【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

■重要なご連絡です。 近くブログ有料版を併設します

2009年10月12日 05時00分00秒 | その他


 秋の臨時国会(26日召集見通し)を前に、いくつか、個人的なご連絡をしておきたいと思います。

 補正予算の執行停止の積み増しに続き、15日には2010年度当初予算案の概算要求が締め切られ、各府省の政務三役は大変な忙しさ。神奈川県連、静岡県連は25日の参院補選必勝に向けて奮闘中。

 とはいえ、これからの2週間は、若干の休息期間です。

 この休息期間にいくつか私宮崎信行、ブログ・ジャーナリズムにおける新しい試みに踏み出しますので、ご連絡します。

 大前提の話です。私自身、政権交代のその先にあるもっと大きな目標である「日本における二大政党デモクラシーの完成」のために書き続けます。しかし、私としては政権交代後の取材方法や執筆について、(楽しく)試行錯誤している段階です。2年間ブログをやってきて学んだのは、ブログという媒体では、「試行錯誤するさま」を恥ずかし気もなくさらけ出す、ディスクロージャーすることが、読者からのご評価につながるということです。「歴史の証人」を自任する私が試行錯誤するさまが、政権交代のひとつの貴重な記録になると自負しております。

 そして、結論から申しますと、秋の臨時国会召集をめどに、「国会傍聴記by下町の太陽」の月会費制の有料版ブログを併設します。有料版のアドレス、詳細、登録方法、月会費などは追ってご連絡します。お願いしている業者は担当者、技術者とも突貫工事で準備を進めてくれています。

 こちらのgooブログ版も無料版として必ず残しますので、どうぞご安心のほどを(^o^)。これはなぜかというと、このgooブログ「国会傍聴記by下町の太陽」は複数の解析ツールを使って、連日「検索ワード数」、「ページごとの閲覧数」という貴重な情報を入手しています。具体的に言うと、私がアクセス数を稼ぎたければ、「選挙情勢の具体的な数字」と「福田衣里子」さんのことを書けば、一定のアクセス数が得られる。こういう知恵を入手しております。

 一方、新しい有料版にも、過去2年間のgooブログ版の過去エントリおよそ1800本の文章(テキスト)すべて及び画像の一部(私が撮影した写真、党本部・衆議院・参議院・政府・議員公式ウェブサイトの画像)をインポート(移植)します。

 今後、gooブログ無料版の過去エントリは、少しずつ非公開になっていきます。非公開になっているエントリを読みたい場合は有料版でお読み頂くことになります。また、新規エントリも有料版で先に公開し、無料版には時間差でアップすることになると思います。

 例えると、NHKの「日曜討論」「紅白歌合戦」は“サイマル放送”といって、テレビ向けに作成しながらも、同時に映像なしの音声がラジオでも放送されています。車に乗っている人はラジオで番組を楽しむことができます。「国会傍聴記by下町の太陽」も無料版も有料版も全く同じ(一部画像は除く)内容を“サイマル放送”しますが、有料版の方が早くエントリが更新され、また過去エントリも十分にご活用頂くことができるという次第です。

 ただし、これもまた試行錯誤が確実ですので、有料版も月ごとの登録者数が停滞すれば、無料版に出戻りするかもしれませんが、その節は、笑わないでください<(_ _)>

 この判断をするにあたって、政権交代後のいくつかの外的要因がありましたので、4つご説明します。

【①民主党内での当ブログの影響力が強くなりすぎてしまった】

 最近、民主党内とくに衆院議員・秘書内でこのブログの影響力が筆者の意図を超えて高くなってしまいました。私が書いたことがすぐに議員会館内で話題になり、そしてそれが新聞記事になっていく。このブログが単に情報の伝達だけでなく、民主党内政局を動かしてしまっているという実感があります。これは私にとって必ずしも本意ではなく、最近では、ブログでの議員の実名記載について、いささかのためらいを持ち、“自己規制”することすら出てきました。これは私にとっては不本意なことです。

 先週はこういうことがありました。私は国会閉会中は、あまり国会に出向かないのですが、それはいつものことなのですが、親友の国会議員が「『宮崎は、党内グループの件で俺の所に最近来なくなったのかなあ』と言っていたよ」と別の親友の国会議員からさりげなく電話をもらう出来事がありました。これは、ジャーナリストやブログ云々より、私の人生にとっても好都合ではございません。少し発言力を落としたいのです。

 今後有料版を併設することで読者数は減るでしょうが、安定したオピニオン・リーダーに発信したいと考えております。もちろん、獲得読者数が少なければ、無料ブログに軸足が戻ってくるでしょうが、これもまた試行錯誤のディスクロージャーとして温かく見守って頂きたいと思います。まあ、有料版は月ごとの契約になりますので、読者数が少なければ月末を持って終了するかもしれませんが、ご理解をお願いいただきますようお願い申し上げます。

【②政権交代後に既存メディアが民主党情報をどんどん発信してくれるようになった】

 私の本望です。が、当ブログは記者数などの物量ではるかに勝る既存メディアに対抗できなくなってきています。事前の予想通りですが、少し予想を超える状況にあります。全国紙に載る民主党記事はすべて目を通していますが、膨大なインプットの中で、いったい自分は何をアウトプットすべきか、書くべきか、迷いが生じています。

 その中で、既存メディアにない情報を雑報(ストレートニュース)として書くのもいいが、それよりも分析を交えた記事が求められてきているようです。この辺で私のジャーナリストとしての基本姿勢を転換する良い時期だと思います。まあ、具体的なところは、この辺はちょっとまだ考えがまとまってはいません。

【③外務省の記者会見の要件を満たせず、参加不可能になってしまった】

 外務省の大臣会見に参加し、質問しましたが、実はその後、外務省報道課から私のフリージャーナリストとしての実績に関する資料が「記者会見に関する基本方針」の要件を満たしていないとの連絡がありました。これについては、大臣室と報道課の間で、審議案件になっていたようですが、外務省報道課から正式に「記者会見に参加できない」との連絡がありました。

 まず、私はこのことを荒立てる気持ちが皆無であることをご理解ください。外務省報道課からは「要件の緩和について、宮崎さんのご意見があればちょうだいしたい」というていねいな対応がありました。「方針」に沿って、私が大臣会見に出たければ、既存メディアに2本の原稿を書く、日本人でも入会できる「特派員協会員」になるといった策があります。

 しかし、私の考え方としては、他者(社)が経営する媒体に原稿を寄せることがしがらみとなり、私の「表現の自由」が縛られることを危惧します。それほどまでに私は「自由」にこだわります。「特派員協会」は社交クラブの側面があるので、会費が高額です。それに、私は体一つでやっていますから、大臣会見の集中する火・金曜日は国会も朝9時から審議がありますのでフォローしきれません。大臣会見は各府省の全文起こしに任せて、国会で、大臣の所信表明や答弁をしっかり追いかけていきます。

 ブログ・ジャーナリズムの「速報性」への期待は、これも解析結果を見ると、落ちてきているようです。速報は既存メディアに任せ、解析結果・コメント・メールで私にご期待頂いている分析型の記事を増やしていきたいと思います。

 そして、有料ブログがある程度軌道に乗ったら、「一定の読者数がある有料ブログのブログ主」を記者会見出席の一つの要件に入れてもらうよう、外務省報道課に申し入れることを、現段階では漠然としたアイディアですが、考えております。

【④「選択2009年9月号」にあまりにもいい加減な引用をされた】

 既存マスコミに対して、当ブログは、どんどん参考にしてください、というスタンスで来ました。しかし、「選択2009年9月号」という雑誌で、「小沢秘書軍団」に関して、明らかに私のブログをそのまま書き写した記事が載っています。そのこと自体はいいのですが、まったく追加取材、独自取材の形跡がなく、事実関係がほとんど誤っています。この辺から、「無料版」における過去エントリの閲覧について、若干の制約をかけていく必要性を感じました。

 「選択」は会員制雑誌のなので原本は読んでいないのですが、ネット上の引用を信用すると、次のような記事が載っているそうです。

<1993年、小沢らが自民党を飛び出して新生党を結成したとき、早大の政治好きな学生たちのサークル「鵬志会」のメンバーが、勝手連的に「新生党学生部」をつくり政治の世界にのめりこんだ。こうした学生のなかから、小沢の眼鏡にかなった者が、深沢の私邸で書生をつとめるようになっていく。これが軍団の起源である>

 これは明らかに私のブログを参考にして書いた記述だと思われます。既存メディアへの引用歓迎とはいえ、全く追加取材なくでたらめを書いていい、とは申し上げておりません。

 1993年秋の「新生党学生塾」結成メンバーは鵬志会以外の大学生が過半数を占めました。たしかに鵬志会が“最大派閥”でしたが、新生党の短い歴史の中で代表幹事を務めた3人のうち、鵬志会からは、石川知裕・衆院議員を第2代代表幹事として出しただけで、発足時も解散時も代表幹事は他大生です。おのおのの鵬志会員も「学生塾」には一人の学生として参加していました。私も鵬志会幹事長と同時に新生党学生塾幹事を務めましたが、両組織の調整に苦労しながら、両組織とも円滑かつそれぞれが多くの会員数を獲得することができました。苦労した人間としては、もう少していねいな記事を「選択」にはお願いしたいところです。

 また、石川知裕君が小沢代議士の書生になったときには、両組織の運営の一線から退いた3年生後半で、小沢事務所に欠員が出たため、樋高さんとMさんが相談して、石川君をイタリア・レストランに呼び出し、書生になるよう説得したのがきっかです。書生に決まった後から、小沢さんに紹介されており、小沢さんが「鵬志会」「新生党学生塾」からスカウトしたわけではありません。

 さらに言えば、新生党議員の中では、小沢さんは異質な存在であり、羽田孜さん、渡部恒三さん、石井一さん、故・奥田敬和先生、北澤俊美さん、前田武志さん、畑英次郎さんそして岡田克也さんらは、みな小沢さんと袂を分かちました。ですから、新生党=小沢とのパラダイムで執筆しているこの記者は取材しないばかりか、「現代史」の教科書に載っている事柄に関する底深い知識のない三文ジャーナリストです。

 というわけで、いつまでも過去エントリを裸のままさらしておくのもいかがなものかと思う次第なのです。

【有料版月会費は1000円以内にする予定です】

 有料版ブログの月会費は1000円を超えない程度でプラットフォーム業者と相談したいと思います。また、業者のシステム上、決済はクレジット払いのみとなります。法人としてのご登録は難しいかと思いますが、個人として読者になっていただくことで、しがらみのないブログ・ジャーナリズムが可能になると考えます。

 手続きなどの見やすく簡単なご案内文はこれから作成します。登録月は課金されませんので、課金は12月以降になると思います。この不況下に心苦しいお願いですが、この時機にスタートして、秋の臨時会→予算・税制編成→通常国会(150日間)→夏の参院選と進んでいきたいのです。

【読者とブログ・ジャーナリストの新しい関係をめざして】

 今回の私の試みに関しては、現在奴隷のように働く既存メディアの社員記者も注目してくれるでしょう。「ジャーナリストと読者の全く新しい関係」というビジネスモデルを構築できれば幸いです。それまでは、既存メディアの社員記者の先輩、同期、後輩のみなさん、だれにも負けない「専門」を作ってください。読まれるブログとは、「専門への特化」です。これもまた「解析」の結果で明らかになっていますo(^-^)o

 きょう、ご案内した内容は暫定版ということで、ご了承くださいm(_ _)m


新・税制調査会がスタート 代表なくして課税無し

2009年10月10日 15時51分34秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 新・税調が8日、スタートしました。

 「税制調査会(会長・藤井裕久財務相)」は26人の国会議員だけで議論します。会合はネット中継されることになりました。会合は(火)、(木)の午後1時半~3時(国会開催中は午後5時以降)。(金)を予備日とする。11月後半から年末まではほぼ毎日の開催となりそうです。

 内閣府の次のページから、リアルプレイヤーで見ることができます。 
http://www.cao.go.jp/zei-cho/chukei/chukei.html

 これまでの政府税制調査会(香西泰会長)と民主党税制調査会(藤井会長)は廃止されました。

 初会合で、来賓である鳩山由紀夫総理は「これまでは、ややもすると党税調の方が強かった」「議員だけで構成するのは画期的だ」としました。26人の議員に向かって、「税こそが政治家が議論しなければならない最大のテーマだ」とハッパをかけました。

 藤井会長は「(来年度)予算の方は年内編成をするとハッキリ打ち出していますので、その側面である税制についても年内編成である、という認識でよろしくお願いします」と述べました。当たり前のことですが、今までの税制審議ではなあなあになっていた部分なので新鮮さを覚えました。

 国会議員だけで議論することも画期的ですが、国税と地方税を対等の立場で議論することも画期的で、今後の地域主権に大きく影響していくことが予想されます。

 地方税を担当する総務省の原口一博大臣が会長代行、渡辺周副大臣が企画委主査代理、小川淳也政務官が企画委事務局長代理とそれぞれ、財務省政務三役とコンビを組みます。

 原口総務相が「この歴史的な一瞬に鳩山総理、(民主党の)同志のみなさんと立ち会えたことを誇りに思います」というあいさつは、まったく大袈裟ではない。

 税制の企画については、国税を財務省主税局、地方税は総務省自治税務局が分け合っています。この国税と地方税をめぐる綱引きは、旧大蔵省・旧自治省時代から“50年戦争”と呼ばれてきましたが、やはり財務省の方が強く、国税の偏重を招きました。

 一つの例があります。自治官僚出身者でただ一人、大蔵大臣になった人がいます。村山自社さ内閣の武村蔵相です。霞が関の“掟破り”の人事の果てに、どこの雑誌だか知りませんが、横文字の雑誌で、「今年の“世界大蔵大臣ランキング”で日本のタケムラがワースト1位になった」ことがあります。各新聞に囲み記事がりましたが、これは大蔵省の官僚が記者にリークしたに違いないでしょう。この年以降に「世界大蔵大臣ランキング」なんて聞いたことありませんからね。

 話を戻しますと、国が税金を徴収し、地方にお金を配る今の“国のかたち”では、中央集権も天下りも無くなりません。会合で、原口総務相は「まさに税というものは、国と地方のあり方、国のかたちを決める根幹であります」と言いました。

 税調の企画委主査の峰崎直樹・財務副大臣は事務連絡で、

 ①議論は全員が参加するが、運営など重要事項は企画委員会が議論する
 ②司会は、国税の案件は峰崎財務副大臣、地方税の案件は渡辺総務副大臣。
 ③各府省の国会提出法案で、税制が関係する場合は事前に税調に連絡する。
 ④税制改正要望は各府省の副大臣が10月30日までに税調に提出する。
 ⑤粗特見直しについて、各府省は11月中旬までに論点をまとめて提出する。

 と連絡しました。

 この後の、質疑応答で、さっそく面白いやりとりが出ました。

 「税調に属する議員以外への情報の周知徹底はどうするのか?」と質問が出ました。峰崎主査は「各府省の政策会議で説明して欲しい」としながらも、「財務・総務副大臣から全議員にこういう方針で進めますよ、という周知徹底の場は必要かなと思っている」と付け加えました。

 すかさず、原口総務相が発言を求め、「かつての『依存と分配の政治』では党税調が重要だった。党の議員のみなさんにつまびらかに説明するということと税調で議論することはまったく別だと思っています。自民党税調のようなものをつくってはいけない」と念を押しました。

 増子輝彦・経産副大臣は「そうしますと、この税調にかかわっていない議員のみなさんの考え方や意見というのは、各省の政策会議をそれぞれ通して、まとめてこい、という理解でよろしいでしょうか」と確認すると、峰崎主査は「その通りです」と応じました。

 さて、イギリス国民たちは、国王が身勝手に税金を課さないよう、国民の代表が議論する権利を国王に認めさせました。これが国会の誕生であり、議会の発明です。

 「代表なくして課税無し」は税制の基本であるばかりか、国会および政治にとって、最大の存在意義です。

 新・税調は、まずは粗特(租税特別措置法)の透明化や、これも粗特法で定められているガソリン税(揮発油税)の暫定税率の撤廃、中小企業減税などを議論していくことになります。

 ◇

【税制調査会委員名簿】

会長
 財務大臣 藤井裕久○

会長代行
 総務大臣 原口一博○
会長代行
 国家戦略担当大臣 菅直人○

企画委主査
 財務副大臣 峰崎直樹○
企画委主査代理
 総務副大臣 渡辺周○

企画委事務局長
 財務大臣政務官 古本伸一郎○
企画委事務局長代理
 総務大臣政務官 小川淳也○

委員
 財務副大臣   野田佳彦○
 総務副大臣   内藤正光○
 財務大臣政務官 大串博志○
 総務大臣政務官 階 猛○
 内閣府副大臣  古川元久○
 内閣府副大臣  大塚耕平
 内閣府副大臣  大島 敦
 法務副大臣   加藤公一
 外務副大臣  武正公一
 文科副大臣 中川正春
 厚労副大臣 長浜博行
 農水副大臣 山田正彦
 経産副大臣 増子輝彦
 国交副大臣 馬淵澄夫
 環境副大臣 田島一成
 防衛副大臣 榛葉賀津也
 国家公安委員長 中井 洽

オブザーバー
 社民党政審会長 阿部知子○
 国民新党政調会長 下地幹郎○

(注)○は企画委員会のメンバー。


小沢執行部スタート、党本部は参院ベテラン重視の布陣に

2009年10月08日 20時32分21秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏

 民主党の小沢一郎幹事長は7日記者会見し、役員会メンバーと幹事長室メンバーを発表しました。小沢さんは鳩山由紀夫代表(総理)から任されたとして、鳩山さんには相談せず、輿石東参院議員会長と相談して決めたと述べました。政府と党の一元化をめざす小沢さんの国会改革の思想が感じ取れました。

 読者の方からコメントもいただいていますが、参院選での単独過半数を絶対的な目標として、この執行部が責任を持つ、だめなら7月末に総退陣する、というハッキリした布陣として評価すべきかも知れません。

 メンバー発表後はしばらくためらいましたが、小沢さんとしては党本部は第22回参院選を勝つというワンテーマに絞った闘う集団にしたと考えられるでしょう。

 連合出身者が総評系に偏っている、副幹事長に側近が多いという問題点があると思いますが、いずれにしろ、無役の議員も、来夏の参院選後には内閣改造があるでしょうし、9月には代表の任期切れを迎えますから、内閣や党執行部入りのチャンスはまだまだあります。

 一部報道で「5月の代表選で鳩山候補に投票しなかった人が遠ざけられた」との観測があります。そこで、現時点で、内閣、国会、党の役職が決まっていない「無役」の国会議員を書き出してみたところ、衆院では14回生~4回生までおよそ24人、参院では4回生~2回生までおよそ12人いるようです。この中にも、衆院4回生の黄川田徹さん、参院2回生の岩本司さん、森裕子さんら小沢さんに近い議員も含まれています。特に衆院では、鳩山グループ(実現する会)の中堅クラス、特に捲土重来組が人材としてダブついている印象があります。

 入閣した中井洽さんが務めていた「常任幹事会議長」の後がまですが、党規約第8条8項で「常任幹事会議長は、国会議員の中から代表が選任し、大会または両院議員総会の承認を得る」となっていますので、国会召集日前後の両院議員総会の場で鳩山代表が発表することになるのではないでしょうか。

 佐藤泰介・財務委員長は来夏の参院選に出馬せず引退することを表明しています。2010年の民主党予算は200億円規模になります。1月~12月に執行し、2011年3月31日までに総務省に政治資金収支報告書や政党交付金使途等報告書を提出することになります。最後までやるのか、途中で引き継ぐのか分かりませんが、民主党本部の200億円は公金です。例えば、党本部の実力者が我が物顔で現金を配ったり、副幹事長の親戚が経営する自動車整備会社に優先的に発注したりすることがないよう、もう引退するのなら怖い物がないのですから、しっかり睨みを利かせて、参院選でバシッと気持ちよく使って欲しいと思います。
 
【役員会】
幹事長
 小沢一郎(岩手4区・14期)
幹事長職務代行
 輿石 東(参院山梨・2期・改選)
財務委員長
 佐藤泰介(参院愛知・2期・改選→引退表明)
選挙対策委員長
 石井 一(参院比例・1期・非改選)
広報委員長国民運動委員長
 小川敏夫(参院東京・改選)
総務委員長
 奥村展三(滋賀4区・3期)
組織委員長企業団体委員長
 細野豪志(静岡5区・4期)
参院幹事長
 高嶋良充 参院比例・改選)
国会対策委員長
 山岡賢次(栃木4区・5期)
参院国会対策委員長
 平田健二(参院岐阜・3期・非改選)

【幹事長室】
幹事長
 小沢一郎
幹事長職務代行
 輿石 東
筆頭副幹事長
 高嶋良充
副幹事長
 伴野 豊(愛知8区・4期) 
 細野豪志 
 生方幸夫(千葉6区・4期) 
 吉田 治(大阪4区・4期) 
 阿久津幸彦(東京24区・3期)
 樋高 剛 (神奈川18区・3期) 
 青木 愛 (東京12区・2期)
 一川保夫(参院石川・1期・非改選)
 広野允士(参院比例・2期・非改選)
 山根隆治(参院埼玉・2期・非改選)
 今野 東(参院比例・1期・非改選)
 富岡由紀夫(参院群馬・1期・改選)
 佐藤公治(参院広島・1期・非改選)

 ※期数は現在所属の院で当選回数のみ

民主党ニュース:小沢幹事長が役員会メンバーを発表 記者会見で


衆院国交委員長、「臨時国会で補正凍結を審議」との方針示す

2009年10月08日 13時19分39秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 衆議院(横路孝弘議長)の川内博史・国土交通委員長は、8日のテレ朝番組「ワイドスクランブル」で、2・5兆円~3兆円の補正予算の執行停止について、第173臨時国会の国土交通委員会で審議したいとの考えを示しました。

 国交省政務三役(チーム前原)は、2009年度第1次補正予算のうち、8875億円を執行停止する案をまとめています。

 これについて、川内委員長は「8875億円という金額だけでなく、中身を知りたい、(国交委で)議論したい」と述べました。

 鳩山総理は2009年度第2次補正予算案を来年の第174通常国会に提出する考えを述べています。この場合、「補正凍結」を閣議決定しても、国会に減額補正の予算書が示されるのは来年1月~2月ということになります。そうすると、秋の臨時国会には、予算案・法案がないので、「補正凍結」については、大臣所信表明演説に対する一般質疑を利用する以外には、議論できない、ということになる可能性が濃厚です。

 ですから、通常国会に審議を先送りすると、衆院の各常任委員会は1月~2月末日の短期間に「今年度の減額補正→来年度の当初予算案」を審議しなければいけないことになります。これからは副大臣や政務官も答弁に立ちますから、審議日数は確保しやすくなりますが、委員会の“審議の流れ”の作り方が難しくなると予想されます。

 川内発言は、秋の臨時国会のうちに、2兆5000億円~3兆円に及ぶ執行停止の内容について、各常任委員会で議論した方がスムーズな国会運営が図れるとの逆算に基づく発言だと思われます。

 川内さんは「自民党より前に民主党が審議する」と述べました。これは「民主党政権vs民主党議員」が国会をリードすることで、来夏の参院選に向けて、民主党主導の政局を持続したいとの思惑も透けて見えます。

 スタジオ内の出演者から「民主党には、ゴタゴタも含めて、より一層、国民に情報公開してほしい」との声が上がると、川内委員長は「(国会審議で)数字を出していくことで、国民のみなさんに公共事業とはどういうものか、知っていただきたい」と述べ、全国民に開かれた国会を使うことで、民主党の世直しを広くアピールしたい、との考えを強調しました。

参院補選(神奈川・静岡)告示、10月25日投開票

2009年10月08日 10時56分27秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
[写真]10月25日投票の参院補選の民主党公認・国民新党推薦の金子洋一候補(神奈川)=左、と土田博和候補(静岡)

 政権交代後初の国政選挙となる、参院補欠選挙がきょう(8日)告示されました。補欠選挙は憲法第7条「天皇の国事行為」ではないので、「公示」ではなく、「告示」と言います。

 民主党公認・国民新党推薦では、神奈川選挙区は元内閣府職員の金子洋一候補(47)、静岡選挙区では医療法人理事長の土田博和候補(59)が立候補を届け出ました。自民党、日本共産党、幸福実現党も立候補しています(各党の候補者名は下の新聞記事でご確認下さい)。

 神奈川・静岡は東海道沿い箱根の関所を挟んで隣り合う地域。補選はいつも組織の闘いですから、しっかりていねいに力を結集して2勝したいところです。両方勝てば、民主党会派は120人となり、民主党に近いとされる無所属(沖縄の糸数さん、東京の川田さん)2議員を加えると、122議席となり、社民党(5議席)を除いても、参院過半数に達します。民主党・国民新党・新党日本で参院過半数ということで、連立を組む社民党への気兼ねから党の責任ある立場の人は、言いづらいのですが、ここはやはり2勝したい。

 任期は来夏までと短く、当選者は第22回参院選に再び臨まなければなりません。

 神奈川は定数3で千葉景子法相も改選を迎えますが、民主党は結党以来2議席をとってきていますから、オール神奈川で力を結集したいところ。とくに日本の高度成長・安定成長を支えてきた「官庁エコノミスト」は民間枠で数人閣僚になっていますが、国会議員は少ないと思います。私の知る限りでは、経済企画庁出身の国会議員というのはいなかったと思います。金子洋一さんは当ブログにもリンク・コメントをよくいただいておりました。ぜひ金子さんの背中を押していただきたく存じます。

 定数2の静岡選挙区は、来夏、藤本祐司・国土交通大臣政務官も改選となります。藤本後援会の方は「複雑な心境だ」というところでしょう。が、自民党候補は日本医師会出身の元比例代表議員の息子です。まさに55年体制を象徴する元参院議員の世襲です。一方、民主党候補は他県出身ながら、静岡でお医者さんをやり、医療法人を設立した人ですから、医療改革の即戦力。日本の進路を占う分かりやすい対立軸が示された選挙です。静岡県は今年大型選挙が集中し、かなり選挙疲れがあると思います。私もこの1年、たびたび静岡県を訪問し、遊説やポスティングのお手伝いもしましたが、政治意識(民度)の高さに感心することしきり。日本一かも知れません。ぜひ選挙イヤー、歴史に残る政権交代「2009年」の締めくくりとして、社会保障のあるべき道筋を投票で全国に示していただきたいと思います。

asahi.com(朝日新聞社):参院補選告示 神奈川、静岡に各4人立候補 - 政治

 鳩山政権誕生後、初の国政選挙となる神奈川と静岡の参院補欠選挙(被選挙数は各1)が8日、告示された。両選挙区にそれぞれ4人が立候補を届け出た。いずれも25日に投票、即日開票される。

 民主は神奈川で元内閣府職員の金子洋一氏(47)、静岡で医療法人理事長の土田博和氏(59)を立てた。

 自民は神奈川で元横浜市議の角田宏子氏(42)、静岡で大学非常勤講師の岩井茂樹氏(41)が立候補を届け出た。

 共産は神奈川で元赤旗記者の岡田政彦氏(43)、静岡で元衆院議員の平賀高成氏(55)を擁立。

 幸福は神奈川で党役員の加藤文康氏(47)、静岡で党役員の矢内筆勝氏(48)がそれぞれ立候補を届け出た。

 公明は両選挙区とも自主投票にする方針。

 今回の補選は、神奈川選挙区で民主の浅尾慶一郎前参院議員(現・みんなの党衆院議員)が8月の衆院選に立候補し、静岡選挙区で自民の坂本由紀子前参院議員が7月の知事選に立候補したことに伴い、実施される。任期は来年夏の参院選まで。


参院民主党は高嶋幹事長 輿石会長、総評で固める

2009年10月07日 13時12分09秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 少し、遠慮がないのではないでしょうか。

 参院会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」は6日、ホテル小涌園という大衆的な場所で研修会を開きました。

 この場で、輿石東会長が参院執行部の新体制を発表しました。幹事長に高嶋良充さんを指名しましたが、この人は(旧)総評系産別「自治労」の書記長だった人です。

 参院議員会長は通常国会終わりの6月に選挙をしていますが、昨年は他に立候補者がいなくて輿石さんが再選しています。輿石会長が総評系の日教組、高嶋幹事長が総評系の自治労ということで、総評コンビで固めたことになります。おそらく参院民主党の歴史で、会長と幹事長が総評で占められたのは初めてではないでしょうか。

 そして、(旧)同盟系のUIゼンセン同盟の平田健二さんは参院国対委員長に、コンビを組む参院議運・筆頭理事に同盟の自動車総連(日産労組)の池口修次さんが就きます。議運・国対は同盟コンビが責任を持つことになりますが、これでは「同盟が餅をつき、座りしままで食うは総評」ということになりかねない。

 自治労は前回参院全国比例で50万票をとりましたから、この論功行賞で、参院選シフトなのでしょうが、来年の通常国会は3年に1回来る「延長できない通常国会」です。与党として法案審査をするのですから、来年6月辺りの参院はトコロテン方式にどんどん法案を可決しなければいけない状態になると思います。参院執行部の意思疎通は欠かせません。ここで会長・幹事長を総評で固めてしまうとは、輿石さんも遠慮がなさすぎるのではないでしょうか。

 「総評か、同盟か」というのは、派閥力学の問題ではありません。「ノリ」が違うのです。これは実は根深い問題です。日教組は都道府県職員である公立学校の教員、自治労は地方公務員・社保庁職員が作っていますから、ともに公務員で、身分は安定しています。

 一方、ゼンセン同盟は東レやイオン、武田薬品工業、三陽商会、丸大食品という日本の繊維産業および第三次産業の働く仲間を網羅しています。自動車総連はトヨタ本社正社員に限らず周辺産業第一次産業の工員、第三次産業としては新車ディーラーの営業マンはおろか、カーリースの社員だって組合員です。

 参院議員として代弁すべき出身母体の働く仲間が違えば、政治家としての行動様式が違うのは当然。民主党・新緑風会の118人全員の力を引き出せる人事配置とは思えません。輿石会長に遠慮がみられないのは残念なことです。


防衛相が情報公開 空自のイラク空輸「米兵が67%」

2009年10月06日 08時31分32秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

[写真]「黒塗りの資料では議論のしようがない」2007年11月12日の衆院テロ対策特別委員会で政府・与党の情報隠しを批判する民主党の松野頼久さん

 6日付東京新聞によると、防衛省が情報公開請求に基づき、空自のイラクでの空輸活動を開示しました。情報公開請求したのは岐阜県の女性で、過去6回、「週間空輸実績」の公表を求めたところ、期間と運行日数のみで、他の情報は「黒塗り」で開示されていたそうです。3回にわたる異議申し立ては却下され、7月の異議申し立てについて、政権交代後の9月24日付で、北沢俊美防衛相が「現時点で不開示とする理由がない」と通知し、全面開示したそうです。

 内容は空自のC130輸送機が運んだした2万6000人のうち、米兵は1万7000人で67%を占め、他国の軍も含めると、71%が兵士でした。国連職員は2500人と1割弱で、自民党政権の「人道復興支援をしている」との説明と大きくイメージが違うものであったことが明らかになりました。

 冒頭に掲げた松野頼久・現官房副長官の写真は、海自がやっているインド洋の給油活動延長特別措置法案の衆院委での総括質疑のときのものです。空自のイラクでのオペレーションとは違いますが、海自のインド洋の補給も、海や陸を通じてイラクまで流れている可能性が高く、国会としては関連づけて議論すべき材料でした。

【国会傍聴記】“黒塗り”資料のまま、新テロ特措法、衆院委通過
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/51aed61d03072f1bd2247f723a8c4ac7

 当ブログ内上記エントリーから引用しつつ振り返ると、

 福田首相が出席しての与野党2時間の締めくくり総括質疑で松野さんは、「合計794件の給油活動で何をしたか。オペレーション(軍事作戦)の情報を出してください」と福田首相、町村官房長官、石破防衛相に最後のお願いをしました。

 そして防衛省が民主党に提出した文書をパネルで見せました。

 「黒塗りだらけの文書。これだけの情報で、どうやって賛成と反対を考えろというのですか」。

 石破防衛相は「船(の活動)は我々(海自)だけでやっているのではない」とかわしますが、

 松野さんは「米海軍は活動実績をどんどんホームページに出している。米はどんどん公開して、感謝の念を持つという文化が根付いている。自衛官の必死の活動
は黒塗りにしなければ出せないのか
」と訴えました。

 松野さんは「海自の給油実績を出せ」と言っているわけですが、「空自の輸送実績を出せ」という話も、同じ大陸とその周辺海域の話ですから、根は同じです。

 このような情報が黒塗りで隠蔽されたまま、国会審議が進み、空自のイラク、海自のインド洋の活動の根拠が作られ、大臣命令が発せられていたのですから、薄ら寒い気がします。このような状況で、海外に出る自衛官も、仮に事故があったら、と考えると、報われないと思う。

 松野質問に戻ります。この後、午後3時5分に深谷委員長(自民党)が「質疑の終局」を宣言し、与党・自公の賛成多数で、法案は可決し、衆院本会議に送られました。可決。そして、参院に送付されましたが、外交防衛委員会での審議は政府側から見ると難航し、石破防衛相はついに海自の一時撤収に追い込まれます。このときの参院外交防衛委員長が北沢俊美・現防衛相です。

 情報公開(ディスクロージャー)は民主主義(デモクラシー)のスタートです。実は外交防衛委員会を傍聴していて、「30歳代の防衛官僚はすでに民主党議員のところに話をしにきている」という大久保勉さん(参院福岡)の話を聞き、当時の石破防衛相が否定しなかったことに大変驚いたことがあります。各府省でも、“情報隠しと抱え込み”に悩んでいる官僚は多いと思います。どんどん情報を出してやれば、若手官僚は仕事がしやすくなると思います。

 そういう意味では、2009年補正予算の執行停止も、補正予算書をインターネットで公開し、国民注視の上で洗い出した方が民主党閣僚たちの負担も楽になると思うのですが、どうでしょう。官邸の中というのはなかなか見えないのですが、副長官の一人はそう思っていると期待しているのですが・・・

tags 北沢俊美(北澤俊美)防衛大臣


25%削減にTOYOTA社長が“アクセルGO” 国民75%支持

2009年10月05日 13時58分51秒 | 岡田克也、旅の途中


[写真]トヨタ自動車の豊田章男社長(日経新聞の写真をトリミングさせていただきました)

 10月5日付読売新聞に世論調査(電話RDD、10月2日~4日)の結果が出て、一つ驚くべき数字がありました。

 民主党マニフェストに盛られた5つの政策への賛成-反対が載っていました。

 項目          賛成(%)-反対(%)
 子ども手当       57-39
 高速道路無料化    26-69
 インド洋給油終了    48-37
 温暖化ガス25%削減 75-19
 八ツ場ダム中止     44-36

 となっております。第45回総選挙の民主党得票率は小選挙区47・4%、比例42・4%で、野党(自公共)に投票した人や棄権した人も世論調査の対象になってきますから、ある程度の厳しい数字はやむを得ないところです。

 しかし、「温暖化ガスを2020年までに1990年比で25%削減する」という地球温暖化(気候変動)への対応の枠組みについては、ナント75%が賛成、19%が反対、6%が「答えない」ということで、とても大きな支持を集めています。

 気候変動サミットや国連総会で鳩山由紀夫総理が「25%」を国際公約したときには、国内でかなりの批判があったように感じていたので、かなり意外。

 これに先立つ3日付日経1面は、トヨタ自動車の豊田章男社長が2日の講演で、“25%削減”について、「ブレーキをかけるのではなく、アクセルを踏んでいく」「社内で現在、スタディー中だ」「電気自動車や燃料電池車などの投入を考えざるを得ない」と前向きに取り組んでいく考えを示しました。

 

 豊田社長は、鳩山政権が「どういう施策を探ると実現できるかを検討している」として、政府との意見交換が必要との認識を示したようですが、さすがは世界のTOYOTAと思わせる発言も。

 「自動車業界は100年に1度の変革が求められている」

 「顧客が何を欲しがっているかをとらえ、技術を安く提供できる会社が

 今後の100年を生き抜いていける

 「正直、今は勉強中だが、

 鳩山首相が国連総会の場で発言しただけに、我々としても一生懸命やっていく

 100年前、「TOYOTA」の名前を知っている人が世界に何人いたでしょうか。豊田章男さんは豊田家の4代目、自動車創業後は3代目になりますが、100年先を見るトヨタ・スピリッツの継承を感じます。

 私は昨年2月4日付のエントリー(http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/6f06e19c7c9f37230f12d77c6d60c7fd)で、

(上記エントリーから引用はじめ)

トヨタマンは「イエス or ノー」を迫られると、「イエス」としか言わない傾向があります

(引用おわり)と書きました。

 これは、引退した伊藤英成・初代政調会長直嶋正行前政調会長=現・経産相らトヨタマンの民主党議員を見て感じたことです。

 日本で生まれた世界のトヨタが、「人へ。社会へ。地球へ。」というかつてのキャッチコピーを体現するかのように「25%」に舵を切りました。

 5日付日経7面には、きょう(5日)から日本を訪れる英国のマンデルソン民間企業・規制改革担当大臣という人に、現地(ロンドン)でインタビューした記事が載っています。マンデルソン大臣は「温暖化ガスの排出の削減の過程で新たな技術や新市場が生まれる」として、負担だけでなく経済的なメリットがあると強調しています。

 エコカーや太陽電池(太陽光発電)をはじめとした省エネ技術では、日本は世界でトップ、ここ数年でドイツに一気に抜かれましたが、なお世界第2位の地位にあります。

 それなのに、大手製造業の社長らが構成する「経団連」が反対する。政権政党、国民、地球、そしてTOYOTAが「25%」に舵を切ったのに、経団連が反対しているという構図には、「ものづくりハイテク日本もここまで落ちたか」と嘆息せざるを得ない。

 「25%」が日本に新しいビジネスチャンスをもたらすことを理解できないサラリーマン社長は経団連から去れ、今年末には経団連会長の任期切れに伴う次期会長が内定するようですが、「25%反対」の経営者が会長になるようだったら、もはや経団連などいらない、日本の成長戦略の阻害要因だといってもいいのではないか。日本商工会議所や、経済同友会があるんですから、経団連の歴史的使命も自民党の一回休み(野党転落)とともに大きく揺らいでいるとしかいいようがありません。

 エコは一人一人の心がけというという認識は国民全体に広まりつつあり、私たち日本人は誇りに思って良いと思います。しかし、省エネ技術の発達に関しては、国民一人一人がどうこういえる問題ではない。自民党政府は、「一世帯あたり年間38万円の負担増になる」との試算を出しています。私には、「38万円の内需創出」ということで例えば電気工事業の人の仕事は増えると思うのですが、岡田克也外相、福山哲郎外務副大臣らが試算見直しを公言していますので、その作業に注目したいと考えています。

 鳩山総理が国際公約にしたことで、国内での「25%」の動きが加速してきました。この動きに逆行することは難しい。そして、その動きに真っ先に手を挙げたのがTOYOTAだということに、大手製造業、金融業のサラリーマン社長は刮目すべきだと思います。
  
NIKKEI NET(日経ネット):企業ニュース-企業の事業戦略、合併や提携から決算や人事まで速報

CO2削減「アクセル踏む」 トヨタ社長
 トヨタ自動車の豊田章男社長は2日、日本記者クラブで会見し、政府の温暖化ガス削減目標について「(政府が)どういう施策を採ると実現できるかを検討している」と述べ、政策などへの要望を行っていく考えを示した。鳩山新政権が温暖化ガスを2020年までに1990年比で25%削減することを目指すのに対し、企業が排出量を減らす場合の優遇措置などで政府と意見交換する意向とみられる。産業界では25%の削減目標は厳しいとの見方が増えているが、今後達成への具体策についての議論も広がる可能性がある。

 豊田社長は「(政府が打ち出した目標に)ブレーキをかけるのではなく、アクセルを踏んでいく」と表明。実現に必要な策を「社内で現在、スタディー中」だと語った。“脱石油社会”の到来は避けられず「電気自動車や燃料電池車などの投入を考えざるを得ない」とし、商品化を進めるハイブリッド車だけでなくあらゆる種類の環境対応車の開発・普及を加速させる方針を強調した。(02日 22:21)


第173回臨時国会は10月26日召集で調整 会期は40日間程度

2009年10月02日 10時16分41秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導

 民主党の山岡国対委員長、三井辨雄国対委員長代理らは、平野官房長官、松野官房副長官(衆院)らと第173臨時会(秋の臨時国会)を10月26日(月)に召集する方向で調整しているようです。会期は40日間で調整中のようですが、会期延長の可能性もあります。臨時国会は2回まで延長できます。民主党は与党ですから、延長しないで、しっかり法案を仕上げる覚悟で臨まなければいけません。

 10月8日告示・25日投開票の神奈川・静岡の参院補選(当選者の任期は来年7月まで)に関係議員の力を集中させると同時に、鳩山内閣は補正予算のムダづかいの洗い出しなどの突貫工事を優先させるという考えだと思います。

 「10月26日召集」とすると、26日(月)に鳩山総理の所信表明演説、野党から質問通告を受けて答弁を準備する中日を入れて、28日(水)午前中に衆院での代表質問①日目、29日(木)に参院での①日目、衆院での②日目、30日(金)参院での②日目というスケジュールになるのが一般的です。

 11月2日(月)から本格的に法案審議も始まるでしょう。仮に2009年度(平成21年度)第2次補正予算案を提出した場合、11月第1週は衆参の予算委員会に閣僚がかかりっきりになり、その後も各委員会での大臣所信表明への一般質疑があって、中旬からようやく内閣提出法案の審議が始まる格好になりますから、相当窮屈なスケジュールです。補正予算の提出はないのではないか、と予測しています。

 来年1月召集の通常国会(会期150日以上)に先送りできる法案と、年内に成立させなければいけない法案をしっかりと仕分けしないといけません。長妻厚労相が「日本年金機構の2010年1月発足を容認」したのは、初めは驚きましたが、賢明でしょう。

 きのう(10月1日)、日銀短観が出ました。新聞では「2期連続回復」という見出しでしたが、大企業製造業で「マイナス33」ですから、「良い」が33%、「悪い」が66%でマイナス33だと思います。景気を引っ張る基幹産業(例えば鉄など)の景気判断は悪く、年内の企業主導の景気回復は厳しい状況だと思います。次の日銀短観が出るのは12月15日ですから、きのうの短観の数字は非常に重要です。

 私は、2009年→2010年の年越し対策は、財政出動を伴う景気対策よりも、市中の流動性対策・お金の融通・金回りへのていねいな目配せが必要だと考えます。都内では外国人ホームレスが増えているように見受けられます。白人もいます。日本の経済史上、初めてではないでしょうか。とにかく“末端”へお金を流さないといけません。

 雇用保険が切れた求職者に月10万円を支給する求職者支援法案は年内に仕上げて欲しいと思います。とはいえ、景気対策のために第1次補正予算案(14兆円補正)の執行を“甘め”に停止するのは違う。

 モラトリアム法案(中小企業元本返済猶予法案)も一つのアイディアですが、とにかく現金給付の考え方が必要だと思います。政府が内需を直接刺激する、ケインズ的な政策は、もはや効果がないと思う。鳩山内閣に加えて、通貨の番人としての日本銀行が独自に流動性の確保をしっかりやる必要があると思います。

 そういう意味では、年内の第2次補正予算案提出は必要ないのではないか。きょう(10月2日)時点ではそう思います。いずれにしろ、歳出を減額すれば、歳入も減額補正して帳尻を合わせなければいけませんから、通常国会での補正予算案提出は確定的。2009年度予算をきれいにお掃除しないといけないので、逆に次の国会では補正しない方がいいのかもしれません。

 民主党の常任委員長たちが元気なので、国会では「民主党政務三役vs民主党委員」の政策バトルになりそうな気配もあります。前例はないですが、その方が野党に関心がいかなくなるので、最強の国会対策かもしれません。民主党の仲間内でスキャンダルの追及はできませんから、逆に野党・自公共がスキャンダルに質問を集中させる蟻地獄にはまり、さらに支持を落とすかも知れません。

 “官邸城”を手に入れても、政治の基本は国会です。面白い国会になりそうです。

臨時国会召集、10月26日で調整 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 政府・与党は30日、鳩山首相の所信表明演説を行う臨時国会について、参院神奈川、静岡両補選(10月25日投開票)直後の10月26日に召集する方向で調整に入った。

 会期は12月上旬までの40日程度とする案が出ている。2010年度予算の年内編成に影響を与えないように提出法案を絞り込む方針だ。

 平野官房長官と民主党の山岡賢次国会対策委員長が30日、国会内で会い、国会日程について協議した。

(2009年10月1日07時27分  読売新聞)

tags 山岡賢次国会対策委員長、三井辨雄(みつい・わきお)民主党国対委員長代理 平野博文内閣官房長官、松野頼久(よりひさ)官房副長官、鳩山由紀夫首相、長妻昭・厚生労働大臣


岡田克也外相会見について、他のジャーナリストのブログで紹介してもらいました

2009年10月01日 10時01分37秒 | 宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

 9月29日の岡田外相記者会見での私の質疑について、JANJAN(日本インターネット新聞社)記者で、フリージャーナリストの田中龍作さんが「田中龍作ジャーナル」で「記者会見開放の効果、フリー記者がスクープ」という記事にしてくれています。JanJanの方にも「記者会見開放の効果 フリー記者がスクープ」ということで、載っています。田中さんは記事を「宮崎氏のようにレベルの高い質問ができるように研鑽を積みたい」と締めくくっていて、なんともこそばゆい限りですが、ありがたいことです。

 田中さんは「記者クラブ談合」の一角がついに崩れた」という全体を俯瞰した記事も書いています。

 田中龍作さんは、外務省の1階でボディーチェックを受けた後、報道課員がグループごと記者会見室まで誘導する際にお会いしました。記者会見後に名刺交換をしていたので、翌日、電話取材にお答えしたところ、あっという間に記事にしてくれました。

 田中さんは「世界の紛争地域を名もなき人々の視点から取材。国内問題では派遣労働をはじめとする貧困を追及、告発しているフリージャーナリスト」とのこと。私はここ2年間、国会・選挙と国内政治に限定して取材してきましたから、こういう様々な書き手、表現者、カメラマンが「外務省記者会見室」に集まることで面白い“化学反応”が出てくると思います。

 ところで、非クラブ員ということで、少し傍観者的な視点も持ちながらやりとりを聞いていると、外務省記者会(霞クラブ)配属のスター記者たちが「密約」に関するスクープを狙っている雰囲気が伝わってきます。あと2ヶ月余り、日曜付辺りの紙面が騒がしくなりそう。

 外務省の岡田克也、武正公一、福山哲郎正副大臣の記者会見ですが、毎回というわけにはいきませんが、折にふれて出席したいと思います。福山副大臣には排出量取引に関して聞きたいので、近いうちに参加したいと思います。岡田さんは、記者会見で、将来的には登録証のようなものを発行したい意向を明言しましたので、期待しています。

 さて、おとといの外務省記者会見室に続き、昨日は最高裁大法廷の一般傍聴席に行きました。そこで、感じるのは、国会も金属探知器を導入すれば、傍聴券、参観券発行の手続きが簡素化できるのではないでしょうか。衆参事務局員の雇用の関係があるのでしょうか? ぜひ議運で善処していただきたいと思います。