【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【1/20】昨年「まず桜、公選法から質問」でピタリ賞だった枝野幸男代表「感染症対策を中心に聞きます」、二階幹事長は2年連続で武田良太大臣を指名

2021年01月20日 17時05分46秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]枝野幸男立憲民主党代表、きょねん9月、筆者撮影。

 代表質問が始まりました。

 まず、1年前。

 きょねん1月、枝野幸男代表は「私は、会派を代表し(略)安倍総理に質問いたします(略)もっとも、大変残念ではありますが、それに先立ち(略)桜を見る会の前夜祭は、会費が五千円。(略)公職選挙法違反であります」と質問。そして、きょねんのクリスマスに、安倍さんの支持者の公選法違反をかばう、秘書の政規法違反で罰金刑(前科一犯)。

 通常国会は何があるか分からず、最初の打ち出しはまず変わってくるのですが、枝野さんは見事に政局を展望しました。一方、二階幹事長は、きょねんに引き続き、武田良太大臣に質問。二階派の後継者が武田さんであるとの見立てが説得力が増してきました。ベテラン議員がウイルスの行き先まで見通せればいいのですが。

 きょねん1月22日付記事→(【1/22国会まとめ】代表質問野党「桜を見る会隠蔽体質」からスタート、二階俊博幹事長は二階派の武田良太、衛藤晟一両大臣を指名

【衆議院議院運営委員会 きょう令和3年2021年1月20日(水)】

 おととい、井上義久・公明党副代表が留守電を聞いていたことについて、佐藤英道理事が謝罪。リモート質問通告についてあす与野党の合意を目指すことになりました。

【衆議院本会議 同日】

 施政方針演説など政府4演説に対する質疑がありました。

 立憲民主党からは枝野代表、逢坂誠二政調会長代行が質問しました。

 枝野さんは「本来、包括的、網羅的に質問したいが、命と暮らしの深刻な危機にあり、感染症対策を中心にテーマを絞って質問する」といしました。枝野さんは「今回の感染拡大は11月に明らかな兆候が表れており、11月下旬には政府自ら勝負の3週間と言っていた。しかし、総理は多くの声を無視して、GoToトラベルを継続した」とし、対策が遅れたことへの謝罪を求めました。これに対して菅首相は「緊急事態宣言は最善の判断が求められるもので、改正特措法の附帯決議は慎重に判断すべきだとしている」とし「国会会期は、国会においてお決めになることだ」と答弁しました。

 枝野さんは「冬場に感染が広がる可能性は繰り返し指摘されてきたので、人災と言っていい。ニュージーランド、台湾はまず徹底的に封じ込めるゼロコロナをした」としました。そのうえで、立憲の政策だとして(1)医療の崩壊を避ける(2)感染を封じ込める(3)倒産廃業を防ぐ補償と生活の支援を徹底するーーの3本柱を打ち出しました。

 枝野さんは「私は内閣人事局が悪用されたと反省している」とも語りました。

 二階さんは原稿をマイクにぶつけるなどしましたが、おおむねはっきり原稿を読み切りました。二階さんは、水際対策などで国民の命を守るためには、感染症対策と社会機能の維持を両立すべきだとしたうえで、特措法、感染症法、検疫法の3本の法改正が必要だと強調。同時に、補正予算案と当初予算案の成立を求めました。また、「森林環境税は、総理が官房長官時代に導入に尽力し、高く評価されている」「防災重点ため池など土地改良が災害から守ってくれる」とアピールしました。

 首相、武田良太総務大臣、橋本聖子五輪相、平沢勝栄復興相が答弁。このうち、武田さん、平沢さんは二階派。武田さんは「インターネットの誹謗中傷をめぐっては総務省で昨年9月に政策パッケージをとりまとめており、そのうち発信者情報開示に関する昨年10月の新たな報告をもとに、本国会の法案提出に向けて準備を進めていく」とアピール。橋本五輪相に続いて答弁した平沢復興相は「福島復興五輪に向けて万全の思いでがんばる」と本会議初答弁に紅潮した面持ち。

 北海道大学薬学部卒の逢坂誠二さんは、ファイザー社のワクチンについて「日本での第3層試験をせずに承認するのか、副反応の懸念はどの程度のものか」「ワクチンへの正しい理解のためには、こうしたことを確認することが必要です」とただし、「市町村への支援は十分にすべきだ」と主張しました。原発にも踏み込みました。

【参議院 同日】

 なし。

●あすの予定

 玉木雄一郎さんらが質問します。また、河井案里参議院議員の公職選挙法違反をめぐる東京地方裁判所の判決が出ます。

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