[写真]けさの朝日新聞1面トップ。
さあいよいよ、第196回通常国会も会期末を迎えました。
といっても、海の日3連休明けですから、きょうは火曜日です。会期末の7月22日は日曜日。ですから、衆議院本会議の定例日は、あと3回、きょう7月17日火曜日の午後1時から、そして、7月19日木曜日、20日金曜日しかありません。ここで、議運委員長解任決議案と内閣不信任決議案が提出されることは既定論戦。もちろん、前日までに設定すれば、土日も本会議は開けます。
異例の週明けです。古屋圭司・衆議院議院運営委員長のスキャンダルが、朝日新聞1面トップ。これは、4世議員・古屋さんの政治資金パーティーの売り上げが、政治資金収支報告書に過少に記載された疑惑。朝日は、写真を載せた「ノート」と報告書の金額があっていないと指摘。古屋事務所は、このノートが古屋事務所から流出したことを認めました。しかし、ノートは、パー券の送付先のリストと説明。一般的に、事務所はパー券を郵送で一方的に送り、それから銀行に入金するかどうかを決めてもらう、という商慣行。ですが、「ノート」には、金額の記載もあり、1枚当たりの定価は同じはずですから、金額が書いてあるのは不自然です。
いずれにせよ、円満ではないかたちで、最近古屋事務所を去った元秘書がリークしたものとみられますが、その人物の詮索は無用。古屋さんの説明が待たれます。
与野党内外で物議をかもしている、「公職選挙法を改正して参議院選挙で6増0減して比例代表特定枠を一部導入する法案」(196参法17号)は、「衆議院が後議の院」で、けさ9時から委員会を審議し、今週中に衆・本会議で可決・成立するはこびでした。一部では秋の臨時国会でも施行は間に合うとの指摘もあります。既定路線である、衆・議運委員長解任決議案の提出に前後して、交代人事があることもありうる展開に。
古屋さんは当選10回。国政情報センターの「国会議員要覧第一別冊」の最新版では、成蹊大学卒業の国会議員は3名居て、成蹊高校の卒業生は2名。古屋さんは安倍さんは、成蹊高校→成蹊大学→自民党衆議院議員という2人だけのパス。よき兄貴分の側近の古屋さん。入閣が遅れていましたが、2012年の政権再交代による第2次安倍内閣で、満を持して初入閣。背番号「96」を着た安倍首相が東京ドームで「憲法96条先行改正」というメッセージを発しながら始球式をする。このわけのわからないパフォーマンスも古屋先輩が長年育て上げた議連のアピールでした。
会期末週に、衆・議運委員長のスキャンダル報道があるのは、5年前の第183回通常国会でもありました。自民党の佐田玄一郎委員長が、異性の学生と金銭を伴う関係があったのではないかと週刊新潮が報道。参院選を控えて延長がなかったため、佐田さんは「逃げ切りセーフ」でしたが、閉会直後に辞任し、選挙無しに議運筆頭理事が委員長になりました。
上述の通り、衆・議運委員長解任決議案と、内閣不信任決議案の提出は既定路線でしたから、今週は、古屋、安倍「兄弟」が衆で問われる、展開となります。衆参との連携がうまくいかなかった第196回国会ですが、連携がうまくいかないゆえに、野党が会期末に漁夫の利を得るかもしれません。祈りましょう。
泣いても笑っても、第196回通常国会は、残りあと6日間。民主主義では3度も選挙で政権交代した平成の、最後の通常国会会期末。経済社会ではあまりいいことがなかったけど、普通選挙による政権交代が3回もあった「平成デモクラシー」として、そこそこ日本史に残るでしょう。その、平成の、30年の総決算の、6日間。
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Miyazaki Nobuyuki
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