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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

「玉木ショック政局」急転直下、国民が予算案反対の公算、ザイム真理教ラスボス「基礎控除で所得制限」の珍回答に古川元久「2か月ぶりにボールが返ってきたが暴投だ」

2025年02月18日 19時47分20秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]国民民主党の古川元久さん(奥)と浜口誠さん、きょう令和7年2025年2月18日、衆議院第二議員会館内で、宮崎信行撮影=以下同。

 「玉木ショック」政局は、急転直下、国民民主党が予算案に反対に回る公算が高まりました。

 自公国税調会長協議が議員会館内で開かれました。宮沢洋一税調会長は「(案)」というタイトルの1枚ペラを配布。基礎控除に格差をつけて、年収200万円の人(扶養含む)だけ37万円上乗せ、およそ200万から500万円の人は10万円上乗せ(2年間の暫定措置)としました。これにより課税最低限は188万円(基礎、給与所得、社会保険料の控除の合算)になるとする案を示しました。もう一つのガソリン税の暫定税率は今秋の税制改正に先送るとしました。


[写真]自公国税調会長会談のアタマ撮り。

[写真]宮沢税調会長が示した「(案)」と題したペーパー=以下同。


[写真]終了後に自民単独のぶら下がりに応じる宮沢税調会長。

[写真]国民単独のぶら下がりに応じる、古川税調、浜口政調両会長、机上のペーパーモザイク。

 古川さんは「3か月ぶりの開催で、ボールは帰ってきたが暴投だ。キャッチできるようにまた明日夕もやりとりがあるけど、公明党さんも初めて聞いたとのことだ」といつもの口調ながらも、強い憤りを表明しました。古川さんは「基礎控除に所得制限を設けて新たな壁を設けるのは理屈にあわない」としました。記者団からの予算案に反対するのかとの問いには、あすの党の税調の全体会合での議論と夕方の3党協議次第だと前置きしつつも、反対に回るとのニュアンスを強めました。

 同党はあす正午から両院議員総会を開き、その後、税調会の全議員協議を行う予定。半数が1回生なので、古川、浜口両幹部の意見の通りにまとまるでしょう。

 この動きは、石破総裁、森山幹事長、小野寺政調会長とも連絡がとれていないと推測され、ザイム真理教とも揶揄される財務省の一部からも見放されるかもしれません。

 自民政調事務局は昨秋と違い、アタマ撮りの時間を長くとったほか、驚いたことに、自民単独ぶら下がりのときに、廊下側の扉が開いていました。議員会館の会議室に引きずりだされて「私もSNSをやりたい」と発言するまでになったラスボス宮沢洋一税調会長ですが、複雑怪奇な税制で、もはやザイム真理教のラスボスどころか、広島2人区の複雑やくざの様相。石破さんは宮沢邸におしかけて、説得したらどうだ。


[写真]蚊帳の外に置かれた公明党の赤羽一嘉税調会長はアタマ撮りで謎の笑顔。

 ところで、公明党の赤羽一嘉税調会長は竹内元政調会長とともに、謎の笑顔。SNSで「300ミリリットルの水が160円もする、JR東海のサービス感覚はどうなっているのか」とポストし、神戸市議が引用りポスト。関西地方出身の議員は「今、車内販売がグリーン車だけだということも知らずにポストしたのではないか」とあきれ、元国土交通大臣だからJR東海に連絡すれば社長が飛んでくるだろう、庶民感覚をアピールしようとしたのだろうが当選11回にもなるとずれているとの複数の角度からの批判で炎上しました。宮沢さん、後藤さん、古川さんらが東大卒の財務官量で、前任に西田幹事長と違って赤羽さんはちんぷんかんぷんでストレスが溜まっていたことも考えられます。



[写真]自公立政調会長会談の、自民の小野寺政調会長、公明の岡本政調会長、立憲の重徳和彦政調会長、城井崇代理、後藤祐一国対代理、奥野総一郎・予算委理事。

 時間差で、立憲の修正パッケージをめぐる第2回自公立政調会長会談が開かれました。ここでは基金の減額に関して、与党が省庁に聞いたヒアリングの結果などが示され、今後も協議することになりました。ガソリン税暫定税率でゼロ回答だったことを、この時間帯に小野寺さんが知らなかった可能性もあります。

 現在、参院選に向けては、各県の内側で、前衆院議員が違う政党から出たいと水面下で働きかけるケースが相次いでいます。中には現職が他の党に働きかけていることもあります。

 予想外の国民民主党の予算反対の可能性で、予算は年度内に修正成立するでしょうが、参院選に向けて、かつていない、半熟ゆで卵のような大流動政局となりそうです。

 これとは別に、昼の常任幹事会で設置が決まったばかりの「選択的夫婦別姓実現本部・会派法務部門合同会議」が開かれ、野田佳彦代表があいさつしました。

[写真]立憲民主党の会派法務部門と党選択的夫婦別姓実現本部の合同会議で挨拶する野田佳彦代表。

 野田さんは、法務部門に出席するのは四半世紀ぶりだとして、国対の関係で出席した前回は「イソベン(事務所居候弁護士)がわからなかった」と語ると、法曹出身者も多い1期生(合計で38名のうちの一部)らから、ひたむきさが感じられたよめきがあがるなど、文化祭実行委員会みたいな感じになっていました。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年2月18日(火)】
 「令和7年度予算案」は12日目で、一般的質疑7日目(省庁別審査3日間を含む)。立憲の森山浩行・国対副委員長は修正協議の行方をみすえた質疑。また、水をこぼした際に、委員部員と奥野総一郎予算委理事がかけより、安住淳委員長が加藤勝信財務大臣の答弁を制して時間を止めた動画が「やさしい世界」と題されて切り抜かれ、現職地方議員らが好意的に反応しました。奥野さんは森山さんより2期上ですが、初当選同期。同期会は、玉木さんは来ないようですが、奥野さん森山さんらは他の政党の現職や一部元職も含めて継続しています。

 維新の梅村聡さんは、老人ホームへの紹介料で「高齢者の値付け」がされているとの報道で政府をただし、問題意識が共有されました。あすは集中審議2本目「政治資金問題等」7時間コース。参側では政倫審もあります。

【衆議院本会議 同日】 
 「地方税法改正案」(217閣法2号)。今年も重要広範議案には指定されていないので、村上総務大臣がほとんど一人で発言し「臨財債は制度開始以来初めて新規発行ゼロになった」と語りました。

【衆議院財務金融委員会】
 「所得税法など改正案」(217閣法1号)の法案審査で野党の順となりました。上述の基礎控除と給与所得控除は「103万円から123万円に改正する」条文が盛り込まれています。自公国が決裂するとまさかの政府原案のまま採決ということもあるかもしれません。重大な政治判断までさほど時間はありません。

【衆議院総務委員会】
 「地方税法改正案」(217閣法2号)と「地方交付税法改正案」(217閣法3号)の趣旨説明。次回はあさって9時。

【衆議院政治改革特別委員会】
 総務大臣と警察庁の政府参考人から第50回衆院選のまとめを聞きました。この後、参考人質疑が渡辺周委員長に一任されました。報道では、2つの県選管の職員が意見を述べることになりそうです。地方公務員の国会での参考人は異例で、二馬力選挙とポスター品位の2つに関する議論が国会でも始まることになりました。

【国会改革に関する衆議院協議会】
 これまで書き漏らしていましたが、浜田靖一議院運営委員長と各党の国対幹部による国会改革の協議会が立ち上がりましあ。坂本国対委員長を飛び越えて、議運委員長がおぜん立てをするのは異例ですが、来年2月の国勢調査速報値による定数是正などの立法措置の時期をみすえた議論がなされます。すぐにできる国会改革はすぐ実行されることになります。

●あすは水曜日10時の定例で、参議院本会議が開かれ、国会同意人事案の採決が行われ、衆側と同じく同意されます。上述の政倫審のほか3つの調査会も開かれます。

【定例閣議】
 第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました。再生可能エネルギーが最高割合となりましたが、そもそも生成AIと半導体で電力の需要が増えるという前提にした省エネから転換した基本計画となりました。

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「自民、維新に次いで3位」だった男性を参・奈良選挙区に回す、小沢一郎氏調整か立憲民主党常任幹事会「対自民裏金女性現職」の三重では女性県議擁立

2025年02月18日 13時00分34秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]小沢一郎衆議院議員、宮崎信行撮影。

 立憲民主党は、定例の常任幹事会を、正午から衆議院本館内で開きました。同党の常任幹事会が衆議院本館内で開かれるのは2020年の結党以来おそらく初めて。予算委と本会議、代議士会の日程に配慮したようです。

 また、「公認内定辞退」が2人決まりました。直前を含めても初めてかもしれません。山梨の男性甲府市議と、奈良3区での公認内定辞退が決まりました。

 参議院奈良選挙区に男性社長新人49歳の川戸康嗣さんを公認内定。きょねん10月の奈良3区では「自民、維新、立憲」の順となっていました。小沢一郎衆議院議員が近畿2府4県での立維の候補者調整をしているとみられます。

 参議院1人区では、青森で元青森テレビ勤務の新人女性社長59歳の福士さん、三重で64歳女性の小島県議も公認され上述の奈良・川戸さんとあわせて擁立が進んでいます。

 参院選擁立作業のここまでの女性比率は45%。3年前の泉代表・西村幹事長は「女性候補50%目標」を早くに掲げてしまってそうとう苦労し、最後の最後に、高知、徳島両県連から主体的に各々の女性県連職員の比例擁立の提案で救われたかっこうとなり、党内勢力にさざ波を立ててしまいました。

 三重の自民党現職女性は清和会裏金議員で、既に公認されていますが衆院選で雲隠れしたのか1区から4区までのどこにもあらわれなかったとの情報もあり、9年ぶりの議席奪還もあるかもしれません。

 「選択的夫婦別姓実現本部」の役員案も了承。当たり前ですが、西村ちなみ衆議院法務委員長は、このメンバーからは漏れました。

 次回は来週。

 ◇ 自民党は、長野選挙区に34歳女性で、長野市本籍、横浜市育ちで外務省に入省した藤田ひかるさんを公認する見通し。現職の立憲・羽田次郎さん、参政党新人の3人が1議席を争うことになります。

 さらに驚くべき情報が入ってきました。小島県議は桑名市選出ですが、日教組(三教組)組織内だったことがわかりました。これまで参院選では選挙区は岡田克也陣営を主流とした津の選対と、比例代表の三教組選対は全く別の場所にあり、相互不可侵が貫かれていました。岡田系が過去1勝3敗になったため、三教組から候補者が出て、みんな一丸になって必死に議席を取り戻そうという選挙になります。小島選対に、岡田事務所が加わるかどうかは現時点では不明です。岡田さんは6年前は、比例代表ではUAゼンセン組織内で、史上初めてイオン労働組合から選ばれた田村まみさんを応援しましたが、田村さんは国民民主党所属であることから、行動は変化することが考えられます。私も半年ほど日教組批判を弱めますので、ご了解ください。
 
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