先週末から今週まで安倍首相もそうとう消耗したでしょうが、きょうからは当面首相の国会答弁は無く、QT(PQT)党首討論がなければテレビ入りは無いでしょう。
政府が「来年度予算の執行に必要なので3月31日までに成立させてほしい」日切れ法案、※(こめじるし)法案は23本中、11本が年度内にはまらないことが確実になり、残り82日の会期で、野党ペースが続きそうです。衆議院段階では珍しい、趣旨説明後の審議順見直しも、法務委や国交委でありそうです。
【衆議院国土交通委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
●衆国交委21日ぶり正常化、民泊新法が会期末闘争に持ち込まれる公算も
21日ぶりに開かれ、正常化しました。与野党3時間コースの一般質疑。午後は特に予定がないように思えますが、午前の部だけ3時間コースですから、最短の審議で終わりました。3週間前に趣旨説明されていた法案がありますが、きょうは議題から外れました。もともと4省庁合併のうえ独立色の強い気象庁・海上保安庁をかかえる国交省は法案が多いのですが、こめじるし法案4本が年度内にはまらないことが確定しました。散会。
ふだんは審議入りしていない法案は議案番号を書かないのですが、提出済みの9法案は次の通りです。
「海上運送法及び船員法改正案」(193閣法7号)※
「 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の改正案」(193閣法8号)※
「 都市緑地法改正案」(193閣法24号)※
「水防法改正案」(193閣法25号)※
「道路運送車両法改正案」(193閣法42号)
「不動産特定共同事業法改正案(CFクラウドファウンディング規制法案)」(193閣法44号)=参議院先議
「通訳案内士法改正案」(193閣法59号)
「港湾法改正案」(193閣法60号)
「住宅宿泊事業法案(民泊新法案)」(193閣法61号)
以上のように、「民泊新法」も会期末にかけて話題になりそうですが、要望してきた人には骨抜きの印象があるようで、法案成立への熱望は無いようです。通訳案内士法案は規制緩和なので、今現在通訳案内士の人には成立させたくないが、声は大きくはない、というところのようです。会期末攻防になだれ込むのは不可避な公算。
【参議院本会議 平成29年2017年3月29日(水)】
●給付型奨学金の法案は年度内最終日に間にあうかどうかギリギリの審議入り
「給付型奨学金法案(独立行政法人日本学生支援機構法改正案)」(193閣法2号)※の趣旨説明と代表質問があり、審議入りしました。年度内の委員会定例日はあす1日です。衆では参考人質疑をやりました。年度内に間に合うのか。公明党の説明との整合性はどうなるか。もちろん、入学金の時期に一括して給付するようなしくみに将来的に進んでほしいところですが。
【衆議院厚生労働委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
●介護保険法改正案が審議入り
「地域包括ケアシステムのための介護保険法改正案」(193閣法15号)※と「それに対する民進党対案」(193衆法7・8号)が審議入りしました。きのうの本会議から迅速に入りましたが、年度ははみ出します。散会。
なお、厚労省設置法改正案(193閣法16号)は※ですが、かなりはみ出します。このほか3法案があり、水道法改正案(193閣法49号)は会期末攻防の取引の材料になりそうです。健康増進法改正案(未提出)の自民党内議論がテレビで話題ですが、仮に提出されても当初会期内の成立は無いでしょう。医療法改正案(193閣法59号)、やまゆり園事件を受けた精神保健福祉法改正案(193閣法34号)=参議院先議=もあります。
【衆議院農林水産委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
●小泉農政改革法案が審議入り
「農業競争力強化法案」(193閣法21号)が農相から趣旨説明され、いよいよ、審議入りしました。
JA資材などの高止まりを是正する法案。けさのラジオ番組で民業圧迫だ、と語る有識者がいましたが、JAは農協法にもとづく組織ですから、農協法が定める最低限の仕事にとどめるべし。私は本家の意見もあり「JAつぶし」という極端な考え方を持っています。小泉進次郎・農林部会長の天下取りへの道になるかもしれないし、JAの支持が無く、全国的な支持層が薄くなるかもしれません。もう遅いかもしれませんが、農政改革の道筋は小泉法案の道筋しかありません。
【参議院災害対策特別委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
●今国会の議員立法成立第1号は、二階俊博幹事長が推進する「津波対策推進基本法改正案」になる見通し
「津波対策推進基本法の5年延長法案」(193衆法6号)が全会一致で可決すべし、と決まりました。おそらく31日成立、公布、施行と思われます。やはり、第一党幹事長、二階俊博さんが推進していると強いという感じです。国連が毎年11月5日を世界津波の日と定めたことを受けての対応も盛り込みました。改正法の期限は2022年3月31日まで。
【衆議院外務委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
●松本龍元環境大臣に見てほしい、名古屋議定書がついに審議入り、多国間条約7本同時に趣旨説明。
今国会は大量20条約が議題となっていますが、多国間条約(国際約束)の7承認案がいっせいに審議入りしました。
「1994年のWTO(国際貿易機関)のGATT譲許表の確認書の承認案」(193条約4号)
「北太平洋漁業委員会(NPAFC)の事務局が日本東京に置かれることによる法人格付与などの日本国政府との協定の承認案」(193条約5号)
「違法な漁業を防止するための寄港国措置についての北太平洋漁業委員会(NPAFC)の協定の締結の承認案」(193条約6号)
「名古屋議定書(遺伝資源の移転に関する名古屋議定書)の締結の承認案」(193条約7号)
「バイオセーフティーに関するカルタヘナ協定の補足議定書の承認案」(193条約8号)
「万国郵便連合(IPU)憲章と万国郵便条約の改定の承認案」(193条約9号)
「郵便送金業務の約定(やくじょう)の更新の承認案」(193条約10号)
が岸田外相から趣旨説明され、散会しました。
このなかには、民主党政権で苦労しながら採択した名古屋議定書(193条約7号)も入っています。過去に植民地支配をした経験がある国家による遺伝資源の囲い込みを解く条約を、その一国である我が国が主導したことに意義があります。
遺伝子組み換え作物に関するカルタヘナ協定(193条約8号)は、環境委員会に国内実施法案(193閣法52号)がかかっています。いわゆるパラソル審議となりますが、7条約の承認はすぐでしょう。
衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
鶴保沖北相と岸田外相の所信がありました。
【参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 平成29年2017年3月29日(水)】
岸田外相と加藤拉致相の所信がありました。
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