[写真]外相に内定した岩屋毅さん、30年前は石破茂さんとともに政治改革の若きスターで、7年の浪人後に国政復帰して以降は印象が違うとの指摘もあるが、世代交代の時計の針が逆に回って国際舞台に上がることになりました。2024年9月26日、宮崎信行撮影。
第214回臨時国会はきょう召集されました。黄金の3年間とトリプル党首選が終わり、政局は流動化のさいちゅう。トリプル新党首の顔ぶれも年内から来年の参院選に向けて1人変わるかもしれません。石破首相が解散総選挙に負けたら、かつて「金がないから解散しないでほしい」と進言した羽田孜首相の64日間より短い在任期間となります。世代交代の時計の針が逆回転したことで、おじいさんたちのガラスの天井が壊れて、明るい雰囲気の界隈もあります。
【衆議院本会議 きょう令和6年2024年10月1日(火)】
今朝の閣議で総辞職した岸田文雄さんに代わる首班指名選挙は、投票総数461、石破茂291、野田佳彦100、馬場伸幸45、田村智子10、玉木雄一郎7、吉良州司5、山本太郎3で、石破自民党総裁が当選しました。なお、物品を掲げた大石あきこ議員が衛視執行で降壇させられてました。当ニュースサイトが2017年に創刊してから、衛視執行で降壇は初めて。過去にはPKO協力法をめぐる議運委員長解任案の賛成討論で菅直人議員が衛視執行で降壇させられました。石破議員はこのことを「ルールを守らない人だと思った」と首相となった菅さんに語りかけました。
これに先立ち、議院運営委員長に浜田靖一さん、決算行政監視委員長に安住淳さんが選ばれました。さる9月25日に、決算・行政監視委委員長だった小川淳也さんが立憲民主党幹事長になったため辞任していました。なお「議会雑費(委員長手当)」月18万円はきょねん廃止されているので、小川議員の月収は減りません。
首班指名に先立つ「会期を9日間とする件」が多数決となりました。「会期の件」は衆参で議題となりますが、衆の議決が国会の議決となります。反対討論には小川幹事長1人が立ちました。
小川幹事長は次のように語りました。
「立憲民主党・無所属の小川淳也です。私は野党各党を代表し、今国会会期を9日間とすることに断固反対の立場から討論いたします。まず石破新総裁に申し上げます。なぜ昨日、いまだ内閣総理大臣でないにもかかわらず、衆議院の解散と総選挙の日程を明らかにしたのですか。前代未聞異例中の異例の発言は、国会軽視も甚だしく、三権分立を含め、憲法上の疑義を生じさせかねない異常な発言であり、潔く、そして直ちに謝罪と撤回を求めるものであります」。
「自民党総裁選期間中を通して、国民の判断材料を提供することが新総裁の責任、本当のやり取りは予算委員会である。これはあなた自身の言葉ではありませんか。さらに一昨年7条解散は憲法論の観点から守べきではないと発言し、加えて昨年、解散は政権の延命や党利党略で行われるべきものではない。あなた自身が記した言葉ではありませんか。まさに有言不実行、現行不一致ここにいたってはもはや嘘つきのそしりすら免れないのではありませんか」。
「第一に、能登半島地震および能登半島で発生した豪雨災害における被災者支援、復旧復興のために、早急に補正予算を編成し、成立させることを求めます。第二に、所信表明演説に対する代表質問の後、予算委員会で新任各閣僚の資質を含め、十分な質疑を行うことを求めます。第三に、政治倫理審査会を再開し、弁明の求めに応じていない衆議院議員43名、参議院議員29名、合わせて72名が出席をし、弁明することを求めます。第四に、旧統一教会と自由民主党の組織的な問題について、自由民主党が再調査を行い、国会に報告することを求めます。加えて、旧優生保護法に関する被害者救済新法を早急に成立させることは公職選挙法のポスター規制と、速やかに法案を提出すること。これはいずれも今国会で早急に議論するべきこと」だと小川さんは語りました。
多数決で9日間とすることが決まりました。
特別委員会は設置されませんでした。
【参議院本会議 同日】
前任者入閣予定に伴い、議院運営委員長に牧野京夫さんが選ばれました。参議院改革協議会ではこれまでも座長でした。公明党人事に伴い、宮崎勝・総務委員長、若松謙維・法務委員長が選ばれました。公明党の参・法務委員長は半世紀以上続いています。
[写真]牧野京夫・参議院議院運営委員長、3年前の2021年9月、自民党大会ホテルで、宮崎信行撮影。
上述の通り、「会期の件」は衆の議決が国会の議決になります。が、立憲民主党中央代表選挙管理委員長として「締め切り1分前に吉田はるみ陣営の書類を受け取る」といったさわやかな風を吹かせたことが一部界隈に強烈な印象をもたらした吉川さおり議運筆頭理事が討論に立ちました。なお、前日、NTT幹部職員出身の団塊の世代男性が清和会事務局長の立場で禁固3年執行猶予5年となりました。もともと大卒女性新規採用をしていたNTTでは、吉川さんは就職氷河期ながら採用されつつも、政治家を志して先に退職してから、その後、党の公募窓口の仲介でNTT労組から支援され国会議員をしています。来夏改選となります。
吉川さんは
「立憲民主・社民・無所属の吉川沙織です。私は今期国会の会期に関する件について、本日から10月9日までの会期とすることに反対の立場から討論を行います」。
「今期国会は岸田内閣総理大臣が自由民主党総裁の任期満了を迎えるにあたり、総裁選挙の不出馬を表明し、自民党の総裁が交代するとの状況の中で召集されたものであり、本日本院としても岸田内閣総辞職の通知を受領し、その旨、今朝9時30分の議院運営委員会理事会で報告を受けたところです。一方で、新たに選出された自民党総裁は、昨日の記者会見において衆議院を解散し、10月27日に総選挙を行う意向を表明しています」。
「本年6月21日に、常会が事実上の閉会を迎えてから3ヶ月以上経過し、8月14日に岸田内閣総理大臣の自民党総裁選挙の不出馬表明があってからは特に、現に生じている国政の課題への対応は停滞していると言わざるを得ません」と語り、自民党政権の能登と国会軽視を批判しました。
●開会式はきょうは開かれません。
天皇陛下の開会式はきょうは開かれません。およそ101年前の「虎ノ門事件」の教訓から、戦前の「議院法」と違い、戦後の「国会法」は召集詔書が出た日から自動的に会期がカウントされるので、召集当日に開会式を開く法的必要性はありません。
●人事院勧告実施法案提出されず
きょう閣議では、法案などは決定されませんでした。衆議院議案課によると、きょう提出された閣法はなく、当然、「人事院勧告実施のための給与法案」も提出されませんでした。法案は次の国会以降に持ち越されそうです。
●皇居 親任式
きのうまで「親綬式」と間違えていました。「親任式」が5時40分過ぎから開かれたので、石破茂内閣総理大臣が就任しました。くどいですが、第50回衆院選で負けると、辞任から1週間程度の両院議員総会で次期総裁選出となりますので、羽田孜首相より短い在任期間となります。
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