(2017年9月27日夜投稿の予定稿で、その後、28日付にフォワードデートしました)
衆議院解散により、「水道法改正案」(193閣法49号)は審議入りすらせずに、完全に廃案になりました。
自治体・地方公共団体が上水道を所有しながら、運営権のみを、民間に売り渡す「公設民営方式、コンセッション方式、指定管理者制度」などと呼ばれてきた、一連の新自由主義・小さな政府を実現する法案でした。
政府は、平成29年2017年3月7日(火)に閣議決定し、国会に提出されましたが、一度も審議入りせず廃案となりました。政府は、同じ文面で再提出することもできますが、その場合でも、2018年3月以降となり、来年の通常国会での成立も見通せない状況となりました。
話はやや変わりますが、審議入りしていないものの、参議院内閣委員会の中で、山本太郎さんが一般質疑で取り上げました。3月22日ですが、政府参考人は「コンセッション方式における水道施設の利用料金につきましては、PFI法に基づき、地方公共団体が事前に利用料金の上限や範囲を条例によって定め、その範囲内でコンセッション事業者が利用料金を設定し、徴収することとされております。このため、コンセッション事業者が一方的にその範囲を超えて利用料金を高くすることはないと考えております」と答弁しています。
逆に言えば、安くなるわけでなく、将来的な更新コストなどを考え、安く管理したいという政府側の答弁が見え隠れしました。
ただ、この政府参考人の北島智子さんですが、第193回通常国会閉会後に、障害をお持ちとされるごきょうだいによって、亡くなりました。新潟県副知事に出向していたこともあって、報じられました。心より哀悼の意を表します。
[当ブログ内から関連記事の引用はじめ]
(1月18日付記事を、3月21日に再投稿し、その後は、法案提出日の3月7日付にバックデート)
厚生労働省は「水道法改正案」(193閣法49号)を、2017年3月7日(火)に閣議決定・国会提出しました。1月18日に、第193回通常国会に提出することを内示していました。
厚労省が作成した法案の概要は同省ホームページに載っています。
水道法改正案は「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」(滝沢智委員長)のとりまとめ文書に基づいた法案になる見込み。地方自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却することが可能になる改正条項が盛り込まれています。水道管の所有は自治体が持ったままになります。
報道などによると、奈良市など複数の自治体がこの法改正に興味を持っているとされています。
厚労省は審議入り前の一般的な答弁の中で、水道料金の上限・下限は条例に書き込むことになるが、料金が安くなるという趣旨の法改正ではないことを明らかにしています。一方で、水道管・下水道管の更新について、地方公共団体(基礎自治体や広域連合などの「水道局」)の負担に同情する向きも一部にあります。
ただ、所管委員会には、3年に1度の介護保険法改正案、働き方改革などの労働基準法改正案、いわゆる民泊新法のうち厚労省が所管する部分の法案(旅館業法改正案)が目白押しで、水道法改正案は審議入りすらできずに、6月18日(日)の会期末を迎えることもあり得ます。かなり先の展開ですが、水道法改正案が成立しない場合は、来年にかけて、特区法改正案として内閣官房が検討する可能性もあります。いずれにせよ、ミルトン・フリードマンに始まる新自由主義「小さな政府」の象徴的な制度改革と言って間違いありません。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
[写真]蓮舫・民進党代表、2017年2月、筆者・宮崎信行撮影。
蓮舫民進党は「水道法改正案」(193閣法49号)を廃案に追い込みました。
同法案は、2017年3月7日(火)に提出されましたが、審議入りせず、6月16日(金)の衆議院厚生労働委員会で閉会中審査とすることが決まりました。午後の本会議で正式に議決されます。法案の内容を批判する共産党は、継続そのものに反対しましたが、自公維が継続することに賛成したので、秋の臨時国会で成立する公算は、かなり残っています。
法案の内容は、上水道を経営する自治体が、水道管を所有したまま、運営を外部入札するかっこう。PFI、民活、公設民営、指定管理者方式とする内容で、水道管の更新負担がきつい自治体から希望が上がっていました。
[当ブログ内から関連記事の引用おわり]
このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせおわり]
Miyazaki Nobuyuki
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます