【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【山本太郎】「金融資本家の声を聞く力」と皮肉る、財務省は四半世紀で「株配当8倍、給料0・2%増」と答弁

2023年11月28日 17時06分39秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]山本太郎れいわ新選組代表、きょねん11月、参議院議員会館内で、宮崎信行撮影。

【参議院予算委員会 きょう令和5年2023年11月28日(火)】
 「補正予算案」は、衆議院段階で万博予算の総額を野党が紐解けなかったことが判明しつつも、あすにも採決・成立の公算となりました。
 基本的質疑2日目が行われ、NHKで中継されました。

 この10年間、野党では「身を切る改革」の維新と「現代貨幣理論(MMT)」のれいわ新選組が理論の正しさと選挙制度の活用のうまさから支持率を高め、2つをあげつらったうえに遅れて後追いする現在の立憲民主党は党勢が伸びません。同党財務委員長の落合貴之さん(3期)がずっと指摘しているこの問題も、党内でクローズアップされることもなく、山本太郎・れいわ新選組代表がテレビ入りで取り上げた印象です。きょうの山本質問の「切り抜き」は次の選挙まで再生回数が増えそうです。

 山本さんはお得意の「総理、誰のことですか」を連発。

 山本太郎さんは「聞く力。総理大臣になってから形にした政策で一番手ごたえがあったものはなにか」と問うと、首相は(1)防衛力の抜本的強化(2)エネルギー政策の転換(3)こども・子育て施策(4)G7議長国としての外交ーーをあげました。山本さんは「たくさんありますね」と皮肉りました。

 この後、山本さんは「金融所得課税の見直し」として、株配当の所得課税を現行の累進のない単一税率20%からだいたい25%ぐらいに引き上げようとした政策課題が、岸田さんの就任後に消えた理由を問いました。これに対して首相は「金融資産課税」と「所得」と「資産」を混然として答弁を続け、もうどうにもならないという印象です。山本さんの質問に政府は首相は有価証券を保有していないと答弁しました。

 山本さんは「最初の総裁選のときの勢いとはちょっと変わっちゃったわけですよ」「一般庶民からは評判が良かったでも評判が悪かった人たちがいたと思うんですよ」と述べました。

 山本さんは、「ザイム真理教」の御用学者要請機関として知られる「財総研」の所長(官僚)に質問。財総研所長は、1997年から現在にかけて、っ企業の売上高が8%増、経常利益が3・7倍だとしました。山本さんは上場企業が株主への見栄えをよくするために経常利益をかさ上げしていると強調。株主への配当を問うと、財総研所長は8倍になっていると答弁。

 山本さんが「売上は横ばいでも株主への配当は8倍以上、これ誰かを泣かせないと株主がお金もありませんね。(山本さんが配布した)資料11、従業員給与どうなってますか」と語ると、財総研所長は「0・2%増にとどまる」と答弁しました。

「賃上げも行わず、雇用を不安定化させてコストカット。長期的な視点での投資も行わず、短期勝負で株主に利益を流し込み、株主資本家の利益は肥大化するばかり。このような株主至上主義日本を作り変えたのが自民党ですこのままじゃ未来なんかないのは当たり前のことです」と雄弁に語りました。そして中間層も年を越せないとして、突然「減税してほしい」と総理に下手にでる役者ぶりを発揮したところで、委員会は散会しました。

【衆議院情報監視審査会 同日】
 先日の高市早苗担当大臣の年次報告書の趣旨説明をうけて質疑。

●先ほど既報ですが、あす(11/29)の午後1時9分ごろからベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席の国会演説が衆議院本会議場で開かれます。

以上です。


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