【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

公明党の山口那津男代表が立憲民主党の泉健太代表を名指しで批判も黒田日銀の金融緩和を無かったことにする不誠実さ

2022年07月01日 15時52分18秒 | 第26回参院選(2022年7月)
 連立与党第2党の公明党・山口那津男代表が、立憲民主党の泉健太代表を名指しで批判するようになりました。山口さんは、若い泉さんですが「事業仕分け」の内閣府政務官など民主党政権時に既に主流派議員だった構造を念頭に、3党合意の経緯を持ち出し「借金ばかり重ねて、未来の世代にツケを先送りするのはもうやめにしようじゃありませんか。そういう呼びかけをしてきたのは民主党政権だ」とし消費税の時限的減税の「財源がない」と主張しています。

 3日前、令和4年2022年6月28日(火)の東京・経堂駅前では、立憲民主党のことを1回「民主党」と言う悪質な言い間違えをしました。

 ところが、山口さんは、政権交代直後から日本銀行の黒田東彦総裁が異次元の量的金融緩和をしたことで、年額80兆円未満の国債を日銀が購入している経緯を無視しています。

 山口さんは泉代表の主張を実現すると「年14兆円の穴が空く」と批判していますが、日銀が80兆円購入するのなら、年14兆円の特例公債は新規追加発行をしないと、逆に、日米金利差が広がり、円安になる基調ができると考えるのが妥当です。

 東京選挙区限定では、同党の竹谷とし子元財務大臣政務官が、国債整理基金特別会計で、政府が必ず10兆円積んだままにしなければならなかったルールについて、日銀が政府に対して災害時には無制限に貸し付けることができるアコードを結んだことで、この10兆円が必要なくなったことを強調。総額6000億円の税金の無駄削減につながったとしています。これは正しくて評価される実績ですが、日銀にとっては6000億円の収入が減っただけで、だからといって日銀でリストラされた職員はおそらくいないだろう、という話です。

 この演説会場では、公明党員同士が口論となり、遠山清彦元議員は社交界からお金を借りられるが、自分は借りられない、事実自分の住む支部では社宅が壊れていて後に何ができるか分からない、という趣旨の金融緩和とは無関係の自分にも配慮してほしいとの口論があり、筆者はスクープ動画の撮影に成功しました。(参考記事【参院選東京哀歌】公明党員同士が遠山アベノミクスで口論動画「社交界に頼んで借金させてもらった」「大きい社宅壊されている」「その大本が国政してんだから」「こういう人たちに配慮した政治をしてほしいよ」)。

 遠山アベノミクスをなかったことにして、岸田インフレ黒田円安を批判する立憲民主党を批判する。昨秋の山口代表や甘利明自民党幹事長による「立憲共産党ができた」という極めて悪質なデマを真に受けて信じた人が全国で大量にでき、自公の地方議員でも信じた人が実在します。

 殲滅思想の安倍晋三元首相の時代が終わり、岸田文雄首相のもと与党内にも配慮した選挙戦となりましたが、史上初めて「雇われている有権者が6000万人を超えた日本」での選挙戦です。もう少し、グローバル金融緩和で民主主義の草の根から置き去りにされた低賃金の有権者を忘れない度量を与党指導者に求めたいところです。

【東京6人区】「消費税で泉健太代表に支離滅裂な反論」山口那津男公明党代表と竹谷とし子候補の街頭演説会 20220628 宮崎信行撮影



【スクープ】公明党員同士(世田谷支部員と西東京支部員)の口論を、本人たちの許可を得て撮影した映像、20220628 宮崎信行撮影。

 上述の部分を、AIを活用して、書き起こしました。

 2022年6月28日 東京・経堂駅前の山口さんの演説。

 まずは現金給付。そして値上がり防止策。さらにそれに繋いで、賃金の上昇もやっていきたいと思います。上げたところには税制で減税をやります。上げたいと思うけどなかなかできないところには補助金で応援をいたします。パートやアルバイトで時給で働く方には最低賃金を引き上げていきます。7月がその時期でありますから、東京都は全国一で1000円をちょっと超えていますけどもさらに上がるように最低賃金の引き上げを実現してまいります。そして、この賃上げの流れを大きく作り出すということが大事であり、これからも続けていけるようにするということが大切であります。中小企業の方々はなかなか大変ですから、取引先の大手から買い叩かれないように防止策を徹底してやりたいと思います。また大手も取引先も仲良くよく協調して進みましょうというところには補助金を出して応援をしていきたいと思います。

 来年も、先も大事でありますので、専門家、そしてアナリストなどを入れた中立的な第三者委員会を作って、客観的なデータに基づいて、あるべき賃金の水準はこれぐらいが妥当ですよ。そういう目標を出していただくようにしたいと思います。ガラス張りでみんなが見る中で、賃上げが交渉されていく。納得づくで賃金が決められていく。そういう流れもぜひとも作り出していきたい。その先頭に竹谷とし子を立たせていただきたいのであります。こうした公明党、そして与党の取り組む物価高対策であります。先手先手でその先を見ていく。


 しかし、野党の皆様は何と言っているか。消費税率を下げろとこう言ってるんですね。しかしこの間、党首討論を行いました。ここで、マスコミの論説委員の方が野党の皆さんに質問しました。消費税を下げろとか無くせとか言っているけど、消費税は社会保障を支えるために役立っている。これを下げろとか無くせというのは乱暴な主張ではありませんか。こう尋ねられましたけども、説得力のある答えはありませんでした。

 私も質問したんです。立憲民主党の泉代表に聞きました。泉さんがかつて所属していた民主党政権のとき、野党であった公明党や自民党に社会保障をこれから長く続けていくためには消費税を生かさなければならない。借金ばかり重ねて、未来の世代にツケを先送りするのはもうやめにしようじゃありませんか。そういう呼びかけをしてきた民主党政権。

 だから、そういう大局観を持ってやるなら協力しよう。だけれども、軽減税率を導入すべきである。こう訴えたのは公明党でありました。政権を取り戻して、軽減税率を実現したではありませんか、皆さん。そして消費税を活かして幼児教育、保育の無償化も実現をしました。今この消費税は、基礎年金の2分の1を支えることにも役立っています。年金、医療、介護、子育て。この社会保障を支える財源の大事なところが消費税それを下げてしまったらどうやって財源を生み出すのか。

 立憲民主党の主張通りやれば14兆円の穴が空きます。泉代表は国債発行して借金すればいいという簡単に答えました。しかし、借金をするのはやめるために消費税に協力してくださいと頼んでいた張本人が今度は消費税を下げるから借金します。これでは責任感が貫かれていない、矛盾していると言わざるを得ません。どうでしょうかみなさん?

 大局観がある訴えとも思えません。いつから実行するんですかと聞くと来年の4月からと言います。しかし今は物価が上がって、皆さんの生活が大変なのに、来年4月からというのではとてもタイミングが合わない、効果が出ないということであります。4月からやるとはっきりさせれば、来年の2月、3月になると、もうすぐ消費税が下がるから、消費は少し控えておこうという買い控えが起こる。そこで景気を冷やしてしまうことにもなるわけで、どこから見ても大局観がない、責任感の裏付けもない、効果もない、そして景気を冷やす。そういう野党の政治には、これからの日本の政治を任せるわけにはいかないと私は思います。

 そのためにも、この物価高を乗り越え、次の新しい時代、日本を前に進める力、実績のある竹谷とし子こそ東京選挙区の代表にふさわしいと私は思います。無理なく6000億円の無駄を削って、皆さんの役に立つ財源を生み出した。これができたのは竹谷とし子のこのプロフェッショナルな力なのであります。

 以上です。



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