益を共有する、最も重要な隣国です。日韓の良好な関係は、両国のみならず、東アジアの平和と繁栄にとって不可欠であり、大局的な観点から協力関係の構築に努めてまいります。
 北朝鮮には、拉致、核、ミサイルの諸懸案の包括的な解決に向けて具体的な行動を取るよう、強く求めます。
 拉致問題については、全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱きしめる日が訪れるまで、私の使命は終わりません。北朝鮮に「対話と圧力」の方針を貫き、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しの三点に向けて、全力を尽くしてまいります。

十二 おわりに

 今月、アフリカ三か国を訪問しました。力強く成長するアフリカは、日本外交の新たなフロンティアです。日本は、インフラ、人材育成といった分野で、アフリカの人々のため一層の貢献をしてまいります。
 アフリカの人々のため。八十七年前、アフリカに渡った一人の日本人がいました。野口英世博士です。
 「志を得ざれば再び此(この)地を踏まず」
 故郷(ふるさと)・福島から世界に羽ばたき、黄熱病研究のため周囲の反対を押し切ってガーナに渡り、そしてその地で黄熱病により殉職。人生の最期の瞬間まで、医学に対する熱い初心を貫きました。
 我々が国会議員となったのも、「志を得る」ため。「この国を良くしたい」、「国民のために力を尽くしたい」との思いからであったはずです。改めて申し上げます。
 全ては国家、国民のため、互いに寛容の心を持って、建設的な議論を行い、結果を出していくことが、私たち国会議員に課せられた使命であります。
 一年前、私は、この場所でこう申し上げました。今や、自由民主党と公明党による連立与党は、衆参両院で多数を持っております。しかし、私の信念は、今なお変わることはありません。
 私たち連立与党は、政策の実現を目指す「責任野党」とは、柔軟かつ真摯(しんし)に、政策協議を行ってまいります。
 そうした努力を積み重ねることで、定数削減を含む選挙制度改革も、国会改革も、そして憲法改正も、必ずや、前に進んで行くことができると信じております。
 皆さん、是非とも国会議員となったときの熱い初心を思い出していただき、建設的な議論を行っていこうではありませんか。
 最後に、こうお願いして、私の施政方針演説といたします。御清聴ありがとうございました。

 財政演説、経済演説、外交演説に続く。 


脇雅史先生は話せば分かる 大久保勉・経済産業委員長、水岡俊一内閣委員長が復帰 参議院本会議

2014年01月24日 10時12分03秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[画像]民主党・新緑風会の万雷の拍手とともに、参議院経済産業委員長に復帰した大久保勉さん、2014年1月24日午前10時5分、参議院本会議、参議院インターネット議審議中継からスクリーンショット。

【2014年1月24日(金) 参議院本会議】

 参議院は召集当日の午前10時(定例日時)から本会議を開き、第186通常国会の院の構成を決めました。

 このうち、秋の臨時国会会期末の不正常政局により、いわれなき解任をされた、内閣委員長、経済産業委員長について、自民党員が自ら辞任。

 山崎正昭議長の選挙の結果、

 内閣委員長に水岡俊一さん(兵庫)、

 経済産業委員長に大久保勉さん(福岡)、

 が復帰しました。

【追記 2014年1月24日(金)午後1時40分】

 参議院消費者問題に関する特別委員長は、前国会の寺田典城さんに代わり、行田邦子さんが互選されました。「会派騒ぎ」に関係した交代と考えられます。

【追記おわり】

 このほか、第1種常任委員長は、藤本祐司・国土交通委員長、第2種常任委員長は、長浜博行・国家基本政策委員長、北澤俊美・懲罰委員長が引き続き務めます。

 参議院自民党の脇雅史幹事長と、参議院民主党の羽田雄一郎幹事長の、「経世会コンビ」の話し合いにより、円満に民主党に返還されました。

 聞くところでは、関連エントリー)2014年12月5日付エントリー 

数は力で「委員長を取り戻す」 巨大与党が大暴走 政府提出法案成立へ委員長解任の愚挙【再追記あり】

 の記事を見て、12月5日(木)、6日(金)に国会議事堂に抗議行動にかけつけてくださった方もいらっしゃったと聞きました。少なくとも大久保委員長は産業競争力強化法を仕上げていますから、いくらなんでも自民党はやりすぎでした。

 150日間の長丁場。熟議で注目される参議院を国民とともにつくっていきましょう。

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さあいよいよ、第186回通常国会召集!「安倍首相か海江田首相か」 会期は6月22日(日)まで

2014年01月24日 08時33分21秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

 第186回通常国会は、きょう平成26年2014年1月24日(金)召集されました。

 平成になって26回目の通常国会ですが、いったいこの26年間は「平成」だったのでしょうか。

 平成とは、書経、史記の「地平天成」、「内平外成」。筆者なりに読み下せば「地平にして、天成る」「内平らにして外成る」という意味でしょう。

 この元号は、小渕恵三内閣官房長官が設置した研究会の会長を小林輿三次・読売新聞社長がつとめており、小渕さんは「新聞社は新元号を抜こうと取材合戦になったが、小林さんは新聞社出身だからこそ発表まで秘密を守り切ってくれた」との趣旨の証言をしています。

 しかし、26年間、この失われた26年間は、平成というよりもむしろ逆。平成とは願いに過ぎなかったような気がします。

 その発端が次の写真です。

 
平成元年の昭和天皇の大喪の礼で、天皇陛下、皇后陛下を先導するのが、あろうことか、小沢一郎・内閣官房副長官だったのです。

新進党解党という日本史上最大の暴挙を働いた小沢一郎氏が新しい天皇、皇后両陛下を先導したのが、この失われた20年以上のしょっぱなだったのです。二大政党は強い心持ちで、小沢一郎氏の息の根を止めなければなりません。

 自民党の安倍晋三総裁(首相)は、第186通常国会を、経済の「好循環実現国会」と位置付けました。

 対する、民主党の海江田万里代表(ネクスト首相)は、「命、雇用、暮らしを守る国会」と位置付けました。

 さあ、きょうから150日間、「安倍首相の方が自分の生活が良くなる」のか、「安倍首相の方がお金持ちは儲かるが、自分の暮らしは海江田総理の方が良くなる」のか。

 2014年は極めて珍しい国政選挙があり得ない年です。自民党員も民主党員もともに、ていねいに住所録を精査し、来るべき国政選挙で、少しでも多くの友人、知人に働きかけられるよう、足腰を鍛え、雑草を取らねばなりません。私は20年政治をやってきて、投票を働きかけることによって、友人を失ったことはありません。あるいは、その自覚がないかだけです。日々の人としての信頼の積み重ねにより、多くの有権者に働きかけられる人にならねばなりません。20歳代は2人以上、30歳代は3人以上・・・60歳以上は6人以上に働きかけられる人でなければ、社会の一員と言えません。

 今週のNHK日曜討論では

 自民党の安倍総裁は「法案を修正して野党のいい点を取り入れて可決していきたい」

公明党の山口代表は「野党の意見も含めた合意形成でていねいな国会運営をしていきたい」と語っています。

 おそらく第183通常国会「付則・附帯決議国会」のように、民主党筆頭理事が、修正・附帯決議をリードする格好になるでしょう。政府提出予定の80法案のうち、経済関連が30本を占めますから、民主党にとっては経済を勉強するよい機会でしょう。自分がつくった経済法がどう経済を変えていくのか。すでに、田嶋要さんや近藤洋介さんが修正した産業競争力強化法では、日立製作所・東芝による一部部門の共同子会社設立が動き出しています。

 我が党にとっては、おいしい国会です。

 なにを失敗しても、政権を失う心配はありません・・・初めから政権など持っていませんから。

 あるいは、永田メールのような不始末があっても直後に国政選挙がないので、国民は忘れます。

 それでいて、附則・附帯決議をしっかりとつけていけば、後々、野党であれ、与党であれ、活用できます。

 腰を落ち着けることです。

 後で振り返って、2014年が民主党大反転攻勢の幕開けの年だったね、と言えるように、そこそこののんびりズムでがんばってまいりましょう。

 きょねんは常会召集から秋の臨時会閉幕まで一度も風邪を引かなかったのですが、ことしは咳が2週間止まらないまま、召集の朝を迎えてしまいました。どうも免疫力が落ちていて治らないようです。来年からはインフルエンザの予防接種を毎年受けようと考えています。国会傍聴記をはじめて、7回目の通常国会ですが、これしか、自分が社会の一員と認識できる場所がないからね。がんばっていかないと。

 一人一人の日本国民のさまざまな思いを国会に伝える力はどちらにあるか。

 自民党と民主党の二大政党の激突は、まさに平成の礎です。

 うがいして、掃除して、おしゃれして、そして、晴れた日も雨の日も、朝、空を仰ぎ見て、


さあ、

いよいよ、



第186回

通常国会の召集です!


 会期は、6月22日(日)まで。

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階猛さん、あなたの仕事は「少年院・少年鑑別所法」を仕上げることなのだ 法務委員会

2014年01月24日 08時01分24秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[画像]発言する階猛さん、左は岡田克也・前副総理、2014年1月23日、民主党両院議員総会、同党ユーストリームからスクリーンショット。

(このエントリーの初投稿日時は2014年1月24日午後8時)

 民主党は2014年1月23日(木)、ことし初めての両院議員総会を開きました。

 この中で、階猛さん(衆岩手1区)が発言し、「政府は補正予算案を提出してきて、私たちは政調部門会議で対応を検討している。しかし、そもそもこのような補正予算が必要なのか。どうも、政府自民党のペースになっているような気がする」と語りました。

 これに対して、櫻井充政調会長は「いずれにしても、補正予算に対する私たちの採決を決めなければならない」として政調での議論をするよう要望しました。

 法案と違い、予算案は政府に独占的に、編成権、提出権があるのですが、与党経験のある野党議員として、政府ペースに忸怩たるものがあったようです。

 内閣総務官室がまとめた「第186回国会 内閣提出予定法律案等件名・要旨調」によると、法務省が、2年ぶりに「少年院法・少年鑑別所法」の関連3法案を国会に提出することが分かりました。

 これに関しては、民主党政権下の第180通常国会(社会保障と税の一体改革国会)で、参議院先議で提出されましたが、参議院法務委員会(委員長・西田実仁・公明党)が趣旨説明すらせず、廃案としていました。(少年院・少年鑑別所法案が参院でまったく審議されず廃案 審査順のプロセス透明化が必要だ

 おそらく今回は衆議院先議になるのではないでしょうか。

 家庭裁判所が少年を少年鑑別所に送り、そこで釈放されれば、刑事事件でいう「不起訴」にあたります。しかし、現行法は「少年院法」での対応のため、「少年鑑別所法」を分離・新設する必要性があるとの議論は、実に半世紀前からありました。

 法務省矯正局がようやく第180通常国会に提出したわけですが、ご存じのように、小沢グループによる国民軽視の大政局のあおり。そして、おそらく、「少年鑑別所収容者親の会」「少年鑑別所収容者出身者の会」というような圧力団体はないでしょうから、国会に声が届かなかったのでしょう。

 声なき声を聞く力。それは、自民党ではなく、民主党が持っています。

 政権交代後、民主党の衆議院法務委員会筆頭理事には、千葉1区の田嶋要さんが就き、「法学部卒という関係しかないのに」と驚いていましたが、1年間の筆頭理事の間に、自主的に刑務所を見て回るなど、大いに視野を広げたようです。

 その後、法務政務官を務めた階さんが筆頭理事になりました。階さんは、第180通常国会で、小沢グループから離れ、政治家として独り立ちしました。知事夫人を対抗馬に立てられるというあまにえげつない小沢的手法に勝ち、今の任期を得ています。私もこの過程で、階さんの箸の持ち方が変だ、などというえげつない攻撃をしてしまいいくら小沢の息の根を止めてやる、との思いが高じたとはいえ、反省し、謝罪します。

 階さんは、「補正予算の対応は政調のスタッフに任せて、私たちは議員数が衆院で55人しかいないのだから、もっと国会の外に飛び回っていきたい」とのことでした。しかし、政権を取り戻さないと予算編成権は取り戻せません。しかし、政権を取り戻さなくても、少年鑑別所法を仕上げることはできます。

 目の前にあることを一つ、一つ、ていねいにしっかりとやっていくことが、政権交代につながります。

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悪魔自民党!社会保障制度改悪プログラムの3法案をすべて「日切れ指定」に 議論無視で弱者切り捨てへ

2014年01月23日 09時05分29秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[画像]強行採決を阻止する民主党の中根康浩さんと、民主党を裏切って自民党に移籍した後藤茂之・衆厚生労働委員長、2013年11月15日(金)、衆議院インターネット審議中継ビデオからスクリーンショット(トリミング)。

 さあいよいよ、第186回通常国会は、あす2014年1月24日(金)召集されます。

 やはり自民党は悪魔だったのですね。

 内閣総務官室が20日付でまとめた「第186回通常国会 内閣提出予定法案 件名・要旨調べ」によると、社会保障制度改悪プログラム法(平成25年12月13日法律112号)にもとづき提出する3法案をすべて「日切れ指定」してきたことが分かりました。

 とくに、難病患者の個人負担を月4万4400円にする改悪が、参議院で予算審議中の3月上旬に衆・厚生労働委員会で強行採決される可能性が出てきました。

 内閣総務官室によると、厚生労働省は、11本の法案を通常国会に提出予定で、そのうち5つに「※(こめじるし)」を付けました。これは予算執行の前提になる法案なので、3月31日(月)までに衆参で可決・成立させてほしいという意味です。

 プログラム法にもとづく、法案は3本。

 (1)地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備などに関する法案(仮称)

 (2)難病の患者に対する医療などに関する法案(仮称)

 (3)児童福祉法の一部を改正し小児慢性特定疾患(小児難病)の医療費助成制度を確立する法案(仮称)

 の3本です。

 このうち、現在は、窓口無料である難病の自己負担は月4万4440円となり、人によっては一生続くかもしれません。難病治療の新薬の開発と臨床は我々大和民族が地球に存在する意義として神が与えた能力のようにも思えますが、これも全額国費負担だからこそ、製薬会社も注力して開発してきた面もあります。

 難病対策の新制度は平成26年度予算で300億円計上されている、とみられます(あす判明)。だからといって、3月31日までにあわてて審議を終わらす必要はありません。例えば、消費者庁設置法は6月5日公布であり、4月からの2か月強、予算がついたまま、執行する法律が存在しませんでした。予算の歳出はその限度額まで使ったよい、との権限付与に過ぎないので、300億円を歳出するための法律は年をまたいでいいのです。

 むしろ、参考人招致や修正協議を入れて、ていねいにじっくりと審議する。そして、「経済の好循環実現国会」とする自民党に対して、「命と雇用と暮らしを守る国会」をめざす民主党の意見を見てもらう。自己負担制度を一度始めると、政権交代しても、止めるのは困難でしょう。ただ、民主党に政権交代すれば、「見直し」がされるとの希望をもって、新しい制度に、患者、家族が対応することもできます。

 そして、(1)の法案。地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備などに関する法案では、地域包括ケアシステムを実現していきます。

 プログラム法によると、「地域包括ケアシステム」とは「地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防」「(要介護状態もしくは要支援状態の軽減もしくは悪化の防止)」「住まいおよび自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」のことです。

 要するに、病院の病床数を減らし、在宅医療に切り替えるという大きな方向性です。病院が県庁に機能ごとの病床数を報告する義務を負います。

 このように2012年6月の3党合意に盛り込まれた社会保障の将来像の棚上げ(社会保障制度改革国民会議)の2013年8月の最終報告書は、ことごとく、社会保障の切り捨てにつながっており、いったい消費税増税と社会保障の一体改革という当初の説明との整合性が揺らいでいます。ここまでひどいことをするとは、自民党よ見損なったぞ、との思いです。

 これは、官僚が御用学者(慶応義塾長)をつかって、骨抜き霞が関文学で、最終報告書、プログラム法をつくってきたからで、この流れをどこかで止めないといけません。

 二大政党の真価が問われる第186通常国会は、さあいよいよ、あす召集されます。 

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◎「農業の多面的機能の発揮の促進に関する法案」で、ついに直接支払いが第186国会で恒久法制化へ[追記有]

2014年01月21日 08時41分05秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[写真]直接支払を推進した民主党の長野1区の篠原孝さん三重3区の岡田克也さん佐賀2区の大串博志さんの各衆院議員。

【追記 2014年7月23日(水)午前11時】

 半年以上たった現在も、このエントリーへのアクセスが多いので、第186回通常国会で否決されたことを追記します。

 「農業者戸別所得補償法案」と条件不利地域農業への補助金など民主党提出4法案は、3月27日(木)の衆議院本会議で、閣法2法案とともに審議入りしました。その後衆議院農林水産委員会で慎重審議されましたが、連休入り最終日の4月25日(金)の本会議で否決されました。さらに、委員会では、「収入保険を2017年度をめどに導入するよう法制化の検討をする」との修正が、宮越光寛・自民党側筆頭理事により挿入されました。これは、第46期衆議院では、直接支払の法制化をしないことを宣言するとともに、一般会計の税収を原資とするだけでなく、農業者から徴収した保険料を運用する特別会計の新設をめざすという農林水産官僚の思惑も見て取れます。このような修正をしたうえで、民主党案を否決した自民党の横暴は絶対に許せません。公明党もマニフェスト2012に違反しています。私は、宮越光寛は、無間地獄に堕ちると確信しています。

関連エントリー)2014年4月25日付

連休前国会が終了、前代未聞の民主党5法案否決の屈辱も、労働者派遣法改悪案の審議入りは阻止

【追記終わり】

 第186通常国会で農業直接支払いが恒久法制化され、天皇陛下によって公布される見通しとなりました。

 「直接支払い」は、民主党の岡田克也代表が2005年9月の第44回衆院選マニフェスト「岡田内閣500日プラン日本をあきらめない。」の「日本刷新8つの約束」の「6本目 10年後の自給率50%実現のため、直接支払制度1兆円をスタートします」と公約したのが初めて。その後、2007年7月の「民主党3つの約束」とした大勝し、平野達男さん発議で「農業者戸別所得保障法」を参議院で可決。しかし政権交代後は、農水省が法案を出せずに終わり、下野後に、岡田系農水族議員の大串博志さんが「農業者戸別所得補償法案」(183衆法26号)として継続審査が続いています。

 これについて、きょう2013年1月21日(火)の自民党安倍内閣が閣議決定する「産業競争力の強化に関する実行計画」のなか、「第186通常国会に提出する成長戦略関連法案30本」の一つに、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案(仮称)」が盛り込まれています。

 この法案の概要は「日本型直接支払い(多面的機能支払い)の実施」と書いてあり、水田の多面的機能(水源の涵養、動植物の生育、空気の浄化、棚田など日本の自然や文化の保存・継承)に配慮して、規模集約を考えながらも現在稲作を続ける人に、秋の収穫期に、市場価格と販売価格の差額を補てんするという法案を政府が出してくると考えて間違いないでしょう。

 農水省は、自民党総務会を通すよりも、この成長戦略実行計画の閣議決定に入れることで、法律化を図ろうとしたのでしょう。もちろん、国会での、民主党、公明党のとの修正協議は念頭に入れているでしょうが、自民党の総務会や政調会の農林部会よりも機能的だと判断したのではないか、と推測します。

 もともと、2003年初当選の篠原孝さん(長野1区、第1次与党期に農水副大臣)が民主党に持ち込んだアイディアで、下野後は、大串博志・衆農林水産委員会野党側筆頭理事が法案をだし、ていねいに交渉してきました。衆参農水委は、TPP決議や、農地バンク法などで与野党間の友好ムードが続いており、第186通常国会での対決法案も予想されないことから、今国会中の成立は確実と考えられます。

 だた、名称に関してですが、多面的機能というのは素晴らしいことなのですが、なじみがない。一方、「農業者戸別所得補償」というのは、堅苦しいし、選挙目当てで一部の有力政治家(当時民主党)が無理やりゴリ押しした名前だとされています。

 自民党、民主党、公明党各党間の交渉となりそうですが、「直接支払法」とか、あるいは、「岡田交付法」という名称がいいのではないでしょうか。

 当ブログでは2007年10月30日付で「【国会傍聴記】農業者戸別所得補償法案が参院農水委で審議入り」という記事を書いていますから、やっとかよ、という気もしますが、やはり政治を見る目の第一条件として、時間がかかる、というのは民主政治の当然のコストなので、そのことにうんざりすることはありません。むしろやりがいがあるくらいです。また国会(議会)傍聴ブログとして世界で初めて通算1000万ページビューを越えた当ブログですが、もっとも1記事あたりで読まれたのは「◎ねらいは農協はずしの「農民分権」だった!篠原孝さん 長野1区」でしょう。計算できているだけでは、少なくとも1万人以上の方々に読んでいただいております。

 ぜひ、行政指導ではなく、なるべく法律事項にもとづく自由で活力ある農政をつくってまいりましょう。

 農政に二大政党の壁はありません。

 あと、こういう法案は、予算より先に、趣旨説明をして、予算と並行して委員会を開いて早めに通してもいいのではないでしょうか。

 さあいよいよ、第186通常国会は、あさって召集されます。

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思想信条は違えども、愛国者・市田忠義議員に万雷の拍手を贈りたい【追記有】

2014年01月18日 23時59分27秒 | 岡田克也、旅の途中

[この記事の初投稿日時は2014年1月19日(日)午前6時30分で、そこからバックデート]

【追記 2016年7月20日】

 市田忠義さんは、引退の意向を撤回し、第24回参議院議員通常選挙に出馬。7・7万票を獲得し、日本共産党(601万票)内ではトップ当選で、2022年7月までの任期を得ました。

【追記終わり】

 日本共産党は、伊豆にある党寮で大会を開き、志位和夫委員長の続投と、14年コンビを組んだ市田忠義・書記局長(参議院全国比例)の退任を決めました。後任は山下芳生(やました・よしき)氏で、昨年の第183通常国会から参院会派代表者を市田氏から引き継いでおり、予想通りの交代になりました。

 市田さんは引き続き、2016年の参院任期満了まで環境委員を務める見通し。

 さて、共産党は愛国者でしょうか。私にはそうは思えませんが、市田さんは愛国者かもしれません。

 岡田克也さんが「これも天命なのかな」と与党幹事長を引き受けた2010年。岡田さんは第176臨時国会で、菅直人総理代表・岡田幹事長が求める「小沢一郎氏の証人喚問について」、市田さんから11月30日、「党首が一兵卒の元代表に『国会に出なさい』と言い『分かりました』と言わせられないのは、近代政党として情けない。共産党ならあり得ない」と発言。これに対して、岡田さんが「うちは共産党とは違いますから」と答えたところ、市田さんが激高し、発言の撤回と謝罪を要求したようです。

 これを受け12月、岡田さんは、市田さんと会食し、「次の第177通常国会では、きっちり審議拒否なしの国会を作っていこう」と意気投合。このもようは同党の機関誌「赤旗」でも報じられました。

 あくる2011年。

 私は記者会見で岡田さんに「(30日規定も3分の2規定も使えない状況で)予算関連法案で共産党の協力を得ることもあるのか」と質問したところ、岡田さんは「案件によりけりだと思いますが、基本的に(日本共産党が)予算関連法案(で賛成するの)はなかなか難しい問題があるのではないかと思います」としながらも、「あらゆる可能性を追求したいと思います」と答えていました

 日切れ法案の一つ「子ども手当法案」が衆参ねじれによる、自民党と公明党の抵抗で暗礁に乗り上げました。「あらゆる可能性を追求する」と繰り返していた岡田さんは、 ついに、2011年3月9日、共産党が「子ども手当法案に賛成する」ことに応じてくれました。

 なぜか。これは、統一自治体選挙を1か月後に控えて、子ども手当法が失効すると、共産党のライバル公明党の児童手当が自動復活してしまうことを避けたからです。

 3月11日、東日本大震災。

 3月31日の参議院本会議で、賛成120、反対120となり、西岡武夫議長は「可決(・成立)」を宣言しました。

 ◇

 さて、子ども手当法どころではない異次元の国難となってしまった震災国会。

 6月2日、小沢グループによる許しがたい裏切りにより、菅内閣不信任案採決が混乱し、「一定のめど」発言。

 週明けの6月5日(日)のフジテレビ報道2001で、岡田幹事長は「「私は期限付き大連立をして次の総選挙で国民の信を問うのがいいと思う」と発言。

 そして、NHKに移って、全党幹事長・書記局長によるNHK日曜討論。

 まず、連立与党・国民新党の下地幹郎幹事長が自ら「大連立の話もあるけれども、こんなに(民主)党内がまとまらないのに、大連立はないと岡田幹事長にも(先週)一遍話したが、確約してほしい」 と牽制しました。小党である国民新党の埋没をおそれた発言。

 この後、しばらく大連立の話は出ませんでしたが、みんなの党の江田憲司幹事長が「大連立と言っても閣議は全会一致だから、はんこを押す押さないという話になる」と批判。

 しかし、ここで市田書記局長が「国難だから大連立をするということになると大政翼賛会的になる」と批判しながらも、「大連立をするなら期限とテーマを設けるのが秘訣だ」と助け舟(市田助言)。

 すかさず、岡田さんが「期限とテーマを決めて大連立をやっていきます」と明言すると、下地さんが「大連立という言葉を岡田幹事長が言うこと自体信じられない!」と絶叫。

 さて、この後、期限としては「近いうち解散」、テーマは「社会保障と税の一体改革」「バラマキ4kの政策効果の検証と特例公債法案の賛成」という財政問題にしぼった、閣外での大連立、すなわち「3党協議」ができて、2012年12月28日まで、我が党はしっかりと第1次与党期をまっとうすることができました。

 愛国者。

 よくわからないけれども、天皇制を否定する共産党が日本という国家に対して愛国者ということがあるのでしょうか。もちろん、「私は愛国者だから、今すぐ日米同盟を破棄して、真の独立を果たす」というネットウヨは愛国者ではありません。

愛国者はもともとPatriot です。

 岡田克也が「天命」と言って与党幹事長になり、3・11、小沢グループを切って、菅直人総理の名誉を守りながら、安宅の関を逃がした岡田勧進帳。

 日本政治の今振り返ると名場面に、市田助言があったことになります。

 思想信条は違えども、岡田の敵は僕の敵だし、岡田の味方は僕の味方です。つまり私は岡田のPatriotであり、それすなわち愛国者Patriotです。

 いつ、どこで、だれが、どんな政治状況で、どういう経済基盤で、岡田を支えたり、岡田を裏切ったりしたか、僕は一生覚えていようとしています。

 それでいえば、市田忠義さんは岡田さんを助けてくれました。それは私の中では、国家を支えてくれたこと、私を支えてくれたこととまったくイコールです。

 金子満広さんが書記局長から副委員長にひいた後も、けっこう発言力はあったと思います。市田副委員長も引き続き、われわれ二大政党をチェックしてい欲しいと期待します。

以下、関連エントリー

子ども手当つなぎ法、野党の“共”力で成立へ 岡田幹事長の「あらゆる可能性」が結実

2011年03月09日 22時16分12秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]左から、民主党の安住淳・国対委員長、藤村修・幹事長代理、岡田克也幹事長、日本共産党の市田忠義書記局長、穀田恵二・国対委員長、2011年1月18日、穀田さんのブログから

(前略)

 さて。

 民主党は「平成22年度の子ども手当支給法」(第174国会閣法6号)を、半年間延長するつなぎ法案を、議員立法で提出する見通しとなりました。これに日本共産党が「前向きに検討」と社民党が「賛成」を表明しました。参議院本会議で、民主党、国民新党、日本共産党、社民党が賛成した場合は、過半数まであと「2」になります。無所属のうち、沖縄県選出で「革新共闘」で当選している糸数慶子さんは社民党などと行動をともにするとみられ、民主党と関係の深い無所属議員(例えば大江康弘さん)がもう1人賛成すれば、現行の子ども手当の6月、10月の支給にメドがつくことになります。仮に参議院で否決されても、日本共産党の「前向きに検討」により、衆院本会議での3分の2以上による再可決は確実な情勢になりました。

 民主党幹事長の岡田克也さんは9日、日本共産党の市田忠義書記局長と会談し、協力を取り付けました。

 実は岡田さんと市田さんは、秋の第176臨時国会中の与野党幹事長・書記局長会談で、大げんかになった経緯があります。2010年11月30日の会談で、「小沢一郎氏の国会招致」を求める市田さんが「党首が一兵卒の元代表に『国会に出なさい』と言い『分かりました』と言わせられないのは、近代政党として情けない。共産党ならあり得ない」と発言した際、岡田さんが「うちは共産党とは違いますから」と答えたところ、市田さんが激高し、発言の撤回と謝罪を要求したようです。この後、岡田さんが市田さんをとりなすつもりもあったのでしょうが、自民党の石原伸晃幹事長に「自民党は審議拒否をすべきでない。共産党さんを見習って欲しい」と話したところ、今度は石原さんが激怒。さらに岡田さんが公明党の井上義久幹事長に「公明党は本会議に出席してくれますか」とたずねると、井上さんが「それは、そちらがその環境をつくるべきだ」と口論になり、陰険な雰囲気の幹事長・書記局長会談となってしまったようです。

 これを受けて、岡田さんは市田さんとのわだかまりを年を越させないと考えたようで、12月、ホテル内のレストランで、市田さんと夕食をともにして、大人として「次の第177通常国会では、きっちり審議拒否なしの国会を作っていこう」と意気投合したようです。

 そして、迎えた第177通常国会ですが、「名古屋・愛知ショック」で、民主党だけでなく、共産党も「既成政党」として、共通の危機感が抱いていると考えられます。岡田さんは、まず、「児童手当法の改正」というボールを公明党に投げたのですが、よい返事がなく、また児童手当法の所得制限840万円の「拡充」の意図がうまく伝わらずに党内外の反発が出ました。

 そこで、岡田さんは児童手当法改正という公明党に投げたボールを(いったん)あきらめ、「平成22年度の子ども手当法」を半年間延長するつなぎ法案(ブリッジ法案)を議員立法する方針に展開しました。これにより、ことし6月と10月の子ども手当は、これまでと同様の金額が払われることになると思われます。仮に半年延長なら、9月分までは確定しますので、自治体の窓口により違いがあるかもしれませんが、10月の支給はある、と私は現行法も読み返しながら考えております。まだ確定ではありませんし、利害関係者は引き続き報道などでご確認下さい、子育てで忙しく、また心もせわしないのに申し訳ありませんが。

 なお、きょう(3月9日)の衆院厚労委員会で、厚労大臣の細川律夫さんが「平成23年度の子ども手当支給法案」(177閣法9)の提案理由説明に踏みきりました。ただ、これで、与野党の理事・委員による「修正協議の機運」が出てくると思います。とくに衆院厚労委は、日本共産党、社民党、公明党の委員が以前から固定していますので、話がスムーズに行くと期待しています。

 さて、ここのところ忙しくて、岡田幹事長の記者会見に行けていないのですが、私は2月7日の定例会見で、参院では自民党・公明党・みんなの党の野党共闘でも過半数には足らないので、法案によっては、予算関連法案で、日本共産党が賛成してくれるのではないかという趣旨の質問をしました。これについて、岡田さんは「案件によりけりだと思いますが、基本的に(日本共産党が)予算関連法案(で賛成するの)はなかなか難しい問題があるのではないかと思います」としながらも、「あらゆる可能性を追求したいと思います」と答えていました

 きのう(3月8日)の衆・財金委でも、日本共産党の佐々木憲昭(ささき・けんしょう)さんが「自公政権時代の基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げは、民主党と日本共産党は反対していた」と発言がありました。また、参院総務委員の日本共産党の山下芳生(やました・よしき)さんが、前日NHK会長を退任したばかりの福地茂雄さんが議員会館に訪れたことを驚いた筆致でブログで紹介しています。これを読んで、福地茂雄さんが社長を務めた「アサヒビール」が、キリンビールの販売量を抜いたり、ビール業界ではサントリーすらも凌駕している「強さ」の秘けつを感じ、敬服しました。

 さあ、公明党さん、元祖・地域政党なのか、はたまた、既存政党なのか分かりませんが、真価が問われる4月を前に、国会議員団も現実を見すえなければいけません。

 前へ。

 2011年3月9日の国会はこう見えても、前に進みました。

 苦しいときこそ、前へ。立ち止まると病気になりますよ、ホント。

 前に進みましょう。

 なお、あす3月10日は東京都平和の日です。東京大空襲から66年目となります。私も時間的余裕はあまりありませんが、午後1時の黙祷にご協力ください。あの東京がイチバン熱かった夜の11万人のためにも、前へ。前へ。前へ。

子ども手当つなぎ法が成立 昨年と同額で6月10月支給が確定 年長の市田議員、寺田議員が協力

2011年03月31日 17時16分12秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]子ども手当つなぎ法に賛成した市田忠義、寺田典城両参院議員、参議院ホームページの所属議員一覧から

 参議院は3月31日(木)午後4時から本会議を開き、午後4時45分から午後5時10分にかけて、「子ども手当つなぎ法案」(衆院民主党の城島光力さんら提出)を審議。押しボタン式ではなく、自民党の愛知治郎さんら82人の発議で、記名投票採決(堂々巡り)をしました。

 この結果、投票総数240、賛成(白色票)120、反対(青色票)120の可否同数となりました。このため、西岡武夫議長は「可否同数のときは、憲法56条第2項により、議長が決するものとします」として、「議長の判断は可であります」として、議長の決定により、子ども手当つなぎ法は可決・成立しました。

 このほか、賛成多数で、国税つなぎ法、地方税つなぎ法、思いやり予算協定、金融円滑化法(亀井法)の延長、改正関税定率法、改正IMF・IBRD加盟法、改正内閣府設置法(地域自主戦略交付金=地方一括交付金)、改正地方交付税法、改正港湾法、改正踏み切り道改良促進法、「国会議員の歳費の3割削減法」も成立しました。

 これに先立つ厚生労働委員会でも、可否同数のため、国会法50条後段にもとづき、津田弥太郎委員長が「可」としました。衆議院は両院協議会や3分の2議決にそなえて、午後12時に始まった本会議を休憩にしていましたが、参議院でイッパツで決まりました。

 
[画像]挙手による採決で、可否同数となったため、委員長として「可決」を宣言した津田弥太郎・参院厚生労働委員長。津田さんの隣には、ボードを持った参院事務局職員の姿が。


[画像]子ども手当つなぎ法の委員会可決を参院本会議に報告する津田弥太郎委員長、2011年3月31日、午後4時45分ごろ。参議院インターネット審議中継からキャプチャ。


[画像]記名投票採決で、白色票(賛成票)を投じ拍手を浴びた寺田典城・参議院議員=オレンジ色の丸囲み。


[画像]集計する参議院参事たち。白色票と青色票がまったく同じ120票ずつなのが、画像からもうかがえます。

 これにより、4月~9月支給分の子ども手当は昨年と同様の金額が支給されることが確定しました。

 このほかにも、重要な歳入関連法案のつなぎ法や、歳出関連法(日切れ法案)が可決・成立し、「3月危機」と言われた、ねじれ国会での予算関連法案をめぐる攻防は一段落しました。今後は、まずは、歳入では、赤字国債の発行に関する臨時特例法案、歳出で間に合わなかった在外公館などの給与法案、そして、4月補正予算案、さらに6月末につなぎが切れる、国税、地方税それぞれの改正法案があります。そして9月末には子ども手当つなぎ法も切れます。また、税と社会保障の改革(消費税アップ)もけっして、政治スケジュールから吹っ飛んだわけではありません。

 私は6月22日(水)の会期末などありえない。秋の臨時国会を8月に前倒すというアイディアもないと思う。第177通常国会を100日間以上延長して、9月過ぎまで、いつでも政府からの緊急の提案に応じたり、質疑を通じて、与野党・衆参・政府内外がいろいろな情報を速やかに共有できるシステムを整えておく。それが危機管理だと思います。

 なお、3月29日(火)の午後4時過ぎ、衆院厚労委での審議で、厚労委理事および議運・国対の経験が長い、自民党の田村憲久さんがスピード質疑のなかで、法案提出者である、民主党政調会長代理で政務三役の経験がまだない、城島光力さんが答弁席で長広舌だったとして、「前段後段が長いというのは、問題がありますよ」と指摘しました。この自民党の国会運営の中堅エース格が「問題がありますよ」といった意味がどういうことか、民主党の政府外議員には、受け止めて、よく考えて欲しいと思います。

 
[画像]法案提出者として答弁した城島光力・民主党政調会長、2011年3月29日、衆院厚労委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
 
 また、3月31日(木)の参院本会議での討論では、自民党の石井準一さんが平成23年度における子ども手当支払い法案(閣法)と、子ども手当つなぎ法案(衆法)に関して、「一つの国会のなかで、政府と与党で異なる法案が出たことは問題だ」と指摘したうえで、「ぶれる政府が現在の国難に対応できるわけがない」としたのも、説得力がある話でした。もちろん、「走りながら考える」(岡田克也幹事長)なかで、市田忠義さんや、寺田典城さんら人生経験のある70歳以上の議員、市田さんは満68歳ですが、戦前・戦中生まれでもある年長議員が助けてくれたわけです。なぜ困難なときに、57歳の岡田さんを、ギリギリのところで年長議員が助けてくれるのか。前に進む岡田さんの道がひらけるのか。まあ答えは言葉で書けば、これはカンタンです。カンタン過ぎるからあえて書きません。映画で、俳優が態度で表現しようとすると、これはとても難しいでしょう。民主党内に岡田幹事長の背中を全速力で追いかけながら、言葉でなく態度で示せるようになった議員が民主党内に数人だけでも、出てくれば、国難は乗り切れると思います。

 国会はノンストップで知恵を出すしかありません。前に進むしかありません。

岡田、石原両幹事長「期間くぎって大連立」衆参ねじれ克服で懸案処理→総選挙二大政党定着へ【追記あり】

2011年06月05日 10時44分51秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 民主党の岡田克也幹事長と自民党の石原伸晃幹事長は2011年6月5日(日)のテレビ番組で、期限付き・テーマ限定の大連立政権をつくり、震災復興や、税と社会保障の一体改革などのめどをつけたうえで、第46回総選挙に臨む考えを打ち出しました。

 午前7時半からのフジテレビ「新報道2001」は岡田さんと石原さんの2人でおよそ1時間対談しました。NHK日曜討論では、午前9時から10時まで、与野党幹事長とともに出演しました。

 岡田さんは菅直人首相の進退について、NHKで、「退陣の時期を明言すれば、レームダックになる」として、出処進退は総理自身が決めることだとしながらも、「総理の判断が民意とかけ離れれば、私が進言する」として、いわゆる“鈴つけ役”を買って出ました。また、当たり前ですが、フジテレビで、菅総理・代表が辞めれば、自分も幹事長を辞めるとしました。

 石原さんはフジテレビで、「衆院選のたびに、自民党が300議席・民主党が100議席、民主党が300議席・自民党が100議席というようにスイングする選挙制度」に懸念をしながらも、今は政権交代ある二大政党制の「過渡期だ」としました。

 岡田さんは、自民党が「バラマキ4k」と批判し、平成23年度の赤字国債発行法案(特例公債法案)の見直しの前提(4月29日の3党合意)としている子ども手当について、公明党が児童手当の対象外の中学生にも月1万円支払うことを認めつつある。自民党が幼年扶養控除の復活をあきらめ(「控除から手当へ」)その分の高所得者への支給額の配慮を認めつつある。として、自公案がまとまりつつあるとの考えを示し、石原さんも同意しました。

 そのうえで、岡田さんはフジテレビで「私は期限付き大連立をして次の総選挙で国民の信を問うのがいいと思う」としました。これに先立ち、石原さんは「岡田さんと話しても、岡田さんとは違うもう一方の原理主義の人たちが邪魔をする。党内をまとめてほしい」として、マニフェスト原理主義を掲げる、小沢グループ・鳩山グループを排した「一本になった民主党と話をしたい」と述べました。この後、岡田さんは、マニフェスト原理主義の排除について、「党首選になると大きなテーマになる」となぞの発言をし、顔を赤らめました。これは、次の代表選が来年9月であることを勘違いしたため、顔を赤らめたものだと思われます。

  岡田・石原対談の後に、単独でフジに出演した前原誠司さんは、「今の打開策は時限的な大連立だ」と岡田さんらと同じ考えを明言。そのうえで、「マニフェストを見直して国民の信を問う」とし、「代表選は衆参がねじれている状態で、(時限連立内閣に参加する各党が納得する)だれが(首相を)やるのかという問題だ」としました。これに関連して、NHK日曜討論の中で、国民新党の下地幹郎幹事長は「民主党の代表は総理大臣を決める選挙だから、そのディベートは政治空白ではない」として、ある程度の時間をとってもいい、との思いやりを示しました。民主党の代表選規約では、任期途中での代表辞任の場合の代表選挙は「40日以内」(第6条の2)となっています。いかにも野党時代の規約で、さすがに40日間もとれないでしょう。昨年5月の総選挙後、英国労働党は下院議員のハーマン女史(もともと副党首=閣外)が党首代理をつとめながら、5ヶ月間かけて、エド・ミリバンド新党首(影の首相)を選びましたが、これは野党転落で時間ができたからです。民主党は与党ですから、なかなか時間がとれませんが、それでもマニフェスト見直しのための議論を経たうえでの、臨時党大会でじっくり時間をかけて建て直した方が、かえって震災復興のスピードが上がることになります。

 ここから先はNHK日曜討論の発言だけです。公明党幹事長の井上義久さんが「不信任案提出は苦渋の選択だった」と反省しました。みんなの党幹事長の江田憲司さんは時期について疑問があり、「提出に加わらなかった」としました。日本共産党書記局長の市田忠義さんは「不信任否決の翌日の参議院予算委はやめる、やめないの話ばかりだった。具体的な政策論争はわが党だけだった」「国会のやるべきことは政治の中味をめぐる論争だ」としました。

 社民党の重野安正幹事長は「再生可能エネルギーの特措法案が重要だ」、たちあがれ日本幹事長の園田博之さんは「マニフェストの優先順位を見直すことが大事だ」としました。岡田幹事長は「マニフェストを前倒しで見直す」として、自民党らに対して「特例公債法案を人質に取る方法だと、どの党が政権をとっても衆参がねじれているので何も決まらない」として、予算の30日ルールのように衆院を優先すべきだとしながら、赤字国債は半分が過去の借金の返済だとして「自民党にも責任を共有して欲しい」としました。

 江田さんは「大連立といっても、閣議は全会一致だから、はんこを押す、押さないという話になる」として慎重な姿勢を示唆しました。下地さんは「大連立ということばが岡田幹事長が言うこと事態考えがたい」として反対を明言。その一方で、市田さんは「国難だから大連立だといういことになると、大政翼賛会的になる」としながら、「期限とテーマを限ってやるのは一つの案だ」と肯定的な発言をしました。この発言を受けて、岡田さんが「今解散しても、民主党も自公もともに過半数を参議院で持っていない」と強調すると、石原さんが「岡田さんの言うように、解散しても参院は変わらない」と同調しましたが、その後、「信頼関係をつくるのが大事だ。(民主党と自民党などが大連立しても)数ヶ月から半年ぐらいして信頼関係ができていれば解散できる」と早期の解散にも言及しました。井上さんは「大連立ではなく、テーマが大事だ。例えば年金財源の安定化だ」などとしました。

 NHK解説委員の島田敏男さんは「ポスト菅は代表経験者から出る可能性がある。岡田さんはどうか」と問うと、「現時点では考えていません」と岡田さんは述べました。島田さんが「北澤俊美・防衛相が党員・サポーターも入れた臨時党大会を提案しているが」と聞くと、岡田さんは「それは気の早い話ですね」とし、「総理が正式に辞任してからの話です」としめくくりました。

 当面は、復興基本法案、特例公債法案、税制改革法案、子ども手当の見なし案、税と社会保障の一体改革の成案、第2次補正予算(案)の編成・審議・成立など重要な政策課題が続くので、これらにメドが立った段階で、民主党と自民党が大連立。それに先立ち、民主党代表選を前倒して、じっくり時間をかけて主流派(反小沢)の統一候補と親小沢系統一候補との対決。ここで、マニフェスト修正と新代表選出、そして小沢切りをし、新首班で、民主党と自民党などが連立。この時点で衆参ねじれは解消されます。ここで、国民新党や公明党、みんなの党が埋没からどう脱するのかの難しい判断を迫られます。そのうえで、ある一定の段階で、第46回衆院選で私たちが政権を選ぶことになります。私としては、政権交代可能な二大政党デモクラシーをすすめたいので、民主党と自民党、どちらが勝ってもかまいません。ただ、「300議席vs100議席」という泰山鳴動・テレビの見過ぎの日本国民から卒業して、しっかりと成熟した有権者が増えることが、日本を前に進めることになると思います。

 岡田さん、石原さん、どちらも世襲議員ではありません。2人とも、イメージのギャップがあるようですが、世議議員ではありません。ちなみに菅さんへの不信任政局で、民主党内で造反しようとした人たちは、ほとんどが世襲議員や二世議員で、非世襲議員による菅民主党への個人的な妬みが大きいように思います。

 大連立で、懸案を処理し、二大政党制の新しい日本へ。1990年初当選の当選7回生コンビが、一気に動き出しました。世の中にはいろいろな人がいます。1億人の有権者全員に分かりやすいタイムスケジュール、工程表をある程度、示してほしいところです。

 【追記あり 2011年6月6日(月)午前11時】

 岡田克也幹事長は、きょう午後7時半からの「NHKクローズアップ現代」でも、語ります。

 ところで、岡田代議士、石原代議士が初当選した、1990年の第39回衆院選の自民党のポスターをご紹介したくなりました。正確には、石原伸晃さんは公認漏れで無所属で出馬し、当選直後に追加公認されています。

 
[画像]第39回衆院選の自民党の政策ポスター(「目で見る議会政治百年史」衆議院・参議院編、大蔵省印刷局発行)

 まるでトレンディドラマのような若い男女が寄り添い、キャッチコピーは、「世界のあこがれ、自由な日本。夢ある明日へ、確かな歩み。自民党」というものです。いかにもバブル期の浮かれた日本社会の気質を感じます。自民党は海部俊樹首相(総裁)と小沢一郎幹事長のコンビで、このポスターでたたかい、275議席をとりました。その前の参院選で宇野内閣を倒した、「おたかさん」土井たか子委員長率いる日本社会党も136議席と健闘しましたが、友好政党の公明党、民社党の議席を食う格好となり、小沢自民党幹事長の逃げ切り勝ちという感じでした。経団連(当時の会長は平岩外四・東京電力会長←社長)への300億円の政治献金請求でも話題になりました。

 それにしても何か勘違いした自民党の1990年ポスター。

そして、これが1985年~1990年~2010年までの国債などの発行残高を示したグラフです。(wikipediaから)

 ↓下のサムネイルをクリックすると大きい画像になります。


[画像]第39回衆院選の各党のポスター()内は選挙での獲得議席、引用元=前掲

 この各党のポスターをみると、「くらし上向き、実感したい。生活先進国をつくる 民社党」がイチバン、今の民主党の政策の主軸になっています。

 
[画像]第39回衆院選の民社党のポスター、引用元=前掲

 また、「福祉と平和の新時代 『生活者の政治』をめざす公明党」というポスターは、公明党(Clean Government Party)が新進党を経て、公明党(New Konmeito)になった今も、変わっていない。ぶれない政党であることを感じさせます。ただし、世代交代が遅れることにもつながっています。一方で、日本共産党が「消費税、米輸入自由化ではぼくらの未来はまもれない」としていて、これは今の小沢グループの主張に近くなっています。これはふしぎな現象です。

 とにもかくにも、1990年初当選の岡田さん、石原さんは、ずっと日本が右肩下がりを続けてきた失われた20年の中、隔靴掻痒としながら、とりあえず小選挙区で7回連続当選してきた2人です。ぜひ、その両方の背中に期待したいと考えています。まずは、民主党と自民党が手を携えて、小沢切りです。【追記おわり】

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長妻昭・衆予算委筆頭理事、安倍首相の2月7日ソチ五輪開会式出席を許可へ「理性的に判断」

2014年01月18日 23時59分00秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[写真]民主党の長妻昭さん(衆東京7区)

 民主党の長妻昭・衆議院予算委員会野党側筆頭理事は、2014年2月7日(金)のソチ・オリンピック開会式への安倍晋三首相の出席を許可する考えを明言しました。

 1月18日(土)放送の「TBSサタデーズバット」での発言。

 長妻さんは、「まあ、首脳外交をするということは信頼関係を結ぶうえで、いいことなんですよね。ちょうどこの日程は予算委員会をやっているさいちゅうなんですけど、これはちょっと皮肉なんですが、自民党はこういうとき、もし野党のときであれば、こんなの許してくれなかったんですがね。我々は理性的に判断して、(2月7日は)北方領土の日でもあり、この外遊はいいと思います」と語りました。

 政権担当可能な野党、責任政党として、首相の外遊を許可する考えを示しました。

 自民党の野党期は、第180通常国会で小池百合子理事が民主党閣僚の外遊に好意的でしたが、そのほかは意図的な妨害が目立ちました。

 長妻さんは、昨年の第183通常国会に引き続き、第186通常国会でも予算筆頭理事をつとめます。骨折り損のくたびれもうけである予算筆頭を2通常国会連続で同じ議員がつとめるのは極めてまれで、政権再交代後の有力閣僚での再入閣が期待されています。


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財政法改正法案で国庫債務負担行為を5年から10年に延長、2015年通常国会提出か

2014年01月17日 10時41分57秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 きょうの日経新聞1面に「防衛装備、長期で一括契約 政府、単価抑制へ5年超も」という見出しの記事が載っています。

 この記事中に、その言葉は出てきませんが、これは「国庫債務負担行為(債務負担行為)」を5年から10年程度へ延ばすということです。

 具体的には、財政法(明治5年太政官布告第17号)第15条の第3項「当該会計年度以降五箇年度以内」を改正することになりますが、すでに平成26年度2014年度予算案は閣議決定済みで印刷中。

 早くても平成27年度2015年度予算案(2014年12月ごろ閣議決定、2015年3月に国会議決)に反映される見通しで、その関連法案として、来年2015年の通常国会に提出される見通し。

 英国議会以来750年の伝統にもとづき、人間の種まき、収穫と同じく、予算は1年間、予算単年度主義をとっており、議会制民主政治の基本中の基本です。

 財政法(明治5年太政官布告第17号)では、単年度予算の例外として、

 継続費

 明許繰越費(繰越明許日費ともいう)

 を定めています。これは、使い切れなかった予算を翌年に繰り越すことを許可できることです。

 そして、今は「基金」というものを積み立てて、取り崩すことができます。

 そして、「国庫債務負担行為」とは、国庫の信用、裏保証のもとに、5年程度の大型契約を発注することができ、現金決済は毎年行っていくものです。

 これに加えて特別会計があります。
 
ただし、防衛省は前身の官庁から含めて、特別会計を持ったことがないので、国庫債務負担行為を使っています。

 例えば、平成25年度一般会計当初予算書の紙142ページ、PDF152ページを見てください。

 武器車両整備に「3345億円」、航空機整備に「3041億円」、武器購入に「752億円」などを、「平成25年度から5年間」に国庫債務負担行為として前倒し発注して、5年かけて、歳出から現金決済するということになります。

 当然、航空機などは単年度で負担するよりも、複数年度で負担した方が、負担が軽くなるし、平準化もできます。また、セットで発注しやすくなります。

 一方、あまり使いすぎると、5年後には政権が代わっているかもしれないし、いずれにしろ、後年度負担が思った以上に重荷になる可能性があります。

 なにより、大事なのは国会がチェックできるかという問題。

 先の第185回臨時国会では、民主党の奥野総一郎さんが

 「これは、地デジ化のために国庫債務負担行為か何かを使って随分お金を出していますから、そこに今負担が行っているんだと思いますが、この三年間は恐らくまだそこにお金がかかるんだと思いますが、これが終わると、お金がその分余るわけですね。これをどう使うかというのが一つポイントだと思います

 と質問しています。

 また、自民党の新人参院議員の長峯誠さんも質問しています。長峯さんのような首長経験者は債務負担行為を1件ごとに議会同意を受けないといけないので、債務負担行為について詳しいのです。

 しかし、国会議事録検索データベースで調べると、「国庫債務負担行為」「債務負担行為」は、5年間で79回しか国会審議に出てきません。それも、財務大臣が「国庫債務負担行為総調書」を衆参決算委に出しましたよ、という趣旨説明の読み上げ(お経読み)がほとんどです。

 特別会計の新設ができない現在、防衛省がしっかりとした中期防をつくったうえで、国庫債務負担行為を10年に延ばす財政法改正法案を出すのなら、大いに賛同したいところです。しかし、国会でもっと国庫債務負担行為を審査することが前提となるので、現時点での財政法改正には、どちらかといえば、反対、心もとないという感じがします。 

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◎前人未到の通算1000万ページビューに到達、これからも国会傍聴してもいいかな?

2014年01月16日 04時32分00秒 | 宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

 ありがとうございます。

 当ブログ「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」は、2014年1月15日をもって、「通算1000万ページビュー(アクセス)」に到達しました。

 国会傍聴・議会傍聴ブログとしては、前人未到の記録となりました。

 なによりも、まずは読者のみなさまに、感謝申し上げます。 

 そして達成日の「1・15」。私の家族は、男は1日と15日のいずれかに生まれるというめぐりあわせ。長男たちは15日に、次男以下は1日に生まれるめぐりあわせが戦前から現在まで続いています。そのご縁のある「1」と「15」が組み合わさった「1・15」に「1000万ページビュー(アクセス)」に到達したということは、支えてくれた家族・親族に感謝しろ、という天のおぼしめし(いましめ?)。

 いずれにしろ、安定した経済基盤と開会中の平日の午前8時50分から午後5時半まで国会傍聴に専念する時間の自由がなければ、このブログは成り立たないわけで、ひたすらにご先祖様、家族、また 国会傍聴取材支援基金のご協力者に感謝です。

また、アクセス面では、参議院議長在職当時に、個人ホームページにリンクを張ってくださった江田五月先生のおかげで、初期の段階で読者の信用、信頼を得ることができました。ありがとうございます。


 1000万ページビューにあわせてプロフィール写真を撮りに行こうかと思っていたのですが、不覚にも風邪を引いてしまいました。昨年1年間は、国会開会中に1日たりとも風邪を引かなかったのですが、閉会後に2回も風邪を引いてしまいました。ですが、国会傍聴になれてくると、特段のストレス、プレッシャーも減り、自然体になってきますから、来週金曜日に迫った150日間の会期に対して、緊張するということもあまりありません。

 さて、民主党が再び政権をとるまで、10年かかるかもしれません。それまで、しっかりと息切れしないで待つことが大事。2014年は政治ジャーナリズムにとって節目の年になるでしょう。政局しか書けない編集委員・デスク・記者が息切れするでしょう。そもそも選挙のない年に、新党が盛り上がるわけがありません。紙面と広告の都合で新聞社が解散をあおるようなことがあってはなりません。これからは私たち、国会審議から見出しを立てられる政治記者の時代に再び戻ります。強い心持ちで、国家国民の将来のための政治ジャーナリズムをつくっていきたいと考えております。

 タモリさんが「笑っていいとも」をこの春、卒業するそうです。月曜日から金曜日まで毎日、32年間。私の国会傍聴記はまだ7年間(6通常国会)です。まだ25年かかりますが、末永く「国会傍聴のタモリさん」になりたいと思います。


 政権交代ある二大政党政治の日本での完成という初心を一日たりとも忘れることなく、さあ通算1000万ページビューからのbegin!



 これからも国会傍聴して、いいかな?


 


ありがとうございます 当ブログきょう大台到達へ

2014年01月15日 06時13分55秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[写真]昨年末放送のNHKスペシャル「永田町権力の興亡」の2013年末バージョンから、筆者撮影。

 ありがとうございます。

 当ブログは2007年8月4日の開設以来、2355日。

 昨日までに通算999万9427ページビューとなりました。

きょう、国会傍聴ブログとしては前人未到の1000万ページビューを越えます。

なお、iモードからは見えないようですが、パソコンなどの画面では左側にgooの集計結果が出ています。

期せずして、政権交代可能な二大政党政治のシンボルである、細川護熙さんが注目を集めています。

細川さんの個人的な協議体「政権戦略会議」の1998年3月のとりまとめが、現在の民主党そのものです。

野党担当の記者が、予算審議中の平日の昼間に「どこのホテルだ?」と取材することは稀です。キャピトル東急ホテルの5階だとの情報をキャッチし、先輩と抜き足差し足でかけつけたら、すでにテレビカメラ6台が待ち構えていて、仮にキャッチできなかったらどうしたろうと冷や汗をかいた、若き日の青春記者時代をきのうのことのように思い返します。

きょうの日経新聞によると、私が横浜支局時代の地方部編集委員で、鎌倉市長選に現職の後継者として出馬した森野美徳(もりの・よしのり)元記者が、8日に亡くなっていたことが分かり、7日遅れで訃報が掲載されています。63歳ということで、日経寿命で言えば、天寿を全うされたと思います。

 病床の中からみる、小さいテレビ画面の中で「岡田内閣ができないことはもう明らかであります」と語る岡田克也さんの姿に茫然とした1週間後に退職。そして、それからようやく2度冬をこした、2007年7月25日から取材活動を再開し、29日の我が党の参院選大勝を受けて、8月4日の第167臨時国会で江田五月議長就任のエントリーから始まった当ブログ。

仮に私が、63歳になれば、国会傍聴ブログも32年間となります。

細川さんは、昨年末放送のNHKスペシャルで、「野党も10年待つぐらいの気持ちでいなければ」と語っています。私も同感です。

政権交代可能な二大政党政治の完成のために、これからも我が身命のすべてを賭してまいります。

 1000万ページビュー突破のごあいさつはまた改めて書かせていただきます。


内閣、召集詔書を公布「第186通常国会を2014年1月24日(金)に召集」会期は6月22日(日)まで

2014年01月14日 20時19分27秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

 内閣は「第186通常国会を2014年平成26年1月24日(金)、東京に召集する」、との国事行為を決定し、詔書が公布されました。インターネット官報特別号外第1号が出ました。

外遊中に安倍総理に代わり、麻生副総理が副署しています。昨年の第183通常国会の召集詔書も麻生副総理の副署で、通常国会召集詔書が2年連続で総理でない国務大臣が副署したのは憲政史上初めて。これは最大野党民主党が、国会閉会中の首相の外遊を後押ししているからで、1月地球儀を俯瞰する首相外交の定着は大いに評価したいところです。

衆議院規則の改正(逢沢改正)にもとづき、参集時刻は午前10時ではなく「議長が定める時刻」となっており、その指定も注目されます。

会期は2014年6月22日(日)までで、1回のみ延長可能。

参院選も衆院選も統一地方選もないので、きわめて珍しい平穏な1年。

 政権交代ある二大政党政の完成に向けた「種まき足固め国会」となります。


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民主党修正・大久保勉委員長採決の産業競争力強化法が後押し、サントリーが米社1・6兆円買収の金メダル

2014年01月14日 05時16分30秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[画像]参議院本会議で、法案審査の委員長報告をする、民主党の大久保勉・参議院経済産業委員長(当時)、2013年11月13日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 ブログ開設2353日間で、昨日までに「999万4652ページビュー」となっております。

サントリー、米ウイスキー大手買収=ジムビーム生産―1.6兆円で蒸留酒世界3位に(時事通信) - goo ニュース

 ビッグニュースが飛び込んできました。サントリー(非上場、佐治信忠社長)が蒸留酒「ジムビーム」をアメリカなどで、サントリー社の蒸留酒をシンガポールなど東南アジア各国で販売している「ビーム社」(ニューヨーク証券取引所上場、創業地・ケンタッキー、本社・シカゴ)を1・6兆円で買収し、ことし半ばに完全子会社にすることになりました。上場株をかなり割増して買い取るので、完全子会社化の成功は確実と思われます。

 1・6兆円はサントリーの手持ち資金と三菱東京UFJ銀行から1兆円を借り入れるようです。 この3連休の日本銀行も106兆円が寝ていますから、多少の円安とはいえ、今のうちにどんどん買っちゃった方がいいでしょう。

 「どちらかといえば所得減税どちらかといえば法人増税」の方向性の民主党政権時代から、企業合併による産業の新陳代謝により、利益を増やして、法人税収を増やすのは、民主党政権時代からねらってきた政策です。

 先の臨時国会では、産業競争力強化法(平成25年12月11日法律98号)について、閣法について、民主党の修正案、維新の修正案、みんなの修正案の3つが衆・経済産業委に提出する異例の採決となりましたが、民主党の修正案が可決されました。 

 衆経済産業委野党筆頭理事の民主党・田嶋要さん(千葉1区)が、参院で修正案趣旨説明しました。これをうけて、民主党の大久保勉・経済産業委員長(福岡・2010年) が審査し、会期内にしっかりと仕上げました。ところが、委員長報告の後に、解任決議を出される異例の事態となりました。通常国会では、大久保さんが再び経済産業委員長になるべきでしょう。

 サントリーは言うまでもなく、非公開企業であり、オーナー家の佐治信忠社長の強いリーダーシップと勇気による決断です。おそらく、ウィスキーと言うのは単価が高いし、今回の合併では、人件費節減による効果というのは意識していないと考えられます。しっかりとマネーを海の向こうから日本国内に持ってきてれる合併です。まさに痛快、これで、来月のオリンピックでメダルゼロでもお釣りがくるくらい、母国の素晴らしさを感じております。

 ただ、なぜ、非上場のオーナー社長がこの決断をできたのか。

 衆での審議で、民主党の近藤洋介さんは次のように指摘しています。

 「こうした旧興銀の代替ではないんでしょうけれども、産業革新機構がある意味で旧興銀などが担ってきた役割を果たした部分もあったかと思いますが、産革機構で問題が解決するとも思えないわけであります。長期資金がなかなか回らなくなった一つの背景に、会社は株主のものである、株主のものだから短期の利益を追求していきましょうという考え方、言いかえれば株主資本主義が余りにも強くなり過ぎた結果、長期のお金、足の長いお金が全体に行き渡らなくなってしまったのではないか。短期のお金の回し方だけ。その背景には要するに株主資本主義。それはそれで一つの正しい理屈なのかもしれませんけれども、それが余りに強くなり過ぎた結果ではないかと私は思うわけであります

 近藤指摘はその通りです。日本経済復活のためには、法人、農地は創業者に戻すべきでしょう。

 今回は、SPC(特別目的会社)という手法を使います。

 ホリエモンが使っていたのは、証券会社にLBO(レバレッジド・バイイング・アウト)といって、買収をねらっている会社の資産価値を担保にして、てこのように、買収しようとしている会社が資金を調達するという魔法のような手法です。

 今回は、サントリーの手持ち資金と三菱銀行の融資だけで、全株買収するという話です。

 しっかり買い、ブランド価値はこのままにして、単価は高く、人件費もそのまま。そして日銀が金融引き締めに動いた後には、法人税収をしっかりと払って、国債の償還に充てていく。他の会社、例えば商社のサラリーマン社長も、佐治さんに続いてほしい。

 サントリーホールでのオバマ大統領演説で「TPP」という言葉が出てきたわけですが、太平洋の向こう側から富を取ってきた。

 佐治さんは、日本経済界の金メダリストです。