
2012年4月15日のNHK「日曜討論」は2大政党の国会対策委員長が後半国会を展望しました。同番組での二大政党のみの国対委員長が対面形式で登場したのは初めてではないかと考えられます。これに先立つ、フジ「新報道2001」も渡辺周・防衛副大臣、民主党で参院外交防衛委員長の福山哲郎さん、自民党の小池百合子さんという「政府、民主党、自民党」「衆院2対参院1」「民主党員2対自民党員1」という2大政党プラス衆参ねじれという形式。とても論点が分かりやすかったです。これからもこういう風にやってほしいですね。日曜討論を私はテレビで見ましたが、ラジオで聞いた人はいつも以上に分かりやすかったことでしょう。私も20年来オススメしてきた2大政党制の良さがようやくマスコミの舞台装置としても採用されたことをうれしく感じます。
とはいえ、ねじれ国会に対応する城島光力・民主党国対委員長はまず、「(衆院での)一体改革特別委員会の設置に関する国対委員長会談を与野党全党に呼びかけてあす16日(月)に開きたい」として、中小政党への配慮を冒頭から忘れませんでした。
そして、北朝鮮問題について、岸田文雄・自民党国対委員長が「予算委員会での集中審議と安全保障委員会での一般的質疑を要求する」とすると、城島さんは「外務委と安保委で対応したい」とかわしました。予算委集中審議(予算の執行状況の調査)はNHKテレビ・ラジオ入りが通例なので、城島さんはこれをさけたものです。
(衆院での)一体改革特別委員会の設置について、岸田さんは「我々としては国会において充実した議論をするためには、しっかりと協力しないといけないと思っています。前向きに対応したい」と述べました。特別委設置は衆参とも本会議での会期ごとの議決によりますので、2大政党が合意した現時点で設置は確実となりました。
一体改革特別委の「陣立て」について、岸田さんは「ただ、一体改革特別委での付託議案については、民主党からは事前に来ているリストには、年金関連、子育て関連、税制関連、マイナンバー関連の重要法案を10本以上並んでいる。 これだけ重要法案が並んでいる委員会は国会において前例がない。なかなか大変だな、しっかり準備しておかないといけない」と語りました。マイナンバーは古川元久・内閣府特命担当大臣の担当ですから、現時点で、岡田克也副総理、小宮山洋子厚労相、安住淳財務相らは連日出席。さらには総務省政務三役や文科省政務三役の出席も必要になりそうです。でも、やるしかないでしょう。
そして、素晴らしい言葉が飛び出しました。
自民党国対委員長の岸田さんは「民主党と自民党の大きな違いは、使い道について(のみであり、一体改革の必要性には賛成)だ。民主党が自民党の案を丸飲みすれば、自民党が(一体改革関連法案に衆参で)賛成するのは当たり前のことだ」 としました。これで一体改革関連法案の今国会成立が極めて有力となりました。もちろん丸飲みはできませんが、衆院段階での民自の修正協議が注目されます。岸田さんは続けて「そのときに、党首会談が必要になってくるか、しっかり見ていきたい」と語りました。これは一体改革関連法案の成立と引き替えに衆院を解散する「話し合い解散」を求めたものです。
調べてみたところ、岸田委員長は広島1区選出という縁もあるのでしょう、宏池会(池田派→宮澤派→古賀派)の所属で、谷垣禎一総裁と同僚のようです。谷垣総裁の任期切れとなる9月前に衆院を解散してもらうことを念頭に置いているのでしょう。NHK解説委員の島田敏男さんの「話し合い解散ですか」という鋭いつっこみに、「あらゆる可能性を排除しません」とし、話し合い解散の意向を事実上認めました。
本日天気晴朗なれども波高し。この岸田委員長は9月の総裁選をねらう石原伸晃幹事長、町村信孝清和会長、林芳正・参院自民党幹部らとどういうパワーバランスが党内にあるのか分かりません。ただ、谷垣さんと岸田さんはステイツマンだと感じます。
2大政党が力強く未来への責任を果たさなければいけません。
私は社会保障財源の安定確保のための税制抜本改革の消費税法改正法案をはじめとする一体改革関連法案は衆院で修正のうえ、今国会で可決・成立することに99%以上の自信と確信を先週辺りからもっています。私たち有権者も社会保障(年金、医療、介護、子育て)をしっかりと勝ち取らねばなりません。
どうやら歴史に残る伝説の国会になりそうです。2大政党はとにもかくにも突き進むしかありません。100年先まで議事録を残すチャンスです。そして2大政党の修正実務者は大挙して参議院に乗り込み、どんどん答弁しましょう。突き進め。しっかりとした陣立て、一緒に走りながら考えるメンバーの厳選は必要ですが、とにもかくにも突き進め。転んでもいいから。志と能力のある政治家の背中は、有権者は必ず見ています。前へ、前へ、前へ。一体改革は今国会で必ず実現します。
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