【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

衆議院厚生労働委員会尾身座長「ステージ3もGoToやめて分科会の総意」山井和則「病気の時はお医者さんの意見を聞くべき」「医療・介護従事者への感謝はありがとうではなくお金で示せ」

2020年12月09日 17時36分38秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]お見苦しい写真で恐縮です。8月上旬の灼熱のもと、微生物の光合成により緑に淀み切った日比谷公園の池。森羅万象には時間が経てば解消する淀みも、人為的にしか解消できない淀みもある。奥は、厚生労働省・環境省庁舎。がんばろう厚労省。

【与野党国会対策委員長会談 きのう】

 きのうの国対委員長会談で、1月18日(月)の召集が早くも伝達されました。さらには、驚くべきことに、週末金曜日12/11の閣議で、3次補正よりも前に2次補正予備費でGoTo予算を増額することが伝えられ、衆参の予算委員会理事懇談会を開くことで合意しました。

【衆議院厚生労働委員会 きょう令和2年2020年12月9日(水)】

 きょうは、コロナに関する専門家の知見を聞きつつ行政監視する衆・厚労委の閉会中審査。あすも参・厚労委があります。

 とかしきなおみ厚生労働委員長(元厚労副大臣)がコロナに感染したので、橋本岳前厚労副大臣が委員長をしました。自見はなこ前政務官との麹町議員宿舎での不適切な関係が報じられましたが、自見さんはテレビ入りに登場し、医系技官と不倫していた和泉洋人・元国交省住宅局長が新内閣で出世するなど風紀が乱れまくっていて、自浄作用がなくなっており、そのうち政権交代するしかないように感じます。

 立憲民主党の中島克仁さんは、第3波について、国立感染症研究所所長から「武漢から来たウイルスではなく変異種だ」との答弁を引き出しました。理事長をつとめる独立行政法人の調達をめぐり4つの製薬業者があらかじめ談合で調整していたことが1業者の告発で分かり、きょう3業者が摘発された渦中の人となった、尾身茂分科会会長。尾身さんは「ステージ4なら緊急事態宣言相当だ」とし、札幌などの北海道、大阪市には外出禁止してほしいのが本音だとしました。尾身さんは「旭川等の一部地域の医療に負担がかかっていることは私も認めます」としました。このほか、総務省消防庁の審議官が「東京で前年比1・5倍、大阪で1・6倍の緊急搬送困難事案が増えている」とし地方公共団体と協力を進めるとしました。

 立憲民主党の山井和則さんは、GoToトラベルが感染拡大につながっているとの大学調査書が出たことについて、尾身会長は「調査に敬意を表するが、例えば、リコールバイアスといって、あなたはこういう症状がありましたかと聞かれるとはいと言いがちなこともある」とエビデンスとして否定しました。山井さんは「尾身会長に言うのは恐れ多いが、調査してほしい」としました。尾身さんは「健康状態や年齢で、3つのグループに分けて、GoToに行った人、GoTo以外で旅をした人、旅をしていない人に分けてPCR・抗原検査する方法がある」とアイディア。山井さんが「ぜひやってほしい いつまでにやりますか」と迫ると、橋本委員長代理が田村憲久大臣に応えさせようと妨害しましたが、尾身さんは「やるならスタディデザインが必要だ」としました。きのうの第3次補正予算案を前提とした追加経済対策にはこの調査は入っていないと思われます。

 山井さんは「病気のときは医者の言うことを聞くべきだ」と、菅首相・二階幹事長・和泉補佐官らの姿勢を批判しました。

 山井さんは厚労省が「ありがとうキャンペーン」を始めたことについて「医療・介護従事者への感謝はお金で示せ」と正論をはきました。

●あす以降の予定

 あすは午前10時から参議院予算委員会のコロナ集中審議2時間半コース。立憲は石橋通宏さんが雇用・休業・失業対策で質問。あすは自民党税制改正大綱が決定される見通し。野党はあさって財務副大臣あてに要望へ。あさっては閣議。防衛大綱・中期防衛力整備計画はイージス艦2つ新設で落ち着く見通し。

 きょうはアキタフーズをめぐって、西川公也元農相の金銭授受も大々的に報じられましたが、あまり関心は広がっていないようす。後期高齢者2割は菅首相がどういうわけか強硬姿勢で与党内で膠着。関心はコロナとGoToのようで、内閣支持率を5ポイント以上下げているように見て取れます。

以上です。


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