【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【1/21】首相「感染症経済学進める」「全体接種の時期はきょうはお示しできない」

2021年01月21日 19時55分27秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]宮崎信行、東京都千代田区麹町、きょう2021年1月21日撮影。

 きょうから参議院でも代表質問があるので、朝8時台、参議院麹町議員宿舎前に立ってみましたが、誰にも会えず、おまわりさんにことし初めて職務質問されましたので、カフェに寄って帰りました。別に今の政局で参議院議員に会って聞きたいことはとくにありませんが。

【参議院本会議 きょう令和3年2021年1月21日(木)】

 代表質問がありました。1年前は、「桜を見る会」「自衛隊中東派遣」「IRカジノ」の3点セットで野党は攻めました。中東、IRはあまり大きな関心をひきませんでした。

 立憲民主党の水岡俊一参議院議員会長。秋の国会から連投で、前回は杖を使っていましたが、今回は使っていませんでした。

 水岡さんは「羽田雄一郎さん逝去のニュース速報は耳を疑い間違いであることを祈った」と切り出し「もしお許しをいただければ、全員で祈ってほしい」と締めくくりました。菅首相は「参議院での答弁に先立ち、羽田雄一郎議員のご逝去をいたみ、謹んでお悔やみを申し上げます」と語りました。

 水岡さんは冒頭「切々と話していただければ、国民の理解も変わる」との答弁姿勢を求めました。日教組組織内の輿石東さんが2013年まで会長をつとめた時代には、羽田国対委員長の下で国対委員長代理をつとめた水岡さん。きょねん7年ぶりの日教組組織内の会長となりました。

 教師出身ということで、分かりやすく説明することが良いとしている。それはいいのですが、いかんせん、私は「人間は成長しない。人間が成長しないで食べていけるのが自由で楽な良い経済・社会だ」との世界観を生まれる前から持っているので、まったく話が合いません。きょうも無理に理解しようとすると無理。例えば、核禁止条約に、唯一の戦争被爆国の日本は加盟すべきだとしました。ところが、後段で、アインシュタインの言葉を「肝に銘じるべきだ」。アインシュタインが原爆を開発して、真珠湾攻撃の加害者である日本に原爆を落としたのだと私は理解しています。そのレジームが日米同盟で、日本がアメリカにたてついて核禁止条約に入るべきではないと私は思います。これ間違いなく私の世界観が正しいわけで、分かりやすく説明する以前の問題。水岡さんは「グレタ・トゥンベリさんのスクールストライキは、世界各国の若者に影響を与えて、フライデーズ・フォー・フューチャーとして気候変動の枠組みつくりにつながった」と高く評価しましたが、日本女子が学校でストライキをして、日教組が同じ対応をするでしょうか。こういうインテリ組織人が海外の事例を日本の事例の一般化に使うことは、私は嫌いです。とにもかくにも、一から合わないので、今後も無理に理解しようとしないことを宣言させていただきたい。一方、水岡さんは、横浜市議会がIRカジノ施設の建設に関する住民投票を否決されたことを取り上げ、署名活動の盛り上がりをねぎらいつつ、菅さんらの勢力を批判しました。

 水岡さんは、40年前に自分が教師になって以降初めて、新2年生以上の35人学級が実現するとして、「義務教育標準法改正案」の審議を呼びかけました。内閣官房が作成した「内閣提出予定法律案等件名・要旨調」によると、2月上旬に政府が提出し、日切れ指定を国会にお願いしているので、3月中の成立は確実な公算です。

 自民党は武見敬三・前参議院政策審議会長。通常国会では、会長か幹事長が質問に立ってきており、前・政審会長は異例。なんらかの理由で、武見さんの入閣が難しくその見返りなのか、単に日本医師会組織内を立てようという配慮なのか。

 日本時間のけさ就任したバイデン大統領について菅首相は「バイデン新政権とはコロナ対策を含めた保健医療、通商問題、気候変動などで協力したい」と述べました。武見さんは医学、疫学、経済学を統合した「感染症経済学」が必要だと主張。首相は「感染者拡大を抑止しつつも、経済、社会、文化活動を維持し続けることも大事。例えば、内閣官房ではITの専門家と疫学の専門家がともに研究しており、政府全体でも検討したい」としました。

【衆議院本会議 同日】

 代表質問2日目。

 公明党では長年代表質問に立ってきた井上義久幹事長が副代表となり初日の携帯電話使用について後輩が議運理事会で理事の謝罪するはめの。昨秋からの石井啓一幹事長は「補正予算案、当初予算案には、ポストコロナを見すえて、不妊治療やカーボンゼロの拡充などで公明党の提案が入っている」と強調しました。

 共産党の志位和夫委員長。秋は学術会議だけを取り上げていました。今回は「持続化給付金、家賃支援金などの追加の給付が必要だ」とコロナ生活支援を
強調しました。

 維新の馬場伸幸幹事長は「1年前、春節前の防疫体制の強化を求めるなど7回の提言を行った」とアピール。特措法31条の「知事は、疑いがある者に対する医療を要請できる」との条文を使うよう働きかけました。衆議院の維新は、初日に特別委員会の設置すべてに反対しました。この理由を「開催日数が少なかったり、重複したりしている委員会があり、国会ごとに見直すべきだ」と強調しました。ところが、もっとも当てはまる拉致問題特別委は残すべきだともしており、良いことを言っているのに自由過ぎて実現できてない状態に衆議院の維新が陥っているような気がします。

 玉木雄一郎さんは、国民民主党代表としての一連の負担が昨秋以降軽減されたためか、政策オールラウンドプレイヤーぶりが久しぶりに発揮された気がしました。玉木さんは「例外なき入国禁止の判断が遅れた。コンタクト・アンド・トレーシングで、変異ウイルスを追えない」としました。首相は答弁で「英国とブラジルの変異株が国内で発見されており」と認め、「緊急事態宣言下に限り、英国とブラジルからのビジネストラックを含めた入国宣言をしている。判断が遅れたとは考えていない」。

 玉木さんが接触確認アプリ「ココア」について「首相のケータイにはインストールされているか」と問うと首相は「私のスマホにはインストールしています」と答弁。首相は「ココアは、2400万件ダウンロードされ、900件の陽性者がアプリで判明した。陽性者のうち2・6%だ。それ以外の数字は保健所との調査が必要で、把握していない」。

 また、玉木さんは「ワクチン接種の時期が遅れている」と指摘。首相は「全体接種の時期をお示しすることは本日は控えさせていただく」とし、「私は高齢者なので、(医療従事者らの順番の次に)順番が来たら、率先して接種する」と述べました。最初の接種者は例えば英国では高齢者、インドネシアでは大統領でした。いずれにせよ、日本は遅れています。

●あす以降の予定

 参議院で代表質問2日目。その後、午後4時の設定で、衆議院予算委員会で、いわゆるお経読みがある予定。来週の月曜日、火曜日に全閣僚入りの予算委員会があり、火曜日夕方に本会議で可決し、参議院に送られる公算。 

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