【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参院補選は2勝 神奈川は金子洋一さん、静岡は土田博和さん

2009年10月25日 20時59分02秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
 NHKの速報テロップによると、参院補選で、神奈川県では金子洋一さん、静岡県では土田博和さんの2候補(民主党公認、国民新党推薦)が当選を確実にしました。

 これで、参議院(定数242)の統一会派(民主党、国民新党、新党日本など)

 「民主党・新緑風会・国民新・日本」の議席数は、中央選挙管理会から当選証書が発せられた後、第173臨時会では、

 120議席になる見通しです。

 参議院は衆議院とは違い、江田五月議長(無所属・民主党員)が採決に加わらない慣例になっています。その一方で、副議長である山東昭子さん(無所属=自民党員)は議員席にいれば採決に加わります。

 よって、議長を除いた「241」の過半数である「121」が必要ということになります。

 沖縄と東京の2人の無所属に入会を呼び掛けているようですが、沖縄の議員は社民党、東京の議員の母親(元衆院議員)は共産党から選挙応援を受けていた経緯がありますので、一筋縄にはいかないと思われます。

 やはり第22回参院選(来年7月)での民主党勝利は必須です。とはいえ、この選挙は民主党(岡田克也代表・藤井裕久幹事長)が自民党(小泉総裁・安倍幹事長)をおさえて国政第一党に躍り出た選挙の第20回参院選の改選ですから「伸びしろ」の少ない厳しい闘いです。

 岡田民主党は第20回参院選で、結党7年目で初めて国政選挙第一党、自民党は結党49年目で初めて国政選挙第一党から転落しました(すべて改選議席に限る)。

 第20回参院選は投票直前に「ジェンキンスさん帰国(正確には初来日)」というサプライズがあったにも関わらず、踏みとどまり、選挙に勝ちました。しかし、夏休みを挟んで9月に、「武部幹事長抜擢」というサプライズ、私は閣僚経験者が幹事長になっても、大したサプライズとは思えないのですが、なぜか「武部ブーム」が起き選挙結果は雲散霧消してしまいました。民主党にとっては選挙に勝って世論操作に負けたほろ苦い青春の思い出です。

 さて、勘違いは排してください。


[画像]参院公式ホームページの会派別人数一覧(24日現在)に補選結果(25日)を書き加えさせてもらいました。

 衆議院(480)のうち、民主党会派は「312議席」ですから、衆院で過半数(241)を確保していますが、再議決できる3分の2(320)未満です。

 参議院(242)は、民主党会派は「120議席」ですから、過半数(121)未満です。

 すなわち、民主党単独では、1本の法案も通すことができないのが現時点での勢力図なんです。

 まあ、それをあまり強調しすぎると、選挙対策のワンテーマにスリム化した小沢執行部の発言力が増してしまうので、何とも政治はジレンマの連続ですが・・・