【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「永久国債化は有利子で」政府の子会社である日本銀行出身の大塚耕平さんが強調、国民民主党公約に「日銀保有国債の一部永久国債化」盛り込む

2022年05月20日 20時34分06秒 | 経済
[写真]玉木雄一郎代表とともに記者会見する大塚耕平・国民民主党政調会長、共2022年5月20日、衆議院第一議員会館内で、宮崎信行撮影。

 日本銀行が所有する日本国債500兆円のうち一部永久国債化を国民民主党が公約として発表しましたが、大塚耕平政調会長は「個人の見解だ」として「有利子永久国債だ」と語りました。

 きょう令和4年2022年5月20日、衆議院第一議員会館内で開かれた参院選公約発表記者会見で筆者の質問に答えました。

 同党の公約はA4判7ページで、そのうち3ページ目の「政策5 財源の多様化」の中に、「日銀保有国債の一部永久国債化などによる財源を多様化し、確保します」とあります。

 筆者は、この永久国債は有利子か無利子か、仮に有利子ならば、日銀は永久に売上高が見込める唯一の企業になると指摘して質問しました。きょうの会見で唯一、大塚さんが先にマイクを握りました。

 大塚さんは「有利子でやるか、無利子でやるか。実際に運用するとなったときの(日銀と財務省の)協議が必要だと思います。現時点で、私個人のイメージでは、もちろん有利子ですけれども、しかし、それは収入が保証されたという意味にはとってません。日銀は国庫納付金もありますし、国庫納付金をどういう水準にするかというのは政府との協議の結果決まるので、今ご指摘のようなことはあたらないと思います」と語りました。

https://youtu.be/nWDMl_qCBRs?t=1922




 永久国債は現在はまだ実現していません。

 政府の子会社である日銀が所有する日本国債500兆円の一部を、政府の償還期限をなくした「永久国債」とした場合、有利子にすると政府は永久に日銀に利息を払うことになります。例えば、500兆円の1割の50兆円を永久国債化して、その年利が1%ならば、毎年5000億円という巨額の収入が政府から日銀に対してもたらされることになります。

 その一定割合は国庫納付金として政府に戻ります。が割合次第では、巨額の利息収入の一定割合を日銀が得続けることになるかもしれません。

 来年4月8日に任期を迎える黒田東彦さんの次の日本銀行総裁候補は、大塚さんが日銀職員の最後に属した「政策委員会室」というセクションの幹部を経験している人物が複数います。政策委員会室は、政策金融決定会合メンバーと国会との連絡・企画を行うセクションで、日本銀行法改正論にもかかわれる立場にいます。

 このため、次の総裁のもとでの、5年ないし10年間の金融政策決定会合は、永久国債をめぐって、日銀プロパーと財務省などとの綱引きになることも予想されます。

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