【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さん「黙って聞け!」と言いながら、28秒間沈黙 大島理森議長「討論を続けてください」

2016年04月28日 21時53分19秒 | 岡田克也、旅の途中

[画像]衆議院インターネット審議中継内の動画からスクリーンショット。

 野党・民進党の岡田克也代表(ネクスト総理)が平成28年2016年4月28日(木)の衆議院本会議で、与党・自民党議員に

 「黙って、聞け」と発言。

 その後、一瞬だけ「2012年~~」と言った後、28秒間にわたり沈黙する場面がありました。

 黙って聞けと言いながら、本人は28秒間沈黙。

 この後、「今から説明するから黙って聞きなさい」と語りました。

 この間、大島理森衆議院議長は、岡田さんが「黙って聞け」と言った直後に「静粛にしてください」と発言。

 その後の28秒間の沈黙中には何も発言せず、岡田さんがしゃべりだした途端に「討論を続けてください」と述べました。

 岡田さんが自民党席を黙らせたのは、外相時代の平成22年2010年2月4日の、自民党の石原伸晃幹事長に対する答弁以来=下に掲載=。

 ところで、大島議長とのやりとりには伏線がありました。

 民進党は3月29日、大島理森衆議院議長に結党あいさつに行っています。この時の映像は、民進党YouTubeサイトに頭撮りのわずかな部分だけ公開されています。

 このとき、岡田克也代表と、江田憲司代表代行、蓮舫代表代行、長妻昭代表代行と目で見てすぐわかる通り、3人の代表代行を従えているのにもかかわらず、どういうわけか、大島議長は「代表代行は2人ですか?」と質問。

 参議院議員の蓮舫代行が、「3人です」と説明する場面がありました。

 
[画像]民進党YouTubeサイト内動画からスクリーンショット、吹き出しは筆者・宮崎信行が追加。

 大島議長のジャブに、本会議上で岡田さんが返した格好です。









[当ブログ内から関連エントリー引用はじめ]

【代表質問】岡田大臣、仁王立ち 石原さんに 二大政党制幕開け

2010年02月04日 15時54分05秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

【政府4演説に対する代表質問 2010年2月1日~3日 衆参本会議】

 1月29日の鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、唐突にガンジーの話が出てくるなど不出来なものでした。

 しかし、それを受けて、衆参で2月1日~3日に行われた代表質問は内容が濃いものとなり、私は存分に満足しました。

 特に与野党の実力者の振る舞いから、二大政党制の幕開けを感じることができたのがうれしかったです。

 2月1日の衆院本会議では自民党の石原伸晃さんと民主党の岡田克也外相の同期当選対決がありました。石原元国交相がアフガニスタン支援は「小切手外交だ」「大盤振る舞いだ」と挑発すると、答弁に立った岡田外相は、議員席からヤジを飛ばす石原元国交相をにらみつけ、仁王立ちになり、およそ10秒沈黙した後、左手で「静粛にしてください」と制しました。(冒頭の写真)

 
[画像]岡田外相の答弁を聞く、石原元国交相ら自民党=衆院インターネット中継からキャプチャー

 岡田外相は、アフガニスタン支援のうちの「20億ドルは麻生政権のもとで決定されたものであります」と、畳みかけました。

 これまでは与党の大臣は、少しでも早く予算を通して欲しいと野党を牽制することは見られませんでした。石原質問では、「国民は政権交代ある二大政党制をのぞんだのであって、民主党をのぞんだのではない」という昨年夏の総選挙の的確な総括がありました。

 岡田さんとしても、早ければ3年以内に、自民党に政権を奪われてしまうかもしれないという考えがあるはずです。

 1990年の第39回総選挙で、岡田克也さんは自民党公認候補として、石原伸晃さんは公認漏れの無所属候補として初当選をしました。その後一貫して自民党にいる石原さんは行革担当大臣、国交大臣、政調会長とつねに日の当たる坂道を昇ってきました。一方の岡田さんは、石原大臣に大きく水をあけられ、政務次官すら経験することなく野党一筋15年に耐えてきました。

 施政方針演説の後、岡田外相が登壇し、外交演説を始めると、民主党の「小沢チルドレン」、最近では別名「フラワーロック隊」とも揶揄されていますが、「小沢チルドレン」からの拍手が少なくなりました。岡田外相のことを個人的に知る議員は少ないし、拍手をすると、一新会から叱られると思ったのでしょう。しかし、20分間の演説の後半になると、拍手はどんどん大きくなっていき、間の手も増えました。ひな壇の菅直人副総理がそれを悔しそうに見ていました。小沢チルドレンにも生活があります。次の選挙で落選したら無職です。鳩山総理のイマイチな演説の後、岡田さんが良い演説をしたので、岡田さんに次の選挙などでの活路を見いだしたのでしょう。

 ◇

 これに先立ち質問に立った谷垣禎一・自民党総裁は、民主党の「小沢独裁」を批判。「国民にとってこの4カ月余りの新婚旅行はいかがなものだったでしょうか」「仲人がいつの間にか影のように寄り添い、旅行計画は好き放題に変えられ、約束されたおみやげも買えませんでした」とレトリックを交えて指摘しました。これは谷垣さんの言うとおりだと、私は思います。

 谷垣さんは「総理、小沢独裁と呼ばれる現状にあって、あなたは本当にこの国の為政者なんですか」と呼びかけました。

 2月2日の参院本会議では、参院らしさがありました。参院自民党の谷川秀善幹事長が答弁者として総理の他に、同じ参院議員で、関西出身の直嶋正行・経産相を指名しました。

 その一方で、輿石東・民主党参院議員会長が岡田外相に2問質問するという異例の出来事がありました。輿石さんは国から参院会派へ振り込まれていた立法事務費を党本部に上納するよう岡田さんに言われて大げんかになったことがあり、不仲で知られています。輿石さんは7月に改選を迎え、落選の可能性もあるので、岡田さんに秋波を送ったのかもしれません。

 2月2日の衆院本会議2日目では、公明党の井上義久幹事長がガンジーについて熱弁。高校時代に伝記を読み発憤し、大学で学びながら、セツルメント活動をしたということですから、「昨年12月インドに行きました」だけの鳩山演説が許せなかったのでしょう。ただ、ここは国会論戦の難しいところ。ガンジーで攻めて攻めて、「ガンジー解散」にはなりません。持ち時間の中で、自分の志をぶちながら、いやみったらしく与党を攻めなければいけないんですね。井上幹事長は赤松広隆農相に、本会議で取り上げるほどとは思えない質問をしました。赤松さんは野党・民主党の選対委員長時代から、たびたび公明党との協力に言及しており、赤松さんと公明党の距離感の近さが実証されました。これはこれで、赤松さんの力なんだなあ。僕も少し大人になりましたよ。

 与党・社民党の重野安正幹事長は、社民党党首の福島みずほ国務大臣にたくさん質問しました。そして、答弁に立った前原誠司・国交大臣は「(社民党の)辻元清美副大臣を中心にやってもらっています」とリップサービスをしました。

 みんなの党の渡辺喜美代表が「国債整理基金に積みます必要がないのではないか」への菅財務相の答弁は、官僚原稿棒読みだし、内容も納得できないし、そもそも理解していないのがハッキリしていました。この財政状況では、国債整理基金の積み増しは必要なく、それを“フローの埋蔵金”として使うべきだと思います。これは予算審議の中で、また書いていこうと思います。

 2月3日の参院本会議2日目は、2人の質問者が「友人の自殺」に触れるという異例の展開となりました。とくに自民党議員から「建設業の友人の自殺」を引き合いに「コンクリートから人へ」の撤回を迫るというなんとも難しい提案がありました。こういうときこそ、人間として信頼できる強いリーダーシップが必要だと思います。

 吉田茂さん、佐藤栄作さん、中曽根康弘さんら戦後長期政権を実現した首相はみんな性格が悪いです。そして、性格が良い首相は短命政権になります。その例は羽田孜さんです。岡田さんは当選2回生としてそれを目の当たりにしています。

 岡田さんには、どんどんどんどん、嫌なやつになってほしいと思います。追いかけていく人は必ずいますから。

[当ブログ内から関連エントリー引用おわり] 

 この記事の本文は以上です。 

昭和19・20年度朝鮮総督府特別会計決算が審議入り、改正児扶手法週明け成立へ【4月28日(木)】

2016年04月28日 19時43分19秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真](おととしの)5月1日の国会議事堂、筆者・宮崎信行撮影。

 連休入りかと思いきや、週明け月曜日5月2日に、参議院では本会議などが入るようです。衆議院は休み。

 特商法・消契法の改正案は思いがけず2日間で採決され全会一致で可決。児童扶養手当法改正案も参委で可決し、月曜日成立へ。

【平成28年2016年4月28日(木)】

【衆議院決算行政監視委員会】

 「平成26年度決算」と「平成26年度予備費使用総調書その1」及び「その2」、そして、「昭和19年度朝鮮総督府特別会計決算」と「昭和20年度朝鮮総督府特別会計決算」が審議入り。麻生太郎財務相が趣旨説明し、河戸会計検査院長が検査報告しました。

 この昭和19年度ないし20年度の朝鮮総督府特別会計というのは、麻生さんの説明によると、戦後の動乱で会計資料が散逸したため、昭和21年(1946年)の法律で決算承認の延期が認められていたそうです。なお、財務省の予算書・決算書データベースにこれは載っていないのですが、財務省のウェブサイトに概要が載っています。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会】

●特商法と消契法の改正案は、今国会成立の気配

 意外にも、「特定商取引法改正案」(190閣法44号)「消費者契約法改正案」(190閣法45号)の質疑が終局。採決の結果、全会一致で可決しました。消費者庁執筆法案はたいていの場合全会一致です。今国会成立の気配が出てきました。

【参議院厚生労働委員会】

●改正児童扶養手当法は週明け月曜日に成立

 「児童扶養手当法改正案」(190閣法26号)が全会一致で可決しました。週明け5月2日(月)に成立、10月1日施行、12月支給分から適用。

【衆議院本会議】

 本会議ではまず、平成28年春の統一補欠選挙で初当選した議員の紹介。

 「地球温暖化対策推進法改正案」(190閣法51号)の委員会審査結果が報告され、「昨年末のCOP21パリ協定条約により、国内のCO2を4割削減しなければならない」。採決は民進党・共産党が反対し、自民党と公明党が賛成して賛成多数で可決し、参議院に送られました。

 「森林法改正案」(190閣法50号)は共反対、自公民賛成、「合法伐採木材等の流通法案」(190衆法29号)は全会一致で可決し、参に送られました。

 「国家戦略特区法改正案」(190閣法53号)は民共反対、自公賛成多数で可決し、参へ。

 自公が提出した「衆区割り審設置法及び公職選挙法改正案」(190衆法26号)と、民が提出した「衆区割り審設置法及び公職選挙法改正案」(190衆法25号)。討論では、民進党の岡田克也さんが自の若手議員に対して「黙って聞け!」と諭す場面がありました。採決の結果、自公案が賛成多数で可決し、参へ。民進党案は廃案。

 「フィンテックとビットコインの銀行法及び資金決済法改正案(190閣法43号)」は共反対、自公民賛成多数で可決し、参送付。

 「宅建業法改正案」(190閣法34号)は全会一致で可決し、参へ。

 「日独租税協定の承認を求めるの件」(190条約4号)「日本チリ租税条約の承認を求めるの件」(190条約5号)「日印租税条約の改定議定書の承認を求めるの件」(190条約6号)は、おのおの、共反対、自公民賛成で承認し、参へ。私の認識では、「条約と協定」の国際法上の定義は無いと思いますが、外務省がどういう考えで、条約と協定を使い分けているのか、説明してほしいところです。たぶん同省の体質からして、できないと思います。

【参議院外交防衛委員会】

 「日本オマーン投資協定の承認を求めるの件」(190条約2号)と「日本イラン投資協定の承認を求めるの件」(190条約3号)が審議入り。なお、衆では一体だった、日本イラン受刑者移送協定は、審議入りせず。毎国会、参外防委で繰り広げられる与野党の駆け引きが始まりました。今国会はもうTPPは参に来ないし、防衛省の法案はありませんので、ほどほどにがんばってくださいね。

【参議院文教科学委員会】

 「JSC法およびtoto法改正案」(190閣法31号)が共反対、自公民賛成多数で可決しました。週明け月曜日に成立。この法案は公布日に施行ですので、ひょっとすると、5月6日(金)に公布、施行かも?補正予算案編成など、霞が関は今年はゴールデンウィークは忙しいようです。

【参議院国土交通委員会】

 「流通総合効率化法改正案」(190閣法14号)が、共反対、自公民賛成多数で可決しました。週明け月曜日成立。 共産党は討論で「省力化が進み過ぎると、雇用が無くなる」と語りました。

【参議院法務委員会】

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)。報道によると、週明けにヘイトスピーチ規制法案が与野党合意で可決するはこび。1年以上にわたるたたかいが結論に近づいて来たようです。

【参議院内閣委員会】

 「特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案」(190閣法32号衆修正)が審議入り。答弁は島尻科技相。衆委での宇宙法案とともに、連休明けは衆参とも島尻大臣が答弁することになります。

【参議院経済産業委員会】

 「使用済み核燃料再処理法改正案」(190閣法17号衆修正)が趣旨説明されました。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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