【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

農林水産省、吉川貴盛元大臣の500万円から風向き変わる西川公也内閣官房参与ら豪華クルーズ船に現役官僚も乗船か、「国際機関への意見に反映」アキタフーズ社

2020年12月08日 17時13分22秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]筆者・宮崎信行、きのう2020年12月7日、東京「渋谷スカイ」で。

 8月28日金曜日の午後2時過ぎに突然首相が辞めて大政局になりながら、どうやら首相になってやりたいことがなにもない首相(72歳)のもと早やくも年越しムードの国会。この間、当ニュースサイトは大きく更新購読者を増やしました。首相辞意の十数時間前は、東京・渋谷の高さ230メートル「渋谷スカイ」で物見遊山していました。縁起が良いので、国会閉幕直後の平日のきのう再訪しました。

 さて、吉川貴盛・元農林水産大臣の大臣室での500万円ですが、急に風向きが変わりました。安倍内閣で2014年現職閣僚で唯一小選挙区敗北、2017年には国会議員でもなくなったのに、内閣官房参与として給料を得てきた、西川公也内閣官房参与がさきほど辞任した、と報じられました。西川さんは日本養鶏協会顧問。そして7月のアキタフーズ社長による豪華クルーズ船接待で、現役の局長が乗っていた可能性も出てきました。

【衆議院農林水産委員会 きょう令和2年2020年12月8日(火)】

 先週土曜日で国会は終わりましたが、例年通り、波静かな雰囲気で、「令和3年度の畜産価格の安定に関する決議」をしました。委員長が関係各所に伝えることになりました。

 質疑では、立憲民主党の石川香織さん(北海道11区)が「馬鈴薯の育ちが今年は良くない」、金子恵美さん(福島1区)が「畜産は担い手不足が深刻だ」と指摘しました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 自民党でJA組織内議員の藤木真也さんは「コロナ禍の農政で、豚牛業者へのマルキン赤字補てんなど、おおむね順当に対応できたのではないか」と評価しました。次期作での高収益作物への転換奨励金が予算と説明が不足し批判されたとはいえ。

 立憲民主党の石垣のりこさんは先輩の森裕子さんも加勢してのっけから追及。吉川貴盛元農相の「大臣室での500万円授受」で面会記録をただしましたが、農水省は「捜査活動にかかわる可能性があるのでお答えできない」と答弁しました。農水省は、国際獣疫事務局(OIE)が「鳥の人権」を強化する、養鶏のアニマルウェルフェアを求めてきたため、農水省が意見書をまとめたとしました。

 国民民主党の舟山康江政調会長は、OIEに対する意見書にアキタ社長の声が反映されているかを問い、農水省生産局長は、他の人と含めて反映されていることを明言しました。舟山さんは「隠せば隠すほどあやしいと思われる」とし、西川公也さんの豪華クルーズ船の件について「調査しない」と理事懇談会で報告を受けたことをあかしました。吉川大臣の面会記録は調査したけど答弁できないのに、西川さんの豪華クルーズ船は「調査しない」ということは、農水官僚にとっては、豪華クルーズ船の方がやましいことがあるのでしょう。鶏卵をめぐっては、2004年に浅田農産の鳥インフルエンザ事件もあり、田舎で儲かるので、情報囲い込み体質があるようです。コロナ禍で苦境にたっている事業者が相対的には少ないとみられる農水省が、2020年の日本の現状を把握できずに接待を受けていて、若手はそれを知らず、農業の現場も分からずにくさっているとなると、この省はいつまでたってもあいもかわらないという印象です。

●あすの予定

 衆議院厚生労働委員会の閉会中審査があります。「県別の病床数」を把握できていない厚労省ですが、情報は貪欲なまでに欲する昨今です。

【閣議など きょう】

 第3次補正予算案の前提となる追加経済対策決定へ。真水の総額が少ないとの批判。また、「後期高齢者2割負担」はずれ込みそうです。年内の防衛計画の大綱に敵基地攻撃能力は言及されない見通し。

【自民党役員会など きのうきょう】

 2020年1月18日(月)召集を、きのう、二階俊博幹事長が明言。火曜日に党本部で開かれた自民党役員会では、菅総裁が追加経済対策に言及しました。

【国民民主党 きょう】

 永田町のシェアオフィスにある党本部で、代表選挙が告示され、玉木雄一郎さん、伊藤孝恵さんが立候補しました。
 
 以上です。

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