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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

菅直人総理がヘリで視察、岡田克也幹事長「来年度予算成立後に補正を」

2011年03月12日 21時56分57秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]一夜明け、ヘリで被災地を上空から視察する総理、2011年3月12日早朝、「TBSニュースi」から

 「3・11」午後2時47分の「東北太平洋沖大地震(M8・8)」から一夜明けて、被害の全容が分かりつつあります。

 夕べは東京でも数え切れないほど、おそらく数十回と思われる横揺れの余震が続き、私も寝付けませんでしたが、朝刊を読んだ後には、さすがに眠り、その間には、余震があったようですが、熟睡。その慣れをナント表現するか、私としても言葉が見あたらないところです。

 菅直人総理は、夜明けの午前6時8分、官邸で記者団のインタビューに答えました。このときは、おそらく首相動静からも公邸に帰らず執務室にいたこともあり、おそらく一睡もしていないと思われ、非常に興奮した声でした。しかし、その後の対応では、落ち着いたいつもの菅さんに戻っているようで、安心しました。

 総理は、官邸屋上からヘリコプターで出発。7時11分に、福島県の東京電力の福島第一原子力発電所に降り立ち、おもに1号機を視察。その後、仙台、石巻などの太平洋岸を上空から視察し、津波(tsunami)により、家屋などが流された惨状を視察。官邸に帰ってから、「自衛隊を2万人から5万人に引き上げる」ように指示し、北澤俊美・防衛大臣に、「さらに全国から動員できないか」と命令しましたことを午後8時35分の記者会見で明らかにしました。

 午後3時から、およそ1時間、与野党の党首会談を開きました。この席で、自民党の谷垣禎一総裁と公明党の山口那津男代表が協力を確約した上で、「国会の休会を」求めました。国会休会は国会法15条1項で「両議院の議決により」できることになっており、「休会」していても、議長や4分の1以上の議員の求めで、できます。

 これに対して、民主党の岡田克也幹事長は、終了後のぶら下がりインタビューで、「休会すると予算案の成立が遅れる」と拒み、まず参院で審議中の平成23年度本予算を成立させ、そのうえで、平成23年度第1次補正予算で震災復興費を肉付けするスケジュールに協力を求めたようです。

 今年度(平成22年度)の予備費は2000億円あるようです。今年度は残り3週間。平成23年度予算を閣議決定、衆院で可決、参院で可決・成立させてしまえば、4月1日スタートの予算でも、国政府の信用、各省大臣の政治的責任のもと、前倒しでの予算執行(入札、発注、購買、契約など)は十分に可能だと、私は思います。ですから、この平成23年度本予算を速やかに、もう来週にも成立させて、地方交付税、および各省の資金繰りを潤沢にしたうえで、状況把握・分析を踏まえたうえで、4月になってから、平成23年度第1次補正予算案を編成、審議する方が現実的だと、私も思います。

 この党首会談中の午後3時36分に、東電福島第一原発1号機の周辺にある建屋が骨組みは残しながらも爆発したとみられる、映像が撮影されました。ここから、CNNの報道は「Tsunami」から「原発」へトップニュースの扱いが変わりました。私は、ああいった構造物は、何らかの爆発があった場合には、中にこもらず、上空に発散するように、天井などはわざともろくつくるようにしているハズなので大丈夫だと思いましたが、枝野幸男・官房長官が午後8時42分の記者会見で「原子炉は鋼鉄製の格納容器の中にあり、建屋の爆発は、水素と酸素によるもので、鋼鉄製の格納容器の中にはそもそも酸素がなく、原子炉は傷ついていない」と宣言しました。枝野長官の説明に先立ち、総理は「従来の予想を超えた大きな津波であり、想定されたバックアップ体制を超えているので、念のため、避難をお願いしている」と述べました。

 北澤俊美防衛大臣は精神力が強いし、松本龍防災担当大臣は人柄が良く兼務する環境大臣として「名古屋会議」で名古屋議定書をまとめ上げた実績があり、中野寛成・国家公安委員長は、1995阪神大震災では、野党の政調会長ながら、当時はSP付きだったこともあり、大阪府内の自宅からクルマで現地入りし、早期の情報収集につとめ、政府・与党側にも反映できた実績があります。また、ふだんは早口の枝野幸男・内閣官房長官は、発災以来、ゆっくりとかんでふくめるように説明することにつとめているようです。

 NHKなどの報道や、解説を見ていると、岩手・宮城・福島の太平洋岸では、津波の後に、地盤が沈下しているようです。これはある意味、「海岸線が変わった」という表現もできると思います。救命に続く、仮設住宅などの復旧、そしてその後に来る復興。私はゆうべ思いを馳せましたが、東北の場合は、自然が魅力ですから、「自然に戻る」ということをグランド・デザインとして描くべきかと思いますが、この議論はまだ早いです。そう意味では、CNNなども「SENDAI」という地名を使っていますが、できれば「TOHOKU(東北)」ということで、いつの日か、日本観光は「TOHOKU(東北)」ということになってほしいと思います。ちょっと話が先走りすぎていますが、そう思います。

 総理は記者会見で、50カ国から支援の申し出を受けていると明らかにし、「しっかり乗り越えて、未来の日本で、あのときの苦難を乗り越えたから今がある」と思えるようにするために、「国民のみなさまがそれぞれの立場」で日本のためにまとまり、行動することを求めた上で、「私も全身全霊で命懸けでこの仕事に取り組む」とメッセージを送りました。私は「それぞれの立場での行動」には、冷静にし、過度の買いだめをしない、クルマで道路を渋滞させないことも「行動」だと思いますが、いずれにしろ、このときの総理は早朝にヘリに乗る前と違い、泰然自若とした堂々としたリーダーの姿に見えました。

首相動静―3月12日(朝日新聞) - goo ニュース

 【午前】0時15分、オバマ米大統領と電話会談。松本外相、高橋外務副大臣、外務省の梅本北米局長、福山官房副長官同席。40分、枝野官房長官、福山副長官。53分、内閣危機管理センター。1時36分、首相執務室。5時31分、内閣危機管理センター。6時8分、官邸で記者団にコメント発表。14分、陸上自衛隊ヘリコプターで官邸屋上ヘリポート発。寺田首相補佐官、班目春樹原子力安全委員長ら同行。7時11分、福島県大熊町の東京電力福島第一原発。19分、重要免震棟。23分、東京電力副社長の武藤栄原子力・立地本部長による説明。池田経産副大臣同席。8時4分、陸自ヘリで同原発発。29分、仙台市の陸自霞目駐屯地着。35分、陸自ヘリで同駐屯地発。宮城県沿岸部の被災地を上空視察。9時14分、同駐屯地着。17分、陸自ヘリで同駐屯地発。10時47分、官邸ヘリポート着。11時13分、海江田経産相。36分、緊急災害対策本部、原子力災害対策本部。

 【午後】0時42分、民主党の岡田幹事長、仙谷代表代行。3時、与野党党首会談。4時59分、玄葉国家戦略相。5時26分、玄葉氏出る。

[ブログ主・注 首相動静は途中段階です]

被災地、原発を視察=「津波の被害実感」―菅首相(時事通信) - goo ニュース

 菅直人首相は12日午前、東日本を襲った大地震の被災地を視察した。午前6時すぎにヘリコプターで官邸を飛び立った首相は、原子炉の冷却機能が停止した東京電力福島第1原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)に7時10分すぎに降り立ち、被害状況を確認。その後、ヘリで沿岸部を宮城県仙台市付近まで北上して、上空から被災地の様子を見て回った。10時50分ごろ官邸に戻った首相は記者団に「改めて津波の被害が大きいと実感した」と厳しい表情で語った。

 一方、政府は同日午前、官邸で緊急災害、原子力災害の両対策本部を開催。枝野幸男官房長官は緊急対策本部で「報告だけでも1000人以上の方が命を落とされたのではないかとみられるが、残念ながらそれを大幅に超える被害が生じている状況だ」と報告した。

 政府は12日午前、岩手県に平野達男内閣府副大臣、福島県に吉田泉財務政務官をそれぞれ団長とする調査団を派遣。11日に宮城県入りした東祥三内閣府副大臣(防災担当)は同県庁内に政府の現地対策本部を設置した。

 枝野長官はこの後の記者会見で、被害が生じている福島第1、第2原子力発電所について「現時点で住民に健康被害が及ぶような事態を具体的に想定する状況にはない」と述べ、冷静な行動を住民に呼び掛けた。

 ◇

 いつの日か、東北観光が、「京都→東海道新幹線→東京」と同じくらいの人気旅行コースになってほしいと思います。とくに台湾と東北は景色が似ていて面白いし、欧米の方には、「ハイテク・ニッポン」のもう一つの顔として、東北は面白いと思います。近畿の熊野山地などでも外国人の方を多く見かけますが、東北も同様の面白さがあると思います。私は東北が好きです。時間はかかりますが、必ず復興させましょう。

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菅総理の下で、復旧、そして、しっかりと日本の復興をしていきましょう。

2011年03月11日 23時56分09秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 2011年3月11日(3・11)の午後2時46分、「平成23年東北地方太平洋沖地震」が起きました。私の両親によると、東京に出てからの半世紀でもっとも大きな揺れであり、私も生まれて最大かつ最長かつ最多の横揺れと余震を感じました。

 さいわい、書棚から大量に本が崩れましたが、怪我もなく、不自由もなく、親類すべての安全が連絡がとれました。

 しかし、仙台空港や、宮城県の畑を津波が襲う空撮映像や、岩手県大船渡市の集落が津波に襲われた後の映像には言葉を失うばかりです。以前、出張で大船渡市に行ったことがありますが、あのとき、ホテルの按摩をしていた、目が不自由でいらっしゃるおそらく80歳代のおばあさん、「市町村合併は偉い人だけで決めちゃって、私なんか何にも知らない」とおっしゃっていたおばあちゃんは、今はどうされているのか、思いを馳せました。

 なお、東京城北地区の方は、夕方にスーパーマーケットに行きましたが、人が若干少ないこと以外は、いつもと変わらない風景でした。食料品も十分にありました。ただ、「岩手牛乳」を買い物カゴに入れるときに、この先もずっと流通され続けるのかどうかについての懸念を持ちました。

 幹線道路を、埼玉方面へ歩いて帰宅するみなさんの光景は、これは初めてでした。しかし、クルマもある程度通っていますし、また、バスは満員でしたが、通っていて、花火大会のときに比べれば、まだ余裕があるという風情でした。

 ただ、防災無線で「東京電力の電気供給が減る見通しなので節電を」という趣旨の呼びかけがあり、原子炉に関するニュースもあり、先行きの不透明感を感じます。

 また、報道機関の性質上、「数百人」ということになっていますが、あくまでも私が見る限りでは、犠牲になった方々の数は、千人を大きく超えることになるのではないか、とあくまでも推測ですが、考えています。

 関東大震災の後は、後藤新平という政治家が巨力なリーダーシップで、復興計画、都市計画、グランドデザインを作り上げました。まずは救命、救助、復旧です。その後に、わが国をみんなの力で復興していきましょう。数年かかると思います。 今年度予算の予備費は1兆円で、もう残り1ヶ月を切りましたので、復旧にも、復興にもとても足りませんから、平成22年度第2次補正予算が組まれ、成立する見通しです。参院に行っている、平成23年度本予算も政治休戦の後、成立する見通しです。また、予算関連法案のうち、衆院で審議時間を十分に確保している地方交付税法改正案、例年の5分の1程度とはいえ、各党の質疑が一巡している「赤字国債発行臨時特例法案」も可決、成立すると思われます。

 オーストラリア在住のベトナム人の方から「東京にいる家族が心配だ」、アメリカ西海岸の方から「友人の母が、東京の米軍基地で働いているので心配だ」というご連絡をいただきました。いまや、私たちは日本一国だけではありません。

 その前に、まずは情報収集、救助、救援、復旧作業です。

 菅直人首相の下にひとつになって、復興のグランドデザインをしっかりつくって、数年かけて日本をしっかりとつくりなおしていきましょう。

死者は数百人か、不明者も多数 - goo ニュース

 11日午後2時46分、三陸沖を震源とする国内観測史上最大の巨大地震が発生、北日本から関東にかけ強い揺れと最大10メートルと見られる津波が襲い、大火災も発生、人口約110万人の岩手、宮城両県太平洋岸の三陸各地や、福島県で壊滅状態の地区が続出、少なくとも死者数百人、行方不明者多数の甚大な被害が出ている。

 気象庁によると、この地震で宮城県栗原市で震度7、仙台市など宮城県各地、福島、茨城、栃木各県で震度6強を記録した。震源の深さは約10キロ・メートル、マグニチュードは8・8。その後も震度6弱から5強の地震が続いており、三陸沖から茨城県沖の四つ以上の震源域が連動、岩盤を広範囲に破壊したと見られる。警察庁によると、この東日本巨大地震で、午後10時現在、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉、東京、神奈川で死者71人を確認、負傷者、行方不明者は多数。

 仙台市では海岸線から約2キロの地点まで津波が達し、ビル、家屋や車が多数流された。宮城県警によると、同市若林区で溺死と見られる遺体200~300人が発見された。宮城県気仙沼市では津波とともに大火災が発生、石巻市沖では約100人が乗った船が流された。

 岩手県釜石市、大船渡市なども津波により家屋数百戸や多数の車が流され、同県山田町で死者多数との情報があり、大船渡市末崎町の細浦地区は全体が津波に流され壊滅状態という。福島県相馬市の海岸線でも土砂崩れが相次ぎ、同県で少なくとも数十人が生き埋めになっている。宮城、茨城、千葉県市原市などでは石油コンビナートで火災が発生、タンクなどの爆発も起きた。

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東北地方太平洋沖地震 My family is safe.

2011年03月11日 15時12分43秒 | その他

私の家族は大丈夫です。東京も生まれて最大の揺れでした。本は崩れました。水を確保しました。余震を警戒しています。篠ノ井も安全を確認しました。菅直人総理の下、復旧と日本の復興に力を合わせて行きましょう。日本は何度も震災を乗り越えてきました。必ず復興できます!

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プレ統一地方選・名古屋市議選で、二大政党は堅調、公明党「全勝」危うし 日本共産党が歴史的惨敗の可能性 

2011年03月11日 08時18分18秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

 プレ統一地方選(統一自治体選挙)となった、あさって投票の名古屋市議会議員選挙で、日本共産党が地滑り的敗北を喫する可能性が高いことが、報道機関の世論調査と取材に基づく情勢分析による獲得議席予想数から明らかになりました。調査日と期日前投票の出口投票が含まれているかどうかは不明ですが、東海地方を代表する報道機関の調査で、かつ中選挙区制なので、有為性は高いと思われます。
当ブログは生データを入手していますが、公職選挙法の規定上、生データは「選挙賭博の防止」などの観点から出せません。

 第一会派に政治団体「減税日本」が躍進するのは確実。二大政党(自民党、民主党)の総議席数は、減税日本を大きく上回る見込み。二大政党内では自民党が民主党を2議席程度上回りそうな分析ですが、両党のどちらが第2会派になるかは極めて微妙。ただし、民主党には、最後の詰めが甘い候補者・スタッフが多いので失速する可能性はあります。

 「地方議会議員選挙は全勝」が基本の公明党。元々、改選議席より2人少ない12候補の擁立ですが、1議席を落とす可能性が出てきました。この「アブナイ1議席」が千種区の候補者なのか、複数擁立の中川区の女性候補なのか、男性候補なのかは不明。これを受けて、山口那津男代表は、10日名古屋市の千種区・中川区・中村区・名東区各地での街頭演説で、「無責任な約束をして政権交代し、結局、何一つ満足に実現できない。政権交代には意味がなかった。政権を返せと言いたい。元を作ったのは普天間基地問題で発言を二転三転させた鳩山由紀夫前首相ら民主党だ」とし、民主党主流派(菅・岡田・前原グループ)ではなく、民主党非主流派(小沢一郎・鳩山由紀夫グループ)を攻撃しました。この背景には、小沢グループと連携する大村秀章・愛知県知事と公明党の選挙協力が功を奏していない可能性があるのではないか、と推測します。公明党が全勝できなかった場合、統一地方選への影響は大きく、国会議員団の「闘う野党路線」の変更の可能性があり得ます。

 日本共産党の議席減は確実で、しかも中選挙区ゆえ、「半減」などの地滑り的大惨敗の可能性がでてきました。同党は組織の高齢化が進んでおり、地域政党としては歴史的転換点(ターニング・ポイント)になる可能性があります。

 みんなの党は当然議席は増えるわけですが、極めて伸び悩むもよう。

 当ブログは、名古屋のお家の事情は分かりませんし、地域のことは地域住民がきめるべきだとの基本原理でやっていますが、「減税日本」と「公明党」を足しても過半数には届かない見通しで、「みんなの党」を足しても、ギリギリ過半数に届くかどうか極めて微妙な情勢。いきなり議長選挙からして混沌とした状況が続くのかもしれません。

 河村たかしさん率いる「減税日本」と二大政党(自民党、民主党)との争いの中に、諸政党が埋没する構図となっていることをうかがい知ることができます。「減税日本」は過半数に遠く及ばない情勢で、最終的には、現職市議会議員の人生としては、二大政党公認候補の粘り勝ちといったケースが多くみられる結果となりそうな気配が、情勢分析からはみてとれます。

 小選挙区である2月6日の名古屋市長選・愛知県知事選では、河村劇場に二大政党は撃沈しましたが、今度は河村劇場のおかげで、中選挙区で二大政党は堅調という結果となる可能性が高い、と現時点では予想されます。選挙は、ルール・オブ・ザ・ゲームをしっかりと把握して、上手い構図を描いた者が勝利します。それを当たり前のことと受け止めて、開票後になってから、制度への不満を言うような人ははじめから立候補も投票もすべきではない、と私は考えています。

 残り2日間の選挙運動と、当日投票で、選挙結果は大きく変わる可能性があります。

 また、プレ統一地方選の結果を受けて引き締まり、統一地方選の結果は反対になる可能性もあります。

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菅総理、給料とボーナスを自主返納へ「法務局に供託」を検討 横浜・中区本牧の男性からの政治献金で

2011年03月11日 06時29分06秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 菅直人首相は11日早朝、政治献金を受けていた横浜市中区本牧の男性が外国人(韓国籍)である可能性が高いことから、道義的な責任をとり、総理大臣としての歳費と賞与を当面受け取らない方針を固めた模様です。首相の給与は三権分立の観点から、最高裁判所長官と同額となっており、歳費と賞与を当面の措置として、法務局に供託する方法などを内閣法制局などに指示することにしているようです。

 私は横浜市中区に3年半、勤務した経験があります。青江美奈さんの歌で有名になった辺りでは、一歩路地に入ると、コリアン・ストリートのたたずまいでした。新聞記者は夕刊のシメキリの関係などで、午後の1時半ごろに昼食をとることが多いのですが、私も冷麺屋に入ったことがあります。入ると、サングラスをした客同士が「夕べはバカラで儲かったな・・・あっこの話は後にしようか」と話していました。私はそこで、「くず冷麺」というのを注文しました。壁には「2000円」と書いてありました。それは1999年ごろの話で、今思うと、ずいぶん豪勢な昼食だったと思います。韓国料理屋ですから、冷麺をテーブルに持ってきてから、ハサミで切ってくれました。とても美味でした。完食し、精算するときに、店員から「1300円です」と言われました。私は「アレ?」と思いましたが、店員があまり日本語が達者でないように見受けられたし、第一、安い値段を言われたわけで、そのまま1300円を払って、通りに出ました。数十秒後、私はハングル(韓国語)で何か大声で叫ぶ女性に背後から猛スピードで走って追いかけられる経験をしました。見当はついたので、店に戻ると、その店員の言葉を、さっきからいたサングラスの客が通訳してくれ、差額を払いました。だから、どうということはないのですが、この横浜市中区の男性の名前は、おそらく通名とはいえ、韓国・朝鮮にゆかりのある人物であるように、私には思えます。ただ、フツーに事務処理をしていくスタッフには、なかなかその辺の感覚はないと思います。

 ◇

 民主党は11日午後12時15分から両院議員総会を開き、党規約8条にもとづき、菅直人代表が指名した常任幹事会議長を了承します。常幹議長には、岡田幹事長の側近で、支持団体の不祥事の関係で入閣懸念がある、鉢呂吉雄・前国対委員長が就任するものとみられます。

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子ども手当つなぎ法、野党の“共”力で成立へ 岡田幹事長の「あらゆる可能性」が結実

2011年03月09日 22時16分12秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]左から、民主党の安住淳・国対委員長、藤村修・幹事長代理、岡田克也幹事長、日本共産党の市田忠義書記局長、穀田恵二・国対委員長、2011年1月18日、穀田さんのブログから

 菅直人首相は9日、「外国人献金問題による参院での予算審議への影響を避けるために辞任した前原誠司さんの後任の外相に、松本剛明さん(兵庫11区)を任命し、皇居で認証式を受けました。松本外相の後任となる、外務副大臣に参院議員(三重選挙区)で元経産政務官の高橋千秋さんを充て、同じく皇居で認証式を受けました。松本外相は、2005年ごろ、「前原ネクスト防衛相・松本ネクスト防衛副大臣」でコンビを組んでおり、アメリカ人脈も一生に培ってきた面があり、継続性に期待できます。なお、伊藤博文の「ひ孫」という表現がありますが、「玄孫(やしゃご)」つまり孫の孫です。まあ、「どうでもいいよ」と言われれば、私も「たしかにどうでもいいかな」という気もしますが。高橋千秋さんは、ちょっと前まで三重県知事選挙への出馬要請を受けて悩んでおられたようですが、「議会人」にこだわり、外務副大臣に就くということで、ホントウに政治は分からないものだと感じます。経産省政務三役の経験から、松本外相とともに、「インフラのパッケージ輸出」に期待できるほか、農協出身なのでTPPに関して高橋外務副大臣、篠原孝農水副大臣、平野達男内閣府副大臣との副大臣会議の横串にも期待できます。



[写真]松本剛明外相


[写真]岡田克也さん(左)と高橋千秋・新外務副大臣(2011年1月4日、高橋千秋さんのブログから、トリミング)

 ◇

 3月9日(水)は、衆院・文部科学委員会で、海外美術品などわが国における公開促進法案(176国会衆法12)が田中眞紀子・委員長起草で修正し、全会一致で本会議に送られることになりました。

 衆院農林水産委員会では、家畜伝染病予防法改正法案(177閣法30号)が審議入り。また、きょうも午後5時10分~午後7時半の「居残り授業」が衆院・財務金融委員会で行われました。あさっても同じく午後5時10分からの「居残り授業」で、赤字国債発行特例法案(177閣法1号)、所得税法などの改正法案(177閣法2号)をみっちり審議します。なお、民主党理事は、午前9時~午前10時、正午~午後1時の、参院予算委員会(午前10時~正午昼休み~午後5時前後まで)のすきまも使うよう申し入れているという情報も入ってきました。

 ◇

 さて。

 民主党は「平成22年度の子ども手当支給法」(第174国会閣法6号)を、半年間延長するつなぎ法案を、議員立法で提出する見通しとなりました。これに日本共産党が「前向きに検討」と社民党が「賛成」を表明しました。参議院本会議で、民主党、国民新党、日本共産党、社民党が賛成した場合は、過半数まであと「2」になります。無所属のうち、沖縄県選出で「革新共闘」で当選している糸数慶子さんは社民党などと行動をともにするとみられ、民主党と関係の深い無所属議員(例えば大江康弘さん)がもう1人賛成すれば、現行の子ども手当の6月、10月の支給にメドがつくことになります。仮に参議院で否決されても、日本共産党の「前向きに検討」により、衆院本会議での3分の2以上による再可決は確実な情勢になりました。

 民主党幹事長の岡田克也さんは9日、日本共産党の市田忠義書記局長と会談し、協力を取り付けました。

 実は岡田さんと市田さんは、秋の第176臨時国会中の与野党幹事長・書記局長会談で、大げんかになった経緯があります。2010年11月30日の会談で、「小沢一郎氏の国会招致」を求める市田さんが「党首が一兵卒の元代表に『国会に出なさい』と言い『分かりました』と言わせられないのは、近代政党として情けない。共産党ならあり得ない」と発言した際、岡田さんが「うちは共産党とは違いますから」と答えたところ、市田さんが激高し、発言の撤回と謝罪を要求したようです。この後、岡田さんが市田さんをとりなすつもりもあったのでしょうが、自民党の石原伸晃幹事長に「自民党は審議拒否をすべきでない。共産党さんを見習って欲しい」と話したところ、今度は石原さんが激怒。さらに岡田さんが公明党の井上義久幹事長に「公明党は本会議に出席してくれますか」とたずねると、井上さんが「それは、そちらがその環境をつくるべきだ」と口論になり、陰険な雰囲気の幹事長・書記局長会談となってしまったようです。

 これを受けて、岡田さんは市田さんとのわだかまりを年を越させないと考えたようで、12月、ホテル内のレストランで、市田さんと夕食をともにして、大人として「次の第177通常国会では、きっちり審議拒否なしの国会を作っていこう」と意気投合したようです。

 そして、迎えた第177通常国会ですが、「名古屋・愛知ショック」で、民主党だけでなく、共産党も「既成政党」として、共通の危機感が抱いていると考えられます。岡田さんは、まず、「児童手当法の改正」というボールを公明党に投げたのですが、よい返事がなく、また児童手当法の所得制限840万円の「拡充」の意図がうまく伝わらずに党内外の反発が出ました。

 そこで、岡田さんは児童手当法改正という公明党に投げたボールを(いったん)あきらめ、「平成22年度の子ども手当法」を半年間延長するつなぎ法案(ブリッジ法案)を議員立法する方針に展開しました。これにより、ことし6月と10月の子ども手当は、これまでと同様の金額が払われることになると思われます。仮に半年延長なら、9月分までは確定しますので、自治体の窓口により違いがあるかもしれませんが、10月の支給はある、と私は現行法も読み返しながら考えております。まだ確定ではありませんし、利害関係者は引き続き報道などでご確認下さい、子育てで忙しく、また心もせわしないのに申し訳ありませんが。

 なお、きょう(3月9日)の衆院厚労委員会で、厚労大臣の細川律夫さんが「平成23年度の子ども手当支給法案」(177閣法9)の提案理由説明に踏みきりました。ただ、これで、与野党の理事・委員による「修正協議の機運」が出てくると思います。とくに衆院厚労委は、日本共産党、社民党、公明党の委員が以前から固定していますので、話がスムーズに行くと期待しています。

 さて、ここのところ忙しくて、岡田幹事長の記者会見に行けていないのですが、私は2月7日の定例会見で、参院では自民党・公明党・みんなの党の野党共闘でも過半数には足らないので、法案によっては、予算関連法案で、日本共産党が賛成してくれるのではないかという趣旨の質問をしました。これについて、岡田さんは「案件によりけりだと思いますが、基本的に(日本共産党が)予算関連法案(で賛成するの)はなかなか難しい問題があるのではないかと思います」としながらも、「あらゆる可能性を追求したいと思います」と答えていました

 そのときのやりとりについて、以下に引用します。朝日新聞の南記者、昨年参院選前後の「島根と青木幹雄さん」のルポルタージュは実に読みごたえのあるものでしたが、その南記者の質問の部分から引用します。

[引用はじめ]

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年2月7日(月)16時17分~17時12分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110207okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel

(略)

○予算関連法案に対する他党の対応について

【朝日新聞・南記者】予算関連法案の関係で伺いたいが、子ども手当法案に対しては、週末の討論番組でも公明党の幹部がかなり厳しい反応というか、このままでは賛成できないという意見を表明されていた。また愛知県知事選などとも関連するが、直近の民意を民主党がなかなか得られていないことに対して、協力できないという姿勢が公明党で強まっている。この現状をどのように受け止められているか。

【幹事長】いろいろな議論があると思いますけれども、あまり固定的に考える必要はないと思います。公明党のご意見、確かに厳しいものがありますが、しかし、子ども手当というのは公明党が推進してこられた児童手当の充実の延長線上にあるとも言えるわけで、大きな方向性としては、私は違っていないのではないかと思います。いろいろな議論があれば、手直しをすることも含めてやぶさかではありませんし、何よりもこの法律が通らないことになれば、子ども手当も児童手当も支給できない事態になりかねませんので、そこは子を持つ若いお父さんお母さんの立場、あるいは子どもの立場に立って、ぜひこれは公明党だけではなくて、他の野党も含めて、ご協力いただきたいと思っております

【フリーランス・宮崎記者】参議院は過半数が121と考えると、自民党と公明党とみんなの党は最近よく共闘しているが、これで113、副議長を入れて114。実は野党側も過半数のめどは立っていない。社民党、国民新党、たちあがれ日本と改革の統一会派があるが、共産党の6議席が法案によっては賛成に回るのではとないかと思うが、いかが思われるか。

【幹事長】それはわかりません。案件によりけりだと思いますが、基本的に予算関連法案はなかなか難しい問題があるのではないかと思います。先々のことをあまり固定的に言わないほうがいいと思いますので、あらゆる可能性を追求したいと思いますが、客観的にはなかなか大変なことだなとは思います。

 これで例えば仮に総選挙をやって政権が代わったとしても、やはりねじれは続くわけで、今の自公が衆議院で過半数を仮に取ったとしても、参議院においては厳しい状況に陥ることは事実で、やはりここはどの党が政権を取ったとしても、衆院と参院で多数派が違うという事態で国の政治が動かなくなることは当然予想されることなので、私の提案いたしました両院協議会のあり方とか、そういったことも含めて、しっかりとした国民の立場に立った議論が、今求められていると思っています。

 そういう議論をしないと、どんどん有権者の皆さん、国民の皆さんが、この国会における議論、あるいは政党に対して関心をなくすというか信頼感をなくしてしまう、今そういう状況が起こりつつあるのではないかと思っています。名古屋の選挙の結果というのは、これは民主党だけではなくて自民党にとっても深刻な事態で、お互いそういったことについては共通の認識を持って対応していかなければいけないと思っています。

[引用おわり]

 きのう(3月8日)の衆・財金委でも、日本共産党の佐々木憲昭(ささき・けんしょう)さんが「自公政権時代の基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げは、民主党と日本共産党は反対していた」と発言がありました。また、参院総務委員の日本共産党の山下芳生(やました・よしき)さんが、前日NHK会長を退任したばかりの福地茂雄さんが議員会館に訪れたことを驚いた筆致でブログで紹介しています。これを読んで、福地茂雄さんが社長を務めた「アサヒビール」が、キリンビールの販売量を抜いたり、ビール業界ではサントリーすらも凌駕している「強さ」の秘けつを感じ、敬服しました。

 さあ、公明党さん、元祖・地域政党なのか、はたまた、既存政党なのか分かりませんが、真価が問われる4月を前に、国会議員団も現実を見すえなければいけません。

 前へ。

 2011年3月9日の国会はこう見えても、前に進みました。

 苦しいときこそ、前へ。立ち止まると病気になりますよ、ホント。

 前に進みましょう。

 なお、あす3月10日は東京都平和の日です。東京大空襲から66年目となります。私も時間的余裕はあまりありませんが、午後1時の黙祷にご協力ください。あの東京がイチバン熱かった夜の11万人のためにも、前へ。前へ。前へ。

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「今後の政治日程」を更新しました。 ぜひご購読下さい。

2011年03月09日 17時10分45秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意


 「レジまぐ」(メディアインデックス社運営)のシステムを使って配信しています「今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行」の最新版を更新しました。

 2009年10月の創刊以来、もっとも難しい「今後の政治日程」でしたが、ちょっと知恵を使い、今国会での予算関連法案の本会議・委員会の審議入りの「これまでの日程」をなるべく残しました。ぜひ、ご一緒に知恵をしぼって、今後の政治日程をつくっていただければと思います。

 購入や決済、システムに関するお問い合わせは、レジまぐ(メディアインデックス社)に直接お問い合わせください。
http://regimag.jp/navigation/buy

 内容に関しては、当ブログ欄左に明記しております、当ブログのメールアドレスまでお問い合わせいただければ幸いです。

 それにしても、確定申告の作業は面倒ですが、昨年一年間を振り返って、読者の方に感謝の念を、あらためて感じます。
 どうぞ、サンプルだけでもご一読くださいますよう、よろしくお願いします。

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前へ。

2011年03月08日 21時57分41秒 | その他

 民主党は第17回統一地方選挙(第17回統一自治体選挙)のポスターを発表しました。

 「前へ」

 政権交代ある政治をめざして、十数年。民主党が初めて、代表を内閣総理大臣として迎える選挙です。

 広域自治体(都道県)でも、基礎自治体(区市町村)でも、さまざまな政策課題に「前へ」。

 菅直人代表は、こういうメッセージを送ります。有権者に、いやそれ以上に候補予定者に。




私たちは、政権交代への期待に、まだまだ応えられていません。
私たちが、ここでやめる、あきらめるなど出来ないのです。
だから、死ぬ気でやりぬく決意で、「前へ」。
進むなら「前へ」、苦しい時こそ「前へ」、それが私たちの決意です。






 首長選、議会選とも、自治体によって、争点も、情勢も、定数も、さまざまです。

 でも、全候補者が「死ぬ気でやりぬく決意で、前へ」「苦しい時こそ前へ」 。候補者ではなく、人間が試される選挙なのです。

 どうせ、人生一回切り。ならば答えはただ一つ・・・「前へ。」

 前に進む以上は、ときに狭い道を通ることもあるけど、「前へ。」

 あきらめたらそこで終わりだから、泣きながら「前へ。」

 ポスターにはこう書いてあります。






後ろを振り返ったり、
後戻りしたら、
未来へは進めない。
民主党は前を向きます。
この国を前へ
進めていきます。







                                                                                      

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予算関連法案が衆・総務委可決バンザイ! 衆・財金委は夕方5時から居残り授業ガンバレ!

2011年03月08日 19時21分33秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 予算関連法案が衆院委員会をやっと1本通過しました。衆院総務委は、午前9時から委員会を開き、8日の午前11時過ぎ、「公害の防止に関する事業にかかる財政特措法」(公害財特法)177国会閣法6号を全会一致で可決しました。このあと、参院予算委員会(午前10時~午後4時51分)の後、衆・財務金融委員会が午後5時10分に開会。野田佳彦財務大臣が参院から衆院にかけつけ、「平成23年度の赤字国債の発行に関する臨時特例法案」(177閣法1号)と、「所得税法などの改正法案」(177閣法2号)を審議し、7時10分に閉会しました。あす(9日)も午後5時10分からやります。なお、衆院の委員会が、前日から「午後5時10分開会」と設定され、さらに2時間の審議を大臣入りでみっちりやるのは極めて異例です。

 総務委では、公明党の西博義さんが冒頭に「この法案が成立しなかった場合の影響は?」と質問し、政府から影響が大きい旨の答弁を引き出してから、質疑しました。財金委では、野党筆頭理事の自民党の後藤田正純さんが、「この委員会は、定例日に大臣出席で夜なべせずにじっくり議論する古い伝統がある」としながら、「きょうは(夜なべならぬ)“夕なべ”となったが、私は個人的には、夜8時まででも、9時まででもやっていい」と、歳入関連法案の審議に協力する旨を表明しました。

 内閣支持率だけでなく、国会支持率が下がっている昨今。統一地方選を前にした「地域政党の本家本元」の公明党、衆院早期解散をねらう自民党が攻撃姿勢を維持しながらも、国会支持率を上げるために、政府・民主党に歩み寄りを見せてきました。

【衆院総務委員会 平成23年(2011年)3月8日(火)】

 「西田ホームラン」があった参・予算委員会の審議が大人気。基本的質疑は2日間で終わり、きょう3月8日(火)は「総理入り一般的質疑」だったそうです。このため、テレビ中継ではなくインターネットで見ようということで、ネット傍聴が集中したようで、ホームページには、「参議院インターネット審議中継は、ただいまアクセス集中のため、
視聴しづらい状況になっております。ご不便とご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。会議散会後30分~2時間後には「今日の審議中継」から録画中継をご覧いただくことができるようになります。」
と表示されていました。

 ちなみに、参議院では、委員会も本会議も午前10時から始まります。NHK入りのときだけ、質疑が午前9時から始まるわけです。そこで、衆議院では、総務委員会、厚労委員会、環境委員会が午前9時から開かれました。そして、衆院財務金融委員会では、午後5時10分に委員会スタートが設定されました。私の記憶では、午後5時過ぎにはじめから設定するのは、極めて異例だと思います。衆院事務局に問い合わせたら、「委員会の設定時刻は理事会決定なので、事務局からお答えできない」と冷たくあしらわれましたが、参・予算委閉会後に、財務大臣と金融担当大臣を引っ張ってきて、審議をする。もちろん、3月になっても、予算関連法案の審議が済んでいないという異常事態によるもので、褒められたことではありませんが、理事たちは必死に努力しています。ちなみに、昨年の東京都議会の予算委員会は土曜日に開かれたことがあります。国会議員もどうせ、土曜日も地元であいさつ回りをしているのですから、早朝でも、夕方でも、土日でもきっちり審議しなければいけません。まさに、内閣支持率以上に、国会支持率が問われています。

 さて、朗報。衆院の総務委員会で、第177通常国会の内閣提出第6号議案の「公害の防止に関する事業にかかる財政特措法(公害財特法)」が可決しました。おそらくあさって10日(木)の衆院本会議で可決し、参院に送られ、参院がその日に受け取ります。

 第177通常国会での予算関連法案の衆院委員会通過はこれが初めてです。バンザイ!

 で、この予算関連法案(国にとっては歳出法案、自治体にとっては歳入法案)は10年ごとに議案になります。公害財特法は自治体が行う公害防止事業への国の財政負担の割合を十分に確保するための特別措置を引き続き行うもの。現行法で、「平成23年3月31日まで」とあるのを、「平成33年3月31日まで」と直し、新しい法律は「平成23年4月1日から施行」することになっています。このほか、対象事業の見直しもあります。

 富山3区選出の自民党新人、橘慶一郎さん(元高岡市長)は質疑で、「人体に直接影響を与える公害は少なくなったし、改善してきている」との認識を示しました。答弁は主に、片山大臣ではなく、総務政務官の逢坂誠二さんがあたり、「公害財特法はこれまで総額19兆円の事業をやってきており、主に下水道整備、河川改修、港湾整備、農地改良などの財源を補充してきた」としました。また、橘さんの質問に、政府参考人(環境省役人)はイタイイタイ病の資料収集をして、世界へ情報発信する事業を富山県(の展示施設)に委託する事業が平成23年度予算(衆院で可決、参院で審議、年度内成立確定)に盛り込まれている、ことを明らかにしました。ただ、こういうのは予算書を見ても載っていない、いわゆる「箇所付け」です。イギリス議会が5ヶ月間、アメリカ議会が8ヶ月間かけて審議する「分野ごとの複数の歳出法案」というような格好にできればいいのですが、日本の予算は一つのパッケージで、編成、国会提出、審議、採決をしているのが現状です。

 続いて、公明党の西博義さん。最初の質問が「仮に延長できなかった場合(法案が否決された場合)の影響はどうなるか?」。これに対して、政府参考人は「自治体が公害防止計画をつくれなくなるケースが増え、水質汚濁やダイオキシン対策などの進捗状況に遅れが生じかねない」と答えました。おそらくこの答弁は、あすの公明新聞の記事でも使われるんじゃないですかね。つまり、統一地方選を前にして、政府与党への攻撃を強める公明党。しかし、この公害財特法が通らなければ、公明党推薦首長や、どちらかと言えば公明党が与党的会派である場合が多い地方議会に大影響をかけます。西さんは和歌山県本部代表のはずです。隣の大阪府本部は大戦争ですから、きのう(3月7日)の参院予算委での白浜一良さん、この人は公明党内でも支持母体(関西創価学会)での地位がとても高い人で、大阪府本部の総合選対本部長です。この「総合」というのは、公明党とその創価学会が一体になって、維新の会あるいは民主党と闘うという意味なんだと思います。それが白浜さんの役割なのです。だから、大将が先頭に立ってTV入りでどんどん菅さんを叩かないと士気にかかわる。一方の西さんは隣県の和歌山とはいえ、大阪決戦に比べれば、若干プレッシャーは少ないはずです。まずは「仮に延長できなかった場合(法案を否決した場合)は?」と聞いたのでしょう。この辺の議員の心理。けっして弱みにつけ込むのではなく、それを斟酌しながらも、配慮して、熟議の国会を醸成していくべきです。というか、そうするしかないでしょう。

 この後、日本共産党の塩川鉄也さん、社民党の重野安正さん、みんなの党の柿沢未途さんの質疑がありました。参院予算委が10時から始まったわけですが、「総理入り一般的質疑」ということで、午前11時過ぎの採決まで、片山善博・総務大臣は衆院の委員室の答弁席に座ることができたようです。

 この後、質疑が終局し、討論の申し出がないので、速やかに採決。起立総員ということで、全会一致で、公害財特法は、衆院総務委で可決しました。予算関連法案・日切れ法案の今国会での衆院委員会通過は第1号となりました。とりあえず、一歩前進といえるでしょう。

 バンザイ!

 ◇

 一方、参・予算委が「一般的質疑」でも、財務大臣の野田佳彦さんは出席しないわけにはいきません。

 で、参・予算委は手元の時計では、午後4時51分に散会しました。

 これで、野田さんが、衆院側に移動できます。

【衆院総務委員会 平成23年(2011年)3月8日(火)】

 衆・財金委はセッティング通り、午後5時10分に開会しました。いや、私は石田勝之委員長は午後5時9分に開会したかのようにも感じられました・・・手元の時計がずれてるのかな(笑)。

 そして、自民党側筆頭理事の後藤田正純さんが質問に立ちました。冒頭、「この委員会は古い伝統から、定例日以外はやらない、夜なべもしない、じっくり時間をとって審議する委員会だ」としながら、「きょうは夜なべならぬ“夕なべ”だ」としました。で、ここで後藤田さんは「きょうは7時半までだが、個人的には8時まで、9時までやってもよかろう、と思う」と述べました。まあ、ふだんの超攻撃的議員の後藤田筆頭理事のふるまいからすると、私としては「よく言うよ!」と感じましたが、とはいえ、「8時まで、9時までやってよかろう」との自民党筆頭理事の発言は、この3月、頼もしい限りだ、と言うしかありません。 

 柔道で鍛えた野田さんは安定感がありますね。この辺のバランス感覚と安定感という意味で、この予算審議での野田さんの評価は当ブログとしては高まっています。

 公明党の竹内譲さんからは、法人税率の引き下げについて質問がありました。ちなみに、閣法第2号は、「所得税法改正案」ではなくて、「所得税法などの改正案」です。つまり、一部業界団体に有利なように「しばらくの間、減税・免税」という自民党政権がかけたシンデレラの魔法である「租税特別措置法」や法人税法の改正も盛り込んだ法案です。

 この中で、公明党の竹内譲さんに続き質問に立った、日本共産党の佐々木憲昭さんが、「基礎年金の国庫負担割合の(3分の1から)2分の1への引き上げは自民党政権で閣議決定したが、自民党政権はその恒久財源を見つけることに失敗した。なぜ民主党政権がそれをやらなければいけないのか」という趣旨の発言をし、「私はおかしいと思っている」と述べました。共産党から民主党政権へのエールに思えます。野田さんも、何で民主党を助けてくれるんだろう、とふしぎそうな答弁をしました。佐々木さんは、「民主党の(第1次)野党時代に、野田さんが自公政権の決定を批判する意見を述べている」と紹介すると、野田さんは、ああやられたな、という感じで「かすかに記憶が甦ってまいりました」と言いました。しかし、この後、佐々木さんは「私ども日本共産党や、(第1次野党期の)民主党の意見を自民党・公明党が聞くべきだったのだ」と論を進めました。初当選以来、財金委員を務めている佐々木さんらしい正義感がそう言わせたのでしょう。若干ひが目でいえば、統一地方選において、日本共産党の最大の敵は公明党だからだ、という味方も出来ますが、この人の財金委質疑は、政権交代の前から何度も聞いています。私はコミュニストではなく、だからといってマニフェスト原理主義でもありませんが、客観的に、佐々木さんの論調は近いものがあるような気がしました。

 財金委は午後7時7分に閉会。石田委員長は「あすは午後5時理事会、午後5時10分に委員会を開きます」と宣言しました。おそらく、あさって(10日)の本会議に間に合う可能性も出てきたのではないでしょうか。ガンバレ!

 とはいえ、既存メディアも、もうちょっとこういうこと書こうよ。特に最近の読売と産経の政治面はひどすぎます。イエローカード物です。ガンバレ!

  自民党も、公明党も、日本共産党もガンバレ!民主党もガンバレ!国権の最高機関=「国会党」ガンバレ!

 減税党や維新党に負けるな!踏みつぶせ!  

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参議院自民党、大ホームラン→なので、3月中の予算関連法案成立に「良識」を

2011年03月07日 11時29分25秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]BS番組「“自”論多論 参議院発」のキャスターの丸川珠代、山本一太、両自民党参議院議員

 冒頭、個人的なことですが、確定申告の作業が例年以上に遅れており、今週は更新が遅滞すると思います。こういう風に書くと、メンテナンスできない隙を突いて、コメント欄(当ブログは現在閉鎖中)を荒らされたり、他の政治ブログで攻撃されたことがありました。しかし、最近は自分自身、このブログで主張していることの「大枠」はおおむね正しいとの自信があります。なので、「更新が少ないから具合が悪いの?」と心配してくださる読者(もちろん名前もお顔も存じない方が9割以上)がいらっしゃいますので、事前にお断りしております。まずは、国民の三大義務をしっかりと。

 ちなみに、時折、書いておかないといけないのですが、私が日本経済新聞社社員として「日経新聞」を書いているときは、つねに「裏取り」(役所の発表含む)があって書いていたわけです。が、このブログはあくまでも私個人が「推論」を書くブログです。もちろん、広く公開された国会の審議を現場やネットで傍聴した内容は、これは裏を取る必要がありませんから、そのまま書きます。例えば、新聞・テレビのように、裏を取らなければ記事に出来なければ、「郵政民営化のホントウのねらいは?」とか、「なぜ東アジア共同体がTPPになったか?」なんていうのは、そもそも記事にできません。既存メディアの記者が「麻生首相、漢字を読み間違える」と書いたのには、私は麻生さんのことをよく知りませんが、なかなか裏の取りようがないことを書きたい中で、ようやく裏をとれるファクト(事実)だったのでしょう。その隔靴掻痒はおおめに見るべきだと考えます。それはいいとして、私は、新聞やテレビが書かないことをこのブログで書きたいのです。もちろん公序良俗に反することは書きません。それは、このgooブログの運営者がNTTグループ(NTTレゾナント社)であることで担保されていると思います。今まで、NTTレゾナント社からクレームがついたことは一度もありません。とはいえ、新聞記者時代の習性で、実際には裏を取っていたり、ペーパーを入手したり、政治部特有の「知っていて知らないふり」もしているわけですが、基本は推論であり、感想であり、意見ですので、参考程度に読んでいただきたいのです。

 さて、このエントリーを6日夜、書き始めた直後に、外相の前原誠司さんが首相公邸で菅直人総理に辞任の意向を伝えた、という速報ニュースが入ってきました。

 これは、3月4日(金)の、ことし最初のTV入り参院予算委員会(基本的質疑1日目)での自民党の合計6時間強の質問リレーのラストバッターだった、西田昌司さん(京都選挙区)の質問で、前原さんの政治団体が、外国籍の方から、年間5万円の政治献金を、少なくとも4年間合計20万円以上を受け取っていたとし、政治資金規正法違反を問われものでした。前原外相は、外国籍(在日)の方であること、少なくとも5万円の受領があったことを答弁で認めていました。

 自民党政権を思い起こすと、大臣のスキャンダルの進退をめぐっては、様々な理屈よりも、まず国会の状況が優先されていたと思います。「国会運営に混乱をきたした責任をとる」という理由で辞任し、そのまま、スキャンダルの本質は、本人も、野党も、マスコミもうやむやになったまま、幕を引いたこともたびたびありました。政治は不条理なものであると同時に「流れ」が大事です。2月・3月の予算審議、とくに今はねじれ国会の参議院で審議が始まったばかりですし、予算関連法案が衆議院に残っているという時点ですでに運営が混乱している状況です。審議の遅れは1日たりとも許されない。だから、前原さんの問題が、「自民党にもあった」だの、「金額がいくらだ」だの、そういう理屈でなく、審議の障害になりますから、辞任は当然です。また、さまざまな事情から、前原誠司さんという人にとってはむしろプラスになるように感じます。

 おそらく後任は、野党時代から、前原さんとアメリカ人脈を一緒に培ってきた、現・外務副大臣(元党政調会長)が昇格するのではないかと、私は考えますが、総理の判断を待ちたいと思います。

 ちなみに、ことし最初(第177通常国会召集日)の参議院本会議で、前原さんが外交演説を早口で読み上げて、「参議院軽視だ」と参院自民党から指摘があり、後日の本会議で謝罪しました。これは私は報道で知り、「やはり生き急いでいて、かつ、物事を最後までしっかり見届けない前原さんがまたやっちゃったな」と感じたのですが、後から、参議院インターネット審議中継のビデオライブラリで確認したら、必ずしもそのような感想は持ちませんでした。おそらく、参院自民党は前原さんを狙っていたんだと思います。1月24日に軽くジャブを浴びせ説いて、3月4日、参院自民党にとっては手ぐすねとって迎えたレギュラーシーズン開幕試合で、一気に「前原外相」を場外ホームランで吹っ飛ばしてしまった格好で、やはり参院自民党の力の強さだと思います。

 歴史の激動期は、チャンスです。

 変化の時代に、何かをしかければ、その後主導権を握れます。3月1日午前3時40分に衆院本会議で可決した平成23年度本予算(案)を、西岡武夫・参議院議長が3月2日に受け取り、衆議院公報・参議院公報・官報とも、それが残ってしまいました。私も憲法60条の「予算の衆院優越の30日ルール」を改めて、読むと、確かに、西岡議長のような解釈ができてしまう。しかし、これでは、1日どころから、10日間も、100日間も、参議院議長が受け取らないことも可能になってしまう、憲法のすきまであり、断じて許すことの出来ない愚行です。変化が激しいときには、本物が活躍しますが、偽者も暗躍します。これについては、身内である参議院民主党幹部も大反対。衆議院議長も声明を出しました。先週の参院民主党国対委員長の記者会見(http://www.dpj.or.jp/news/?num=19817)をビデオで見ると、記者が「もうこの際、憲法を改正しちゃったらどうですか」と質問する場面がありました。既存メディアの記者がこのような発言を記者会見でするのは珍しく、取材を通して、よっぽど腹に据えかねたうえでの発言だったのでしょう、私はこの記者を支持したい。

 ところで、民主党本部のホームページでは、参議院「民主党・新緑風会」の議員会長、幹事長、国対委員長の3人の定例記者会見を見られます。ところが摩訶不思議なことに自民党本部ホームページの役員の記者会見(http://www.jimin.jp/jimin/index/kaiken.html)には、参議院の役員の記者会見は全く載っていないんですね。あるいは、動画配信専門の「役員記者会見チャンネル(http://ldplab.jp/station/1ch/)でも、衆議院議員ばかり。参院議員も参加している「影の内閣」(シャドウ・キャビネット)も、衆院議員ばかり。で、昨年8月の中曽根弘文・参議院議員会長就任あいさつというのが最後。

 そんな中で、参議院自民党は、BS放送局で、30分間の「"自"論対論 参議院発」という番組をやっている。司会は丸川珠代さんと、山本一太さん。週1回の30分番組。「いったいどんな“討論”番組なのかな?」と、先週の放送を見たら、参議院議員会長(中曽根弘文さん)、参議院幹事長(小坂憲次さん)、参議院国対委員長(脇雅史さん)がゲスト。「あれ、政審会長は?」と思ったら、司会の山本一太さんが現在の参院自民党政審会長でした。で、脇さんをはじめ、かってバラバラにひたすら持論を述べまくる。“討論”番組ではなく、“宣伝”番組。数分で、見るの止めました。ちなみに、このBS放送局は好きなのですが、既存マスコミの経営の苦しさを垣間見る感じでした。ちなみに、この放送枠の買い取りは、参議院事務局が参院会派に所属議員辺り月65万円振り込む「立法事務費」が原資だろうと、推測しています。参院自民党は独自の職員も雇っていて、その給与体系は、自民党総裁(衆院議員)も知らないアンタッチャブルだということを聞いたことがあります。

 なぜ、参議院はこうなのか。理由はカンタンで、目立つことが少ないからです。参議院は日本の混乱期に、存在感を発揮するために、採決で造反し、年に1回前後のTVのスポットライトを浴びてきました。

 例えば、第128通常国会の1994年1月21日の参院本会議。細川内閣の政治改革関連4法案を採決。この日の本会議には偶然にも、小選挙区論者だったとされる元総理・元衆院議員、田中角栄さん逝去に対する弔詞を全員起立で原文兵衛議長が読み上げてから、スタートしました。そして、採決結果は「投票総数 248 賛成118 反対130」でまさかの否決となりました。与党社会党の参院議員が大量に造反しました。このなかには、「湾岸戦争に反対する浪曲師の参院議員」も派手なスーツで高々と青票(反対)を掲げて投票しました。

 また、第162通常国会の2005年8月8日には、郵政改革関連6法案を「投票総数233 賛成108 反対125」で否決しました。扇千景議長の指名で、賛成討論に立った世耕弘成さんの「どうぞ皆さん、賛成よろしくお願いいたします!」との呼びかけに、ナント中曽根弘文さんらが反対票を投じました。このときに小泉純一郎首相の後見人である森喜朗元首相は「だから、(復党間もない扇さんでなく)中曽根を議長にしておけと言ったじゃないか」との趣旨の発言をしたとの報道がありました。また、中曽根さんとともに反対票を投じた自民党議員のうち、2人は、70歳手前で亡くなった元国会議員の奥さん。1人は自民党副総裁の後継者で労働大臣・運輸大臣をやりながら比較的若く亡くなり、もう一人は大富豪でしたが、法務政務次官の後、入閣前に亡くなり、その奥さんがおのおの、後を継いで出てきました。ただその2人の女性議員はあまり参議院で目立った実績があったような気がしません。おそらく初当選以来初めて、TV局のぶら下がり取材を受け、「中曽根先生と投票行動を共にします」と述べたのはいいのですが、「アタシ反対!」との言葉には、ことの重大さが分かっているのかと感じざるを得ませんでした。この2人の女性議員は、その後入閣せず、国会から去っています。そして、この8月8日、扇議長は「よって、六案は否決されました。これにて休憩いたします」と宣言した後、議事録は、「休憩中衆議院が解散され、同時に本院は閉会となった」とさみしく書いてあります。

 ところで話は急に変わりますが、赤坂プリンスホテルって今月で閉館なんですね。あのクリスマス・イルミネーションが見られないとは寂しい限りです。西岡議長も寂しいでしょうね。

 話は戻って、まとめます。要するに、参議院は目立ちたいという心理がある。ですから、今国会で、テレビ入りで、参議院自民党は、BSも良いですが、国会内でばんばん、ディベート術を発揮して欲しい。昨年秋の第176臨時国会では、参議院インターネット審議中継の方が視聴数が多かったという報道があります。

 2ちゃんねるでは、「最近はバラエティ番組よりも、国会中継の方が面白いよ」「吉本新喜劇よりも笑える。いや、ホントウは笑えないんだけどさ」というような書き込みが多数ありました。今までは、ハッキリ言えば、NHK国会中継も、そこが衆院か、参院か、考えないで見ていた方が多いと思います。それが、「おいおい、これ、まだ参院初日なんだぜ。自民党強烈過ぎるだろう」という2ちゃんねるの書き込みは、かなり全国民の感覚に近いでしょう。

 しっかりホームランで目立ち、参院の注目度は、史上最高になっています。しかし、その風は急速に変わる可能性があります。基本的質疑の後も、集中審議がおそらく3~5回は入るでしょうから、しっかりと自民党は徹底的に議論で勝って欲しい。スポットライトを浴びて、ストレスと持てる力を発散してください。TVだけではありません、今はインターネットがあります。TV中継無しの、参院本会議、参院財金委、参院総務委もしっかり史上最高の注目度で見られているということを、くれぐれも理解して、予算関連法案の採決をめぐる本会議ではしっかりと良識の府として国民のために行動してください。

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岡田さん「長期金利が上がりかねない」と初めて言及 予算関連法案の年度内攻防

2011年03月05日 21時36分08秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 民主党幹事長の岡田克也さんが2011年3月5日(土)午前、「赤字国債発行法案が遅れれば、国債の格付けが下がり、長期金利が上がりかねない」と述べました。そのうえで、「政党政治そのものが問われている」、「イチバン大事なことは民主党が国民に信頼される政党でなければならない」「こういう時こそ人間は見られている」と述べ、野党に歩み寄るよう、民主党議員にまとまるよう呼びかけました。

 テレビ東京・BSジャパンの「田勢康弘の週刊ニュース新書」での発言。ホスト役の田勢・元日経政治部次長(元論説副主幹)が予算関連法案について、「私はこれは民主党にとってもピンチですけれども、日本の政治にとってもピンチだと思うんです。私は、自民党の人にも、『自民党にとってこれはタイヘンなピンチじゃないか。ここで野党としての対応を間違うと、政治そのものが国民の信頼を全く失ってしまう』と申し上げています」話を向けました。

 岡田さんは、自民党幹事長の石原伸晃さんとの都内での会談について、「きのう石原さんとお会いして、石原さんも(神奈川県の講演などで会談内容について)おっしゃっているので、私も(岡田・石原会談の内容を)申し上げたいと思いますが・・・」と断った上で、赤字国債発行臨時特例法案について、「公債特例法案について、『このままでホントウに良いのか?』ということを申し上げたんです。このまま3月末越したときに、やはりこのことが国債の格下げにつながることがゼロとは言えない。そうすると、長期金利も上がるということになりかねない。まあ、そういうことになれば、(今現在、住宅)ローンを持っている人や、あるいは会社にも影響があって。あるいは、これからお金借りて、家を建てようと言う人や設備投資をしようという会社が慎重になれば、景気の先行きにも影響する。そういう問題について、もてあそんでいいのか、と。つまり特例公債を出すということだけが書いてある法案ですから、それについて反対する理由がないと思うんですね。40兆円の(平成23年度の新発国債のうち)半分は過去の借金の償還と利払いですから。もちろん我々(民主党政権)も責任がないと言いませんが、だけど、自民党や公明党にも責任はあるわけですから。ここは真摯に考えて欲しいと思います」と語りました。

 私が記憶する限り、岡田さんが、赤字国債発行臨時特例法案の年度内成立が遅れた場合の、長期金利への影響に言及したのは初めてだと思います。また、閣僚や党幹部が言及したのもおそらく初めてではないか、と考えます。

 これは土曜日の午前中ということで、日本マーケットは休場ですし、アジア、欧州も閉じ、米国市場もおそらく閉場に近い時間帯だと思います。また、年度末まで残り19営業日(日本市場の春分の日の休場のぞく)というタイミングなど様々に考慮したうえでの発言だと思います。

 冒頭の画像は、岡田さんがちょうど長期金利について語っている場面です。さすがの岡田さんもゆっくりと言葉を選びながらの発言なので、手振りがいつもより多くなっています。きょうの岡田さんのテレビでの発言は、実は、分かっている人には前々から分かっていることでした。しかし、それを初めて言及した岡田さんの勇気と、その精緻さには感服します。筆者も、正直こうやってビデオを繰り返し聞き取りながら、文章起こしをするのは、しんどいですが、これは国益のために、エントリーにしないといけないという使命感で書いています。

 田勢さんが「そこは石原さんはある程度理解を示されるんですか?」とたずねると、岡田さんは「気持ちのうえでは理解しておられるかもしれませんが、(昨日の会談での)答えは『反対である』とのことですので、『ホントウにそれでいいんですか?』と。石原幹事長を説得したものの、きのうの時点では賛同を得られなかった、と明かしました。

 さて、ここから筆者の意見です。

 まず、長期金利(新発10年国債利回り)は1・300%前後となっています。国債といっても、財務省から新規発行国債を買うだけでなく、既に発行された国債はマーケットで売り買いされます。このとき、国債の値段(表面価額)が安くなると、長期金利は上昇します。比喩を使って説明します。たとえば、8年後に償還期限を迎える国債を買うとします。で、その国債を買った時点で、地面に立って、8年後の国債の(償還額+利払い額)を見上げたとき、仰角(仰ぎ見る角度)が例えば、30度だったとしてください。その30度、あごを上げた分が、8年後に儲かるお金です。そこに一つの星があるとします。そして、その後、日本が“地盤沈下”したとして、表面価額が安く売り買いされるようになったとする。そうすると、地面から50センチ掘り下げたところから星を見る。そうすると、仰角は45度になるかもしれません。すなわち、国債の値段あるいは価値が安くなると、仰角が高くなります。つまり、これは「より儲かる」ことになります。国籍を問わず、儲かってうれしい人はいるでしょう。しかしそもそも日本国債の価値が下がるということは、日本国・日本政府への信頼が下がるということです。そして、日本国債のほとんどは、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」のほか、銀行、生命保険会社が持っています。このため、各社が保有する国債の価値は大きく値崩れし、数兆円規模の含み損を抱えます。もちろん、この含み損はすぐに処理しなければいけないものではありませんが、各社は貸し出しに回すお金について慎重になるでしょう。また、銀行はこの長期金利に基づいて、新規融資の利率を決めていますし、すでに融資したものであっても、長期金利に連動する格好の商品があります。また、表面価額が値崩れするからと、国内の金融機関だけで、数百兆円の国債を持っているのですから、いっぺんに売りに出たら、さらに値崩れします。よって、日ごろは多様な意見を述べるエコノミストたちも、「ゆうちょ銀行・かんぽ生命は保有する国債の100分の1も売りに出せないだろう。売りに出したら資産が目減りするから」という意見で一致しています。ただ、国内外のすべての機関投資家が同じ状況、同じ考え方ではありません。そして、なにより、この期に乗じて、おそらく外国籍のヘッジファンドなどの機関投資家が投機的な揺さぶりをかけてくる隙が生じる可能性があります。国債の格付けや表面価額は、けっして、日本国・日本人・日本政府の信用への正当な評価ではないのです。マネーゲームなのです。

 これだけ国債を発行していて、長期金利が1・300%前後に収まっているのは、日本国・日本人・日本政府が信頼されている証拠であり、それは胸を張って良い。あるいは、日本人のムラ社会、人口移動が少なく、都会に出て会社に勤めても統制が厳しいということの裏返しかもしれません。それはさておき、「足して2で割る」のがお得意の日本人には気付かないことですが、このパーセンテージ(百分率)というのは掛け算です。掛け算はおそろしい。たとえば、長期金利が1ポイント上がるというのは、日本国債では長期金利が2倍になるということで、国債の利払いが数兆円増えます。平成23年度の国の一般会計の税収見込みは40兆9200億円です。それで数兆円の積み増し分はかなり負担が重いです。

 で、まずは落ち着いてください。そして、もしも、このエントリーに書いてあるようなことを金融機関から言われて、3月中の住宅ローン新規かけ込み契約を考えている人は、まずはいったんハンコを置いて、親族に相談してみることです。金利が低かろうが、高かろうが、返せる人は返せるし、返せない人は返せません。いざというときに頼りになるのは、親族ですから、なんちゃら法案よりもまず、親族をしっかり固めてください。

 では、田勢さんの番組に戻ります。

 この、いわば「3月危機」ともいえる状況について、岡田さんは「政党政治そのものが問われているということですので、政治がなくていいや、という風潮になりかねません」「イチバン大事なことは民主党が国民に信頼される政党であるということで、そこの基本が崩れたら、政治そのものがおかしくなりますし、民主党も将来がないと思うんです」と述べました。

 そして、統一地方選立候補予定者も含めた、全議員に向けて、「こういうときこそ人間は見られている、ということを考えて欲しい」と語りかけました。

 なお、詳しい方は、次のエントリーもご参照下さい。これは2009年8月4日に、BS11「インサイドアウト」に出たときのようすをエントリーにしたもので、このときは7月21日に既に衆議院は解散され、8月18日の公示・30日投開票のあいだに外国為替特別会計・外貨準備高の米財務省証券など、およそ1兆ドル(およそ100兆円)の扱いについて、政権交代があった場合の対応についてのメッセージです。2009年8月5日付エントリー)岡田幹事長が「米国債は売らない」と断言

 この時期、民主党政調会職員(須川清司さん)と、岡田さんの衆院議員としての政策秘書(本庄知史さん)の2人が、米側の「政権交代を見越して、意見交換をしたい」との要望で当時の鳩山由紀夫代表の正式な名代として、ワシントンを訪問をしていました。私の記憶では、政権交代後に、円ドル相場の大きな変動はなかったと記憶しています。

 繰り返しになりますが、「こういうときこそ人間は見られている」ということです。

 そして、日本政治、国会全体でいえば、まあなんとかなる、と思います。複数の方から、「私も宮崎さん同様楽観的に見ています」とのメールをちょうだいしています。楽観的に、泰然自若でいましょう。ただ、このエントリーは書いていて、とても肩が凝りました。ロボコップになりたい・・・

 追伸) なお現在コメント欄を閉鎖中ですが、よく「しっくいさんと宮崎さんのコメント欄のやりとりを読むと、安心する」というご意見もちょうだいします。なので、しっくいさんから、メールをもらえたら、その辺も追記でご紹介します。しっくいさん、お待ちしております。この時期、お忙しいでしょうが、よろしくお願いします(^_-)

【追記 2011-3-6 9:00】

 というわけで、あっという間に「しっくい」さんから、メールをちょうだいしました。メールですので、本名の部分がありましたので、その部分は修正して、しっくいさんのご意見をご紹介します。

[しっくいさんからちょうだいしたメールから引用はじめ]

感覚的なものなのですが、最近の菅総理と岡田幹事長の動き(発言の内容やタイミング、処分の仕方)は安心して見ていられます。

さきほど宮崎さんのこのエントリーを見たときも「おおっ幹事長がいよいよ踏み込んだなあ、宮崎さんの解説どおり考えてのこの時期での発言なんだろな」と安心して受け止めました。

自分が安心してみていられる原因は「危機にもあっても組織のナンバー1とナンバー2の信頼関係が崩れていないことが見ていて判るところかな」と自分なりに分析してみました。

また、ねじれの中でも国家予算を目標どおり衆院通過させることができたのが政権党の執行部としての大きな自信に繋がっているのだろうなとも思いました。

なにか見ていて民主党チームが信頼感を保ちつつ目標を達成していくことにワクワクしております。

トップ(菅総理)がやりたいこと(どんなに苦しんでも一政権が4年間任期を全うしてその結果を国民が判断する政治文化の定着)を民主党の多くの人たちが理解し始めたような気がします。

執行部内の意思疎通もかなりよくなっているような気がし、「チーム民主党」で少なくとも執行部は闘っている感じがして見ていて安心します。

何か漠然とした感じの主観的なコメントばかりで申し訳ないですが、目端の聞く評論家たちも、菅政権にかなり懐疑的で小沢一郎復権もあり得るとしていた花岡氏が衆院予算通過を境に一気に論調を変えたり、田原総一郎氏も同時期にコロッと論調を変えてきておりと雰囲気が変わってきているのではないでしょうか。

・「解散」に追い込めない自民党の力量

2011年3月3日

・菅首相はどこまで粘れるか、退陣への道筋と後継者を読み解く

2011年2月24日

ttp://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090513/152254/?rt=nocnt

 

・菅内閣は意外と持ちこたえるかもしれない

2011年3月3日

・あの政治家が民主党をつぶそうとしている

2011年2月24日

ttp://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20080923/100463/

[しっくいさんのメール引用終わり]
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 しっくいさん、ありがとうございました。

【追記終わり】

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衆院小選挙区の区割り、10年に1度の改定スタート 2012年2月24日までに勧告

2011年03月02日 09時34分12秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

 国勢調査(Census)は明治維新によって、欧米からわが国に入った制度。元々、わが国は徳川家康の寺請制度や、中華文化圏に特徴的な戸籍制度があったので、ヨーロッパ大陸・北アメリカ大陸のようにセンサスをする必要は少なかったわけですが、殖産興業・富国強兵に向けた、国家のグランドデザインを描く上で、国民=人口をはじめとする「国勢」の調査・統計のために始まりました。2010年のように、10の倍数の年に本格調査、2005年など5年ごとにも調査するという、西暦でキリの良い年に実施するのがその名残で、欧米列強と「国勢」を比較するというのが根本の思想にあります。

 わが国は、有色人種を中心とする国家の中で、はじめて成文憲法を持ち、議会を持った「国」というか「国家」ですから、国民としての矜持を保ちたいものです。

 で、衆議院議員選挙区画定審議会が2011年3月1日開かれ、2010年国勢調査の速報値に基づき、衆議院の300小選挙区の区割りの改定案を作る作業をスタートしました。来年の2012年2月24日までに内閣総理大臣に「勧告」します。

 どうして「2月24日まで」なのかなあ?と思ったら、審議会の設置法の4条に「国勢調査(統計法 (平成十九年法律第五十三号)第五条第二項 本文の規定により十年ごとに行われる国勢調査に限る。)の結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うものとする 」とあるからなんですね。

 
[画像]平成23年2月25日付の官報の一部

 ご覧のように、2010年2月25日付の官報に載っているから、2011年2月24日までということのようです。

[平成23年・2011年2月25日付官報から一部引用はじめ]

 〇総務省告示第五十六号
平成二十二年国勢調査の人口速報集計による平成二十二年十月一日現在の全国の人口並びに都道府県別及び市区町村別の人口は、次のとおりである。
平成二十三年二月二十五日
総務大臣 片山善博

(後略)

[引用おわり]

 別段、明治維新で取り入れた欧米のシステムが完璧なわけではなく、英国議会の昨年5月6日の総選挙を見ていても、やはり小選挙区割りは与党・現職有利に引き直されているように感じられます。英国では「境界委員会」が1944年に出来ていますが、今でも、恣意的な境界線の引き直しはあるようです。地盤を失う庶民院議員が党首(首相)らに頼んで、貴族院(領主院)に推挙されることもあるようです。あるいは、米国下院はそれ自体で政権を左右するわけではありませんが、以前ブッシュ父大統領の時代に、次の選挙で選挙区を失う下院議員が大統領に書簡を送って、農務長官になったという記事を読んだときには、日本での大臣と議員の関係でずいぶん違うもんだなあと感じました。

 ですから、こういった審議会が「学識経験者という匿名性を帯びることによって、完全に中立公正になる」という迷信が日本にはあるように思えるのですが、それはむしろ、村松岐夫さんら7人の委員の名前を知って、見守るという姿勢が必要だと思います。もちろん圧力を加えるなどとんでもないことです。海部俊樹さんは、『海部俊樹回顧録 政治とカネ』の中で、最初の小選挙区の区割りについて、「総理である私さえ新しい区割りを知らない状態を保った」と中立性を担保したと書いています。で、その次の文章で、説得力を増そうと思って書いたんでしょうが、「(知っていたのは)石原信雄、大島理森両内閣官房副長官の2人だけである」と胸を張って書いています。が、大島理森さんは言うまでもなく、当時も今も衆議院議員です。大島さんが出ている選挙区は、1自治体=1選挙区というお金がかかりにくい選挙区になっていますが、それとの関連性はうがった見方、陰謀論の類ですから、置いておきます。ただ、100%の絶対中立公正はありえないということを言いたいのです。。

 ようは、新しい選挙区割りが出来た時点で、国替え、院替え、差し替え、首長転出など自分のアタマで判断し、作戦とスケジュールを立てられる人が、どのような状況でも闘えるということです。それと運です。で、その能力は完全とはいえませんが、国家のグランドデザインを作れる能力とある程度比例してくると思います。その辺の事情を踏まえると、国会議員の振る舞いも見えてきますから、あまり「誰々グループ」とか「反誰々」だけで、書いているかのような新聞報道もどうかと思います。番記者制度での夜回りの回数を減らして、選挙区事情を支局に電話で聞いたりするような政治取材の見直しが必要です。別段、現職議員が自分の再選のために必死になるのは、まったく見苦しいことではないし、それどころか、当然かつ頼もしいことです。そういった事情が見えてくる、オープンになってくるというのも、小選挙区のメリットの一つだと考えています。

総務省|衆議院議員選挙区画定審議会|第5回衆議院議員選挙区画定審議会

第5回衆議院議員選挙区画定審議会
日時
平成23年3月1日(火)

場所
中央合同庁舎第4号館共用443会議室

議事要旨
・平成22年国勢調査人口(速報値)に基づく試算結果について事務局より報告後、質疑が行われた。
・平成12年国勢調査人口(速報値)公表後における衆議院議員選挙区画定審議会の開催状況について事務局より報告後、質疑が行われた。

総務省|衆議院議員選挙区画定審議会|衆議院議員選挙区画定審議会委員名簿

任期:平成16年4月11日~平成21年4月10日
    平成21年4月11日~平成26年4月10日(再任)

氏名 職業等
稲葉 馨(いなば かおる) 東北大学大学院法学研究科教授
大石 眞(おおいし まこと) 京都大学大学院法学研究科教授
小田原 満知子(おだわら まちこ) 弁護士(元横浜家庭裁判所長)
早川 正(はやかわ まさのり) 元衆議院法制次長
眞柄 秀子(まがら ひでこ) 早稲田大学政治経済学部教授
会長 村松 岐夫(むらまつ みちお) 京都大学名誉教授
会長代理 吉田 弘正(よしだ ひろまさ) (財)自治総合センター会長

衆議院議員選挙区画定審議会設置法

(平成六年二月四日法律第三号)

最終改正:平成一九年五月二三日法律第五三号
 
(設置)
第一条  内閣府に、衆議院議員選挙区画定審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)
第二条  審議会は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとする。

(改定案の作成の基準)
第三条  前条の規定による改定案の作成は、各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区の人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。)のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。
2  前項の改定案の作成に当たっては、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数は、一に、公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第四条第一項 に規定する衆議院小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とする。

(勧告の期限等)
第四条  第二条の規定による勧告は、国勢調査(統計法 (平成十九年法律第五十三号)第五条第二項 本文の規定により十年ごとに行われる国勢調査に限る。)の結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うものとする。
2  前項の規定にかかわらず、審議会は、各選挙区の人口の著しい不均衡その他特別の事情があると認めるときは、第二条の規定による勧告を行うことができる。

(国会への報告)
第五条  内閣総理大臣は、審議会から第二条の規定による勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとする。

(組織)
第六条  審議会は、委員七人をもって組織する。
2  委員は、国会議員以外の者であって、識見が高く、かつ、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し公正な判断をすることができるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3  委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
4  前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
5  委員の任期は、五年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6  内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
7  委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
8  委員は、非常勤とする。

(会長)
第七条  審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2  会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3  会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(資料提出その他の協力)
第八条  審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

(政令への委任)
第九条  この法律に定めるもののほか、審議会の組織及び運営その他この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律(平成六年法律第十号)の公布の日から施行する。

(所掌事務等の特例)
第二条  審議会は、第二条に規定する事務をつかさどるほか、公職選挙法の一部を改正する法律(平成六年法律第二号)による改正後の公職選挙法の規定の施行の準備のため衆議院小選挙区選出議員の選挙区の画定に関し、調査審議し、その画定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとする。
2  前項の規定による勧告は、委員が任命された日から六月以内に行うものとする。
3  第三条の規定は第一項の規定による画定案の作成について、第五条の規定は同項の規定による勧告があった場合について準用する。

   附 則 (平成六年三月一一日法律第一一号)

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二  附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(職員の身分引継ぎ)
第三条  この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。

(衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部改正に伴う経過措置)
第十二条  この法律の施行の際現に従前の総理府の衆議院議員選挙区画定審議会の委員である者は、この法律の施行の日に、第二十六条の規定による改正後の衆議院議員選挙区画定義会設置法(以下この条において「新選挙区画定審議会法」という。)第六条第二項の規定により、内閣府の衆議院議員選挙区画定審議会の委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新選挙区画定審議会法第六条第五項の規定にかかわらず、同日における従前の総理府の衆議院議員選挙区画定審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
2  この法律の施行の際現に従前の総理府の衆議院議員選挙区画定審議会の会長である者は、この法律の施行の日に、新選挙区画定審議会法第七条第一項の規定により、内閣府の衆議院議員選挙区画定審議会の会長として定められたものとみなす。

(別に定める経過措置)
第三十条  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

   附 則 (平成一九年五月二三日法律第五三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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岡田「もう一度チャンスを与える」俊美「幼い子には、温かく教育してやることも大事だ」

2011年03月02日 06時26分46秒 | 岡田克也、旅の途中

【衆院本会議 2011-3-1】

 総予算の年度内成立が確定してほっと一息ですが、「自称・新会派」(比例単独チームB)の16人が欠席したことから、岡田克也幹事長の3月1日の臨時役員会と常任幹事会で、「自称・代表」の渡部浩一郎・民主党衆院議員(比例東京ブロック、当選2回=1993年第40回衆院選、2009年第45回衆院選)を党員資格停止・6ヶ月にすることにしました。倫理委員会(渡部恒三委員長)の5人の議員プラス五百蔵洋一弁護士の中立・公正な話し合いのあとに、正式決定します。

 3月1日午前3時過ぎの採決では、党員資格停止中の元代表・小沢一郎さんも、出席して、賛成票を投じました。衆院議員としても、民主党員としてもきわめてまっとうな行動です。

  
[画像]菅内閣提出の平成23年度総予算3案に「賛成」する左から、岡田克也、川内博史、小沢一郎各民主党衆議院議員。議長席は横路孝弘さん=衆議院インターネット審議中継から。


 渡部“代表”の欠席について、ひな壇を降りて6時間後に開かれた閣議後会見で、防衛大臣の北澤俊美さんは、「ものがわかっていない人をやたら強い姿勢で処分することは必ずしも得策ではない。い子には、温かく教育してやることも大事だ」として、一部に出ていた「除籍論」について、落ち着いた心構えをするように説きました。

 
[画像]防衛大臣の北澤俊美さん(TBS)、民主党幹事長の岡田克也さん(日テレ映像)

 党員資格停止が決まった後、幹事長の岡田克也さんは、「彼らにもう一度チャンスを与えたい。処分するのは簡単だが、ここでもう一回考え直してもらいたい」として、政治家として再起する道を残しました。

 渡部浩一郎氏は1993年夏、第40回政治改革総選挙で初当選。日本新党1期生として、テレビ取材で国会見学に来た有権者を案内し、衆院本会議場を説明し、ひな壇を指さしながら、「私もあの真ん中(総理)まで行かなくても、大臣席ぐらいまでは行きたいです」と話していたシーンを記憶しています。彼(ら彼女ら)にはそのチャンスが残されたということになります。


[画像]新会派代表を自称する、渡部浩一郎民主党衆院議員(NHKニュース)

 1993年初当選組は多士済々。細川・羽田内閣といきなり与党デビューでしたが、政権を失い、辛い思いをしました。そしてこの悔しさが、石にかじりついても政権(権力)の重荷を担うという責任感。そして、そのすべての判断は、有権者が選挙で決定するのだから、その準備ができるまでは、絶対に政権を投げ出してはいけないという心構えにつながっているのです。ただ、多くの人は重荷を担えず、消えていきました。岡田さん、俊美さん、恒三さん、ピンさんら強い人だけが残っています。

 新生党1年生議員で、最年少だった松沢成文さんは『僕は代議士一年生』という手記を出版しました。松沢さんは「僕たち新生党のエース、羽田孜総理が、わずか2ヶ月で退陣するのは無念に尽きる。だが、どういうわけか僕には敗北感がなかった」と書いています。しかし、現実は、この後15年間野党暮らしが続くわけで、この認識は国家国民のためには甘かったとしか言いようがありません。松沢さんは「国民の皆様にとっては、今回の政変は理解し難い茶番劇だったかも知れない。でも僕たち代議士1年生にとっては、時代の大転換期の嵐のようなものだった。その中で、僕は新しい政治をつくるためにもがき続けている」と心境をつづっています。そして、「翌30日の議員総会で、羽田党首(もう総理ではない)は、『街頭に出て、我々の理念と政策を国民に訴えよう』と相変わらずの調子で僕たちに語った。僕は7月1日、羽田党首とともに街頭演説に立つ。そして、政治家である限り立ち続ける」と書いている。それから17年間、ホントウにこの人は走り続けている。僕は松沢さんを尊敬しています。

 松沢さんが「代議士1年生」の1994年ごろは、「国会議員といっても全然贅沢なくらしではない」として、その一例として「僕は選挙区が川崎だから、毎朝駅頭をして、そのまま地下鉄で国会に向かいます。クルマじゃないんですよ。ただし、この無料パス。ホントウは使いたくないんだけど、国会議員はホントウに時間が少ないんで、切符を買う時間を節約するために、使わせてもらってます。すいません」、「今着ているスーツだって、仕立てじゃないんですよ。新宿の伊勢丹に行って、窓口から慶應の同級生を呼び出してもらって、社員割引で吊るし(既製品)を買っているんですよ」という趣旨の話をして、多くの聴衆がうなづき、自民党一党独裁政権から政権交代可能な政治で、大きく日本が変わったという感覚を持ったようです。そして国民の選択ではない「自社さ闇討ち政権」に先祖返りしていまい、1995年の第17回参院選で総得票数で自民党を上回った新進党も解党してしまいました。17年が経ち、わが国の経済状況をみると、昔日の感があります。


[画像]羽田孜さんと松沢成文さん

 新生党は「自立と共生」と掲げました。一部では、「自立は自由主義で自民党、共生は社民主義で社会党」と揶揄されたこともあるけど、そのベストミックスが政治の進む道であることは間違いありません。語順はあくまでも、自立、そして共生であって、世間というのは自立すれば、案外、共生できるものだ。「自立と共生」は、力のある人ならば、「先進と協働」へ進化させることができるでしょう。誰もがそうできるわけではないけど、走り続ける強さがある岡田さんや、松沢さんを尊敬するし、その背中を強く押せるように、僕も強い人間になりたいと考えます。政権交代は実現しました。「羽田総理」でもなく「羽田党首」でもなく「羽田先生」でもなく、「羽田さん」が、あまり演説は得意でないけど、その背中でしっかりと示していた、自立と共生、政治を国民の手に取り戻す動きの端緒はようやく見え出しました。

 「もう遅い」と嘆きたくもなりますが、もう1回あきらめずに、子孫に美田と林檎の木を残すためのチャンス。日本と日本人には十分に残されていると考えています。

【追記 2011-3-2(水) 11:10】

 衆院財務金融委員会が開かれ、渡部浩一郎・民主党衆院議員と同じ第40回・第45回当選2回生の「自称・新会派」の豊田潤多郎・民主党衆院議員が理事を辞任しました。後任には民主党1期生で小選挙区勝ち上がりの岸本周平委員が就任しました。

【追記おわり】


【関連エントリー】
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/s/%BE%BE%C2%F4%C0%AE%CA%B8

asahi.com(朝日新聞社):欠席の16議員に政権内から批判 民主、処分協議へ - 政治

 新年度予算案を採決した衆院本会議に民主党議員16人が欠席するという事態に、政権内からは批判が相次いだ。民主党は1日午後、処分を行うかどうか協議するが、厳しい処分に踏み切れば党内対立が一層激化しかねず、党執行部は難しい判断を迫られる。

 枝野幸男官房長官は1日午前の記者会見で「16人が意図的に本会議を欠席されたことは、国民から与党の一員として責任ある対応とは到底受け止められないだろう」と語り、厳しく批判した。与謝野馨経済財政相も会見で「国会議員は予算や法案の採決に参加することで機能を果たすべきだ。出欠で政治的意思を表明するのは正しいことなのか疑問だ」と指摘。海江田万里経済産業相も、二・二六事件を引き合いに「『今からでも遅くはない。すぐに民主党に戻れ』と(16人に)言いたい」と語った。

 民主党は1日午後の臨時役員会、常任幹事会で16人の処分を協議する。岡田克也幹事長は1日未明、国会内で記者団に「国会議員として最低限の責任を果たして頂けないのは残念だ。有権者に申し訳ない気持ちだ」と語るにとどめた。党内には「政党としては一定のけじめが必要になるのではないか」(玄葉光一郎政調会長)として、党員資格停止や離党勧告などの厳しい処分を求める意見がある。

 ただ、北沢俊美防衛相が1日、党内の結束を保つべきだとの立場から「ものがわかっていない人をやたら強い姿勢で処分することは必ずしも得策ではない。幼い子には、温かく教育してやることも大事だ」と語るなど、政権内には処分への慎重論もある。

時事ドットコム:甘い処分、批判相次ぐ=岡田氏「もう一度チャンスを」-民主

甘い処分、批判相次ぐ=岡田氏「もう一度チャンスを」-民主
 民主党執行部は2011年度予算案の採決を欠席した衆院議員16人について、渡辺浩一郎氏のみ党員資格停止とし、他の15人は厳重注意にとどめた。16人は小沢一郎元代表の処分に反発して同党会派の離脱に動き、予算採決でも造反。それでも、岡田克也幹事長が厳しい処分を下さなかったのは、党内の亀裂拡大を懸念したからだが、「甘過ぎる」と批判が相次いだ。
 1日午後の役員会。岡田幹事長が16人のグループ代表の渡辺氏だけを6カ月間の党員資格停止とする処分案を示すと、安住淳国対委員長は机をたたきながら「これでは示しがつかない」と反発。多くの出席者も「処分は甘い」と口々に訴えた。
 続いて開かれた常任幹事会でも「もう一段重い処分をすべきだ」「一律に全員同じ処分だ」との意見が噴出したが、結局は岡田氏の提案を了解した。「民主党は心優しい人が多いなあ」とベテラン議員は厳しい処分に踏み切れない執行部の対応を皮肉を込めてこう批判した。
 与党議員として最も重要な予算採決を欠席した渡辺氏らの行動は本来、厳罰が避けられない。枝野幸男官房長官は1日午前の記者会見で16人の処分に関し「党で厳しく処置すると確信している」と表明。前原誠司外相も「政権交代を期待した国民への反逆行為だ」と批判した。
 岡田氏は記者団に「彼らにもう一度チャンスを与えたい。処分するのは簡単だが、ここでもう一回考え直してもらいたい」と処分を軽くした理由を説明した。しかし、小沢氏系の16人が予算関連法案の採決で再び造反する可能性は高い。「今後こうしたことが起きれば、さらに厳しく対応する」と強調した岡田氏だが、党内対立拡大は避けられない情勢で、党運営には苦慮しそうだ。(2011/03/01-21:17)

「首都圏連合を強化」松沢知事が都知事選立候補を表明(朝日新聞) - goo ニュース

 神奈川県の松沢成文知事(52)は1日、東京都内のホテルで記者会見し、4月の都知事選に無所属で立候補すると正式に表明した。

 環境や医療態勢など都県を越えた広域的な課題を解決するため、東京、神奈川、埼玉、千葉の「首都圏連合」の強化を政策の柱に掲げた。羽田・成田両空港の連携強化にも意欲を見せた。また、公共的な施設を対象にした受動喫煙防止条例など、神奈川県で実施した施策に東京でも取り組む考えを示した。

[冒頭の画像]アフガニスタンを訪れた外相時代の岡田克也さん。朝日新聞・五十嵐誠記者撮影の写真。

tags 渡部恒三 ピンさん・石井一

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◎民主党が自己記録を更新 予算衆院通過で「結党以来13年連続で年度内成立」 

2011年03月01日 06時24分52秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 おめでとうございます。

 衆議院(横路孝弘議長)は、2011年3月1日の本会議で、菅直人内閣が提出した平成23年度の総予算3案(一般会計、特別会計、政府関係機関)を可決しました。日本国憲法60条は「予算はさきに衆議院に提出しなければならない」としたうえで「参院が衆院と異なった議決をし両院協議会を開いても意見が一致しないとき」や、あるいは「衆院が可決した予算を(参院が)受け取った後、30日以内に議決しないとき」には、「衆議院の議決を国会の議決とする」とあります。ですから、3月30日までに予算は成立しますので、年度内成立は100%確定しました。

 採決結果は、投票総数453、可とするもの「白票」295、否とするもの「青票」158。委員長報告通り可決されました。「3分の2」には7票足りませんでした。

 これにより、民主党は政党史に残る自己記録を更新しました。

 民主党は1998年4月の結党以来、つねに「フロントベンチ(政権政党か野党第1党)」に座っていますが、これで「結党以来13年連続13回目」の年度内成立となり、自ら持つ自己記録を更新しました。

 参考エントリー)2009年2月の野党時代に書いた【憲政ここに極まる】民主党が国会新記録樹立11年連続で年度内に予算審査をフィニッシュをご覧下さい。

 上記エントリーにもありますが、日本社会党がフロントベンチだった時代は、1956年度予算から1960年度予算まで5年連続で年度内成立させたことがあります。1961年の「4月1日成立」をおまけしても、1956年度予算から1965年度予算まで10年連続が最長でした。民主党は野党第1党で11年連続、政権の重荷を背負ってからも2年連続で年度内成立を実現し、結党以来13年連続13回目に記録をのばしました。

 民主党は、「対案路線」(前原誠司代表)など予算を人質に取らない姿勢で、健全野党として、役員会とは別立ての、影の内閣(シャドウ・キャビネット、NC)をつくって、国会論戦にのぞんできました。2003年通常国会の菅直人代表・岡田克也幹事長のころから、前半国会の3月までに予算の審査を終え、後半国会に一つのテーマをつくって政府・与党を攻める戦術を確立しました。例えば、2004年通常国会は「年金国会」として、徹底的に与党を追及。菅代表もアクセルをふかしまくり、ふかしすぎて、お遍路に旅立つ「未納三兄弟事件」がありましたが、その路線を継続した閉会後の第20回参院選で、民主党は結党以来初めての国政選挙(改選議席)第1党となり、自民党は結党49年目にして国政選挙(補選をのぞいて)第2党に転落しました。翌年の2005年通常国会は「郵政国会」として、与党・小泉自民党側に構図を描かれてしまい、第44回衆院選になだれ込み、大敗。翌年の2006年通常国会も、おそらく小泉自民党側の噛ませ犬だった、と私は推測していますが、「永田メール事件」で後半国会は自爆。しかし、2007年の後半国会はまたしても「長妻年金国会」を作り上げ、第21回参院選で逆転の夏に成功。そして、2008年通常国会は「ガソリン国会」「道路国会」「特別会計国会」と攻めて攻めて攻めまくり、通常国会後に、国交省道路局長は退職してしまいました。そして、2009年の通常国会は「政権交代国会」となり、7月21日に解散、8月30日の第45回衆院選で政権交代を実現しました。

 与党になると、やはり細川内閣の失敗の教訓から、予算審議を急ぎ、昨年も3月24日に成立。そして、与党で2度目の今回も年度内成立が確定しました。これにより、自民党のネガティブキャンペーン「民主党に政権担当能力はない」というのが嘘であったことが証明されました。

 そして、何より、野党時代の11年間に、健全野党、対案路線、政策オタクとして積み重ねた実績が政権交代につながったということは、野党・自民党、とくに参院自民党には十分に勉強して欲しいと思います。とにもかくにも、民主党の結党は間違いではなかった。その志の原点に立ち戻ったり、若手は過去のホームページで勉強していけば、民主党は必ず前に進めるはずです。大丈夫です。頑張りましょう。

 第177通常国会の衆院での予算審議は、けっしてひいき目でなく、「近年稀にみる極めて充実した審議」(委員会で討論に立った民主党の高邑勉さん)だったと思います。序盤から、マニフェストの「子ども手当の月額1・6万円(05岡田マニフェスト)→月額2・6万円(07小沢マニフェスト)への引き上げ」の経緯について、公明党の竹内譲さん、富田茂之理事らが攻めました。そして、野党はおそらく作為的だと思いますが、子ども手当について、およそ8大臣に答弁させ、「閣内不一致」ならぬ「閣内混乱」となりました。なお、序盤は頻繁に答弁に立っていた与謝野馨・税と社会保障相が、終盤はまったく答弁に立つことがなくなりました。政治というのは奥深いです。

 閣内混乱や苦しい答弁を救おうと、中井洽委員長が、うまく答弁をまとめさせて、流れをとぎれさせずに一気呵成に成立までなだれ込ませました。終盤には、自民党政調会長代理の鴨下一郎さんが、厚生年金の3号被保険者の国民年金への切り替え漏れの救済策について、厚労省と総務省の認識のズレをつきました。これについて、片山善博・総務大臣が「決定を留保する」という、行政経験者らしい危機管理で、先送りすることで、平成23年度予算の衆院通過を優先させました。ただ、地方一括交付金改め地域自主戦略交付金(内閣府所管)をめぐる片山さんの答弁には、旧態依然とした自治官僚的な発想が感じられ、失望を覚えました。

 予算審査中に16人が会派離脱届を出すというショッキングな出来事があり、党内外から菅政権の退陣論が噴出しました。その週明けの2月21日(月)のトップバッターには、菅グループの本多平直さんが元気一杯に総理を助け、「落選中どうやって食べていくか、というのが民主党における政治とカネの問題だ」と流れを斜め前に動かし、TV入りで大きくアピールしました。続く、村越祐民さんが、「草の根の志を持って総理になった菅さんだがが、総理として何をしたいのか伝わってこない」と奮起を促し、「4億円」という表現で、民主党の元代表・小沢一郎氏の問題からうまく総理を脱出させました。23日(水)にも、城井崇さんがわずか20分の持ち時間で「中小企業の新製品開発」と「入札改革」といった政策をコンパクトにまとめて質問し、民主党らしさを久しぶりにみせました。

 自民党では、金子一義さんが相変わらず野党になると切れ味がありました。平将明さんの衆院調査局の予備的調査を使った、天下り人事に関する質問は、野党ながらすぐに国益に資する指摘でした。公明党は8日の「社会保障の集中審議」に元厚労相の坂口力さんが試算を交えて公明党案と民主党案を比べて、「民主党マニフェストの年金部分は破綻している」と争点にしようとしたようですが、それよりも、富田理事、竹内さんの「子ども手当」についての、マニフェストの変遷をめぐる議論が、野党らしく「推論」も入れて組み立ててきたので、民主党内にも議論を呼びました。この議題は今後も続き、「平成23年度の子ども手当支給法案」と「児童手当法」の修正協議をめぐって、後半国会の名場面が出てきそうです。

 通常国会召集が1月24日(月)と例年より遅めでしたが、政府4演説と代表質問を経て、予算審議は1月28日(金)にスムーズに入れました。なぜか自民党・公明党・みんなの党・日本共産党はこの初日に欠席したのですが、まったく欠席戦術の口実がなく、1月31日(月)の午前中だけ与党は譲歩して、その午後から、審議スタート。予算を組んだメンバーである前国交大臣の馬淵澄夫さんが質問のトップバッターに立つという挑発的な走り出しでした。最初に野党に恩を売ったので、空転なしに2月28日(金)の午後11時6分可決、同7分散会というスムーズさでした。私は中井さんの裁きは良かったと思います。

 私がかねがね、財政と経済に弱いと思っていた財務大臣の野田佳彦さんですが、成長しました。気になった答弁は3つだけ。浅尾慶一郎さんの「なぜ09マニフェストにある歳入庁(国税庁と旧社会保険庁の合併)が実現しないのか」との問いに「番号制がないからだ」という趣旨の答弁をしました。ただし、このテーマでは最終日には軌道修正した答弁をしていて、野田さんのバランス感覚の良さを感じました。自民党1年生で元高岡市長の橘慶一郎さんの「赤字国債と建設国債の違いは何か?」との質問に、野田さんは「赤字国債も建設国債も借金として積もっていって後年度負担が残るから、なるべく抑えた方がいい」という趣旨の答弁をしました。これに対して、橘さんは「財政法の建て付けが違うので、私は赤字国債と(公共施設など長年使う公共財への歳出を、複数年度に散らすための)建設国債は性質が違うと考えています」と述べました。私は橘さんの説に賛同します。そして、最終日の集中審議の中で、自民党・伊吹文明さんが「歳入と歳出の違いは何か?」との問いに、野田さんが「歳出を裏付けるのが歳入です」と答弁すると、伊吹さんは「半分合っているが、半分違う」。伊吹さんは、「歳出は確定した支出額の限度枠だが、歳入はあくまでも見積もりに過ぎない」という趣旨の発言をしました。私はこれも先輩財務大臣に一日の長があると感じました。とはいえ、野田さんの答弁は十分に合格点だと考えます。

 与野党問わず、わが国の予算審議では「歳入」と「歳出」がごっちゃになった議論が多いです。これは全国会議員・全政務三役が気を付けて欲しいと思います。たとえば「マニフェストの埋蔵金」をめぐる議論でも、事業仕分けなどムダづかいの根絶は「歳出」であって、特別会計や公益法人の埋蔵金は「歳入」です。この混同が、日本の国会の予算審議のパフォーマンスを半減させていると感じます。もう少しよく、予算書を読みなさい!と言いたい。ところで、よく聞いていると、日本共産党もけっこう良い質問はしていますね。

 さて、ことしの衆院での予算審議を振り返って、MVPは誰でしょうか。私は、なんだかんだ言っても、中井洽・委員長だと思います。

 そして、「最も印象に残ったフレーズ賞」。これは、2月10日、午後2時頃の富田茂之さんの「小沢代表のときに選挙目当てでエイヤーと1万円上げて、2・6万円になったんじゃないかと思っていました」との発言。

 次に、“お疲れ様でした賞”はまさに当初の予想通りに細川律夫厚労相でしょう。

 そして、「陰のMVP賞」は、菅退陣論がうずまく朝に、「私や菅総理のように親から議席を受け継いだわけでもなく、大きな資産がある家でもない人間が政治家になって、『どうやって落選中食べていこうか』を歯を食いしばりながら政権交代を実現した。政権交代の意義は、私のように、菅さんのように、自民党とは違う体質のなかで頑張ってきたのが民主党であり、その象徴が菅直人だ」と語り、流れを押し戻した本多平直(ほんだ・ひらなお)さん、通称ヘーチョクさん。菅総理は、「それは個人のことではなく、私は私の30年間の経験で大きく変わったと感じている」と答えました。これまでの民主党では、渡部恒三・予算委員の得意技でしたが、渡部委員はことし登場することはありませんでした。渡部委員が予算委に登場するときは、実は民主党にとってはピンチのときなんです。そういう意味でも、中川正春筆頭理事、武正公一次席理事らことしのチームは、非常に完成度の高い運営ができたのではないでしょうか。

 総理がQTで「丸飲みできるような組み替え動議を出してください」と自民党に言いましたが、2月28日午後10時半、賛成討論に立った民主党新人の高邑勉さんは、武部勤さんら提出の自民党の組み替え動議をこう喝破しました。「自民党の組み替え動議は現下の経済情勢を『民主党不況』などと呼んで、溜飲を下げている場合じゃない!」

 与党らしい低姿勢と、民主党らしい攻撃性。各党各議員の個性がうまく溶け合った予算審議でした。その熟議の予算委員会を醸造したのは、審議が空転しなかったからの一事に尽きることは言うまでもありません。

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