[画像]衆議院インターネット審議中継内の動画からスクリーンショット。
野党・民進党の岡田克也代表(ネクスト総理)が平成28年2016年4月28日(木)の衆議院本会議で、与党・自民党議員に
「黙って、聞け」と発言。
その後、一瞬だけ「2012年~~」と言った後、28秒間にわたり沈黙する場面がありました。
黙って聞けと言いながら、本人は28秒間沈黙。
この後、「今から説明するから黙って聞きなさい」と語りました。
この間、大島理森衆議院議長は、岡田さんが「黙って聞け」と言った直後に「静粛にしてください」と発言。
その後の28秒間の沈黙中には何も発言せず、岡田さんがしゃべりだした途端に「討論を続けてください」と述べました。
岡田さんが自民党席を黙らせたのは、外相時代の平成22年2010年2月4日の、自民党の石原伸晃幹事長に対する答弁以来=下に掲載=。
ところで、大島議長とのやりとりには伏線がありました。
民進党は3月29日、大島理森衆議院議長に結党あいさつに行っています。この時の映像は、民進党YouTubeサイトに頭撮りのわずかな部分だけ公開されています。
このとき、岡田克也代表と、江田憲司代表代行、蓮舫代表代行、長妻昭代表代行と目で見てすぐわかる通り、3人の代表代行を従えているのにもかかわらず、どういうわけか、大島議長は「代表代行は2人ですか?」と質問。
参議院議員の蓮舫代行が、「3人です」と説明する場面がありました。
[画像]民進党YouTubeサイト内動画からスクリーンショット、吹き出しは筆者・宮崎信行が追加。
大島議長のジャブに、本会議上で岡田さんが返した格好です。
[当ブログ内から関連エントリー引用はじめ]
【政府4演説に対する代表質問 2010年2月1日~3日 衆参本会議】
1月29日の鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、唐突にガンジーの話が出てくるなど不出来なものでした。
しかし、それを受けて、衆参で2月1日~3日に行われた代表質問は内容が濃いものとなり、私は存分に満足しました。
特に与野党の実力者の振る舞いから、二大政党制の幕開けを感じることができたのがうれしかったです。
2月1日の衆院本会議では自民党の石原伸晃さんと民主党の岡田克也外相の同期当選対決がありました。石原元国交相がアフガニスタン支援は「小切手外交だ」「大盤振る舞いだ」と挑発すると、答弁に立った岡田外相は、議員席からヤジを飛ばす石原元国交相をにらみつけ、仁王立ちになり、およそ10秒沈黙した後、左手で「静粛にしてください」と制しました。(冒頭の写真)
[画像]岡田外相の答弁を聞く、石原元国交相ら自民党=衆院インターネット中継からキャプチャー
岡田外相は、アフガニスタン支援のうちの「20億ドルは麻生政権のもとで決定されたものであります」と、畳みかけました。
これまでは与党の大臣は、少しでも早く予算を通して欲しいと野党を牽制することは見られませんでした。石原質問では、「国民は政権交代ある二大政党制をのぞんだのであって、民主党をのぞんだのではない」という昨年夏の総選挙の的確な総括がありました。
岡田さんとしても、早ければ3年以内に、自民党に政権を奪われてしまうかもしれないという考えがあるはずです。
1990年の第39回総選挙で、岡田克也さんは自民党公認候補として、石原伸晃さんは公認漏れの無所属候補として初当選をしました。その後一貫して自民党にいる石原さんは行革担当大臣、国交大臣、政調会長とつねに日の当たる坂道を昇ってきました。一方の岡田さんは、石原大臣に大きく水をあけられ、政務次官すら経験することなく野党一筋15年に耐えてきました。
施政方針演説の後、岡田外相が登壇し、外交演説を始めると、民主党の「小沢チルドレン」、最近では別名「フラワーロック隊」とも揶揄されていますが、「小沢チルドレン」からの拍手が少なくなりました。岡田外相のことを個人的に知る議員は少ないし、拍手をすると、一新会から叱られると思ったのでしょう。しかし、20分間の演説の後半になると、拍手はどんどん大きくなっていき、間の手も増えました。ひな壇の菅直人副総理がそれを悔しそうに見ていました。小沢チルドレンにも生活があります。次の選挙で落選したら無職です。鳩山総理のイマイチな演説の後、岡田さんが良い演説をしたので、岡田さんに次の選挙などでの活路を見いだしたのでしょう。
◇
これに先立ち質問に立った谷垣禎一・自民党総裁は、民主党の「小沢独裁」を批判。「国民にとってこの4カ月余りの新婚旅行はいかがなものだったでしょうか」「仲人がいつの間にか影のように寄り添い、旅行計画は好き放題に変えられ、約束されたおみやげも買えませんでした」とレトリックを交えて指摘しました。これは谷垣さんの言うとおりだと、私は思います。
谷垣さんは「総理、小沢独裁と呼ばれる現状にあって、あなたは本当にこの国の為政者なんですか」と呼びかけました。
2月2日の参院本会議では、参院らしさがありました。参院自民党の谷川秀善幹事長が答弁者として総理の他に、同じ参院議員で、関西出身の直嶋正行・経産相を指名しました。
その一方で、輿石東・民主党参院議員会長が岡田外相に2問質問するという異例の出来事がありました。輿石さんは国から参院会派へ振り込まれていた立法事務費を党本部に上納するよう岡田さんに言われて大げんかになったことがあり、不仲で知られています。輿石さんは7月に改選を迎え、落選の可能性もあるので、岡田さんに秋波を送ったのかもしれません。
2月2日の衆院本会議2日目では、公明党の井上義久幹事長がガンジーについて熱弁。高校時代に伝記を読み発憤し、大学で学びながら、セツルメント活動をしたということですから、「昨年12月インドに行きました」だけの鳩山演説が許せなかったのでしょう。ただ、ここは国会論戦の難しいところ。ガンジーで攻めて攻めて、「ガンジー解散」にはなりません。持ち時間の中で、自分の志をぶちながら、いやみったらしく与党を攻めなければいけないんですね。井上幹事長は赤松広隆農相に、本会議で取り上げるほどとは思えない質問をしました。赤松さんは野党・民主党の選対委員長時代から、たびたび公明党との協力に言及しており、赤松さんと公明党の距離感の近さが実証されました。これはこれで、赤松さんの力なんだなあ。僕も少し大人になりましたよ。
与党・社民党の重野安正幹事長は、社民党党首の福島みずほ国務大臣にたくさん質問しました。そして、答弁に立った前原誠司・国交大臣は「(社民党の)辻元清美副大臣を中心にやってもらっています」とリップサービスをしました。
みんなの党の渡辺喜美代表が「国債整理基金に積みます必要がないのではないか」への菅財務相の答弁は、官僚原稿棒読みだし、内容も納得できないし、そもそも理解していないのがハッキリしていました。この財政状況では、国債整理基金の積み増しは必要なく、それを“フローの埋蔵金”として使うべきだと思います。これは予算審議の中で、また書いていこうと思います。
2月3日の参院本会議2日目は、2人の質問者が「友人の自殺」に触れるという異例の展開となりました。とくに自民党議員から「建設業の友人の自殺」を引き合いに「コンクリートから人へ」の撤回を迫るというなんとも難しい提案がありました。こういうときこそ、人間として信頼できる強いリーダーシップが必要だと思います。
吉田茂さん、佐藤栄作さん、中曽根康弘さんら戦後長期政権を実現した首相はみんな性格が悪いです。そして、性格が良い首相は短命政権になります。その例は羽田孜さんです。岡田さんは当選2回生としてそれを目の当たりにしています。
岡田さんには、どんどんどんどん、嫌なやつになってほしいと思います。追いかけていく人は必ずいますから。
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