
[写真]畔柳信雄・第31次地方制度調査会会長(三菱東京UFJ銀行元頭取、特別顧問)、公益財団法人「日本テニス協会」のウェブサイトから。
連休明け国会第2週で衆議院での法案裁きの週だったことと、安倍首相の集団的自衛権の記者会見があったので、書きそびれたままでしたが、2014年5月15日(木)、第31次地方制度調査会が発足しました。第30次地制調では、西尾勝会長のもと、「指定都市の総合区」「中核市と特例市合併」「基礎自治体同士の連携協約」をとりまとめ、先の通常国会で法律になりました。
第31次地制調では、副会長だった、畔柳信雄(くろやなぎ・のぶお)三菱東京UFJ銀行特別顧問(元頭取)が互選で就任しました。
言語道断、許されない人事です。
三菱東京UFJ銀行は、多くの都道府県市町村の指定金融機関をつとめています。さらに、同行が筆頭株主となる地方銀行は、ある県のほとんどの市町村の指定金になっていたり、逆に2つの地方銀行で県内で骨肉の争いをしていたりしています。
指定金の親玉が地制調の会長になることなどあってはなりません。どうやら自治省出身の事務次官経験者が、中学、高校、大学を通じて、畔柳さんとテニス部の同窓生であることからこのような人事があったように推測できます。
そして、2014年6月30日(月)付の読売新聞1面トップでは、「秋の臨時国会に中小企業地域資源活用促進法改正案を提出する」との報道がありました。
これを読むと、同法は、都道府県が「地域資源」として約1万4000件の特産品を指定し、その生産業者に対して政府系金融機関が低利融資をしています。
改正法案では、市町村が「ふるさと名物」を指定。国が市町村に対して無利子貸し付けをし、市町村が「超低利や無利子で5年~10年程度の貸し付けを行う制度を新設する」(読売新聞記事の表現)としています。
国が市町村に無利子で貸し付けて、市町村が業者に「超低利や無利子で5年~10年程度で貸し付け」たら、その中間マージンは、指定金丸儲けではないですか。業者が倒産しても、そのリスクは国や市町村が負い、指定金は負わない、というしかけが、おそらく提出されてくる改正法案に書き込まれるはずです。
この法律のことを知らなかったのですが、主務大臣は、経済産業大臣、総務大臣、農林水産大臣らになっています。読売記事は「政府は、」としか書いておらず、どの省か分かりません、内閣官房かもしれませんが、いずれにせよ、経済産業省系ではなく、総務省系の職員がかかわっているように感じます。
こういうことをやっていると、毎朝午前5時半に出勤する社員が出世して、子供を保育園に預けてから午前7時半に出勤する社員が遅れをとるというものすごく息苦しい金融界になっていくでしょう。銀行マンは、自転車のペダルを漕いだ数で評価されるべきですが、国から無利子で調達したお金を、超低金利で貸し付けて、利ザヤを稼ぐ商売とは、おそろしく楽であると同時に、ミスひとつで失業します。
先の通常国会でも、融資が貿易保険の対象になり、インフラをつくる海外事業者に政府のあっせんで銀行が出資できるようになりました。このような第3次与党期における自民党政権のじわじわとした、金融国家化に絶対に反対します。
おそらく数年後から、すべての金融機関が個人定期預金が減少することになるでしょう。日本銀行が国債を買い取るようなオペレーションもありうるかもしれません。自民党政策調査会が成長戦略として打ち出した「スーパーリージョナルバンク」は一つの手法として評価したいところです。
とにもかくにも、第31次地制調の畔柳会長は今すぐ辞めろ、と強く要求します。
[お知らせ1 はじめ]
この無料ブログの姉妹版として、有料版の「今後の政治日程by下町の太陽・宮崎信行」を発行しています。
2009年からのロングランの有料会員制ブログに加えて、
2014年4月、メルマガ版(メールマガジン版)を創刊しました!
購読料は、どちらも、月800円(税込864円)となります。
内容は同じですが、ソーシャルネットワークのスタイルにあわせて、会員制ブログ版、メルマガ版、あるいは両方のご購読お願いします。
自動継続のため、安定した収入源として、こちらの無料ブログを6年以上続けられる原動力となっております。
今後の政治日程by下町の太陽(会員制ブログ版)
購読方法はシステムを提供している「レジまぐ」(メディア・インデックス社)へお問い合わせください。
[おわり]
[お知らせ2 はじめ]
「国会傍聴取材支援基金」を設けています。交通費、資料代、傍聴券をとってもらっている議員事務所への些少な茶菓代に充てたく存じます。日本唯一の国会傍聴ブログの継続にご協力ください。半年に1回、会計報告もしております。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
どうぞよろしくお願いします。
[おわり]
[お知らせ3 はじめ]
このブログは次の各ウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
民主党ニュース(民主党ウェブサイト)
goo 政治ニュース
インターネット版官報
[おわり]
tags 宮崎信行
http://tvtopic.goo.ne.jp/search/search.php?MT=%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E4%BF%A1%E8%A1%8Chttp://p-search.kantei.go.jp/ja_kantei/search.x?q=%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E4%BF%A1%E8%A1%8C&ie=UTF-8&page=1&submit.x=-1110&submit.y=-52&submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます